NPO法人美濃の森造隊だより

人と森林との最適な関係を探るため、岐阜県恵那市を中心に人工林の間伐をしながら森造りを行なうグループの活動報告です。

松伐倒(7月26日)

2009年07月27日 | 間伐
土曜日に久しぶりに林道入り口の間伐現場の山主さんを尋ねました。
丁度1年前に手をつけた現場に一区切りつけるためです。
(天気は下り坂の予報でしたが、北の空には勢い良く積乱雲が育ちつつあります。
空気は水蒸気をたっぷり含み、何もしなくても汗が噴出してきます。)


まだ間伐目標値に達していませんが、軽めの間伐状態で更に間伐を進めるかどうかの確認を山主さんにしておいた方がいいと思ったからです。
一般に我々のような素性の良く解らない他人に間伐を任せてくれる山主さんは稀で、最初に間伐をさせてほしいと頼みに行った時にはたいてい怪しげなやつが来たという目をされます。
無償でしますなどと言えば更に疑われます。
ですから山主さんとの間伐交渉の際には、地元の有力者と同道するのが必至です。
間伐や森林環境整備に携わっていると、昨今の環境活動ブームもあって何だか自分が崇高な活動を行なっているように錯覚する場合があります。
そんな時には仲間内では通じる理論や理想を一般的なものとして他人に押し付けがちです。
しかしそんな錯覚を持っている場合ほど理想に燃えた気持ちは通じません。
この事は、他人事ではなく自戒としていつも心掛けたいと思っています。

山主さんと今後の作業の進め方を打ち合わせしている内に、まだ他にも現場があるんだがという話になり、早速見に行く事になりました。
現場は鍋山を上り切って東濃牧場へ向う道と夕立山へ向う道の分岐から夕立山方面を少し行った所でした。
道から100mほど森を入ったところですがほとんど平らで作業はし易そうです。
ヒノキより大きな松が沢山あって、これを処理してほしいということです。
ヒノキの植林時にヒノキが競って真っ直ぐ育つように一緒に松を植えたそうです。
掛木処理がかなり難しそうです。
今日は現場の確認だけということで山を下り始める頃に日差しがありましたがにわか雨が降ってきました。

次の日の日曜日に拓志館で、柘植さんとたまたま居合わせた小栗さんと情報交換後、昨日紹介された現場に入りました。
今日も積乱雲の卵が空に浮かんでいます。
(鍋山を右手に見て中央アルプス、御岳方面を見ています。)


さっそく松の伐倒を試してみました。
ところが一本目の松でソーバーの先端を挟まれてしまいました。

径が大きかったので両側から追口を切ったところ、両側の切断面が少しずれた事、受け口平坦面と追口平坦面が平行でなかった事、掛木になった事などが原因と思われます。
チェンソーは1台しか持って来ていませんでしたので思案に暮れました。
少し冷静になって楔を取りに戻り、画面左側に楔を打ち込んで何とかチェンソーを救出しましたが、その後の掛木処理も大変でした。
間伐作業を安全に行うにはトラブルの予測と復旧方法、掛木処理の方法を沢山身に付けることが重要だと改めて思いました。

緊張と重労働で大汗をかいて一休み時の森の様子です。
鶯が鳴いていました。



*画面をクリックすると動画に変わります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

佐々良木間伐(7月20日)

2009年07月21日 | 間伐
今年の梅雨はいつもと少々様子が違うようです。
関東では梅雨明けが宣言されたのに、中部以西ではまだ宣言はお預けです。
このままでは夏が来る前に7月が終わってしまいます。
本日20日もからっとした暑さではなく、水蒸気が充満しているような厳しい暑さです。
それでも3月以降作業予定日には必ず雨が降り中止となるという不運を乗り越え、今回佐々良木でやっと2回目の間伐を行ないました。

待ち合わせの道の駅「らっせいみさと」の駐車場で不思議なものを見つけました。

写真右中央の壁に腰掛ける少女の石像です。
(少女の背後には笠置山が見えています。午後には雲が発達しそうな雰囲気を湛えています。
なぜ壁に少女の石像が腰を掛けているのかはさておいても、少女の表情がとても怖いのです。
写真では少々判りづらいのですが、駐車場に集う人々を睨み付けています。

「らっせいみさと」を訪れた方は是非この少女の謎を解いてみてください。


今回の現場は車を降りてから徒歩25分かかります(計ってみました。)

棚田を登る今回の間伐隊です。
装備品は出来るだけ軽量化を心がけますが、一人当たり10kg程度にはなってしまいます。
今日のような水蒸気に包まれたような暑い日に、時々山に入る街のサラリーマンにとっては荷物を持っての山登りはかなりきつい運動になります。
もう直ぐ竹藪に到達して、そこから急な登りになります。

ようやく現場に到達して一息入れてから作業に入りました。

ここの木々は樹高が高く、材が倒れこむ時の衝撃がかなりの迫力です。
作業に夢中になっていると時の立つのを忘れ直ぐに御昼休みの時間が来てしまいました。
御昼休みには話の花が「咲き、2時近くになってしまいました。
慌てて午後の作業に取り掛かり一息入れる頃には下山の時間になってしまいました。
山では時の経つのが何だか早いようです。
作業に夢中になるのも話に夢中になるのもどちらも山での楽しい一時です。
今日は持って行った2リットル入りのペットボトルの水が空になってしまいました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする