遠足
世の人に欲を捨てよとすすめつつ
あとより拾う寺の住職
なんともいえぬユーモラスな味があって 苦笑をさそわれます。
教訓調を表に出さず
冷徹な社会風刺といった姿勢をとっていますが
間接に やわらかく 多くの人に
反省を求めてくるようなところがありますね。
かなり現代的なセンスのようにきこえますが
二宮尊徳翁が弟子たちとの座談の席で
「 こういう古歌がある 」 といって紹介し
「 お坊さんなんてこんなもんだヨ 」 と笑った
という話が 『 二宮翁夜話 』 に書いてありますから
かなり古い歌なのでしょうね。
そのころのお坊さんは
民衆に対する精神面の指導者として権威がありましたが
その坊さんが 民衆の納める 「 浄財 」 によって
物質的にも肥えふとっていたわけです。
さて このごろのお坊さんは
民衆に対する精神面の指導者としての権威は全くなく ・・・
その坊さんが 民衆の納める 「 浄財 」 によって
物質的にだけ肥えふとっている としたら ・・・
「 欲を捨てよ 」 というお説教は ・・・ たしかに正しい。
ただ お説教した本人が 「 あとから拾う 」ものだから
人間が ますますアサマシく ・・・ 救いがたくなるわけですが
さて ・・・ 。