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『フライング・ジャット』

2023年12月11日 | 映画(は行)
『フライング・ジャット』(英題:A Flying Jatt)
監督:レモ・デソウザ
出演:タイガー・シュロフ,ジャクリーン・フェルナンデス,アムリター・シン,カイ・カイ・メノン,
   ガウラウ・パーンデー,ネイサン・ジョーンズ,シュラッダー・カプール他
 
塚口サンサン劇場にて。
 
2016年のインド作品で、言語はヒンディー語です。
昨今のボリウッド人気に乗じて今ごろ公開することになった模様。
もっとも、すぐに公開されたなかったのは本国での評判がイマイチだったからのようです。
なんとなくそれもわかってしまうぐらい、ちょっと腑抜けの感じが強い(笑)。
 
タイトルを見たとき、最初は「フライング・ジャケット」かと思いました。
空飛ぶ絨毯ならぬ空飛ぶジャケット。
スーパーヒーローものらしいし、魔法のジャケットを着たら空を飛べるとか、って。
それは大きな間違いでした。「空飛ぶシク教徒」の意味だそうです。
 
ディロン家は母親と長男ローヒトと次男アマンの3人暮らし。
父親は癌で他界し、気丈で逞しい母親が、自らの家族のみならず近所のことも守っている。
 
次男のアマンは小学校に勤める武術教師。
亡き父親はシク教徒で初めて少林寺を修得した偉大なる人物だが、
ターバンを巻いているせいでいじめられた過去を持つアマンは、
どれだけ母親から父親のターバンを巻くように言われても拒否している。
 
大手建設会社の社長マルホトラは、自社から排出される有毒廃棄物を容易に処理しようと、
ディロン家が暮らす一帯の買収を目論んでいるが、
マルホトラの悪事を知っているディロン夫人は絶対に売ろうとしない。
そうでなくてもここは夫が遺した大事な土地であり、ほかにも善良な人々が暮らしている。
それに、御神体と崇められている大木が植わるこの土地を決して侵してはならないのだ。
 
業を煮やしたマルホトラは強硬手段に出て、傭兵ラカを雇う。
チェーンソーを携えたラカが夜中にやってきて、神木を伐ろうとするが、
たまたまそこに居合わせたアマンがラカと対決。
ラカの圧勝と思われたのに、アマンの背中が神木に触れた瞬間、
アマンは突然強くなり、ラカを遙か彼方へと吹き飛ばす。
 
不死身となったアマンには人々の苦しむ声が聞こえるようになり、
そのたびに飛んで行っては皆を救うスーパーヒーローに。
正体を明かすことはできないから、“フライング・ジャット”と名乗る。
 
一方、行方不明となっていたラカは有害廃棄物の中から奇跡の生還を果たす。
汚染物質を吸い込めば吸い込むほど力を得るラカがアマンを殺しにやってきて……。
 
序盤のアマンはあり得ないほど頼りなくて、どうしようもない奴。
タイガー・シュロフの鍛え上げられた肉体が美しいだけにその言動が情けない。
同僚の美人教師キルティに想いを寄せているのに打ち明けられず。
ところがキルティがアマンとは知らずにフライング・ジャットに首ったけ。
このキルティもどうかと思いますけどね、スーパーヒーローというだけで惚れちゃって(笑)。
 
まぁしかし、グダグダではあるものの、それなりには楽しい。
スーパーヒーローなのに高所恐怖症で低空飛行しかできないし、犬が苦手。
どんな小さな犬であろうと、吠えられるとビビります。愛嬌はあるヒーロー。
 
また、プロレスファンは喜びそうな出演者がいます。
私はプロレスに詳しくないので、これが誰なのか全然わかりませんでしたが、
ラカを演じるのはネイサン・ジョーンズというオーストラリアの元プロレスラーだとか。
彼がこのうえなくラカにピッタリで、イカツイのなんのって。
 
ダンスのシーンもそこそこあります。
それはとっても楽しくて、つまり「もっとダンスあってもええやん」と思うぐらい、本筋がイマイチでした(笑)。
でもなんでかなぁ、憎めないなぁ。

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