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大阪・十三の映画

2009年12月07日 | 映画(番外編:小ネタいろいろ)
大阪出身の方ならまず読めるかと思いますが、
「十三」と書いて「じゅうそう」と読みます。

名前の由来には諸説あり、13番目の渡し、条里制の13条、13個の塚など。
しかし、順序や数が由来ならば「じゅうさん」と読んでもよさそうな。
阪急グループの創業者である小林一三氏の名前の一部を取ったという説、
13の渡しを利用していた富豪の重蔵さんなる人物にちなんだという説も。

十三を舞台にした作品が『かぞくのひけつ』(2006)。
長らく観そびれていましたが、このたびレンタル。

十三で不動産屋を営む両親と暮らす高校生の雅弘。
同級生の典子は、つきあい始めて半年経つというのに、
手も握らない雅弘にイライラして、
下校途中にラブホ(ちなみに「マンハッタン」でした)に連れ込むという荒技に出ます。
そこまでしても典子の手を振り払って逃げ出す雅弘に、
典子の友人たちから向けられるゲイ疑惑。

実は雅弘にはずっと悩んでいることがありました。
自分は性病かもしれない。親友に思いきって打ち明けると、
「童貞が性病にかかるわけがないやろ」と笑われますが、
昔から女癖の悪い父親のせいで
息子の自分が祟られている気がして仕方ありません。

そんな息子の心配をよそに、父親は相変わらず浮気三昧。
勘づいた母親から父親の尾行を頼まれた雅弘は、
居酒屋で若い女性とデレデレしている父親を発見。
母親に真実を告げることができずにいたところ、
父親の浮気相手が不動産屋のアルバイトに応募してきて……。

十三をご存じならば文句なしに楽しめます。
そうでなければちょい微妙。
それもそのはず、もともと本作が撮られることになったきっかけは、
知る人ぞ知る十三の映画館「第七藝術劇場」の経営難による閉鎖。
直後に全国で大々的な署名運動が起こり、数カ月後の2005年12月、
映画ファンと地元商店街からの出資を受けて営業を再開。
そこで、七藝を盛り上げようと制作されたのだそうです。

もちろん、作品中には七藝も登場。
周辺はピンサロ街、階下はボウリング場という、心躍る環境。
商店街入り口の弁天堂や、商店街のど真ん中にあるポルノ映画館など、
あの辺りを通ったことがあればニヤリとするはず。

父親役に桂雀々、母親役に秋野暢子、典子役には谷村美月。
その他、チャンバラトリオの南方英二をはじめ、浜村淳がちらり。
九十九一、長原成樹、テントなどのお笑い芸人が出演しています。

「十三」に反応してもたがなという人は是非。

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