NPO法人美濃の森造隊だより

人と森林との最適な関係を探るため、岐阜県恵那市を中心に人工林の間伐をしながら森造りを行なうグループの活動報告です。

朝霧(12月27日)

2009年12月28日 | 間伐
朝、町は霧に覆われていました。
恵那では11月頃よく霧に覆われ、晩秋の風物詩です。
ところが今年は、12月も押し詰まったこんな朝も霧に覆われました。
今日は野井の現場に切り捨ててあった間伐材を少し片付ける事にしました。
材が一部水路を塞いでいましたし、現場が道路沿いで民家も近く比較的人の目に触れる場所でもあるからです。
霧の中を現場に向って車を走らせていると標高が上がるにつれ周りが明るくなってきました。
もしやと思い現場より少し高い所まで上ってみました。

雲海が広がっていました。
正面の奥が御嶽山です。


正面の笠置山がいつもとは違って見えます。

山を降り現場に向かうと現場はまだ霧の中です。
車から機材を下ろし準備を始めているとここもだんだん明るくなってきました。
すると杉の木立から勢いよく滴が落ちてきました。

雫は朝日を浴びて輝きながら落ち、落ち葉をたたく水音が切れ間無く続いています。
霧氷が一気に溶けて雫となったようです。
霧が雨以上の水分をもたらすことを初めて実感しました。
それにしても今年の冬の雨量は際立って多いようです。
暖冬傾向が今年は顕著ではないでしょうか。
今日の霧自体も季節外れの温かく湿った空気のせいでしょう。

材の片づけは午前中で終えました。
これでこの現場も気持ちよく新年を迎える事が出来ます。
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雪が積もりました(12月20日)

2009年12月21日 | 間伐
恵那の街中では18日の夜から雪が降り始め、19日の朝には家の屋根が白く覆われ、街並みがモノトーンに様変わりしました。
20日は中野方鈴村さん山林での今年最後の間伐作業でした。
しかし20日も寒さは相変わらずで所々雪も残り、山の木々の樹冠にはしっかりと雪が残っていました。
中野方では更に雪が深い事は予想できましたが、参加者は私と榎君の二人だけでしたのでとりあえず予定通り現場に向いました。
途中の中野方川河口の静かな木曽川水面には、カモが航跡を描いて沢山泳いでいました。

しかし鈴村さん宅の坂道はアイスバーンで車は登れず、転びそうになりながら徒歩で到着しました。
周りの山は樹冠にも林床にもかなりの雪が積もっています。
これではやはり作業は中止せざるを得ません。
そこで鈴村さん宅に上がりこみ、最近の杣組の活動状況や来年の活動予定を話題にしばらく身体を温める事にしました。
身体も温まった所で中野方川を挟んだ対岸に広大な山林を持つ神尾さんに会いに行き、所有林の間伐の了解を得、ついでに耕作放棄された棚田の活用案も聞いてもらいました。
神尾さんは振興会会長ですので、間伐や棚田の活用の取り纏めには色々骨を折ってもらえる事になりました。

棚田から鈴村さんの山林が良く見えます。
囲った部分が今まで手がけてきた間伐現場です。

やっと一区切りがついて来年は新しい現場に活動を広げる事になりそうです。

午後からは三郷の拓志館近くの里山に向いました。
県道沿いの斜面に広がる里山ですが、植林したヒノキやスギを切って日当たりと見通しと風通しのいい林に戻す事になっています。
寒風が肌を刺し、伐倒の際には樹幹の雪が一面に降り注ぎましたが無心で作業をしていると時間が経つのも忘れます。

これで今年の「美濃の森造隊」としての活動は終了です。
来年はどんな活動が待っているのでしょうか。
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収穫祭(12月13日)

2009年12月15日 | 自然農
個人的に随分ご無沙汰していた自然農塾の収穫祭顔を出しました。
集まってくる顔ぶれは始めて見る人がほとんどで、どうも肩身が狭く感じます。

その場で収穫した野菜でおでんの準備です。


大鍋に入りきらないほど出来上がりました。
おそらく100人分はあるでしょう。

煙と湯気で中身が良く見えません。
この写真はうちわで湯気を扇いでもらって撮りました。

出来上がった料理と各々が持ち寄った一品で昼食が始まりました。

知り合った頃には独身だった二人の方が、1歳に満たない赤ちゃんを連れて参加していました。
ここでは沢山の人が集い来ては去り、絶える事無く小さな新しい命が生まれて輝いています。

昼食後はもう恒例となった「Ett」のお二人のライブです。


ライブの後にはまたまた大鍋のぜんざいがふるまわれました。
何度お代わりをしてもなくなりません。

おしゃべりと暖かな食事を堪能して、まったりと1日が過ぎて行きました。
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上矢作で間伐(12月12日)

2009年12月14日 | 間伐
隊員の三宅さんの所有林を間伐しました。
今は誰も住んでいない上矢作の自宅裏山です。
裏山の荒れた畑の周りには栗木が生えていて、その中の枯れた大木を伐倒しました。


倒木のバランスを崩さないように、枝払いも慎重に行ないました。
*クリックで動画が見られます。


もう1本の栗木は、大きな枝が倒したい方向と丁度逆に生えていて、通常の楔や倒した栗の木を削った臨時の楔を使って何とか反対側に倒しましたが、楔で伐倒方向をコントロールするにも限度があるのでその見極めは重要です。

お昼は炭火を熾して焼きそばを作りました。
暖かい食べ物はこの季節にはひときわおいしく感じます。
おなかも膨れ炭火で温まった室内で寛ぎながら話に夢中になっていると、いつの間にか2時近くになってしまい、慌てて午後の作業に向いました。
午後からは各々分担して裏山の間伐を行ないました。

この写真は、伐倒時に安全のため後方に待避しているところです。
こうした基本の動作もついおろそかにしがちですが、いつも初心に戻って安全作業に勤めたいと思います。
15時には日も少し傾きかけ急に北風も強くなり、作業を終了しました。
山を下りる途中で隊員の一人が鹿の角を拾いました。
この近くまで鹿が出没しているようです。
冬至ももう直ぐ。
急に傾く太陽に季節の移り変わりを感じます。
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木枯らしに震える(12月6日)

2009年12月07日 | 間伐
佐々良木での間伐です。
来る予定の隊員の体調が思わしくなく当日にキャンセルとなったため、山主の足立さんと、元気な中部大学3年の女子学生西田さんと私の3人での作業となりました。
足立さんには新しいメンバーを連れて行くとだけ伝えていたので、待ち合わせ場所で西田さんを引き合わせた時には本当に驚かれていたようです。
どうしてどんないきさつで危険で汚くて苦しいつまり3Kと言われている間伐に女子大生がやって来たのか理解出来ないようでした。
確かに多少は不思議です。
しかしボランティアとしての間伐は、3Kという固定観念を覆す魅力を持っているという証でもあります。
早くもっと多くの人にボランティア間伐の魅力を知ってもらいたいものです。

昨日の雨で空気が湿ったせいで朝の林内は少し霧がかかっていました。
少し息が切れる頃、途中で冬枯れの潅木にきれいな紫色の実を見つけました。




どうやら紫式部の実のようです。
何気なく触った湿った枯葉がとても柔らかいのに驚きました。
この柔らかな枯葉の感触でこれからずっと紫式部を覚えている事でしょう。
途中の暗い人工林の林床には黄葉の潅木が特に目立ちましたが、ハリブキやコシアブラではないでしょうか。

一休み後更に急斜面を登り、現場にたどり着きました。
今日は前回と違って現場の下方で作業をする事にしました。
比較的スギの中径木の多い所です。
西田さんは今日が3度目の間伐になりますが、受け口と追い口の正確な切り方とツルを残す事を再度確認しながらゆっくりとしたペースで作業を行ってもらいました。


足立さんの指導で切る位置を念入りに確認しています。


そして伐倒です。
受け口を作ります。
かなり緊張しながらの作業です。
こちらも見ているだけで力が入ってしまいます。
足場を入念に確かめて無理の無い姿勢でチェンソーを扱っている姿が堂に入っていますね。

昼休みには北風が強くおまけに小雨まで降ってきました。
風を避け、尾根道から風下の斜面を下ってとりあえず風を避けました。
キャンピングストーブを持ってくれば良かったと悔やまれます。
身体が冷え切ってしまわないように昼食は早めに切り上げ、身体を温めるのと地図では山頂近くにあるはずの林道を確認するために急斜面を登ることにしました。
木が生えていなければ怖くて上れないだろうと思える程の急斜面を所々四つんばいで登りましたが、等高線沿いに幾筋もの獣道が見つかり、わずかな足がかりですがそれを辿ると楽に登る事が出来ました。
林道には程なくたどり着きました。
距離は200m程です。
工夫をすれば林道からの集材も可能かもしれません。

こうして林内を歩き回るのも色々な発見があって楽しいものです。

午後からも間伐を続けました。
日が傾くのが早いので3時には山を下りる事にしました。
暗い林内で作業していたので目が暗さに慣れ、尾根筋を下る途中の佐々良木の山里がとりわけ明るく暖かそうに見えました。
ふと何の関連も無く、古の旅人は冬枯れの峠を越し日の傾く頃にやっと眼下に山里を見つけた時には、きっとこんな風にひなびた山里が暖かく見えたんだろうなという思いがよぎりました。


そして里まで下りて来て、今日の作業は終了しました。

この後足立さんの家に寄り、暖かな居間でおいしいコーヒーを頂き、おばあさんに西田さんの行動をまたひとしきり驚いてもらい、白菜と大根を御土産に頂きました。
西田さん、帰りの電車の中で白菜と大根と長靴や着替えの包みを置く場所に苦労しなかったですか。
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海、山里の交流(11月29日)

2009年12月02日 | 学習
11月29日(日)、「名古屋みなと建設工事安全連絡協議会」の皆さん85名を「中野方まちづくり委員会」と「美濃の森造隊」が迎える形で山里体験・森林間伐体験が行なわれました。
85名の内訳は、子供24名、母親13名、中学生4名を含む大人男性48名でした。
体験メニューは、子供と母親は午前中は工作教室、午後からは笠置山散策です。
大人は午前中に間伐方法の座学、午後から実習です。

最初に「中野方まちづくり委員会」会長である鈴村さんの歓迎の挨拶から始まり
、協議会からは山林と自宅を開放して頂いたお礼としてハスクバーナ440eチェンソーが贈呈されました。
写真真ん中に写っているチェンソーがそれです。


挨拶を終えると早速大人は焚火を囲み間伐方法の座学、子供たちは刈り取りの終わった田圃に広げたシートの上で工作教室を始めました。



皆さん真剣な態度で座学を受けています。
講師はこの態度に見合う中身のある講義が出来たのでしょうか。

座学の後、チェンソーの扱いに慣れるため少し玉切りを行いました。


そしてお昼には賑やかな昼食になりました。

画面左側では豚汁とイノシシ肉汁の大鍋、バーベキュー、芋捏餅焼き、五目おにぎり、松茸おにぎり、漬物がふるまわれ、真ん中では数か所で夫々中身の違うバーベキューです。
更に画面右側では、早くも午後の焼き芋の準備を始めています。
色々な食材を味見するだけでも広い敷地を歩き回らなくてはなりませんし、種類が多いのでとても全てを口にすることが出来ませんでした。
ところがすっかり寛いでいると、雲行きが少しあやしくなって来て雨粒が落ちて来ました。
雨粒はこの時だけで夕方まで持ちましたが、残念ながら昼休みは少し早めに切り上げ、大人は間伐実習、子供達とお母さんは別にチャーターしたマイクロバス2台で笠置山散策に向いました。

間伐実習で裏山に向う皆さんです。
昨年も感じましたが、いつもは静かな森にこんなに大勢の人が集うのは何だか不思議な光景です。


人数が多いので3班に分かれて実習を行ないました。
3班が互いに姿が見えないくらいまで離れて作業出来る程鈴村さん宅の裏山は、とても広いのです。

実習の様子です。
受け口を作る二つの切断面、追い口を作る一つの切断面を正確に切るのは簡単そうで難しいものです。
しかし、間伐の基本は正確な伐倒ですので時間を掛けて行ないました。


心配していた雨も昼の一時に落ちてきただけで後は降られる事も無く、3時過ぎには山から下りてきた子供達と合流して皆で暖かな焼き芋を頂きました。
こうして盛り沢山の一日が無事終了しました。
今回参加者がかなり多かった事で色々心配しましたが、打ち合わせをほとんどしていないにもかかわらず、協議会の阪本さん他参加者側のスタッフの方々、鈴村さんを始めまちづくり委員会の皆さん、工作教室講師の赤尾さん、そして森造隊の隊員の皆さんの積極的な働きで予想以上にうまく行ったように思います。
とてもいい経験になりました。
また皆さん一緒に楽しいイベントを企画しましょう。
参加するのを楽しみにしています。


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