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井の中の蛙、カイラス山巡礼に挑む!

夢のカイラス巡礼を終え、登山を再開しました。山岳信仰の延長上に四国遍路、カイラス山巡礼があり、原点の登山に戻ります。

日本一早い紅葉を楽しむ! その2・(旭岳) 11年9月

2011-09-28 08:41:05 | 大雪山系の山
 9月25日、朝4時30分、まだ暗いうちに層雲峡のユースホステルを立ち、旭岳温泉に向かいます。
空を見ると満天の星空です。
今日も良い天気のようです。

 近くのコンビニで食料を買い込み朝食も済ませます。
層雲峡から下って上川町で高速に乗り、愛別町で降ります。
ここから東川町へ向かいますが、朝靄で視界が利きません。
旭山動物園の横を通り東川町へ入ったあたりで道を間違えてしまいました。

30分ほどロスしてやっと旭岳温泉に到着です。
天気は快晴なのですが、旭岳の山頂は笠雲が掛かかっています。

 まずはロープウェイで姿見の池まで登ります。
    
     ロープウェイから見た旭岳です。
     中腹部の紅葉はまだまだのようです。

 ロープウェイの駅前に出ると見えました。
    
     噴煙を吹き上げている旭岳です。

 7:25分、笠雲が無くなることを祈りつつ登ります。
その前に火山好きのみいちゃんの希望で噴気口を見に行きます。
    
     なかなかの迫力です。

    
     姿見の池に写る噴気口です。

 登山道はこの噴気口のある地獄谷の右手にある稜線を登ります。
    

 足元は砂礫ですので小さな石に足を取られないように注意して登ります。
今日は日曜日、沢山の人が登っています。
その中に日焼け止めの日傘を差して登っている男性がいました。
大きな荷物を背負っていますので縦走するのでしょうか?
不思議な雰囲気を持った男性でした。

 8合目あたりから登山道が雪になってきます。
地獄谷の対岸は黒い地肌に雪の縞模様が綺麗です。
   

 登山道が雪で滑るようになりみいちゃんが遅れだします。
そこで、みいちゃんは準備していた4本歯の軽アイゼンを付けます。
これで少しスリップしなくなるでしょう。

 寒いので休憩を取らないでゆっくり歩きます。
山頂に近づくとガスが掛かってきます。
辺り一面真っ白な中、約2時間かかって9:20分、山頂に到着です。
    

 折角の山頂ですのでガスが晴れるのを待つことにします。
ツエルトを被ってお茶を飲んで軽くお腹を満たします。
次ぎ次ぎと沢山の人が登ってきます。
隣では、お父さんが中学生らしい息子さんと登ってきており、ガスを出してお湯を沸かすところです。
このの光景はとても微笑ましく、この中学生の男の子が山好きになってくれると良いなあと思いました。

 20分ほど待っていましたが、ガスが晴れません。
仕方がないので下ることにします。

 降りの雪道は滑るので危険です。
みいちゃんはストックも使って慎重に降ります。
その横をすいすいと下る私を見てどうしてそんなに早く下れるかと聞きます。
そこで降り方を教えてあげます。

身体を横向きにして靴底のサイドを上手く使って小刻みにステップを切るのがコツだと教えてあげます。
しかし、これは雪国暮らしの長い私達にとって自然に身に付いたことです。
ですから、それほどのコツでもないのですが・・・

 7合目あたりまで来るとガスが晴れます。
目の下には忠別ダムなどが見えています。
1時間半ほどで姿見の池に戻ってきました。

    
    沢山の観光客も遊歩道を歩いています。

    
     池の周りに咲いていたエゾオヤマノリンドウです。

        
     ウラシマツツジも赤くなっています。

 旭岳は黒岳に較べて紅葉が遅いようです。
これからまだまだ楽しめそうです。

日本一早い紅葉を楽しむ! その1(黒岳→緑岳) 11年9月

2011-09-25 20:23:44 | 大雪山系の山
 7月に神戸のみいちゃんを十勝岳などを案内していた時に、次は紅葉を楽しみに大雪山へ行こうという話になっていました。

 9月24日に札幌入りしたみいちゃんと約束通り大雪山へ紅葉を見に行きました。
まずは、層雲峡からロープウェイとリフトを使い黒岳へ登ります。
そこから黒岳石室を経由して北海岳でお鉢平の雄大な光景を楽しみ緑岳から高原温泉へ下山して秘湯の湯まで楽しもうという贅沢な予定です。

 しかし、台風15号が通過した後、大雪山に昨年より3日早い22日に初雪!との報道もあり黒岳から緑岳へ抜けることが出来るか心配でしたが、現地で判断することにしました。

 朝、まだ暗い5時に札幌を発ちます。
高速道路を上川町に向かって走ります。
旭川を過ぎて大雪山が見えるあたりに来ましたが、山には厚い雲が多いその姿を見ることは出来ません。

 今日の天気予報はまあまあですので回復を祈りながら層雲峡へ向かいます。
するとどうでしょうか、黒岳が姿を見せてくれたのです。
   
    左手に見える黒い山が黒岳です。右手の雲の中は北鎮岳などの
    山々でしょうか。

 層雲峡のロープウェイ駅近くにある駐車場へ車を止めてはやる心を抑えながら準備をします。
一応、高原温泉に入るためお風呂道具と着替えも持ちます。

 ロープウェイとリフトを乗り継いで7合目にある登山口に着きます。
家族連れや高齢者などいろいな年齢層の人達が山に向かって登ります。
こんなに人のいる登山は久しぶりです。

 8時20分、私達も黒岳山頂へ向かって歩き出します。
子供達が元気に歩いていきます。
カラフルな服を身にまとった山ガールもいます。
賑やかな雰囲気の中を登ります。
日高などとはまったく違った楽しく和やかな雰囲気の山登りです。

 8:55分、8合目を少し登ったところで休憩します。
正面に見えるニセイカウシュッペ山や平山は雲の中です。
風がないのでうっすらと汗が滲んできます。

 9月になって風邪を引いて1週間ほど身動きが出来なくなっていました。
咳が酷く、2日ほど夜も眠れなかったほどです。
コイカクからペテガリの疲労が抜けきらずその疲労が引き金になった風邪でした。
この風邪がやっと治ったかという時の山登りですので、まずは、慎重に体調第一の登山です。
あまり汗をかきすぎないように登ります。

 9合目あたりに来ると「まねき岩」が見えてきます。
   
    このあたりに来るとやっと紅葉が見え始めます。

 谷を埋める紅葉です。
   

 私達が写真を撮っていると小学生低学年の男の子と女の子を連れたご夫婦が登ってきます。
女の子がしきりに「疲れた!疲れた!」「もう帰りたい!」といってお母さんを困らせています。
「あと、5回ぐらい曲がったら山頂が見えるから頑張ってね。」といって励まします。

 9:25分、山頂に到着です。
   

 雲に覆われていて視界がありません。
でも、少し待っていると雲が切れてきます。
その光景にビックリです!
紅葉を楽しみにきたはずですが、山は新雪で真っ白に輝いているのです。
   
    この光景を見て緑岳に行けるか心配になってきました。

 山頂は風が吹き寒いので黒岳石室へ降ることにします。
 
   
    ウラシマツツジは真っ赤に紅葉しています。

 雲がドンドン晴れてきます。
   
    北海岳は雪で真っ白です。

   
    雲が谷を動き幻想的な光景を生み出してくれます。

   
    雲がパーッツと晴れたら足元の方に黒岳石室が見えました。

   
    登山道の横にホシガラスが飛んできました。

 9:55分、黒岳石室に到着です。
   
    黒岳石室です。左にある三角屋根の建物はバイオトイレです。

   
    小屋の前にあるナナカマドはすっかり葉が落ちて赤い実だけが輝いていました。

 黒岳石室の管理人の方に聞くと緑岳方面は所々膝ほどの雪が残っているようですが踏み固められているので歩くには支障がないと教えてくれました。

 石室の前にあるテーブルでお茶など飲んで少し休みます。

 10:15分、緑岳へ向かって出発します。
    
     ハイ松の緑とウラシマツツジの赤が絶妙なグラデーションを生み出しています。

 正面には黒い山肌に真っ白な雪がいろいろな模様を生み出しています。
    

 北海岳に向かって登っていると正面に見えるはずの北鎮岳の山肌が見えてきます。
    
     雪の白さが神々しく綺麗でした。

 北海岳に向かって深くなってくる雪に足を取られないように歩きます。
    
     みいちゃんは、雪道になれていないので遅れますが、頑張っています。

 11:40分、北海岳に到着しました。
数人の登山者が休んでいますが、風がまともに当たりますのでお鉢平の写真を写したら直ぐに出発します。
  
    
     北海岳から白雲分岐にかけてが一番雪が深いです。
     ところどころ膝が埋まるくらいの雪でした。

    
       白雲分岐の方向ですが、右にある白雲岳は雲に隠れなかなか姿を見せてくれません。

 1時間ほど掛かって、やっと、白雲分岐に到着です。
ここには数人の人達が休んでしました。
ここまでの間にも赤岳から歩いてきたという人が何人もいました。
でも、私達のように黒岳から赤岳や緑岳に歩いている人はあまりいないようです。
    

 空が暗くなってきたと思ったら雨が降ってきます。
あまり長居は出来ません。
緑岳に向かって小泉岳へ行かずショートカットして緑岳へ向かって歩きます。

    
     途中で白雲の避難小屋が見えてきました。

 13:25分、緑岳に到着です。
山頂に積み上げられたケルンの陰で一休みします。

 緑岳の山頂からは急な岩だらけの斜面を降ります。
雨も降ってきて岩が濡れます。
滑るかもしれないので慎重に降ります。
標高差で2百メートルほど降るとやっと岩だらけの道からハイ松の中の道となります。

   
   高根ヶ原方面です。

 みいちゃんにトムラウシ山の姿を見せてやりたかったのですが、トムラウシは厚い雲に覆われ姿をむせてはくれませんでした。

 ここから下は木道がある平坦な草原を歩きます。

 そして、最後は林の中の急な階段を下ります。
左膝の外側が痛くなってきます。
雨は降ったり止んだりですが、幸いに気温が高いので寒くはありません。
ここが我慢のしどころです。
緑岳の山頂から休み無しに歩いているのですが、みいちゃんはしっかりと付いてきています。

 下に見える山肌から白い煙りが フワフワと流れてきます。
どうやら水蒸気のようです。
やっと高原温泉に着いたようです。

 15:10分、高原温泉に着きました。
ここからは、バスで大雪ダムが作った大雪湖の畔にあるレイクサイトまで降ります。
そしてバスを乗り換えて層雲峡へ帰ります。
最終のバスは16:00分です。

 みいちゃんは、この高原温泉が秘湯の会の温泉なので入りたいといいます。
私は風邪気味なので入り口の左手にある足湯で我慢することにしました。

   
    右手に一人達は15:30分発のバスに乗る人達です。

 16:00発のバスに乗るために足湯から上がり靴を履きます。

 ここで事件勃発です!
宿の入り口へ行くとみいちゃんが自分の登山靴がないといいます。
誰かが間違って履いたようです。

先ほど宿から数人がバスに乗り込んだので直ぐにバスへ行って靴を間違えて履いた人がいないか声を掛けます。
誰からも反応がないので、先ほど降っていたバスに間違って履いて行った人がいないかどうか運転手さんに無線で聞いてもらう様にお願いしました。
それを頼んでいると、一番奥に座っていた若い女性が立ち上がり「私が間違ったかもしれない」といいます。
自分の靴より大きいかもしれないといいます。

 直ぐに宿の玄関へ行ってもらい確かめてもらいます。
すると、やはり、彼女が間違っていたようです。
やあ、やあ、これで、事件は解決です。
それにしても、似たような色の登山靴でしたが自分の靴とサイズが違うのに気が付かないのでしょうか?
やれやれ、とんだことでひやりとさせられました。
自分の靴ぐらい間違わずに履いてほしいものです。

 16:00発の最終便になんとか乗れてレイクサイドでは層雲峡行きのバスにも間に合いまし
た。
今夜の宿は層雲峡ユースホステルに泊まります。
ユースの宿泊客は、若い人達と高齢者の割合は半々でしょうか。
最近感じることは、高齢者のユース利用が増えていることです。

 その前に流星の滝、銀河の滝を見に行きます。
みいちゃんがこの滝を見に来る機会はそれほどないと思ったからです。
滝はここ数日降った雨のせいか流量もあり勇壮な滝の姿を見せてくれました。

 



大雪山(黒岳)から新年の挨拶!・2011年1月

2011-01-04 21:07:37 | 大雪山系の山
2011年のお正月、札幌は穏やかな天気でした。

お正月は荒れるという天気予報でしたが、本州の島根・鳥取などが大雪であったのに較べると札幌では本当に穏やかな天気でした。
少し荒れてくれると積雪がどんと増えると期待していたのですが(不謹慎ですね!)、期待は裏切られました。
その結果、山は少雪のままであり、もう少し積雪がないと思うように山スキーができない状況が続いています。

でも、大雪山に行けばそんなことはありません。
幾ら少雪とはいえ標高差がものをいいます。
そんなことで、正月3日にS氏と二人で大雪山黒岳(1984m)へ出掛けてきました。

当日の天気予報は曇り時々晴れ、まあまあの天気です。
札幌を朝5時に出発して登山口となる上川町層雲峡に着いたのが8時です。
ここから5合目までロープウェイで登り、さらに7合目までリフトで登るというお手軽なコースです。

20分おきに運行されているロープウェイの8時40分に間に合いました。
アッという間に5合目の駅に到着です。
ここから200mほど歩くとリフトの乗り場があります。
リフトに乗り7合目に着いたのが9時30分、さあいよいよ山頂へ向かって登ります。

黒岳の積雪は210センチと発表されています。
しかし、笹などの一部が顔を出しているところを見るとやはり1メートルは少ない感じがします。

天気は時折太陽が顔を出しており風もないという絶好のコンディションです。
私達に先行していたグループは山頂に向かわないようなので、私達2人が真っ白な新雪にルートを開いていきます。

山頂方面は薄い雲に覆われているのですがきっと晴れると思い白樺の疎林の中にジグを切って登ります。
ロープウェイ、リフトを乗り継いで7合目まで来ていますので山の斜面はけっこう急です。
喘ぎながら登ります。

9合目近くなると前方に見上げ岩が見えてきます。

      
       見上げ岩に向かって山頂直下の斜面を登るS氏です。

この辺りまで来ると斜面がクラストしています。
スキーアイゼンの歯を有効に使ってゆっくり確実と気持ちを引き締めて登ります。
眼下には凹形の浅い沢が続いています。
この斜面を下ることを考えるとゾクゾクしてきます。

 登りだして1時間半、ようやく山頂です。
山頂は強い風が吹いています。
でも桂月岳の一部が見えていますし、上からは薄日も射しています。

  
    黒岳の山頂から新年のご挨拶をいたします。
   私の拙いブログを見ていただいている皆様にとって
   新年がよりよい年でありますようにお祈りします。


 左手にある監視人小屋の陰で風を避け下山準備をします。
シールを剥がし、ヘルメットを被りゴーグルをつけて、さあ、下山です。
目の下には真っ白な大斜面が続いています。

この斜面に飛び込みます。

今年もいい山行ができますように!!


 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

   黒岳ロープウェイの運行は、1月3日をもって1月27日まで
  運休となります。
   リフトの方は、同様に2月24日まで運休になります。
  したがって、黒岳に登り山頂からの大斜面を自分のものにするには
  完全冬山装備で挑まなければなりません。
  今回のようなお手軽登山はしばらくお預けになります。

トムラウシ川・地獄谷 10’9月

2010-11-12 08:22:27 | 大雪山系の山
9月4日から5日にかけてトムラウシ本流の中程にある地獄谷へ行って来ました。
地獄谷というのは、温泉水の吹き出ている場所です。
ここからは、トムラウシ山へ登ったり五色岳に登ったりできます。
メンバーは、先日日高を縦走したS氏とO氏の3人です。

 最初の計画では、クァウンナイ川を遡上してトムラウシ山に登り、ワセダ沢・トムラウシ川を下るという計画でした。
しかし、2日から雨が降り3日も様子を見ましたが雨が降り続いていたのでクァウンナイ川から遡上をあきらめました。
当初の計画を変更してトムラウシの地獄谷からトムラウシ山を登ることとして4日に出発しました。

 札幌を朝5時に出発して4時間半ほど掛かってやっとトムラウシ川の手前にある登山口へ着きます。
この登山口は、トムラウシ山へ登る短縮登山口のさらに西側へ続く林道にありますが、手入れのされていない林道なので沢水により崩れた場所の手前に車を止めます。

ここから廃道となった林道を約1時間ほど歩きやっとトムラウシ川にたどり着きます。

     
     初めてお目に掛かるトムラウシの流れですのでどのくらい増水しているかが分かりません。
でも、これ位の水量なら大丈夫と判断して地獄谷を目指すことにします。

     
   川原は広いのですが、流木が散乱しています。
   この流木は8月に降った豪雨のせいです。

 最初は右岸を登ります。
直ぐ先に岩肌が露出している場所があります。
       ここは足元が滑らなかったので水際を何とか歩いて登りました。
     (上流から見たところです。)

 さてこの先にもっと大きな壁が待ちかまえています。
ここは高巻きをすることにしました。
     
 この壁は思ったより面倒で結局20mほど上を高巻くことになってしまいました。

 上流に登っていっても水量は落ちてきません。
やはり、前日降っていた雨の影響なのでしょうか。
なかなか速い流れが続きます。

     
   たくさんある流木に難儀しながら登ります。
右岸には巻き道もありますが、それもハッキリしたものではないので流れに沿って登ります。
   

   流れが速いところを渡渉するときには念のためザイルを使って確保します。
  膝くらいの深さなのですが水量があるためなかなかの水圧です。
    

 何度か渡渉をして約4時間歩きました。
やっと地獄谷が見えてきました。
   
   左岸にモクモクと白い煙が上がっています。
ここが地獄谷のようです。

 地獄谷の直ぐ川下にワセダ沢との合流点があります。
なかなかの水量です。
   
   地獄谷の左岸にテントサイトを見つけました。
水際から2mほど高く増水しても安全な草付きの良い場所です。
早速テントを張ってS氏とO氏はワセダ沢へ釣りに出掛けます。
私は、焚き火がしたかったのでS氏からノコを借りて流木拾いに出掛けます。
    
   1時間ほどでワセダ沢へ釣りにいていたS氏とO氏が帰ってきます。
釣果の方はオショロコマを7~8匹、その中に20センチほどの大きな物がありました。
O氏はその一番大きなオショロコマを木の枝にさして焚き火で焼きます。

 そうそう、流木を拾ってきて焚き火をしたのですが、山で焚き火をしたのは何十年振りでしょうか。
うまく火が着くか心配だったのですが新聞紙数枚を焚き付け代わりに使って何とか着けることができました。
焚き火が大きく燃えだしたときにS氏とO氏が帰ってきたのです。
日が陰った沢は寒かったようで二人とも焚き火に当たり暖を取ります。
そしてそのまま宴会へ突入です。

S氏のザックから2リットル入りのお酒がでてきます。
オショロコマを唐揚げにしたり焼いたりしたものを肴にお酒が進みます。
しばらく振りにノンビリとした至福の時間が過ぎていきます。
宴会は暗くなるまで続きました。


 9月5日、朝、目を覚ますとテントをポツリポツリと雨が当たります。
ラジオの天気予報を聞くとすでに檜山地方は雨でありこれから全道的に雨になると報じています。
これを聞いては、トムラウシへ登る気も失せて直ちに下山することにします。

 テントを畳んでから左岸の奥にある蒸気を噴いている場所を見に行きます。
小さな流れに沿って登りますが、その水がすでに温泉水です。
上り詰めたところは溜まった灰色の水がボコボコと音を立てて吹き上がっています。
泥がポコポコと丸くなって盛り上がってます。
     
     
  そぼ降る雨の中を下ります。
登りの時には気が付かなかった巻き道が左岸にあるのでそれを上手く使って下ります。

 渡渉点を探して川筋を見ていると上手い具合に川幅一杯に倒れている松の木を見つけました。幹の太さは一抱えはあるでしょうか。
その木にまたがって渡渉します。

3時間ほどで最初にへっつた場所へ戻りました。
S氏がここから右岸を直接登ると林道へショートカットできるというので草付きの斜面を登ります。
30分ほどで林道へ出ます。
ここから1時間ほど歩いてやっと車を駐車していた登山口に着きます。

今回の山行は雨に祟られましたが、何とか無事に終えることができました。


 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
   
  地獄谷は初めての場所でしたがなかなか良いところでした。
 湧き出ている温泉水を溜めると露天風呂ができるという話ですが、それを作っている
 時間はありませんでした。

  ここから右岸の奥にはトムラウシの山頂がちょこっと見えています。
 ワセダ沢を登り詰めると北沼に出ますので、地獄谷から3~4時間で山頂です。
 
  私は、久しぶりに焚き火ができたので満足な山行でした。
 やはり焚き火は良いものです。
 焚き火の炎を見ていると不思議に心が落ち着くのです。
 これからも、沢登りの折りにはできるだけ焚き火をしたいと思っています。
  




    
              

トムラウシ山 ・ 10’3月

2010-03-24 13:53:31 | 大雪山系の山
山スキーに一緒に行っているS氏からトムラウシ山へ行かないかとお誘いを受ける。
S氏は数年前の4月に行ったことがあるという。
そして、厳冬期に行ってみたいのだがと、お誘いを受ける。

一緒に行くことにしてS氏が以前登った時のログをいただく。
そのログをカシミールに落とし、登山ルートを研究する。

問題となる点は
 ① 森林限界から上の視界が確保されること
 ② カムイサンケナイ川最上流部にあるすり鉢状の斜面にある雪の状態
 ③ 山頂部に吹く風の強さ
以上の点ですが、これらに疑問符が付く場合には遭難の恐れがあると思わなければいけません。

それらを踏まえて3月2日に日帰りで行くこととして計画を練ることにしました。
リーダーをS氏とし、サブリーダーをO氏、それに私の3人で行くことになりました。

装備は日帰り用を基本として荷物を軽くし、機動力を持たせることにしました。
といっても、雪崩対策用の3種の神器、ツエルト、ストーブ、吹雪に遭う、視界不良になるなど最悪の場合には山中での1泊に耐えられる装備としました。

事前に調べている天気予報がクルクルと変わり、やっと、2~3日前の予報では
好天気が予測されます。
一番気になっていた風も数値予測では1,500m地点で数メートルの予測結果です。
登頂予定日は、これ以上ない天気のようです。

3月1日の午後、新得町・東大雪荘に向けて出発します。
今回東大雪荘に2泊の申し込みをしたところ連泊プランとして1泊5,400円の料金で泊まれることになりました。


3月2日、5時出発予定のはずが準備が早く済んでしまい4:45分東大雪荘を後にします。

東大雪荘には黒テンが数匹玄関前に置かれたエサを食べに来ています。
黒テンといっても冬毛ですので真っ白な身体をしています。
玄関のガラス越しにその顔を見ると愛らしいのですが、肉食動物ですので手を差し出すなどもってのほかです。
指を食いちぎられてしまうかも知れません。

さて、アンナプルナサーキット以来のヘッドライトをつけてのスタートです。
キャンプ場への分岐点から除雪されていない林道をスキーを付けてヘッデンの光を頼りに歩きます。
緑雲橋を渡りT字の交差点を左に進みます。
右へ進むと夏道の短縮登山道へ行くことが出来ます。

ユウトムラウシ二の沢左岸にある林道を登っていきます。
沢が北に大きく曲がる辺りで渡渉します。
ヘッデンの明かりを頼りに渡渉点を探します。

5時35分、渡渉を終え、廃道となった林道を詰めていきます。
途中で薄明るくなってきたので、ヘッドライトを消します。

ユウトムラウシ二の沢の沢底が遠くなってくると前方に小さな枝沢が右手に見えてきます。
この小沢にしたがって右手に登っていきます。

6時35分、地図を見ると1,006mポコの北にあるコルに着きます。
ここからは尾根を忠実に登っていくことになります。

標高差350mほどの狭く急な尾根を登ります。
ところどころ雪庇状に盛り上がった雪をジグを切りながら登ります。

標高1,350m辺りでは広く平らな斜面が広がっています。
視界が一気に開け、正面にはトムラウシの山頂が見えています。
    
      広い斜面の向こうにクッキリとした山頂が見えています。
      左の小さなコブが山頂です。

オプタテシケ山も見えていますので記念写真を撮ります。
    
      左はリーダーのS氏、右が私です。

心配していた天気が快晴・無風ですので安心して先へ進みます。

ここからは広い尾根が続きます。
帰りのことを考えてデポの赤布をところどころの木に縛り付けます。

踝ほどの新雪を快調に登っていきます。
標高が上がるにしたがってクラストした斜面に変わります。

9時10分、コマドリ沢の対面にある斜面に着きます。
これが冬のコマドリ沢です。
     
       疎林に沿って右にコルまで延びているのがコマドリ沢です。

さらにカムイサンケナイ川の上流部を目指します。
      
        カムイサンケナイ川の上流部です。
        一面真っ白な斜面がすり鉢状になっています。

この斜面に向かってもうすこし尾根を詰めていきます。
このトラバースが本日一番の核心部です。
直径約1キロ、見たとおり白一色の大斜面です。
どこで雪崩が起きても不思議のない斜面です。

9時10分、コマドリ沢の正面に着きます。
ここで雪の状態を調べて見ます。
表面の雪は固くクラストしており、厚さが5センチほどある。
プラの兼用靴でやっと割れるほどの堅さを持っている。

降り積もった新雪は15センチから20センチ、斜面を横切るうさぎの足跡がのこっている。
この雪はクラストした斜面にしっかりと馴染んでいる。
以上のことからこの斜面ではクラストした斜面を踏み抜くことはないであろうし、その上の雪も安定しているので流れの心配はないと思われる。

トラバースを始めるとこの感を一層強くしました。
先頭を私が歩いていきます。
トラバースは少し登りながら歩く方が足に対する負担が少ないのです。
ゆっくり進んでいきます。
   
   この斜面をトラバースしました。
         
南側に斜面に来るとしっかりクラストした斜面となりスキーアイゼンの歯をしっかり食い込ませなければ歩けなくなってきます。

ここで事件が起きました。
一番最後を歩いていたO氏が滑落してしまいました。
私は前を歩いていましたが気が付きませんでした。

後ろ振り返るとO氏の姿が見えません。
どうしたかと思ってさらに下の方を見るとスキーを脱いでいるO氏がいます。
「大丈夫ですかー」と声をかけると「落ちましたー」と帰ってきます。

スキーを履き直して歩いてくるO氏に聞くと、スキーを斜面に垂直にしたところスキーアイゼンが利かず斜面を滑り落ちたようです。
ハイ松の枝に掴まりやっと止まったなどと話してくれます。
     
      O氏を迎えに行くS氏

10時10分、トラバースをほぼ終えたので一休みします。
このトラバースに約1時間ほどかかりました。

尾根に登ると正面にトムラウシの山頂が大きく見えています。
ここから山頂下まで1時間、山頂下にスキーをデポして山頂まで30分かかると思います。    

最初の予定では、12時を目安にして下山することにいていましたが、この天候は崩れるとは思えません。
今日は多少時間がかかってもアタックすべき日なのです。
それが出来る日だと思いました。

オプタテシケもよく見えています。
    

このコースを経験済みのS氏によれば、前回は、ここから先は一面の雪でこんなに岩が出ていなかったという。
今年は雪が少ないようだ。

ハイ松と岩を避けながらクラストした斜面を慎重に登ります。
約1時間10分ほどで山頂下に着きます。
ここでスキーをデポして、ツボ足で山頂を目指します。
    
      この大きな岩陰に山頂があります。

ここから先はスキーをデポして山頂へ向かいます。
急な斜面にある岩はすべてエビのシッポで覆われ、斜面の表面もところどころ凍っており神経を使いながらキックステップで登ります。

プラスチックの兼用靴ですので思い切り蹴り込めば何とか登れます。
      

13時10分、山頂です。
360度の視界が開けています。
北を見ると大雪の山並み、旭岳の噴煙が真っ直ぐに立ち上っているのが見えます。
南には大きく聳えているオプタテシケから十勝岳までがよく見えます。
西には石狩岳、そしてニペソツなど至福の時間です。
    
      大雪山連峰、左端が旭岳、真っ直ぐ立ち上る噴煙が見えます。

         
           オプタテシケから十勝岳。

    
      石狩岳など東大雪の山並み

    
      山頂部の向こうに見えるニペソツ

最後になりましたが山頂はこんな風になっています。
キノコのようになっているのはエビのしっぽがビッシリと着いた山頂の標柱です。
      
       思わず笑みがこぼれます。

去りがたい山頂ですが、そろそろ下山しなければなりません。
下山は少し北側にコースを取ります。
こちらの方が雪の状態がいいようです。
それでも岩陰は注意しないと窪みに足が取られそうです。
   
     下山中のS氏とO氏   

スキーのデポ地点に戻り、ここからはスキーで一気に下ります。
アッという間にコマドリ沢の近くまで下ってしまいます。
クラストした斜面はスキーの滑りが良いものの、岩やハイ松がありますので、それらにスキーを引っかけないように注意して滑ります。

トラバース地点は、お互いの距離を取って慎重に歩きます。

そして、渡り終えるとここからは山スキーを存分に楽しめる斜面が続きます。
とはいってもかなり足に負担が来ているのか思うようなスキー操作ができません。
それでも転びながら楽しく滑ります。

林道跡が見えてくればこの滑りもあと少しです。

渡渉地点に来ました。
よく見ると、簡単に渡渉出来る場所がありました。
どうやら橋が架かっているようです。
来るときにはヘッデンでしたので見つけられませんでした。

16時、東大雪荘に到着。
長かった1日が終わりました。

でも、みなさんの顔を見ると満足感で一杯の顔をしています。

さあ、あとは温泉でゆっくり反省会です。


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    今回は、厳冬期にもかかわらず好天に恵まれ楽しい登山が出来ました。
   この山が昨年の夏に沢山の命を奪った山だとは思えません。

   山は、同じようにそこに聳えている。
   誰に対しても平等に!

   今回の成功は、何より好天に恵まれたことが第1です。
   次に綿密な計画を立てたことです。
   もう一つあげるなら、メンバーの力量に差がなく、まずは自分のことをしっかりと
   考えて行動をすればいいということがあげられます。               
   記憶に残る山行が出来たことに感謝!感謝! です。      

音更山(1,932m)・その4

2008-08-06 22:33:04 | 大雪山系の山
昨晩はウトウトして寝ていました。
気になるのは雨の降り方でしたが、12時頃には
ほとんど降っていなかったようです。
その代わり強い風が吹いていました。
十勝側からゴーッという音が聞こえてきます。
その音が尾根を越え、私達のテントの上を抜けていきます。

でも、このテントサイトは風が直接当たらないので
テントの屋根が少しバタバタするくらいで終わります。
西の風が南に回ってきたのがテントに吹き付ける風で分かります。

まだ暗いのですが、チュンチュンと鳥の声が聞こえてきます。
雨も降っていないし風も治まったようです。

4時になると隣のテントの人達も目を覚ましたようです。
私達も起きて朝食の準備をします。
朝食はラーメンの中に野菜とお餅を入れたものです。
ほとんど定番となった朝食です。

出発の準備を終えてテントの外へでると目の前にユニ石狩岳が
雲の合間から顔を出しています。
      
 最初は山頂部が少ししか見えなかったのですが
ドンドン雲が切れてきます。
天気が回復してきたのでしょうか。

5時20分、テントサイトを出発します。
               
    ブヨ沢のキャンプサイトです。
   奥に見える白いテントが私達のものです。
   手前にいる方達が、後から来た人達です。
テントの外へでたとたん、蚊の群れに囲まれます。
その蚊の群れを帽子で振り払います。

まずは目の前にあるコブ山を越えなければなりません。
体調はいいようです。
下草もあまり濡れていません。
昨晩の風が振り払ったのでしょう。

コブ山の上に来ると目の前にニペソツ山が見えています。
     
最初見たときにはニペソツの頂がはっきりと見えていたのですが
ミルミル雲が低くなってきてアットいう間に頂を隠してしまいます。
石狩岳の西側にあるジャンクションピークとのコルにも
低い雲が西から流れてきます。
どうやら天気は下り坂のようです。

コブ山を越えて音更山の方を目指して歩いていると
音更山から石狩岳がはっきりと見えています。
          
        正面の尾根を登って肩に着き、左手に歩くと山頂です。


右手の尾根を歩き、正面が石狩岳です。

音更だけの肩にたどり着いた頃には辺りがすっかり雲の中です。
山頂に着いたときには雲だけでなくて風も強くなってきました。

写真に写っている人達は、昨晩一緒にテントを張っていた人達です。
山頂には6時50分、到着です。
ここまで約1時間半ほどです。

山頂は風が強いのですぐ横にあるハイ松に中へ入って休みます。
風だけでなくて雨も降ってきます。
視界がドンドン奪われていきます。
この様子では、石狩岳へ行っても眺望が望めないので
音更山から引き返すことにします。

登ってきた道を風に吹かれながら下ります。
ブヨ沢のキャンプサイトに近づくと風が少し治まってきます。
8時30分、ブヨ沢に戻りました。

ここでテントを撤収して下山します。
今朝は顔を出していたユニ石狩岳も雲の中です。

9時10分、十石峠に着きます。

しばらく下って沢水が汲めるところで昼食の休憩を取ります。
雨が止んでいるので、雨具を脱いでゆっくりします。
朝から十分な休憩を取っていなかったので、
沢水を飲みながら、のんびりします。

11時50分、登山口へ着きました。

ここから層雲峡へ行って温泉にはいることにしました。
「大雪の湯」がお気に入りなのです。
料金は6百円、露天風呂もあります。
昨日からの汗を流してさっぱりしてから札幌へ向かいます。

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 どうも最近の週末は天気が良くありません。
月曜日になると天気が回復しているという皮肉な
巡り合わせになっています。

 でも、今回はテントを担いで1泊用の荷物を持っての
山行でしたが、十分に歩けたので、それが確認できただけでも
自信となりました。
次は数泊する縦走を計画しようと思っています。
一歩、一歩を確実に歩み、スキルをアップさせるつもりです。

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音更山(1,932m)・その3

2008-08-05 21:24:14 | 大雪山系の山
ブヨ沢キャンプ場にテントを張って中でホッと一息ついてると
雨音が強くなってきます。
どうやら、予定通り雨が降る前にテントが張れたようです。
でも、まだ午前10時です。

朝早く札幌をでてきたので昼食を取った後は一眠りです。
テントにはじける雨音を聞きながらの一眠りは最高の気分です。

ウトウトいていると人の声がします。
どうやら、お仲間の登場です。
2人の声がしています。
テントの中から話しかけると、十勝側から登ってきたようです。
この後は石狩岳を越えて化雲岳を経由し天人峡へ降りるか、
表大雪まで行くか、五色岳辺りで考えるといっています。

16時になりましたので久しぶりに天気図を書くことにしました。
NHK第2放送にチューニングします。
今回はラジオと天気図用紙を持ってきています。
天気図の記入は、今年になって何度か練習しました。
高校時代に覚えた記入方法ですが、忘れないものですね。
昔に比べるとアナウンサーの声もゆっくりと聞こえます。
気のせいでしょうか?

完全とはいきませんが、それなりにアナウンサーの声を拾いながら
天気図用紙に記入していきます。
一瞬迷うのは風向の西南西、西北西、東南東、東北東などですが
それ以外は何とか追いついて記入していきます。

書けた天気図を見ると北海道を斜めに停滞前線が横断しており
明日の天気もあまり良くないようです。

後はまたダラダラとして時間を潰します。

早々、このキャンプ場は150mほど下ったところに水場があります。
暗くなる前に水を汲みに行きます。
雨が小降りになったところで行ったのですが、
水場までの道は急な上に笹が覆い被さっているところもあり
なかなか、大変でした。

でも、水も汲んでしまったので、これで明日の朝まで
テントの中でゆっくり出来ます。

夕食を食べてからは、ひたすら寝ました。
明日の朝の天気が少しで良くなっていることを祈って!

音更山(1,932m)・その2

2008-08-04 21:35:15 | 大雪山系の山
8月2日(土曜日)、まだ薄暗い札幌の町を4時に出発します。
6月にはこの時間にはすっかり明るい空だったことを思うと
季節は夏になるところですが、日の出の時間を見ると
確実に秋の気配を感じます。

天気予報では、今日は昼から雨となっています。
ですから、早めにブヨ沢のキャンプ場まで着きたいと思い
早立ちすることにしたのです。

順調に層雲峡を過ぎ、大雪湖の上を走り、由仁石狩林道の
入り口に着きました。
この入り口のゲートは鍵が掛かっています。
上川森林管理事務署から事前にキーナンバーを聞いていますので
ゲートを開けて林道へ入ります。

     
ここから約4キロほどで登山口となります。
林道はよく整備されているので快適なダートコースです。
道の真ん中に黒い塊がありました。
後で分かったのですが、この塊はヒグマの糞だったようです。

10分ほどで登山口に着きます。
     
この左側が駐車場になっています。
     
詰めると10台は駐車が出来そうです。

7時30分、いよいよ出発です。
厚い雲がすぐ頭の上にありますが雨とはなっていません。
久しぶりに1泊用の荷物を背負っての登山です。
今回の山行はこの荷物の重さにどのくらい耐えることが出来るか
を確認することが課題です。
私にとって大事な山行です。

2度ほど丸太を数本組み合わせて造った橋を渡ります。
ここからは由仁石狩沢の右岸を登っていきます。

8時10分、40分ほどで「鳴兎園」と綺麗な標識がある
岩が積み重なった上を綺麗に苔が覆っている場所に着きます。
     

どうやら、ナキウサギがいるようです。

           

この辺りで雲の中に突入です。
霧雨のようなガスの中へ入っているので雨具を着ます。

左側の斜面に大きな岩が崩れ積み重なった場所がでてきます。
沢の様子も狭くなり積み重なった不安定な岩の上を登っていきます。
        

登山道がハイ松帯の中をジグザグに切って歩くようになると
もうすぐ十石峠(じゅっこくとうげ)です。
      
     (この写真は、次の日に写したものです。)

9時10分、十石峠に着きました。
峠は風が強く、霧雨が降っています。
メガネが曇って辺りの様子がよく見えません。
ハイ松の陰で休みます。

ここからブヨ沢キャンプ場まで、3つほどのコブ山を越えなければなりません。
一休みしたので、先を急ぎます。
まだ霧雨ですが、すぐに本降りになるのは目に見えています。

急な斜面を重い荷物に喘ぎながら登りますが、
思ったより快調に登れます。
普段のトレーニング効果が出ているのでしょうか?

3つのコブを登り少し長い下り坂を歩いていくと
目の前に小さな沼が見えてきます。
この沼がブヨ沼です。

沼の手前を右側に曲がると目の前に砂礫の広場があり
ここがブヨ沢キャンプ場です。

10時、ブヨ沢キャンプ場へ着きました。
誰もいませんので、一番いい場所と思える場所にテントを張ります。
テントを張っているといつの間にか回りが蚊でいっぱいです。
私達の顔めがけて一斉に攻撃してきます。

テントを立てる作業に追われている間に額や頬など
瞬く間に数カ所ずつ刺されてしまいます。
テントを立てると、蚊の攻撃を避けるために
一目散に避難します。

テントの中へ入り込んできた蚊を退治して、
ホット一息です。





音更山(1,932m)・その1

2008-08-03 19:54:49 | 大雪山系の山
8月2日から3日にかけて1泊2日で石狩岳、音更山へ登りに行って来ました。

上川側からユニ石狩川をさかのぼり十石峠経由で
ブヨ沢キャンプ場で1泊して、次の日に石狩岳まで
往復するという計画です。

結果から書きますと、天気が悪かったので石狩岳は断念して
音更山から引き返してきました。

行く前から天気予報は悪かったのですが、
ユニ石狩川の登山口あたりで既に厚い雲がかかっていました。
まずは雨が降ってなかったので登ることにしました。

しかし、次の日、朝早くは曇り空で石狩岳も見えていたのですが
ドンドンと雲が厚くなり、音更山は雲の中。
その結果、石狩岳を断念したということです。

詳しくは明日以降に書きます。



ぜひ、大雪山へ!

2008-07-17 20:33:04 | 大雪山系の山
今週末は海の日があるので土曜日が休みの人は3連休となります。
今週末も大雪山の花々が見頃だと思います。
皆さん、ぜひ大雪山へ足を運んでください。

銀泉台の登山バスは午前中に1便、午後から1便ですが
それを使っても十分に楽しめます。

沢山の方がバスを利用しなければ、この路線もいずれは
廃止となってしまいます。
私が銀泉台から層雲峡へ乗ったときは私達を含めて
6人しか乗っていませんでした。

既に、層雲峡から高原温泉、上川町から愛山渓のバス路線が廃止しています。
ただ、高原温泉は9月になると紅葉見物の登山客が沢山はいるので
交通規制が敷かれるために大雪湖からシャトルバスが走っています。

自家用車で登山口から登ってまた同じ登山口へ帰ってくる。
それはそれで楽しいと思いますが、大雪山の魅力は広さにあります。
それが実感できるのは縦走をすることです。

たとえば愛山渓から定山渓、黒岳からトムラウシ山を越えて東大雪荘まで、
愛山渓から銀泉台、沼ノ原から表大雪、石狩連峰から表大雪、
大雪から十勝岳への縦走など、1泊程度の短いコースから4泊程度の
長いコースまでいろいろなコースを選ぶことが出来ます。
一番ポピュラーなのは旭岳から黒岳の間を縦走することです。
お鉢平を半周するコースは昔から大雪銀座といわれていました。

そういうコースが幾つも取れるのが大雪山のいいところです。
その時には、ぜひ、公共交通機関も利用してやってください。
そうすることによって、バス路線が残っていけるのだと思います。

皆さん、よろしくお願いします!