NPO法人美濃の森造隊だより

人と森林との最適な関係を探るため、岐阜県恵那市を中心に人工林の間伐をしながら森造りを行なうグループの活動報告です。

初夏 (5月27日)

2012年05月29日 | 間伐
冬枯れていた陽だまりの森前の空き地を囲む雑木林がすっかり新緑に変わり、空き地が隠れ家のような雰囲気です。
昼食でテーブルを囲んで風に揺れる新緑を眺めていると、少し汗ばんだ体に風が気持ちよく眠気を誘われます。
時折鋭く響く鳥の声で意識を取り戻しても、直ぐにまた心地よさに引き込まれてしまいます。
暑くも寒くもなく空気は乾燥し芳香を含んで、一番いい季節がやって来たようです。
初夏とはこんな季節を言うのでしょう。
春の荒々しさとべとつく梅雨前の、ほんのつかの間の贅沢な一時ですね。

今回は、またまた集材作業を行いました。
トラックの手配がうまく行かず、集材のみの作業となりました。

急ぐ訳でもないので、今日はのんびりと作業をする事にしました。
とは言っても、重い材を相手ですから一つ一つの作業はかなりの力仕事です。
それでも作業が始まると参加者の皆さんはなかなか手を抜こうとしません。
疲れたら休むようにと用意したハンモックがなかなか利用されません。
昼休みに使うよう促して、やっと少し座ってもらいました。

作業の合間ではなかなかのんびりする時間を作ることができませんので、こんないい季節には、何か違うメニューで森の中の一日を楽しんだほうが良かったかもしれません。
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金環日食 (5月21日)

2012年05月29日 | 学習
通勤途中で金環日食に出会いました。
路上に落ちた小さな木漏れ日一つ一つが、月に隠された三日月形の太陽の姿になっていました。

ありふれた日常の裏では何億年も前から太陽と地球と月が動いているし、月に遮られた太陽からこぼれる光だけでもまぶしくて熱い。
そうだったんだ。
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山菜、新緑、集材 (5月13日)

2012年05月15日 | 間伐
土曜日は北海道上空の季節外れの寒気と低気圧で冷たい強風が吹き荒れました。
春はやさしい季節のイメージがありますが、本当は一年で一番荒れ模様の季節ではないでしょうか。
この時期、体調もどこかおかしくなります。
しかし、森の表情は花の競演から新緑へと刻々と大胆に変化し、見る者の心を躍らせ、森へといざないます。
そこで本日は午前中に森の散策と山菜取り、午後からは集材を計画しました。
散策は、陽溜りの森から鍋山山頂を経由して西側の溜池に下り車道を戻るルートを計画しましたが、時間が足りずかなりショートカットしなければなりませんでした。
トラックデータはこちらです。
Pの位置から反時計回りに巡ってみました。


沢沿いに上り始めると直ぐに自然林に入りました。

高層、中層、低層木が混じりあい、夫々が新緑を広げて降り注ぐ光を上手く利用しています。
これだけ葉が茂っているのに林内が明るく感じるのはなぜでしょう。


人工林の色の無さと暗さとは対照的です。
人工林では樹冠にしか葉が茂っていませんが、それだけで振りそそぐ光を遮断してしまいます。
光が足りず、風も通らず、色も乏しくやはり居心地が良くありません。


今回のコースでは、人工林だけでなく萌芽更新の目立つ2次林も適度に点在していて、ホウノキが大木になって大きな葉を広げている様子や、下層木にアセビが目立った様子、他を圧倒して大きくなったはずのほとんどのマツが枯れている様子が印象的でした。
(松枯れの原因はなんでしょう。酸性雨、菌根菌の衰え、松喰虫、他の木との競争、温暖化。或いは枯れて問題があるのか。)
人工林ばかりを目にしていると森を見る目が鈍くなるような気がします。
色々な森の様子を観察し、小さな断片から大きな森を理解しようとする訓練が大切な気がします。
肝心な山菜採りの成果はと言うと、残念ながらゼンマイが少し採れただけでした。

期待していたコシアブラは新芽が既に葉を広げていて、やって来るのが遅過ぎたようです。
残念ですが、色々な樹木に出会えた事だけで良としましょう。

午後からは、ポータブルウインチを使って集材作業を行ないました。
前回の集材にもかかわらずまだ使えそうな材が林内に残っています。

森の恵みはなかなか尽きません。

切り株を使って椅子を作ってみました。

背もたれが少しあるだけで座り心地が随分違います。
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明智町野志で再度現地調査、間伐 (4月29日)

2012年05月05日 | 間伐
3月11日に現地調査した現場に入りました。
前回の現地調査では現場の一部しか確認しませんでしたので、今回は再度林内を詳しく調べ、境界も全て確認する事にしました。
山主さんからもらった公図、岐阜県の森林計画図を元に、ガーミンのCPSmap62Sで位置を確認し、写真は後で位置情報とリンクさせます。
とりあえずGPSのトラックデータはこうなりました。

赤い線がトラックデータです。
ブルーの旗は森林計画図から予め入力しておいた境界線の杭の位置です。
グリーンの旗が実際の杭の位置をプロットしたものです。

Aの場所で斜面上部を撮影した写真です。

この上下で林齢が20年以上異なっていて、これより下方ではかなりスギ、ヒノキ、広葉樹、マツの混交林になっています。

Bの位置から等高線沿いに現場林内を撮影した写真です。

境界線上には広葉樹が残り、その向こうは植栽後一度も手を入れていない人工林です。
枯れ枝が落ちずに地表近くまで残っているので、歩くのにも大変そうです。

Eの位置には山の神を祀る祠がありました。


調査の結果、A,B,C,Dで囲われた部分が間伐を必要とする約1.5haの林分であることが判りました。

午後から間伐作業にかかりました。
写真の真ん中に作業する仲間の姿が微かに見えています。
見通しが全くききません。

心配していたように、間伐作業をする以前に移動するのさえ困難なほど枯れ枝が障害となり、急斜面で足場の確保もままなりません。
かなり手こずりそうな現場です。
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