井の中の蛙、カイラス山巡礼に挑む!

夢のカイラス巡礼を終え、登山を再開しました。山岳信仰の延長上に四国遍路、カイラス山巡礼があり、原点の登山に戻ります。

神戸の山女を羊蹄山へ案内する

2015-07-27 21:22:19 | 後方羊蹄山・ニセコ・積丹山系・道南の山
 神戸の山女を大雪山に引き続き羊蹄山を案内しました。

 7月21日(火曜日)

 天気予報はあまり良くないのですが、日程の関係もありこの日をはずすと登れないので日帰りでチャチャと登ってきました。

 朝6時に札幌を発ち、京極の登山口に着いたのは7:30分、10分ほどで登山準備をしてすぐに出発です。
   
   途中、中山峠から見えた羊蹄山は山頂部に雲がかかり見えなかったのですが、それよりは山頂部が見えるようになっています。

 7:40分、まずはビート畑の真ん中を歩きます。
5分ほど歩くと登山口の標識があります。
ここからは、林の中を歩きますが、ほどなく1合目の標識を通ります。
あとは2合間を目標に登りますが、結構な傾斜が緩み無く続きます。

 湿度が高いので汗だくになって登ります。
今日は魔法瓶に氷を入れたカルピスなど水は十分に持ってきています。

 9:30分、5合目を通過します。
   
 この辺りで雨が降ってきましたが、ほんの10分ほどで止んでしまいました。
雨具を出して頭から被っていたのですが、それでも暑いのですぐにザックに仕舞いました。

 8合目を過ぎ、9合目が近くなってくるとザラ場が現れてきます。
この辺りでようやくイワブクロの花などが咲いており目を楽しませてくれます。
   
   ここからお鉢の縁にかけて沢山咲いていました。

 11:25分、やっとお鉢の縁に到着。
しかし、ガスの中で周囲は真っ白な状態です。
左に進み10分ほどで山頂に到着です。

 11:35分、約4時間で山頂まで登ることができました。

お鉢から吹き上がる風でみいちゃんの髪が爆発しています。

 山頂は風が強いので少し下がって休みます。
汗でずぶ濡れの身体はすぐに冷えてきますのでフリースを着てさらにジャケットも着て風を塞ぎます。
山頂には男性が2名ほど休んでいます。

 さて、軽く食べ物を口に入れ飲み物を飲んでのどを潤しすぐに降ります。
今日の天気予報では午後から崩れる予報なのです。

   

   
   イワキキョウの紫色が目に沁みます。

   

 羊蹄山は咲いている花が少ないです。
それでも、京極コースはイワブクロの群落があちらこちらにあり楽しませてくれます。

 降りは早いです。
ストックを有効に使ってグングン降ります。
降りは3合間を目標に休みながら降ります。

 14:40分、駐車場まで降りました。

 後は京極温泉で汗を流そうと一目散に車を走らせます。
お風呂に入って湯船から外を見るとザンザン降りの雨です。
間一髪で雨を逃れられて良かったです。

神戸の山女を大雪山にご案内! その2

2015-07-22 19:04:09 | 大雪山系の山
 昨夜は少し寒く感じましたが、今朝もいい天気です。
さっそく朝食を済ませてテントをたたみ出発します。

 7月18日(土曜日)

 6:00分、黒岳キャンプ場を出発です。
   
   テントを張っていたのは10パーティほどでした。
  
 まずは雲の平を歩きます。
前方に長い列が見えています。
   
   約30人ほどのグループでした。
 追いついたので後ろを歩く人と話をしたら、このグループは岩手県から来たグループで30人ほどいるといいます。
ガイドさんが前後を固めてゆっくり歩いています。

 北鎮岳分岐手前にある雪渓の前で休憩するようですので先に歩かせてもらいます。
北鎮分岐にザックを置いて空身になって北鎮岳を目指します。
7:25分、北鎮岳に到着です。
   
   今日は天気がいいので360度の眺望が楽しめます。
   これから歩く間宮岳の方角です。

 ここからゆったり降ったり登ったりしてお鉢の縁を歩きます。
辺りは砂礫地でのでいろいろな花が咲いています。
   
    エゾタカネスミレです。
   
    エゾイワツメクサです。
   
    イワヒゲです。
   
    エゾイワツメクサです。
   
    クモマユキノシタです。
   
    チシマクモマグサです。
 いろいろな花を楽しみながら歩いていると間宮岳を通り過ぎ分岐に着きます。
 9:00分、間宮岳分岐です。
   
   間宮岳からはトムラウシ山が大きく見えています。

 ここから北海岳を目指します。

   

   
    エゾタカネスミレです。
   
 

 お鉢の中にヒグマがいるかもしれないと思い注意して見ながら歩いていましたが、今日はいないようです。
しかし、所々に咲いている花を見ながら北海岳を目指します。
   
 9:55分、北海岳に到着です。

 ここから白雲岳を目指します。
北海岳を少し降ったところにお花畑がありました。
   
   チングルマです。
   
   ハクサンイチゲです。
   
   エゾオヤマノエンドウです。

 お花を楽しいんでいると白雲岳の方からパトロールの腕票を付けた人が歩いてきます。
いろいろとお話を聞きますと、今年は低温の影響や7月に氷点下まで下がった気温の影響などで高山植物の育ちが悪く草丈も例年の半分ほどだといいます。
花の数も少なくなっているようでした。
コマクサの状況を聞きますともともと寒冷に強い花なので例年通りの咲き具合だといいます。

 高根が原の状況を聞きましたが、今年はまだ歩いていないとのことです。
さて、「ヤマテン」の天気情報では今日の午後は雨の予報です。
今日の予定は白雲のキャンプ場で1泊の予定でしたが、下山することにしました。
下山口は赤岳の銀泉台です。
ここに15:30分発のバスに乗ると層雲峡へ戻ることができます。

 まだまだ時間はたっぷりあります。
花を楽しみながら赤岳を目指します。
   
   
   旭岳と裏旭岳が作る長い雪渓の白と山肌の黒のコントラストがきれいです。
 
   
   ホソバウルップソウです。

 12:00分、赤岳に到着です。
   
   赤岳の山頂下に切れ込んでいる深い沢ですが、この沢を埋め尽くすほどの雪が消えずに残っています。

 ここからコマクサ平までいろいろな花を楽しみながら銀泉台を目指します。
   
   エゾコザクラです。
   
   ハクサンイチゲです。
   
   そしてコマクサです。

 コマクサ平に到着したようです。
登山道の両側にコマクサの姿が目についてきます。
   

そんな中、鳥が何羽も飛んでいます。
   
   ギンザンマシコです。
   
   ホシガラスです。

   
   今まで掛かっていた雲が晴れると第2雪渓と第3雪渓がよく見えています。

 コマクサ平のコマクサは今がピークです。
花の数だけでなく、花の色に葉の色が鮮やかで新鮮なのです。
思わずシャッターを切り続けました。
   

   

   

   

   
   それほど広くはないのですが、花の密度と株の大きさがいいですね。

 このコマクサを見たみいちゃんが感激しています。
白馬岳のコマクサよりも断然こちらの花の方がいいと絶賛です。
これほど喜んでくれるとは、この場所に案内して良かったと思います。

 銀泉台への降りでもまだまだ花が楽しめます。
   
    エゾツツジです。
   
   エゾコザクラのの群落です。
   
   分かりずらいのですが、ここで初めてアオノツガザクラのクリーム色を見ることができました。  

 これらの花を楽しんでいると銀泉台に到着です。

 14:30分、銀泉台に到着です。
バス乗り場に設置されているベンチには数人の方たちが座って待っています。
私たちはお湯を沸かしてお茶を飲みます。
そして、頭の中には層雲峡の温泉が浮かんでは消えています。

 1泊を短縮しての下山でしたが、みいちゃんは満足のいく登山だったので、よし!よし!ですね。

神戸の山女を大雪山にご案内! その1

2015-07-19 20:05:25 | 大雪山系の山
 ここ数年、神戸に住む山女さん達を北海道の山へご案内してきました。
トムラウシ山や日高幌尻岳なども案内しましたので、今年は知床の羅臼岳から硫黄山縦走を案内する予定でした。
しかし、お一人が仕事の都合でどうしても連休の休みが取れないこととなり、航空券の予約をキャンセルせざるを得ない事態が発生しました。
そこで今年の知床縦走は来年に回すことにして、お一人を大雪山で高山植物のお花見物をすることに切り替えたしだいです。

 みいちゃんは、前日の16日に神戸から札幌入りの予定です。
しかし、この日は台風11号が四国上陸かという最悪に日となってしまいました。
そんな中、奇跡的に夕方の便が出発できて札幌入りができました。
ホッと一息といったところです。

 7月17日(金曜日)

 兵庫県など西日本は台風の影響を受けて鉄道も飛行機も運休が続出。
でも、北海道には全く影響がなく、快晴で気温も高いと登山日和を迎えていました。

 朝6時に札幌を出発、層雲峡に8時半頃到着します。
ただちに登山準備をしてロープウェイの駅に向かいます。
ここ層雲峡の駅にある駐車場は無料で駐車できました。

 ロープウェイとリフトを乗り継いで7合目の登山口へ向かいます。
   
   黒岳の山頂が青空に浮かんでいます。

 7合目で登山届けを提出します。
ふと目を落とすとヤシ殻で編んだ袋が沢山置いてあります。
この袋は、北海だけの登山道を修復するために使う土嚢を作成するものだということです。
そして、ボランティアで黒岳石室まで運んでほしいとの張り紙があります。
重さは1Kgだというので私とみいちゃんで1個づつザックに縛り付けて運ぶことにしました。
   
   見かけは大きいのですが軽いです。

 9:30分、7合目を出発します。
ここ数日の好天気で登山道はすっかり乾いています。
快適に歩けます。
8合目まで30分、少し休憩します。
日差しが強いので日陰を探して休みます。

 9合目辺りからお花が咲いています。
   
    チシマノキンバイそうです。
   
    ハクサンイチゲです。
   
エゾイワツメクサです。

 お花を楽しみながらゆっくり登って11:00分、山頂に到着です。

   
   まずは、今回の登山の安全祈願をします。

   
    コバルトブルーの空の下、残雪がまぶしく光ります。
 右手に見える北鎮岳の山腹には鳥の形をした雪形「白鳥の雪渓」が綺麗な姿を見せてくれています。

 山頂でゆっくり休んで黒岳石室に向かいます。
約30分ほどで石室に到着です。
さっそく小屋番の人にヤシ殻の袋を渡し、テント泊の届けをします。
すでに張られているテントは4張りほどです。
できるだけ水平で平坦な場所を探します。
   
    凌雲岳をバックに絶好の場所を確保しました。

   
   黒岳石室です。
   一番左がバイオトイレです。

 今日は、雲の平や桂月岳を散策して高山植物のお花を楽しみます。

   
    
   
    エゾノツガザクラです。
    大きな群落もあります。

   
    見づらいですがコケモモの花です。
   
   チングルマもあちらこちらに咲いています。

   
   雲の平から少し小高い所に上がるとそこは展望台でした。
   お鉢(有毒温泉)の全景が一望できます。

   
   えぼし岳が鋭い山頂を見せています。
 
   
   キバナシャクナゲです。

   
   株数はわずかですが、コマクサも咲いています。

 展望台で少し休んで絶景を楽しんだ後は小屋へ戻ります。
そうして桂月岳へ登ります。

   
   桂月岳から見た凌雲岳の谷です。

   
   イワウメが咲いています。

   
    桂月岳の上から見た黒岳石室の全景です。

 まだまだ日差しが強いので桂月岳の山頂にある岩陰で休みます。
黒岳の山頂方向を見るとゾクゾクと石室を目指して歩いてくる人達が見えます。
今日は三連休前の金曜日ですが、沢山の人達が石室に泊まるようです。

 少し涼しくなってきたのでテントに戻ります。
テントは数は利府得ていただけですが、小屋の前に設置してあるテーブルは人で埋まっています。
私達もテント横で食事の用意をします。
風がないので食事も外で済ませます。

 さあ、明日はお鉢を時計とは逆回りで歩き、北鎮岳、間宮岳、北海岳を歩き白雲岳のテント指定地を目指します。


大雪山の北部を逍遥する! その2

2015-07-15 19:29:30 | 大雪山系の山
 昨日は疲れた体を休めるためにテントサイトに着いてから寝てばかりいました。
 
 夜は少し冷え込んだようで寒さのため目を覚ましてしまいました。
それでも朝日がテントに当たると少し暖かくなってきます。
そんな中でウトウトしていると鳥の声がうるさくなり5時少し前に起きます。

 裏旭キャンプ指定地に日差しが当たるようになりテントの外へ出てみてビックリしました。
   
   暗くなる前に3張りしかなかったテントが5張りになっています。

 そういえば、暗くなってから英語ではない外国語、しかも女性の声がしていました。
その人達とさらにソロで来た人もいたようです。
事故がなかったからいいようなものですが、暗くなってからの雪渓歩きをしてこのキャンプ場まで歩いてくるなど私にはできないことですし、したくもありません。

 約1時間で食事も済ませ、テントも畳みました。

 5:45分、裏旭キャンプ指定地を出発します。
まずは熊の岳の中腹へ登ります。
ここにはいろいろな花が咲いていました。
   
   エゾノツガザクラです。

   
    チングルマです。

   
   熊の岳には野球場にしてもいいような平坦地がありますが、周りには雪が残っています。

   
    

   
    イワヒゲです。

   
    アオノツガザクラです。

 可憐な花を十分に観賞して間宮岳を通ります。
雄大なお鉢を右に眺めながら中岳分岐を目指します。

 6:25分、中岳分岐到着、ここで少し休みます。
   

 ここからは一気に北鎮岳まで登るつもりです。
ちょと急な登山道をゆっくり登りますが、昨日ゆっくり体を休めた効果か、身体が軽く感じ足がスムーズに出ていきます。
すっかり気を良くしたのでガンガン登ります。
北鎮分岐には若い女性が2名ほど朝食を食べていました。
挨拶だけして山頂へ登ります。

 8:40分、北鎮岳の山頂に到着です。
ここへ登ると、これから歩く稜線が一望できます。
比布岳、愛別岳、当麻岳などの稜線がよく見えています。
   

   
   熊の岳、旭岳もよく見えています。

 目の前にはお鉢の正面に北海岳や白雲岳が見えます。
   

 お鉢のズ~と先にはトムラウシ山も見えます。
   

 山頂部は風が通り抜け寒いので息が整ったら鋸岳目指して降ります。
鋸岳を通り過ぎ、比布岳の山頂を目指しますが、山頂手前にアオノツガザクラの大きな群落がありました。
   

 8:40分、比布岳に到着です。
   

 ここからは愛別岳がよく見えます。
   
   山頂部は岩岩したコブ山です。

 比布岳で休んでいると2名の登山者が登ってきます。
愛別岳への降り口を探していたが分からず比布岳まで来てしまったようです。
私も愛別岳まで行きますと言うと、「降り口からトレースを付けておいてください。」と頼まれました。
「はい」といって私はザックを担ぎ出発します。

 愛別岳への降り口は雪庇が融けずに残っている雪を越えなければなりません。
注意しながら降り口を探すと、何と、小さいながら標識がちゃんとあるではありませんか。
その横にザックを置いて空身で愛別岳を目指します。

 この降り口から50mほどが大変でした。
ザクザクの火山灰と細かな石屑が深いので足がぬかるように滑るのです。
足を取られないように慎重に降ります。
   
   中間まで降ったところから写した写真ですが、中央に細く残っている雪に沿って降ります。

 少し降ると登山道が安定してきますが、両側がスパッと切れ落ちており、風が強いときや視界がないときには気を付けなければいけない場所です。
今日は天気もいいのでゆっくり注意しながら降ります。

   
   安足間岳の裏側です。
   旭岳から見ている山とは全く違って、荒々しい山肌を見せてくれます。

 愛別岳への最後の登りもザラザラの岩場です。
浮石も多いので慎重に登ります。

 9:40分、愛別岳の山頂に到着です。
この山頂には初めて来ることができました。
   
   愛別岳の山頂から凌雲岳方面を見たところです。

 ここからの引き返しもなかなかハードです。
気温の上昇もあり、唇が渇き、幾分脱水症状が出てきました。
水も持たない空身での登山ですので、我慢して稜線まで登るしかありません。

 稜線まで戻ってホッと一息つけました。
ここでたっぷり水を飲みパンを食べて力を付けます。
ここからはすぐ横の安足間岳を経由して当麻乗越まで降るだけです。

   
   旭岳の山腹に残る残雪の縞模様を楽しみながら降ります。

 しかし、この稜線歩きが思いのほか辛かったのです。
それは、気温が高く日差しが強いのに日光を遮るものがないのです。
辛抱の歩きが続きます。

 11:00分、当麻岳に到着です。
ここで岩陰に身を隠し、靴を脱いで身体を冷やします。
日陰に入るとヒンヤリして気持ちがよく、体の熱も取れていきます。
   

   
   エゾイソツツジの小さな群落がありました。

 さらに降って、12:00分、当麻乗越を通過します。
   

   
   沼の平の湖沼群です。

 30分ほどでポンピの沢まで来ました。
渡渉点は沢水があふれ渡れそうにありません。
しかし、幸いなことに少し上流には残雪があり沢を渡れそうです。
   
   この残雪部を利用してポンピの沢を渡りました。

 ここまで来るとあとは裾合平を歩きロープウェイの駅を目指すだけです。
疲れた体にカツを入れて歩きます。

 あと少しでロープウェイの駅という所でチングルマの群落を見つけました。
   

   
 
   

   
   そして、アオノツガザクラの群落もありました。

   
   大きな雪渓で30人ほどの子供たちが遊んでいます。
   雪合戦をしています。 
   小学生の自然学級とのことでした。
 突然、男の子の泣き声がしてきました。
雪合戦の雪玉が当たって泣いているようです。
思わず笑ってしまいました。

 この様な体験が大きくなって山好きになってくれればいいなと思いロープウェイの駅目指して歩きます。

 今回は裾合平のチングルマを見ることと愛別岳に登るのが目的でした。
裾合平のチングルマを見ることはできなかったのですが、愛別岳に登ることができました。
天気のいい中、お鉢を巡り、さらに北の山々を歩き満足のいく山行でした。

 

大雪山の北部を逍遙する! その1

2015-07-13 21:35:47 | 大雪山系の山
 7月に入り大分天気が良くなってきました。
そろそろ山はお花の季節を迎えてきます。
そんなお花で気になったのが大雪山は裾合平に咲くチングルマ大群落です。
昨年秋に訪れたときには真っ赤に紅葉していたのですが、ぜひ花が咲く時を見てみたいと思っていました。

 7月に入り、ロープウェイ姿見駅周辺の花情報を聞くたびに今年こそは訪れてみようと思いました。
併せてお鉢を回り北鎮岳から比布岳、未だ登ったことのない愛別岳も登りたいと思い計画を立てました。

 1日目は、裾合平から中岳温泉を巡り、お鉢の縁まで登ります。
そこからお鉢を時計と反対方向に歩き間宮岳から旭岳の裏側にあるキャンプ指定地で1泊します。
翌日は、キャンプ指定地から間宮岳へ戻り時計回りに歩き北鎮岳を目指します。
ここからは大雪山の北部となる鋸岳、比布岳、愛別岳、安足間岳、当麻岳などを歩き、当麻乗越から裾合平に戻るという計画です。


  7月11日(土曜日)

 札幌を朝5時半に立ちます。
旭岳温泉に着いたのは8時半ですが、すでに無料の駐車場は満杯です。
やむなくロープウェイの駐車場に止めようとすると駐車料金が1泊では千5百円といわれます。
困ってしまい無料で止められる場所がないか聞きますと5百メートルほど下がったところにも無料駐車場があるといいます。
車を回してのその駐車場に止めます。

 急いで準備をして9時のロープウェイで姿見の駅を目指します。
9:15分、姿見の池駅を出発して裾合平を目指して歩きます。
   
   今日はいい天気です。
   天気予報では気温が上がると報じられています。

 裾合平をのんびりと歩きます。
所々にある沢には残雪が残っています。
   
   エゾイソツツジが咲いていました。

 花を探しながら歩いていきますが、チングルマノは見あたりません。
前方には当麻岳の稜線が見えています。
   
   この斜面をGWにはスキーで滑ったのです。
   今はすっかり雪がなくなり緑の斜面となっています。

 10:20分、当麻乗越との分岐に到着です。
   
 ここまで歩いてきたのですが、今日はどうも調子が今ひとつです。
足が重くてうまく歩けないのです。
顔を上げて前を見るのが苦しいのです。
まだまだ先が長いので騙し騙し歩きます。

 熊の岳が間近に見えてくると目的の斜面です。
しかし、秋にはチングルマで一杯だった斜面に花の姿はありません。
   
   赤く枯れたような枝と白い綿帽子のようなものが付いた枯れた植物が見えるだけです。
がっかりして、中岳温泉を目指します。

 11:00分、中岳温泉に到着です。
   
   ここには沢山の人が休んでいました。
足湯に浸かっている人もいます。
私は、ただでも暑いので足湯には浸からず体を休めます。
しかし、照りつける太陽だけでも暑いのにさらに地熱ですから身体には堪ったものではありません。
早々に退散して、お鉢を目指して登ります。

 この登りが意外ときつかったです。
足が前へ出ていかないのです。
自分に1歩、1歩、と言い聞かせながら登ります。

 12:35分、中岳分岐に到着です。
   
   目の前の眺望が一気に開けます。
目の下には雄大なお鉢の底が見えています。
   
   この光景こそが大雪山の雄大さを現していると思います。

   
   イワウメに群落が広がっています。
   
 
 ここまで来ると黒岳方面から来る人と間宮岳方面から来る人がひっきりなしに通り過ぎます。
さすが、大雪銀座といわれる場所です。
15分ほど休んで間宮岳に向かいます。

   
   ここも人で一杯でした。
 白雲岳へ向かう人、旭岳へ向かう人、黒岳へ向かう人、それぞれが3方向へ向かう大雪一番の交通要所です。
私は、旭岳へ向かいます。
 
   
   熊の岳の中腹にもお花畑があります。
   ここにはミヤマキンバイが咲いていました。

 13:00分、裏旭岳キャンプ指定地に到着しました。
今日はここでテント泊します。
やれやれ、今日はこれで歩かなくてもいいのでホッとしました。

   
   旭岳の裏側ですが、大きな雪渓が残っています。

   

   
   このキャンプ指定地周辺にはキバナシャクナゲが咲いていました。

   
   私のテントです。

 ここには数カ所、石でしっかり風除けが作られたテンとサイトがあります。

 さて、私のほかに1グループがテントを張ってました。
今日はこの2組がこのテントサイトを使うのかなと思っていました。
しかし、夕暮れ時となる7時半近くに声がするので雪渓を見ると父親と子供が降ってきます。
そのほか、暗くなってからも声がするのです。
朝になってみると暗くなってから2グループがこのテントサイトに来ているのです。

 登山での鉄則は、早立ち、早到着です。
これが最近守られていないのです。
先週登った羊蹄山でもそうでした。

 暗くなっても登っている人が事故を起こしたらどうなるのでしょうか?
当日に救助することは無理です。
こんなことも考えずに登山するのは自殺行為につながると思います。
「自分の命は自分で守る」これは山以外でも考えなければいけないことです。
もっと考えた行動で山を楽しみましょう。
 
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

  旭岳ビジターセンターさんノブログを読むと裾合平のチングルマは
 雪が融けたばかりなのでこれから新芽を出して成長するとのことです。
 したがって、花が咲くのは今月下旬ということです・
 この情報を信頼して、今月末にはもう一度裾合平のチングルマを見に
 来なければと思いました。

羊蹄山避難小屋に泊まる!

2015-07-06 20:34:56 | 後方羊蹄山・ニセコ・積丹山系・道南の山
 今年は羊年です。
というわけではないのですが、今年7回目となる羊蹄山に登ってきました。
6月は風邪を引いて体調が万全でなかったことに加え、後半は天候も不順な日が続いていました。
7月に入り、やっと、天候が回復してきましたので体調回復の具合を確かめるべく羊蹄山に登ることにしました。

 今回は9合目にある避難小屋に1泊するのが目的です。
この避難小屋は老朽化した小屋に変わり2年ほど前に新しく建てられました。
老朽化した小屋の建設については、北海道庁と環境庁の間で建設費を負担したくない役所間での押し付け合いがありましたが、何とか新築に漕ぎつけることができました。
しかし、旧避難小屋に比べると建築規模が3分の1ほどとなってしまいました。
まあ、建築費のことを考えるとやむを得ないことでしょう。

 今回はこの小屋に泊まってみるのが楽しみの一つでした。
私が羊蹄山の小屋に泊まったことがあるのは45年ほど前のことです。
このとき泊まった小屋は比羅夫コースにあり先々代の小屋で今は基礎しか残っていません。
まあ、大昔に泊まったことがあるだけなのです。

 
 7月4日(土曜日)

 小屋泊まりですから朝早くから登る必要はありません。
といっても、あまり遅くなるわけにはいかず、札幌を8時に発って真狩口の登山口を目指します。
10:00分、真狩口の登山口を出発します。
   
    登山者用の駐車場は車で一杯でした。

   
   登山口です。右手のポストに登山届けの用紙があります。

 ここからは、林の中を登ります。
真狩コースの登山道は土の道です。
昨年登った比羅夫コースは小さな石が多く滑って登りずらかったのですが、真狩コースはそんなことがありません。
とても歩きやすい登山道です。

 そんなこともあってドンドン登ります。
   
    合目の標識もきちんと整備されています。

 この標識を目安に登ります。
   
   7合目の標識です。

 ここまでは順調に登ってきました。
気温が高いので汗だくです。
しかし、この辺りで風が出てきました。
その風が冷たいので急に身体が冷えてきます。
汗をかいた身体ですから風が当たると冷たくなるのですが、身体に震えが来るほど冷たいのです。
我慢して登っていると体が温まってきます。
しかし、足に力を入れると太股の内側がつりそうになってしまいます。
これをだましだまし登りやっと9合目に到着です。
   

 ここからは、左手にトラバース気味に歩くと、ほどなく避難小屋が見えてきます。
13:40分、避難小屋に着きました。
まずは宿泊の申し込みをして一安心です。
宿泊者は協力金千円を負担します。
ちなみに、休憩での小屋利用とトイレ利用は3百円の負担をお願いしています。

 小屋番の近藤さんの話では、今夜は激混みが予想されるそうです。
今のところ宿泊客は10名ほどとのことですので2階の隅に寝袋を広げて場所を確保します。
宿泊場所さえ確保してしまえばあとは小屋の外でのんびり景色を眺めるだけです。
   
  
 新しい小屋は、バイオトイレを備えています。
1階に管理人のスペースのほか土間にストーブがあり、10名ほどが泊まれます。
2階は左右に10名ほどが泊まれるので、定員は30名といったところでしょうか。

 しかし、この日は私が着いた後からゾクゾク宿泊の登山者が登ってきます。
一番最後に来た人は午後7時近くなっていたでしょうか。
この時間に登ってくるとは驚きでした。
普通、登山者の鉄則は「早立ち、早到着」です。
あまり遅い時間まで行動していると、その遅い時間にもし事故などがあれば当日の救助活動が困難になってしまいます。
そんなことも気にしない登山者が増えているのでしょうか?

   
   目の前にニセコの山々が黒々とした姿で雲海に浮かんでいます。

   
   夕暮れ時の避難小屋です。

   
   小屋の前のテーブルは夕食を外で食べる人達で溢れています。

   
    午後7時を過ぎて、やっと、太陽が沈んできました。

   
    雲海に夕日が当たり、赤く輝きとても綺麗です。

 風もない避難小屋からこの夕日が沈む光景を存分に楽しむことができました。
とてもいい時間を過ごすことができて、今回の目的は十分に達成できました。

 夕日が沈むと皆さん小屋に入ります。
小屋の中は足の踏み場もないくらいビッシリ寝袋が広げられています。
自分の場所に落ち着いて一段落です。

 明朝はご来光を見に行く人達が多いのですが、私はゆっくり起きて下山する予定です。

 深夜3時頃になるとご来光を見に行く人達が起き出します。
小屋全体が騒がしくなりますが、私は寝袋にくるまって寝ています。

 6時頃になって起きます。
外へ出ると青空が一杯に広がっています。
今日もいい天気です。

 8時頃に小屋を立ちます。
まずはお鉢の縁へ向かって登ります。

   
   噴火湾の向こうに駒ヶ岳の姿が見えます。

   
   洞爺湖の湖面も見えています。
 
 9合目からお鉢の縁まではお花畑にいろいろな花が咲いています。
   
   シラネアオイです。
   この花は、札幌近郊なら5月に咲く花です。
 
   
   エゾウコギです。

   

   
   キバナシャクナゲです。

   
   ほんの数株ですが、ミヤマキンバイも咲いていました。

      
    お鉢の縁にある砂礫地にはイワブクロが咲いていました。

   
    お鉢の底には雪融水が溜まって池となっています。
   
    来シーズンは、この壁をスキーで滑り降りるのが夢です。

   
   お鉢からの光景を楽しんだ後は下山するだけです。

 今回は新しい避難小屋に泊まり、日本海に沈む夕日を堪能した登山でした。

 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

  さて、古い避難小屋が取り壊しもされず放置されています。
 この避難小屋ができたときの新聞報道では、取り壊し費用を道庁が負担するか環境庁が
 負担するか、押し付け合いがなされていると報じられていました。

  この問題は未だ解決されていないようです。
 古い小屋を早く撤去して跡地をテントサイトとして利用できるようにするべきです。
 小屋に泊まるだけでテンとの利用ができないのは最悪です。

  いうまでもなく羊蹄山は日本百名山にリストアップされており登山者が多いのは
 周知の通りです。
 その登山者の需要に追いつかない規模の避難小屋を建てるしかなかったのは
 費用が捻出できなかったからでしょう。

  老朽化して使えない建物をいつまでも放置していいはずがありません。
 役所がお金を出せないならば、民間の力を借りるべきです。
 寄付を募るとか、解体に要する人力をボランティアの力を利用するとか
 もっと知恵を出すべきです。

 そんな発想が役人にも求められる時代だということを認識すべきでしょう。
 道庁でも環境庁でもかまいません。
 利用者のためになる知恵を出してください!!