早朝足助に向う国道257号線から鍋山を右手に見上げると、山頂付近が朝日に白く輝いていました。
昨夜雪が降ったようです。
とうとう本格的な冬を迎えました。
今日は「美濃の森造隊」仕事納めの日です。
ほぼ2ヶ月ぶりの2回目の足助の自然林の手入れです。
10月13日の前回の作業からの2ヶ月間に山主さんが伐倒木の片付けを一人でこつこつ続けていた事と広葉樹が葉をすっかり落とした事で、林は随分すっきりした印象に変わっていました。
この日も北風が強く現場は日陰になっていましたので寒さが厳しく、着いて真っ先に行った事は薪を集めてストーブに火を熾す事でした。
ストーブの火が安定して人心地が付いたところで皆で作業の段取りを打ち合わせです。
その結果山主さんの希望により倒木を利用して取り付きの急斜面に歩道の作成を行うことになりました。
歩道作成にはマニュアルがあるわけでもなく材料が揃っているわけでもありませんので、その場で作成や材料の調達方法を決めなくてはなりません。
こうした際に一番必要な才能は豊富なアイデアと実行力です。
今回の作業でも隊員の才能が遺憾なく発揮されました。
アイデアを真っ先に行動に移す隊員を中心に、他の隊員は材料を調達して加工しそれぞれの位置で自分の作業に専念しながら全体にまとまった作業になっています。
元々は年齢も能力も山に対する思いも別々の人間が集まっていながら、共通の作業に力を発揮して完成させていく様子は見ていて気持ちのいいものです。
出来るならメンバー全員でこのチームワークをこれからも維持し、更にレベルアップして行きたいものです。
今回私は体調不良でこの作業に加わる事が出来ずもっぱらストーブの火の番をしていました。
でも皆の作業を見ているうちに身体を動かしたくなり、とうとう午後にはこっそりと一人で別の場所で伐倒作業を少し行いました。
山は急傾斜ですし枯葉が敷き詰められた斜面は滑り易く、ほとんど這い蹲るように上らなくてはならなかったのですが、その為かえって枯葉の匂いや日に暖められた温かみを身近に感じる事が出来ました。
ようやく伐倒予定の木の根元にたどり着き、枯葉の中に腰を下ろして荒い息を静めながら木を見上げると梢の先が北風に揺れていました。
梢の先はとても高くて遠くて自分の手には到底届きそうもありません。
そしてその存在は大きく力強く、美しく凛々しくて何だか健気ささえ感じます。
それに引き替えその木をこれから切ろうとしている自分は喘ぎながら気圧されているような非力で弱々しい存在なんだと、そんな思いがゆっくりとこみ上げて来ました。
と同時に命を実感し喜びを感じている自分に気付きました。
ああこれだったんだ、この感覚が自分をこんなに林や森に引き付けていたんだ。
この感覚を味わいたくていつも山で汗を流していたんだなとこの時少し解った気がしました。
間伐作業や里山の手入れはかなりの重労働で危険も伴います。
それでも山に入って活動する理由は、頭で考えた理屈ではなく気持ち良さが最も基本にある気がします。
更に間伐作業や里山の整備には、未来の森を創造するという時間的にも空間的にもスケールの大きな知的な喜びがあります。
今年の「美濃の森造隊」の活動はこれで終了ですが、我々はこの喜びを多くの人と分かち合い、未来の美しい森を造る為にこれからも活動を続けて行きたいと思います。
それでは皆さん良いお年をお迎え下さい。
昨夜雪が降ったようです。
とうとう本格的な冬を迎えました。
今日は「美濃の森造隊」仕事納めの日です。
ほぼ2ヶ月ぶりの2回目の足助の自然林の手入れです。
10月13日の前回の作業からの2ヶ月間に山主さんが伐倒木の片付けを一人でこつこつ続けていた事と広葉樹が葉をすっかり落とした事で、林は随分すっきりした印象に変わっていました。
この日も北風が強く現場は日陰になっていましたので寒さが厳しく、着いて真っ先に行った事は薪を集めてストーブに火を熾す事でした。
ストーブの火が安定して人心地が付いたところで皆で作業の段取りを打ち合わせです。
その結果山主さんの希望により倒木を利用して取り付きの急斜面に歩道の作成を行うことになりました。
歩道作成にはマニュアルがあるわけでもなく材料が揃っているわけでもありませんので、その場で作成や材料の調達方法を決めなくてはなりません。
こうした際に一番必要な才能は豊富なアイデアと実行力です。
今回の作業でも隊員の才能が遺憾なく発揮されました。
アイデアを真っ先に行動に移す隊員を中心に、他の隊員は材料を調達して加工しそれぞれの位置で自分の作業に専念しながら全体にまとまった作業になっています。
元々は年齢も能力も山に対する思いも別々の人間が集まっていながら、共通の作業に力を発揮して完成させていく様子は見ていて気持ちのいいものです。
出来るならメンバー全員でこのチームワークをこれからも維持し、更にレベルアップして行きたいものです。
今回私は体調不良でこの作業に加わる事が出来ずもっぱらストーブの火の番をしていました。
でも皆の作業を見ているうちに身体を動かしたくなり、とうとう午後にはこっそりと一人で別の場所で伐倒作業を少し行いました。
山は急傾斜ですし枯葉が敷き詰められた斜面は滑り易く、ほとんど這い蹲るように上らなくてはならなかったのですが、その為かえって枯葉の匂いや日に暖められた温かみを身近に感じる事が出来ました。
ようやく伐倒予定の木の根元にたどり着き、枯葉の中に腰を下ろして荒い息を静めながら木を見上げると梢の先が北風に揺れていました。
梢の先はとても高くて遠くて自分の手には到底届きそうもありません。
そしてその存在は大きく力強く、美しく凛々しくて何だか健気ささえ感じます。
それに引き替えその木をこれから切ろうとしている自分は喘ぎながら気圧されているような非力で弱々しい存在なんだと、そんな思いがゆっくりとこみ上げて来ました。
と同時に命を実感し喜びを感じている自分に気付きました。
ああこれだったんだ、この感覚が自分をこんなに林や森に引き付けていたんだ。
この感覚を味わいたくていつも山で汗を流していたんだなとこの時少し解った気がしました。
間伐作業や里山の手入れはかなりの重労働で危険も伴います。
それでも山に入って活動する理由は、頭で考えた理屈ではなく気持ち良さが最も基本にある気がします。
更に間伐作業や里山の整備には、未来の森を創造するという時間的にも空間的にもスケールの大きな知的な喜びがあります。
今年の「美濃の森造隊」の活動はこれで終了ですが、我々はこの喜びを多くの人と分かち合い、未来の美しい森を造る為にこれからも活動を続けて行きたいと思います。
それでは皆さん良いお年をお迎え下さい。