夜な夜なシネマ

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『ポトフ 美食家と料理人』

2024年01月08日 | 映画(は行)
『ポトフ 美食家と料理人』(原題:La Passion de Dodin Bouffant)
監督:トラン・アン・ユン
出演:ジュリエット・ビノシュ,ブノワ・マジメル,エマニュエル・サランジェ,パトリック・ダスンサオ,
   ガラテア・ベルージ,ヤン・ハムネカー,フレデリック・フィスバック,ボニー・シャニョー=ラヴォワール他
 
新年にシネ・リーブル梅田で5本ハシゴの2本目。
 
美味しそうな料理が出てくる作品には目がないから、先月から観る機会を狙ってはいたものの、
パスしてもいいかなぁという気持ちにはなっていました。
なぜなら名匠と言われるトラン・アン・ユン監督の作品を観ると、私は必ず寝てしまうから。
それに主演がジュリエット・ビノシュでしょ。
確かに綺麗なのでしょうけれど、この人って何十年も前からオバサンくさく見えて。
まぁでも、観なきゃ文句も言えませんからねぇ、時間が合うなら観ておこうかということで。
 
舞台は19世紀末、1885年のフランス。
美食家として有名なドダン(♂)のお抱え料理人がウージェニー(♀)。
ドダンがレシピを読み上げれば、ウージェニーがそれを完璧に作り上げる。
ふたりの名前はヨーロッパ各国に響き渡っているほど。
 
ごく親しい美食家の友人たちを何名かだけ招いて食事会をおこなうにとどめていたが、
あるとき、噂を聞きつけたユーラシア皇太子がドダンを晩餐会に招く。
晩餐会に供された料理は確かに豪華ではあったものの、ただそれだけ。
料理とはなんたるかを知らしめるために今度は逆に皇太子を招待したいと考えたドダンは、
最もシンプルな料理“ポトフ”でもてなす計画をウージェニーに相談するのだが……。
 
ドダン役にブノワ・マジメル、ウージェニー役にジュリエット・ビノシュ。
自然に包まれた素朴で瀟洒な屋敷にはこのふたりとガラテア・ベルージ演じるメイドのみ。
金持ちの貴族ってこんな生活を送っていたのかと唸ってしまいます。
 
20年以上もの間、二人三脚で美食を追求してきたふたりの絆。
夫婦のようにも見えるけど、あくまでも主人と料理人で、友人たちもそれを理解している様子。
邪推することなどはなくて、周囲もただ上手いものが食べたいだけというのが良い。
でもやっぱりこの監督の作品は私には退屈。感傷的に過ぎる気もします。
そりゃもう料理は途轍もなく美味しそうで、湯気までこちらに流れてきそうな映像なんですけどねぇ。
 
皇太子をポトフでもてなすまでの話かと思っていたら、ウージェニー死んでまうやん。←ネタバレすみません。
ショックで酒しか飲まなくなったドダンがようやく立ち上がって料理を教えることにしたのは、
生前のウージェニーに心酔していた少女ポーリーヌで、彼女は天才的な味覚を持っています。
ふたりが並んで料理する姿には心が温かくなるし、いいんですけど。
 
いいんですけどね、
だけど私は、「海と陸が出会い、その土地の魅力を歌い上げる味だ」なんて聞くと、こっぱずかしい気が。
料理とワイン、それだけを見て、美味しそう!でええやないかと思うのでした。

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