NPO法人美濃の森造隊だより

人と森林との最適な関係を探るため、岐阜県恵那市を中心に人工林の間伐をしながら森造りを行なうグループの活動報告です。

第3回竹細工講習 (12月23日)

2012年12月25日 | 遊び
寒さが益々厳しくなって来ました。
幸い岐阜県恵那市の市街地ではまだ積もるような雪には見舞われていませんが、北国では大雪の模様です。
雪下ろしや雪かきが欠かせない毎日は、想像するだけで大変です。
北国の雪の中での暮らしはどんなものなんでしょう。
さて、23日は3回目の竹細工講習でした。
前回で篭の胴部分を巻き終わりましたので、今回は口の部分の仕上げです。
しかし今回初めての参加者が二人と、自分で2個め3個目の篭を作りかけている参加者がいて夫々バラバラの工程を作業することになったので、先生は大忙しでした。


胴部分のヒゴが足らなくなって先生が大急ぎで竹を割ってくれています。
竹の割れる音が小気味良く響きます。
我々が割るとこんな音が出ません。
タライには、口の部分を仕上げるために篭を逆さまに水に付けほぐした縦骨を柔らかくしています。



これも初めて来た参加者のために先生が底の部分を編んでいる所です。


今度は胴部分がまだの中二人の参加者に編み上げ方を教えています。
両側の二人は竹ヒゴ作りです。
先生は息つく暇もありません。

口部分を仕上げるために2つと半分に割った縦骨を5cmの長さに切り揃えます。


口の部分の仕上げに幅のある竹ひごを巻きつけています。
巻きつける竹ひごは、一昼夜水に漬け柔らかくしてあります。


そして4時過ぎに竹籠が出来上がりました。

左が先生の作品、右が私の作品です。
私の作品は、形が歪で胴部分のヒゴに隙間が目立ちます。
でも一応篭らしく出来上がりました。

クリの木の天板とコナラの足の台の上に篭を載せてみました。


下の台を含めて素材全てを山から切り出し加工し作品となりました。
自然の素材を身近な道具に仕上げる最も必要な要素は、アイデアと時間でした。
大した道具は必要ありませんので、是非皆さんも山から素材を手に入れ色々な作品を作ってみて下さい。
楽しいですよ。

先生の都合もありこれで竹細工講習は一応終了です。
講習再開は今後検討します。
それまで各自自習です。

外に出ると丁度夕陽が山の端に沈むところでした。
空のほとんど覆った暗い雪雲と山の端の隙間から細いオレンジ色の光が真直ぐ届き、北風が一層冷たく感じられました。
後少しで今年も終わりますね。
色々あった1年でした。
皆さん良いお年をお迎え下さい。
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ムササビの森で間伐 (12月8日)

2012年12月13日 | 間伐
寒い朝でした。
ムササビの森では溶け残った雪が枯れ草の上で凍っていました。
少し早めに現場に着いて焚火の用意をしていると、林道を白っぽい毛並みのタヌキが下って来ました。
私に気付いて足が止まりましたが、すぐ気を取り直し、こちらをチラチラ見ながら通リ過ぎようとしました。
慌ててカメラを取り出しましたが、もう少しで藪に入ってしまって写真に収めることは出来ませんでした。
ムササビの森は命に溢れた森のようです。

焚火の火が安定した頃、皆がやって来ました。

寒い朝には炎の暖かさが本当に有難い。
自然の中に居ると、太陽や炎の熱の力強さが良く判ります。
風の冷たさや森の香りの微妙な変化も、体の全てで感じます。
湧き水の美味しさ、土の柔らかさや粘りも体に滲みるように味わうことが出来ます。
森の中では、感覚がとても敏感になり意識が冴え渡ります。
これがとても気持ちが良いんです。
こんな感覚は他では味わえません。

作業前には、最近岐阜県で起きた間伐作業体験時の2件の死亡事故について話し合いました。
我々はいつも身近に危険がある事を忘れず、一つ一つの作業を安全に確実に実施して行きたいと思います。
今回は、急斜面での少々厳しい作業になりました。

時々雪が舞う中、成熟した静謐な森に木の倒れる音が響き渡りました。

追伸
12日の朝、再びムササビの森に向かう途中、林道に木漏れ日ガ射していました。


風も無いのに、時々樹冠に積もった雪が音も無く再び粉雪となって降り注いでいました。
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