夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『後継者』

2024年01月30日 | 映画(か行)
『後継者』(原題:Varisu)
監督:ヴァムシー・パイディパッリ 
出演:ヴィジャイ,ラシュミカ・マンダンナ,スリカント,シャーム,サンギーター,ジャヤスッダ,サラトクマール
   プラカーシュ・ラージ,プラブ,ヨーギ・バーブ,ガネーシュ・ヴェンカトラマン,スマン他
 
大阪市内まで出ないと観る映画がないなぁと思いながら、梅田も難波も遠いよと尻込みしていました。
ナナゲイまでならたどり着けそうな気がすると調べたところ、“インディアンムービーウィーク 2023”開催中。おおっ!
 
10年以上前の作品も多いけれど、2023年のタミル語作品もあるじゃあないか。
ヴィジャイ主演、昨年1月本国で公開されたヒット作とのこと。観る観る♪
いざ、十三・第七藝術劇場へと行かん。
 
ほぼ満席です。ボリウッドファンか、中でも特に人気のヴィジャイファンか。
インディアンムービーウィークの公式サイトでは、ダンスの有無も明示しているのが嬉しい。
ヴィジャイ主演ならばもちろんダンスも付いてきます。
 
大企業オーナーであるラジェンドラン家の当主には息子が3人いる。
長男ジャイ、次男アジャイ、三男ヴィジャイ。
ジャイとアジャイはすでに父親の両腕として仕事に携わっているが、
ヴィジャイは自ら得た奨学金でハーバード大に留学し、帰国したばかり。
長男と次男のみならず、三男の自分まで後継者を賭けて競わせようとする父親にはウンザリ。
面と向かってそれを父親に言い放ち、家を出て行く。
 
7年が経ち、母親は父親の65歳の誕生日を家族そろって祝いたいとヴィジャイに連絡。
父親には二度と会うまいと思っていたヴィジャイだが、母親の頼みは断れない。
久々に帰ってきたヴィジャイをジャイとアジャイは敵視する。
 
実はジャイは不倫中で、相手から関係を公表するようせっつかれていた。
また、アジャイは消費者金融から多額の借金をしていた。
もしもそれが父親にバレれば、後継者になれないことは確実。
 
はからずも、盛大に開かれた父親の誕生祝賀会の席でそれが明るみに出てしまい、
父親は勘当同然だったヴィジャイにここに残って後を継いでほしいと言うが、ヴィジャイは拒否。
しかし、父親が末期の膵臓癌であることを主治医から教えられ、気持ちを変える。
 
父親の病のことなど知らないジャイとアジャイは、ヴィジャイが社長の座に就くと聞いて憤り……。
 
凄い豪邸なんですよ。豪邸なんてもんじゃない、『RRR』(2022)に出てくる宮廷ぐらいデカい(笑)。
インドの金持ちってこんな感じですか。いや、インドに限らないんでしょうかね。
 
とにかく面白い。
ヴィジャイをあの手この手で潰そうとするけれど、ほかの主演作同様に彼は強すぎる。
『ビギル 勝利のホイッスル』(2019)や『マスター 先生が来る!』(2021)などのパロディシーンもあり、
それらの作品を観たことがある人ならついつい笑ってしまう。
 
ヴィジャイの台詞はわりといつも説教くさいのに、そうとは聞こえない
なんだか彼が言うと、そうだよなぁと素直に思えるのです。
こんな性格悪い長男と次男が最後はええ奴になるなんてありえないはずなのに、そうなる。
そして、そうなることに納得している私がいます。
 
160分超の長尺でも眠くなる隙なく、テンション上がる、笑う、ダンスに酔いしれる。
全然好みじゃなかったはずが、今じゃすっかりヴィジャイのファン。

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