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散歩
不知
川路 柳虹
君は 俺の隣に座る
よく知っている顔だ
しかし じつはお互いに
何んにも知らない
君は 俺を知っているという
何から何まで。
だが ほんとは何んにも
知ってはいない。
顔だけみるとみんな人間
みんな友だちになれるとおもう
だが お互い なんにも
知ってはいないのだ。
一つ屋根の下に毎日いっしょに暮らしているものは
お互いをよく知っているでしょうか。
いかにも知っていそうに思われるのに 存外知っていないようです。
たしか 道元禅師のことばの中にあったと思うのですが ・・・
世界中に人間は一人しかいない つまり いるのは自分だけで
あとは自分の判断の材料が並んでいるのにすぎない ・・・ と。
いわれてみると まことにその通りです。
私の見たいろいろの人 私の想像上の各種の人がいるだけです。
お互いについて何も知っていない癖に
隅から隅まで知っているつもりでいます。
こうして誤解を拡大してゆきます ・・・ 。