NPO法人美濃の森造隊だより

人と森林との最適な関係を探るため、岐阜県恵那市を中心に人工林の間伐をしながら森造りを行なうグループの活動報告です。

竹細工講習 (10月27日)

2012年10月31日 | 遊び
蛭川在住の大鹿先生をお招きして、第1回竹細工講習を拓志館で開きました。
生徒は、美濃の森造隊とその関係者9人です。
皆、竹細工は初めての経験でしたから、真竹の材料やナタ、鉛筆、定規、作業台等の道具、敷物まで全てを先生に用意していただきました。

手前に横になっているのが今回作ることになっている竹籠です。
最初に先生から4時くらいまでに篭の底の部分と縦の骨組み部分を作ると説明を受けた時には、最初だからゆっくりとしたペースで作業を進めるのだと解釈していましたが、これは大きな間違いでした。
かなり集中して作業し続けてもそこまで行くのが精一杯だったのです。

最初の作業は、長さ20cm、幅9mm、厚さ1mmの竹ひご6本の制作でした。

4分の1に縦割りした竹にメジャーで1cm幅に印を付け割り、2回に分けて1mm厚の竹ひごを割取ります。
割るとか削るという感覚ではなく、剥ぐという感覚です。
長さ20cmとは言え、均等に1mm厚の竹ひごを作るのは思った以上に大変でした。
薄過ぎたり厚過ぎたり均等にならなかったりで、たちまち失敗作の山が出来上がりました。

そして次は長さ90cm、幅9mm、厚さ0.7mm、9本の竹ひご作りです。
厚さが更に薄くなり、途中で節もあるので難度がぐんと上がります。
そして最後に長さ100cm、幅9mm、厚さ0.7mm 4本です。

昼休みもそこそこにひたすら竹ひごを作り続けて、気がつくと既に4時近くになっていました。
そして最後に竹ひごを組み立て、籠の底の部分が完成です。

竹ひご造りに5時間以上を費やし、組立は約30分、材料の竹で利用したのは1,2%。
98%は廃材となりました。
指をナタや竹の鋭い角で傷つけ、バンドエイドのお世話になった者多数。
竹籠作りは竹ひご作りでした。

参加者の加藤さんが作り方を図解してくれたので参考にして下さい。
図解1
図解2
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宝剣岳登頂 (10月21日)

2012年10月23日 | 遊び
朝4時半出発で中央アルプス、宝剣岳、木曽駒ケ岳登山に出かけました。
夜明け前の中央高速から見上げたまだ真っ暗な空には、冬の星座オリオンと木星が一際輝いていました。
5時50分にロープウエイしらび平駅に向かうバス停に着くと、既に80人程の行列が出来ていて、木曽駒ケ岳山域の人気に今更ながら驚きました。
そしてバスとロープウエイを乗り継いで7時20分、千畳敷駅から登山開始です。
朝日を浴びて威圧するように宝剣岳を頂点とした峰々が迎えてくれています。

登山道周辺には溶け残った氷が張り付き、山から吹き降ろす強風は既に冬のものでした。


中岳登りの途中から斜面に雪が張り付き、北側の斜面は一部凍り、後少しでアイゼンが必要になりそうです。

中岳山荘で風を避けながらゆっくり休憩しても9時少しには木曽駒ケ岳山頂に到着。

左に御嶽山、右に乗鞍岳を背景に記念撮影。
穂高、槍ヶ岳は遠くに雲を被っていました。
ここからは八ヶ岳、甲斐駒ケ岳から聖岳の南アルプスの主要な山々、恵那山と360度の展望が得られました。

帰路は再び中岳を通り、今度は宝剣岳に挑戦です。
宝剣岳山頂は遠くから見ると針の先にしか見えません。

途中木曾側に切り落ちた鎖場を抜け岩峰にたどり着くと、比較的若い登山者数人が最高点の岩の周りにいましたが、岩の上に立つ勇気のある者はそれ程いないようでした。
確かにのっぺりとした花崗岩の岩には手がかりが無く、最後の一登りと下降が困難でした。
しかし安田さんと私は果敢に挑戦しました。
安田さんの勇姿です。

私もこの後登りましたが、2931mの岩の上に立ち上がると視線の先の目標物が何も無く、今にも落ちそうな恐怖に捉えられ、へっぴり腰で一瞬立ち上がるのがやっとでした。
我々の後に挑戦し諦める何人もの登山者を見ると、この挑戦を少々自慢してもいいかなという気になります。
宝剣岳を降りて加藤さん親子と合流し、宝剣山荘前で昼食を摂り下山することにしました。
この人出では早め早めに行動したほうが良さそうです。


斜面に残った雪が千畳敷駅近くまで迫っています。
もう直ぐここも雪で閉ざされるのでしょう。


下から見上げると空が暗く見え、標高3000m近くの雰囲気を醸し出しています。

幸いにも千畳敷駅では待たされることもなくロープウエイに乗車出来ました。

下りのゴンドラの窓からカメラを出し、千畳敷駅を振り返りました。
千畳敷駅近くでは既に紅葉が終わっています。


中腹ではしらびその中にナナカマドの赤、ダケカンバやカシワの黄色が色付き、紅葉が真っ盛りです。
再びロープウエイとバスを乗り継いで14時半に帰路につきました。

晩秋から冬にかけての季節と天上散歩を駆け足で楽しんだ一日でした。


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第8回土岐川・庄内川源流 森の健康診断親子間伐体験 (10月20日)

2012年10月23日 | 学習
昨年の雨を償うかのような晴天に恵まれ、第8回土岐川・庄内川源流森の健康診断が行われました。



受付を初め、準備から運営、後片付けまで全てを中部大学学生さんが行ない、NPO主体で始まったこの森の健康診断も今や中部大学のイベントと行っても過言ではありません。
中部大学関係者、学生の皆さんの熱意と努力には敬意を表したいと思います。
しかし今回も一般参加者が少なく、森の現状を沢山の人に知ってもらい、現状の改善に役立てたいという当初の目的が達成出来ていない現実が浮かび上がりました。
次の手立てを考えなくてはいけません。

美濃の森造隊は親子間伐体験コースを受け持ちました。
4組の親子が参加してくれました。

手ノコで間伐し、シンプルプーリーシステムで掛り木の処理を行ないます。


自分で間伐した木の年輪を調べて人工林の成り立ちを考えます。
この林の林齢は約25年でした。
親御さんにはチェンソーを使った間伐を体験してもらいました。

あっという間に間伐体験が終了し、グラウンドに戻って閉会式に臨む間伐体験班です。

イノシシ肉10kgを使ったイノシシ汁とゴヘダを戴きながら、子供達と小枝でキーフォルダーを造りお土産としました。
子供達に今日の一日が楽しい思い出として刻まれるますように。
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森の健康診断リーダー研修 (10月7日)

2012年10月10日 | 間伐
10月は森の健康診断の季節です。
そこで、今月20日に行われる森の健康診断で各班のリーダーを務める中部大学生さんのリーダー講習仕上げを鍋山で行ないました。
検診のシュミレーションと間伐実習です。
講師は三宅さん、加藤さん、森岡の3人です。
沢山の若者を迎え、普段は静かでいささか寂しくさえある山が賑やかになりました。


しかし、人工林は相変わらず生き物の気配が無く冷たく暗いままです。


皆さん熱心に健康診断を続けています。
状況を数値化して共有することは大切ですが、数値化出来ない部分がある事も知ってもらいたいですね。
森を頭だけではなく、肌と心で感じる事が大切です。


昼休みは日陰から抜けだし、陽光が降り注ぐ東濃牧場で体を温めました。
午後からは間伐実習を行ないました。


時間はあっという間に過ぎ、終了時間を迎えました。
午後2時を過ぎると日差しが急に弱くなり秋の気配が深まります。
朝と比べると皆さんの顔がいささか逞しくなったような気がしますが、どうでしょう。


それでは皆さん、また20日にお会いしましょう。
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野志間伐、アクセサリー、ナラ枯れ (9月29日)

2012年10月05日 | 間伐
先週雨で延期となった野志での間伐を1週間遅れで急遽行ないました。
参加者は加藤さん、安田さん、森岡の3人。
いつの間にか活動は3週間ぶりになってしまいました。
最低月2回の活動を目標にしていますが、なかなかそれが出来ません。
自分の時間さえも思い通りに使うのは大変です。
野志での作業もいよいよ終盤を迎え、現場全体の間伐密度の調整に入りました。
今回は西側斜面下部を調整しました。


間伐後の林内には光が差し込み、コントラストが鮮明です。


昼休みの休憩で斜面を登り直す際、今まで間伐して来た現場を下から見上げてみました。
明るくなって遠くまで視界が利き、気持ち良くなりました。
少しづつしか作業出来ませんでしたが、続けていればそれなりの成果が残るんですね。


午後からは、10月20日の森の健康診断親子間伐講習で使うシンプルプーリーシステムを使った牽引とクローブヒッチ等のロープワークを練習しました。
そして、最近少し凝っている小枝を使ったアクササリー造り談義に花を咲かせました。
木肌の柔らかさと模様が気に入っています。
簡単に作れますのでお勧めです。



さて、今回の野志での出来事ではないのですが、先日鍋山の東濃牧場近くで広範囲のナラ枯れを目撃しました。

人工林ばかりの中の希少な自然林が枯れていくのは残念です。
今年の異常な高温も原因なのでしょうか。
推移を見守りたいと思います。
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