井の中の蛙、カイラス山巡礼に挑む!

夢のカイラス巡礼を終え、登山を再開しました。山岳信仰の延長上に四国遍路、カイラス山巡礼があり、原点の登山に戻ります。

上ホロ避難小屋に泊まり、十勝岳から富良野岳を縦走 その2

2018-10-03 10:12:06 | 十勝岳山系の山
 昨夜はガスガスの空で星空を見ることはできませんでした。
小屋に泊まったのは私たち2人でした。
しかし、外で歩く足音が聞こえましたのでテント泊をしている人がいるようでした。
私たち2人だけの静かな小屋でしたので、ぐっすり寝ることができました。

 7月18日

 朝4時に目覚まし時計の音で目を覚まし、朝食を取り出発の準備をします。
朝食はインスタントラーメンです。

 5:40分、出発です。
    
    小屋の外は相変わらずガスガスで視界がありません。

 まずは、上ホロカメットク岳の山頂を目指します。
朝一の行動には少し辛い急な登りが待っています。
でも、高山植物の可憐な花が迎えてくれます。
    

    

    

 岩の登山道を登ります。
    
 
 その登りを20分でこなすと、そこが上ホロの山頂です。
    

 ここからいったん下ります。
降り終えたところが三峰山と下山路との分岐になります。

 その分岐点のすぐ横がかみふらの岳です。
    
 このかみふらの岳の名称ですが、地元の上富良野町が町名を冠した山の名前を残したくて国土地理院に申請しました。その結果、めでたく地形図にその名前が記入されるようになったとの逸話があります。
地元にとっては大事なピークです。

 ここからは、富良野岳目指して稜線歩きが続きます。
右手から吹き上がる風が強く、体の熱を奪います。
視界もないので自然に足が早くなります。

    

 7:00分、三峰山に着きました。
    

 ここまで順調に歩けてます。
この辺りから富良野岳にかけてお花畑が次々に現れます。
そんなお花を楽しみながら歩きます。
    

    

    

    

    
     雲の中での歩きが楽しくなってきます。

    

    

    

    

    

 お花畑を見ながら下り、少し登るとそこは富良野岳と三峰山の分岐でした。
8:10分、分岐に着きました。
    
ここにザックを置いて水と食料だけをナップサックに詰めて富良野岳の山頂を目指します。
ここからしばらくは階段登りとなります。

 急な階段をあえぎながら登っていくと上空が明るくなってきます。
すると富良野岳の山頂方向の雲が切れてきます。
    
     富良野岳の山頂が見えましたので雲に隠れる前と、急いで写した写真です。

    
     しかし、後ろを振り返り歩いてきた十勝岳方面を見ると相変わらず雲に隠れています。
   
 ここから、天国の様な登山道となりました。
上空は雲が切れて太陽が顔を出してくれ温かくなります。
足元には高山植物のいろんな色の花が癒してくれます。

    

    

    

    

    

 8:50分、富良野岳の山頂です。
    
    すっかりいい天気になりましたので少しゆっくり休みます。
 昨日の十勝岳山頂手前から富良野岳の下まで、ズーッと雲の中でした。
久し振りの太陽光ですので、ゆっくり身体に浴びたくなりました。
いつまでも休んでいたいのですが、バスの時間もあるので降ります。
 
 あとは凌雲閣の登山口まで降り吹上温泉行きのバスで戻るだけです。

    
     上ホロのピークが薄っすらと見えます。

    
     安政火口が見えるところまで降ってきました。

 12:20分、凌雲閣の登山口まで降ってきました。
ここから吹き上げ温泉まではバスで戻ります。
1時間ほど時間がありますので、凌雲閣の玄関前にあるベンチで休ませてもらいました。

 今回の縦走は、天気の恵まれませんでしたが、それでも雨には当たらなかったのです。
最後の富良野岳で晴れましたので、上々の縦走だったといえます。
これで自信を付けた山女は、次のトムラウシ山に挑みます。

上ホロ避難小屋に泊まり、十勝岳から富良野岳を縦走 その1

2018-10-02 09:59:11 | 十勝岳山系の山
 定山渓天狗岳に登った秀岳荘スタッフの山女と小屋泊り1泊山行として上ホロカメットク避難小屋に泊まり十勝岳から富良野岳を縦走することにしました。
彼女は北海道内にある百名山を登りたいとの希望を持っています。
すでに旭岳と利尻岳を登っており、今年になって羊蹄山を登りました。
そこで、十勝岳を登り小屋泊まりの山行を考えたときに美瑛岳か富良野岳のどちらかまで縦走するプランを考えました。
富良野岳への縦走でしたら上ホロカメットク避難小屋に1泊、美瑛岳への縦走なら美瑛富士避難小屋があります。
両方のプランを比較したときに高山植物の豊富な山である富良野岳を選択しました。

 7月17日

 札幌を朝6時に立ちます。
天気予報では十勝岳方面は曇り時々晴れと悪くはありません。
吹上温泉白銀荘に着くと晴れてはいるのですが、十勝岳の山頂など高いところは雲の中です。

 8:40分、白銀荘を出発します。
    
     上空は青空が広がりいい天気です。

 テン場になっている芝生を歩き左側へ進みます。
    
    
 ここから望岳台との分岐目指して歩きます。

    
     小さな沢を1本越えます。

 その先にあるのが九条武子の碑です。
    
    このルートを夏に歩くのは初めてなので、この石碑を見るのも初めてです。

 夏の日差しが容赦なく照りつけてきます。
汗だくになって歩いていると望岳台との分岐が見えてきます。
9:40分、望岳台との分岐に到着です。
    

    
    山の方を見るとやはり上の方は雲の中です。

 30分ほど登っていくと十勝岳の避難小屋が見えてきます。
    
    この避難小屋には、噴火に備えヘルメットなどが用意されています。
 
 10:15分、避難小屋を通り過ぎ、どんどん登ります。
傾斜の増す斜面をジグザグに登ります。
足元がザラザラした火山性の小石ですので足を取られ歩きにくいです。
    

    
     山女さんは、ゆっくりした足取りですが確実に登ってきます。
時々待ってあまり離れないようにします。

    

    
     グランド火口からの噴気が見えるでしょうか?

    
     一瞬ですが雲の合間に山頂が見えました。

 スリバチ火口まで登ってくると少し傾斜が緩くなります。
    

    
     火口には残雪がありました。

 登山ルートは、ここから右手に少しずつ曲がり、最後は山頂に続く急斜面となっています。
このあたりから雲の中に突入です。
視界が無くなってきますし、登山道が砂礫地帯の中にありますので踏み外さないように注意しながら登ります。
すると、左手の方から「そちらが、登山道ですか?」と単独の男性から声がかかります。
その男性が私たちの方へ歩いてきます。
そしてホッとしたようで、「この上にある標識の差す方向へ歩いたが、登山道ではないようなので登山道を探していた。」といいます。
ガスで視界のない中、迷ったと思ったら登山道であるとの確信が得られる地点まで引き返さなければなりません。
こんな視界のない中で適当に歩くと道迷い遭難を起こしてしまします。

 火口に迷い込まないように張られたロープ沿いに登ります。
そうするとその先に標識がありました。
確かに下山しようとして上から見ると望岳台を指す方向が登山道より右手を差しているのです。
ここは、この標識の差す方向ではなく、左手の河口に迷い込まないためのロープに沿って降るのが正しいルートです。
私たちが登っていると単独の登山者が降ってきますので標識のことを話して正しいルートを教えてあげました。
砂礫地の登山道は、どこを見てもルートに見えてしまうので視界のないときは本当に注意深くルートを見極める必要があります。

 13:25分、やっと十勝岳山頂に到着です。
    

    
    彼女にとって4座目の百名山(道内)になります。

 山頂は風が強いので岩陰に入って休みます。
ここまでくれば上ホロ避難小屋までもう一息です。

 休憩の後、あまり体が冷えないうちに上ホロ小屋へ向かいます。
砂礫地のガラガラの登山道を一気に降ります。
両側が切れ落ちた細い尾根を過ぎ、小さなアップダウンを越えていくと、右手に何やら大きな影が見えてきます。
15:10分、この影は大砲岩でした。
    
     この岩は三段山への分岐になりますが、三段山への登山道は廃道になっています。

 この辺りから左手の斜面に高山植物のお花が見えてきます。
    

    
     イワヒゲの群落です。

 14:25分、上ホロ避難小屋に到着しました。
小屋の裏にトイレがあり、その奥がテン場になっています。
小屋に入る前に水を汲みに行きます。
水場は小屋前を100mほど下った所にあります。
上ホロの西斜面にある雪渓の水を利用します。

 小屋の中はかなり傷んでいます。
雨漏りがするのか、壁の合板が剥がれてきています。
窓が小さく暗いので、私たちは2階を使うことにします。
2階の方が1階より少し明るいのです。

 お茶を沸かし、あとはゆっくり休憩して明日に備えます。

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  この夏も十勝岳において単独登山者が遭難死しています。
 遭難者が発見された場所から考えると道迷い遭難と思われます。
 十勝岳は、天気がいいと難しい山ではありませんが、雨や曇りで視界の無い
 時には十分に注意して登る必要があります。

  特に本州から来ている百名山狙いの人たちは十分に注意が必要です。
 北海道の山は本州の山のように登山標識が完備されていません。
 場所によってはピンクテープがチョコンとあるだけの場所もあります。
 地図だけでなく、携帯のGPSアプリなども活用して現在位置の確認を
 怠らないようにしてください。

  
  

十勝岳を滑る!

2016-05-31 20:30:44 | 十勝岳山系の山
 春山シーズンも終わりに近づいてきました。
ピオレ山の会の人達に誘われて十勝岳を滑りに行って来ました。
今回は、白銀荘に1泊しての山スキーです。

 4月24日(日曜日)

 前夜は、広間で雑魚寝でした。
総勢9人と大所帯です。

 8:10分、麓の空は青空がのぞいています。
   
   白銀荘の駐車場はすっかり雪が融けています。
   こういった景色になっているのが春を感じさせてくれます。

 さて、今日のルートは白銀荘から夏道沿いに辿って十勝岳を目指します。
しかし、昨夜は気温が低かった影響で雪面は堅くなっています。

   
   山頂は雲の中ですが、青空も顔を出しているので日差しで雪が融けるのを期待しながら登ります。
 
   
   前十勝岳が間近に見えています。
   本峰はこの陰にあるのでここからは見えません。

 順調に歩くと大きな沢を越えなければいけません。
この沢には泥流センサーが取り付けられています。
泥流センサーというのは、岩雪崩などが発生したとき沢に張っているワィヤーが切れることによって町へ知らせる装置です。

 この沢を越えたあたりから夏道をショートカットするように山肌を登ります。
   
   登るに従って雪面の堅さが気になってきました。

 今日は気温が低く、日差しもないので雪面が堅いままで融けてこないのです。
これでは、滑るのが危険です。
天候の回復を待ちなながらひたすら登ります。
   
   火口からあがる噴煙が見えてきました。

 空を見上げると雲の動きが早くなっています。

   
    富良野岳を見ると雲に隠れています。

   
 小さな尾根を乗り越すと下の方に避難小屋が見えてきます。
この辺りまでくるとスキーのエッジが滑り危険になってきました。
スキーアイゼンを付けて登ることにします。

   
   傾斜が増してくるとスキーアイゼンの歯を頼りにしないと登れなくなってきました。
   この状態では危険ですのでここから降ることにします。

   
    標高で1,550mあたり、避難小屋から500mほど登った辺りで引き返します。

 目の下に見える避難小屋までスキーで滑るとアッという間に付いてしまいます。
   

 このまま帰るのでは、お昼前に白銀荘へ着いてしまいます。
そこで、前十勝岳を少し登り、もう1本滑ることになりました。

   
   こちらも1500mほどの標高では雪が堅く危険ですのでこの辺りから滑ることにします。

 ちょっと不完全燃焼の1日ですが、こんな日もあります。

   
   富良野岳はやはり雲の中でした。

 白銀荘へ戻ると温泉にのんびり浸かり汗を流します。

 天気の悪いときは無理をせずにその条件の中で楽しまなければいけませんね。

 
  

夏のオプタテシケ山に登る! その2

2014-09-09 21:02:22 | 十勝岳山系の山
 夜になって星空を見るために外へ出ましたが、ガスがかかっているのか空が白くなっているだけで星は見えませんでした。
仕方がないので寝袋に入ってラジオを聞いていました。
ウトウトして目を覚ますとまだ9時です。
でも、他の人たちがすでに寝入っているようですので私も寝ることにします。


 8月28日(木曜日)

 ガタガタと物音がするので目を覚ましました。
時計を見るとまだ4時少し前です。
外はまだ暗いのでもう少し寝ていることにします。

 4時半になると外が明るくなってきました。
寝袋から抜け出すと、単独の方はすでにパッキングをしているところです。
ガスコンロを点けてお湯を沸かします。

 外を見るとテントで泊まっていた若者たちが体操をしています。
   
   中々速い行動ですね。

 私も簡単な朝食を終えるとサブザックに日帰りの準備をします。
5:00分、小屋を出発します。
天気は快晴、おまけに風もありません。
まずは、石垣山を目指して登ります。

   
   石垣山に登ると目の前に美瑛岳の大きな姿が見えてきます。
ここからベベツ岳まではあまり起伏がないので気持ちよく歩けます。

   
   進行方向の最奥にオプタテシケ山が見えています。

 目を右に転じ十勝平野の方向を見ると雲海が広がっています。
   

 ベベツ岳に来るといったんコルまで降ります。 
   

 降り終えたところからオプタテシケ山の山頂に向かって緩みのない登りが続きます。
山頂手前は稜線が細くなりますが、登山道ははっきりしているので危険はありません。

 7:00分、美瑛富士の避難小屋から2時間ほどでオプタテシケの山頂に立つことができました。
   
   北の方角には遠くに大雪山が見えています。
目を凝らすと旭岳の噴煙が見えています。
   
    中央やや左の白い煙りが旭岳の噴煙です。

 そして、右の方にはトムラウシ山の山頂も見えています。
   
    双コブに見えるのがトムラウシ山の山頂です。

 後ろを見ると美瑛岳とその奥に十勝岳の山頂が見えています。
   
 山頂は風もないのでゆっくりと休んでこの景観を楽しみます。

 東の方には二ペソツ山の姿も見えており360度の景観が独り占めです。

 20分ほど休んでから避難小屋目指して下山します。
 
 9:00分、避難小屋まで戻りました。
ここでお茶を沸かして軽食を取ります。
誰もいない小屋ですのでゆっくりとパッキンをしてゴミを拾います。

 小屋を出ると石垣山の山頂部にガスがかかってきました。
急速に雲が平がってきました。
雨の心配もあるので早速下山します。

 下山にかかると早いもので2時間少々で登山口に着いてしまいました。

 あとは白銀荘でお風呂に入って汗を流すだけです。

 こんなことで、今回のオプタテシケ山は天気に恵まれ快適な登山ができました。
気を付けなければいけない事として美瑛富士の避難小屋に宿泊するなら水を事前に用意する必要があるときことです。
8月初めくらいなら雪渓の水を利用できるかもしれません。
それらの情報をキチンと持っていくことをお勧めします。

夏のオプタテシケ山に登る! その1

2014-09-06 19:38:54 | 十勝岳山系の山
 十勝岳の北西にオプタテシケ山があります。
この山は、十勝岳山系の一番北側にある山で、この先は大雪山の南端となるトムラウシ山までの縦走路が延びています。

 私は、このオプタテシケ山に2度ほど登りに来ていますが、それは、いずれも新得側から登り、しかもスキーが目的の登山でした。
夏山として登ったことがないので、この夏に挑戦してきました。

 
 8月27日(水曜日)

 やっと天気が安定してきましたので、この日札幌を立ち、1泊2日でオプタテシケ山を目指しました。
朝6時30分に札幌を発ち、登山口に着いたのが9時20分。
白金温泉から大雪青年の家方面に走り、林道ゲートの鍵を開けて駐車場を目指します。

   
    駐車場のゲートには鍵が掛けられています。
    この鍵の番号を上川中部森林管理署(0166922063)に教えてもらいます。

 舗装された林道を走るとその先に駐車場があります。
   
    こんなに綺麗な駐車場は初めてです。

 早速登山準備をして登ります。

 9:30分、今日はちょっと遅めの出発ですが、今夜の宿となる美瑛富士避難小屋までは約3時間半ほどの行程です。
   
   登山口です。

 登山道は綺麗に整備されています。
エゾマツが生い茂る林の中を気持ちよく歩きます。
ヒンヤリした空気が気持ちよく、それでも気温が高いので汗が噴き出てきます。
苔むした地肌に陽が当たり綺麗です。
   
   とても幻想的な光景です。

 10:45分、丁度中間点となる場所で一休みします。
   

 この先は日本庭園と呼ばれる、背の低い松林の中、岩がゴロゴロとした登山道を歩きます。
   
    岩を一つ一つ乗り越えて歩かなければならず、ちょっと疲れます。
    
  
 辺りが開けてくるとかなり高度が上がっているのが実感できます。
   
    遠くに今回の目的であるオプタテシケ山が見えてきます。

 右手から岩が折り重なった斜面が見えてきます。
この斜面の上が美瑛富士です。
もうすぐ避難小屋です。
   

 さて、この辺りから沢型の地形が現れる度に水が取れるかどうか見ながら登ります。
実は、美瑛富士の避難小屋周辺は雪渓が融けてしまうと水を取る場所が限られると聞いていたのです。

   
    この時期になると、秋の花イワキキョウが咲いています。

 12:20分、美瑛富士避難小屋に到着です。 
   
   この小屋は小さな小屋です。
 小屋の中には、すでに4人の方が泊まるようでザックなどが置かれています。

 私は、サブザックにプラッティパスのボトルを持って水探しをかねて美瑛富士へ向かいます。
美瑛富士へ向かいながら水場を探しますがありません。
唯一水が取れそうに見えたのは、美瑛岳の北斜面にある雪渓だけでした。

 13:00分、美瑛富士と美瑛岳の分岐に来ました。
この辺りは風が強く雲が吹き上がってきています。
美瑛富士の山頂部も雲に隠れています。
踏み跡のしっかりした登山道を登り25分で山頂に到着。
しかし、美瑛富士の山頂は雲の中です。
   
    証拠の写真を写して直ぐに下山します。

 少し降ると雲が晴れて正面に美瑛岳が見えてきました。
   

   

   
タカネトウウチソウの群落です。

 さて、良い水場が無かったので、仕方なく避難小屋へ登ってきた登山道を500mほど降った沢で水を汲みます。
溜まり水のようですが、水温は冷たく細々としてはいますが、流れてはいるようです。
ここで、2リットルほど水を汲んで小屋へ戻ります。

 夕方4時頃になってザックを置いていた4人が戻ってきます。
どうやらガイドに連れられた一行のようです。

 小屋前のテントサイトには大きなテントが4張ほど張られています。
どうやら大学のワンゲルの人達のようです。

 暗くなってから星空を見に外へ出ましたが、雲が掛かり星空は見えませんでした。
でも、明日の天気予報は悪くはなかったので早々に寝ることにします。
 

お花畑を求めて上ホロから富良野岳を歩く! その2

2014-07-18 20:18:10 | 十勝岳山系の山
 久し振りの山小屋泊ですが、皆さん行儀がいいのか7時過ぎにはシーンとしています。
私も簡単な夕食を済ませてしまうと何もすることがないので寝袋の中でラジオを聞いて時間を潰します。

 何時頃でしょうか?
突然激しい雨の音で目が覚めました。
その音たるやもの凄いのです。
イヤホーンで聴いているラジオの音が屋根に当たる雨音でかき消されるのです。
「バケツをひっくり返したほどの雨」という言い方がありますが、そのたとえを使うならバケツ2~3杯ほどの水を屋根に吹き付けているといったところでしょうか?

 しかし、ここは山小屋です。
このもの凄い雨音を聞きながらウトウトできるのですから人間というものもいい加減なものです。

 10時を過ぎたので本格的に寝る準備をします。
時折強くなったり弱くなったりの雨音を子守歌代わりに寝てしまいました。

 明け方目を覚ましましたが、雨は上がりつつあるようですが、今度は風の音が強くなっています。
小屋を揺するような風が吹いています。
これでは、天気待ちをした方がいいかななどと考えながらまどろんでいます。

 6時過ぎたのですが、誰も起きてきません。
1階に寝ているツァーの人達も静かなものです。
さすがに7時過ぎると話し声が聞こえてきます。
でも、外の天気を考えると出発する判断がつきません。

 私は、富良野岳を回るなら8時には小屋を出発しなければならないと考えていました。
トイレタイムを利用して外へ出てみましたが、風の強さは何とかなるのですが、雨が時折強く降っているのです。
これでは富良野岳は無理かなと思い朝食を済ませます。

 9時には小屋を出発するつもりでパッキングを済ませているとドアの開く音がします。
どうやら単独の人が登ってきたようです。
その人の話では登山口の方は晴れており、稜線から上が風に雨のようです。

 8:55分、雨具を着込んで小屋を後にします。
外へ出てみると風こそは強いものの視界はあるし雨は降っていません。
    
   手前にある雪渓が水場です。

 この小屋周辺にはエゾツガザクラの大きな群落があります。
   
   拡大するとこんな具合です。
   

 上富良野岳へ向かって上ホロの山頂を登らず、トラバースコースを登ります。
すると前方から単独の男性が降ってきます。
すれ違うときに挨拶をすると、その男性が「十勝岳温泉へはここを降ればいいですか?」というのです。
私は、「十勝岳温泉へ降るなら反対方向へ来ていますよ。」というと怪訝な顔をしています。
どこから降ってきたか聞くと上ホロからだといいます。

 私は、「これから十勝岳温泉へ降るので一緒に行きましょう。」と声をかけて先を歩きます。
歩きながら話をすると群馬から来ている方でした。

 上ホロの南斜面にもお花畑が広がっています。
   
   チングルマの花が満開でした。

 30分ほど登ると上富良野岳です。
   

 この天気を見て下山するのを止めました。
雲が広がっており富良野岳の山頂が見えないものの雨は降っていません。
北側の視界は市街地が見えるほどです。
このまま下山する手はありません。

 群馬の男性には十勝岳温泉への下山路を教えて私は三峰山へ向かいます。
   
   この景色を見て下山できるはずはありません。

 少し進んで振り返ると上富良野岳への登山路が見えています。
   

 砂礫地の稜線を登ったり降ったりしていると25分ほどで三峰山です。
   
   ここには、ハイ松の陰で休んでいる男性がいました。

 ここから、さらに富良野岳に向かっての稜線歩きが続きます。
この稜線にも沢山の花が咲いています。

   
    イワブクロです。

   
    タカネバラ

   
   この花を拡大したのが次の写真です。
   
   どうやらミヤマセンキュウでしょうか。

 富良野岳に向かって降る斜面にチングルマの大群落がありました。
   
    これぞ、お花畑という感じでした。

 そこを降ったところに1株だけコマクサが咲いています。
   
   このコマクサには作為を感じます。

 ここに数株しかないのです。
最近、天塩岳において、本来無かったコマクサが咲いているという報告があります。
そこで、誰かが勝手に植えたものだということです。
本来自生していない花を植えたのはいけないことです。
そんなことで発見した人はコマクサを除去するようにという話があるのです。

コマクサが1株だけ咲いているのはおかしく感じました。
このコマクサをみてこの話を思い出しました。

 10:30分、富良野岳山頂への分岐に到着です。
   

 この分岐にザックを置いて空身で山頂を目指します。
この分岐から山頂にかけて花が楽しめる場所なのです。
階段状の急斜面を登り左手に回り込んだところで目に飛び込んできたのがハクサンイチゲの群落です。
   

    ハクサンイチゲの群落です。
   

 数は少ないのですがミヤマキンポウゲも咲いてます。
   
    タカネバラ
   
    エゾヒメクワガタでしょうか。
   
   
 そして、一株だけ咲いているのがエゾルリソウです。
   
   2年前はもう少し大きな株だったと思います。
  
 10:55分、富良野岳の山頂に到着です。
ここには休んでいる人が沢山います。
   
 しかし、今日はとっとした事情がありますので写真を1枚写しただけで下山します。

 今日は、下山後に観光で来ているKo氏とファーム富田で待ち合わせをしているのです。
下山後にお風呂も入りたいですし、待ち合わせ時間も近づいているので先を急がねばなりません。

 下山路は三峰山の下をトラバースします。
この下山路を飛ばしに飛ばして2時間で駐車場に到着です。

 下山すると稜線の雲も取れてすっきりとした山容を見せてくれます。

   
    ファーム富田から見た十勝岳連峰です。

 今日は少し忙しい山となりましたが、花を楽しみ、白銀荘のお風呂にも入り満足な1日でした!
そして、今回の山行は、小屋泊りと山の花の二つが堪能できました。 
   
   

お花畑を求めて上ホロから富良野岳を歩く! その1

2014-07-17 19:39:14 | 十勝岳山系の山
 少しノンビリとした山歩きがしたくなっていました。
出来ことなら高山植物の花も楽しめる山へ行きたいものです。
ノンビリするなら小屋泊まりが最高です。
そこで選んだのが、十勝岳の隣にある上ホロかメットク山から富良野岳の縦走です。
そして、上ホロカメットク山には避難小屋があるのです。

 この小屋泊まりを楽しみリフレッシュしたいと思います。

 
 7月14日(月曜日)

 天気予報は、昼から雨が降るかもしれないというものです。
その雨は夕立が降るという予報です。
札幌を朝の8時に発ちます。

上ホロカメットク山の登山口は十勝岳温泉となります。
この登山口から上ホロの避難小屋までゆっくり歩いても3時間あれば十分なのです。
あまり早く着いてしまうと時間をもて遊んでしまいます。
(ゆっくりしたいといっても時間をもて遊ぶことができない性格です。)

 10時を回ったところで登山口となる十勝岳温泉の駐車場に着きました。
この時間になると駐車場は満杯です。
やっと、1台止められるスペースを見つけたのでそこへ車を止めます。

 登山準備も整い、10:35分、登山開始です。
まずは、石ころがゴロゴロした林道を歩きます。
正面には安政火口の黄土色した地面を目指して谷の奥に向かって歩きます。

 この安政火口に向かって谷の右岸を歩くのですが、この辺りで数年前の11月雪崩に遭って数人の方が命を落としています。
夏に見るとそんなことが信じられないほどどって事無い地形なのです。
山の恐ろしさを教えてくれる山が上ホロです。

 さて、安政火口の噴煙が見えてくると谷を渡らなければなりません。
渡った後は尾根をトラバースするように乗り越えます。
   
   下の方には登山口にある凌雲閣という温泉宿が見えています。

 尾根を回り込むと正面に富良野岳が見えてきます。
   
   その富良野岳の山頂が雲に隠れています。

 この雲は積乱雲ですので発達すると雨を降らせます。
雲の様子に注意しながら歩きます。

 ほどなく上ホロと富良野岳の分岐です。
この分岐を左に曲がり狭い谷に沿って登ります。
例年ですとこの分岐から雪が残っているのですが、今年は雪融けが早いので地面が出ています。
ゴロゴロした石を避けながら歩きます。

 少しずつ傾斜が増してきます。
上空は厚い雲に覆われてきます。
雨の心配があるので足早に登ります。

 階段が現れてきます。
この階段が延々と稜線近くまで続くのです。
私は、「階段地獄」と名付けています。

この階段地獄に耐えて登っていると高山植物の花が疲れた心を癒してくれます。
   
    エゾコザクラです。

   
   コケモモの花です。

   
   エゾイソツツジです。

 尾根の上にたどり着くと安政火口が目の下に見えます。
   

 ここから一気に視界が開けます。
そして、花の種類も多くなります。
   
   ヨツバシオガマです。

   
   チングルマですが、すでに花が散り風花となっています。

   
   私の好きなイワヒゲの登場です。

   
   雪渓が出てくると谷の向こうには三峰山が見えています。

   
   エゾツガザクラの可憐な花を楽しみます。

   
   正面に上ホロが見えてくると稜線がもうすぐです。

 やっと稜線に到着です。
振り返ると今し方登ってくる登山道が見えています。
   

 12:30分、上富良野岳に到着です。
   

 ここから上ホロの山頂までは、ほんの15分ほどなのですが、この間のお花畑がすごかった。
   
   こんな感じで咲いています。

   
   イワヒゲの花も大きな株があちらこちらにあります。

   
   チングルマも大群落となって咲いています。

   
   左手は荒涼とした安政火口ですが反対側の右手は高山植物のお花畑です。
   
 12:45分、上ホロカメットク山に到着です。

山頂には若いカップルが昼食を食べていました。

 ここで、安政火口側の谷に向かって手を合わせます。
昨年11月、この山頂下の谷で(元北見山岳会に所属していた)女性が低体温症で亡くなるという遭難事故がありました。
私も昔この山岳会に所属していたこともあり、慰霊のために手を合わせたしだいです。

   
   安政火口の全容が一望できます。

 そして、今日泊まる避難小屋も見えています。
   

   さらに、花々が今を盛りと咲いています。 
   

   

 コルまで降ると正面の山は三段山です。
   
   この山の反対側の斜面が、冬には山スキーのパウダーを楽しませてくれるのです。

  
   稜線分岐から見た避難小屋です。

  
   小さな小屋ですが2階建てです。
   トイレは小屋の裏側にありますが、ボットントイレです。
   水は少し離れたところにある雪渓の雪融け水を使います。

  
   中はこんな様子です。
   この日は、1階にツァーの人達、2階は私や2組の個人で使いました。

  
   小屋の周りはエゾコザクラの大群落があります。
  
   拡大するとこんな具合です。
   

 小屋についてホッと一息です。
雨にも当たらず良かったです。
早速水汲みです。
その時に缶ビールを2缶ほど雪渓の雪に埋めます。
私はアルコールが無くても良いのですが、今回はゆっくりしたかったので缶ビールを持参しました。

 この缶びーるは日暮れ時に小屋の前のベンチに座って楽しく飲みました。
 極楽、極楽といったところでした。


 上ホロからの下りが岩がゴロゴロした斜面です。
注意しながら降らなければなりません。 

予備日を使って富良野岳に登る

2012-08-03 22:02:49 | 十勝岳山系の山
 順調のトムラウシ山に登ることが出来たので日程に余裕ができてしましました。
このため予備日を使って富良野岳に登ることにします。

 トムラウシ山を下山して美瑛町で森林管理署に鍵を返します。
それから十勝岳の中腹にある吹上温泉・白銀荘を目指します。
白銀荘は素泊まりの宿泊施設で日帰り入浴もできます。
しかも、目の前にキャンプ場もあります。
今夜はこのキャンプ場で1泊します。

 7月22日(日)

 今日も天気は良いようです。
まずは、吹上温泉から十勝岳温泉へ移動します。
時間にして15分ほどの移動でしょうか。
ここの駐車場に車を止めます。

 5:50分、富良野岳に向けて出発します。
今日は日曜日、団体・個人いろいろな組み合わせで沢山の人が登っていきます。
 
 ガスが少しずつ晴れてきます。

噴煙を吹き上げているのは安政火口です。

 この火口の直ぐ下で沢を渡りここから長いトラバースルートに入ります。
岩混じり登山道ですので乗り越えたりしながら登っていきます。
そして尾根を曲がったところで富良野岳を見ることができます。
   
    昨年来た時は、この辺りはガスガスでまったく視界がありませんでした。
ですから、みいちゃんも初めて見る光景です。
富良野岳がドッシリした姿を見せてくれています。

   
    岩場を登る高校生達です。
彼らは旭川の高校生です。
今日は富良野岳まで全装備で登る登山訓練をしているところです。

 私も昔、高校生の時に同じ様な訓練をしたことがあります。
高体連の全道大会に出場した時の会場が十勝岳でした。
この時は、ガスに雨、最悪の天気で十勝岳に登り事が出来ず、望岳台で2泊した記憶があります。
彼らに「頑張ってください!」と、声を掛けて先へ行きます。

 十勝岳がガスの向こうから顔を出してくれました。
   
 ドンドンガスが晴れていきます。
そして、綺麗にガスが晴れました。
   
   一番向こうのすっきりとした三角形が十勝岳です。
 右手のコブがカミホロカメットク岳です。

 三峰山と富良野岳のコルに到着です。
ここから一気に山頂まで急な斜面が続きます。
しかし、ここから山頂までが富良野岳のお花畑なのです。

   
    イワキキョウが満開です。

   
    一面のトカチフウロです。

   
    山頂の直ぐ下の登山道で虎ロープで区切られ保護されているエゾルリソウです。

 これらの花を楽しみながら約3時間で富良野岳の山頂に到着です。
   
    今回一緒に登ったみいちゃんと夜行虫さんです。

 山頂からは十勝岳がよく見えていたのですが、時々雲に隠れます。
次から次へと沢山の人が登ってきます。
皆さんお花を見るのが目的です。
富良野岳は、いろいろな花が咲くことでも有名な山なのです。
私達も、その花を十分に楽しむことができました。

 トムラウシ山に引き続き天気に恵まれた富良野岳です。
これで、みいちゃんはガス女返上か!?
と錯覚を起こすくらい天気に恵まれた北海道の山でした。

上ホロから富良野岳へ!

2012-06-16 19:55:28 | 十勝岳山系の山
 6月11日から12日の2日間を使って十勝岳山系の上ホロカメットク山から富良野岳を歩いてきました。

 この計画は、東大雪にある石狩岳から音更岳を歩くのとどちらにしようか大分迷いました。
最終的には明るい日差しの中の稜線歩きがしたいので上ホロから富良野岳を歩くことにしました。
富良野岳の山頂を踏むのは数十年ぶりのことです。
そして、この稜線を歩くのは初めてなのです。

 6月11日は昼から札幌を発ち、ノンビリと下道を走り十勝岳温泉の駐車場には16時過ぎに着きました。
駐車場には数台の車しか止まっていません。
テントを張る場所を探すと駐車場の一番奥にまだ大きな雪の塊があり、その溶けた水が駐車場全体を流れています。
一番端の方が濡れていないのでそこへ駐車してとなりにテントを張ります。
   
   これで今日の作業は終了です。

 あとは食事をして寝るだけです。
時間を余してしまうのでたまにはお酒でも飲もうかと思い、カン酎ハイを買ってきました。
これを飲んだのが大きな間違いでした。

 この駐車場は標高が高いので寒いです。
お酒で体を温めようと思いさっそく飲んで寝袋に入っていました。
身体がポカポカしていい気持ちになったのは良かったのですが、ドンドン呼吸が苦しくなります。
心臓の鼓動がものすごく早くなってきました。
最後は脂汗が体から吹き出し拭っても拭っても汗が出てきます。

 どうやら、たまに飲んだお酒でしたので急性アルコール中毒になったようです。
これには参りました。
カン酎ハイ350mlを1個飲んだくらいでこの有様です。
明日はどうなるのだろうと暗い気持ちでいましたが、1時間ほどするとやっと呼吸が落ち着いてきました。

 まあ、明日のことは明日考えることにして、取り敢えず一晩過ごしてからと目を瞑って寝ていました。


 6月12日(火)

 余りよく寝られなかったのですが、薄明るくなると鳥の声がしてきます。
この鳥の声を聞きたくてテントで寝ているようなものです。
取り敢えず朝食を食べますが、食欲はあります。
昨夜飲んだカン酎ハイもそれほどの量ではないので大丈夫でしょう。
テントの入り口から顔を出して外を見ますが霧のようです。

 4:50分、テントも畳んで準備ができたのでいよいよ出発です。
   
    登山口の様子です。霧(雲の中?)で登山道が霞んでいます。

 少し歩くと空が晴れてきます。
上空を見ると薄い雲のようですので晴れるかもしれません。

 登山道の横にある岩の上にピョンピョンと動くものがいます。
よく見るとシマリスでした。
   
    直ぐ横の岩の上で止まったのであわてて写真を撮りました。

 安政の火口に近づいてくるとドンドン雲が切れてきます。
   
    化け物岩でしょうか?

 晴れてきたのですっかりやる気が出てきました。
渡渉点を越えて尾根を回り込むと富良野岳が見えました。
   
    しばらく振りに見た富良野岳です。

 昨年、神戸のみいちゃんとこのコースを歩いた時には雲の中で富良野岳の姿を見ることができませんでした。
何十年振りに見た富良野岳です。

 上ホロと富良野岳の分岐に着きましたが、分岐はまだ雪の中でした。
   

 ここからしばらくの間、沢を埋める雪の上を歩きます。
   

 そして、いよいよ階段地獄の始まりです。
   
    一体、何段あるのでしょうか? 
延々と続くような気がしてきます。
でも、階段が終わると稜線は間近です。
   
    ドンドンと雲が流れて歩いてきた谷がすっかり見えるようになりました。
目の下は安政火口です。
白い煙が立ち上っています。

 ここまで来ると上富良野岳はもうすぐです。
   
    標識のある場所が上富良野岳です。
その右手の黒い岩が上ホロです。
そして一番奥に見える雲をまとった三角形の山が十勝岳です。

   
    この辺りにはキバナシャクナゲが咲いていました。
そして、ツガザクラも濃いピンクの花を付けだしています。
   

 6:25分、上富良野岳に到着です。
   
    十勝岳に掛かっていた雲も晴れました。

 ここから、上ホロを往復します。15分で上ホロの山頂です。
そこから戻って三峰山を目指します。
正面に見えるはずの富良野岳はまた雲に隠れてしまいました。

 上空は雲が晴れましたので強い日差しが当たります。
しかし、下は雲海です。
風が少し涼しいのでウインドブレーカーを着て歩きます。

 7:20分、三峰山に到着です。
   

 ここから見た十勝岳は圧巻でした。
一面の雲海に浮かんでいるのです。
まさに秀峰としての存在感は十分です。
   

 涼しい風が吹くと身体が冷えてきますので少し休んだだけでドンドン歩きます。
40分ほどで富良野岳山頂下の分岐点に着きます。
ここは、稜線歩きのコースと安政火口から三峰山の山腹をトラバースしてくるコースが合流する地点です。

 さあ、ここから富良野岳山頂を目指して急な階段を登ります。
辺り一面、いろいろな花が目を楽しませてくれます。
   
    エゾノハクサンイチゲです。
   
    エゾコザクラでしょうか。
    
    山頂斜面に咲くエゾノハクサンイチゲの大群落です。

 8:25分、富良野岳の山頂に到着です。
   

 何十年振りかの山頂です。
今日はここまで歩いてきて誰にも会っていません。
ここから見る一面の雲海も私しか見ているものがいません。
何という贅沢でしょうか。

 今日は本当に気持ちのいい稜線歩きが出来ました。
花の山富良野岳といわれていますが、すでにその片鱗を見せつつあります。
ありがとう、富良野岳! 
 

十勝岳・美瑛岳 11年7月

2011-08-23 08:22:50 | 十勝岳山系の山
 7月16日(土)

 宿の食堂で朝6時に待ち合わせていました。
みいちゃんとInさんも時間通りに食堂へ来ます。
窓から外を見ますがどんよりとした鉛色の空です。
この様子では、天気は期待できないかも?

 まずは美瑛の町へ行ってコンビニを探します。
今日の昼食と飲み物を購入しなければなりません。
旭川へ向かう国道に出てしばらく走るとコンビニがありました。
ここで買い物をして一路十勝岳の登山口である望岳台を目指します。

 山に向かうにしたがってフロントガラスに細かな水滴が付いてきます。
雨というほどではないのですが霧のような細かな水滴です。

白金温泉まで来るとこの水滴が大きくなってきます。
辺り一面ガスで覆われて視界もあまりありません。
今日はどうかな?と思っていると望岳台に到着です。

 望岳台の駐車場には、すでに、10台くらいの車が止まっています。
車から外へ出ると雨というかガスというか微妙な天気です。
十勝岳の山頂方面を見るとガスで覆われまったく見えません。

 それでも、大した雨ではないので取り敢えず十勝岳を目指して出発します。
私とInさんは雨具の上だけ着ます。
みいちゃんは傘を差して歩きます。
    
     望岳台の駐車場を少し登ると立派な標識がありました。

    
     こんな感じの石だらけの登山道を登ります。

 1時間以上歩くと美瑛岳の分岐があり、それを過ぎると前方に避難小屋が見えてきます。
    
     ここで休憩を取ります。

 霧雨が上がってきましたが、視界がないので足元を見ながら登ります。
ここからコースが急になり避難小屋の左手の尾根に向かってジグを切って登ります。
足元は細かな砂礫で歩きづらいです。

 やっと尾根に到着です。
    
     ここからしばらくは平坦な尾根を歩きます。

 しかし、足元はザラザラの砂礫で足を取られそうになり、本当に歩きづらいです。

 十勝岳の山頂に向かって最後の急斜面を登ります。
この辺りでは早朝に登った人達が降りてきます。
山頂の眺望はゼロだったと話してくれます。

 私達が登って行くにしたがって雲が切れてきます。
    
     白金温泉など山裾の眺望が開けてきます。

 そして、右手の富良野だけ方面を見ると幻想的な光景が広がっています。
    
     昨日登った上ホロの山頂が雲の上に顔を出しています。
その向こうに富良野だけが見えるはずですが、雲に覆い隠されています。

 ようやく山頂です。
   
    ここからは美瑛岳も見えました。
上空は厚い雲がありますが、視界が開けてきました。
何という幸運でしょう。
どうやら、雨女のみいちゃんより私の晴男度の方が若干上回ったのでしょうか?

 (山頂で写真を撮りましたが、花も恥じらう女性達ですので写真はお預けです。)

 さて、ここからどうしょうか相談します。
このまま下山してはおもしろくないので大きなお花畑のある美瑛岳を回ることにします。
「美瑛岳はどこですか?」とみいちゃんが聞くので、「あそこですよ。」と雲の向こうに見えるピークを指さすと、「ヒェー!」行けるかな?といいます。

「大丈夫、大丈夫!」といって山頂から降ります。

 鋸岳の横を通り降ると雪渓が残っています。
ここで先行している老後夫婦の奥さんがおぼつかない足取りで雪渓をトラバースしています。
見るからに危ない感じですので、先行して手を貸します。
普通の登山道は私より速く歩く人達ですが雪の上は苦手のようです。

 後ろを振り返るとみいちゃん達の歩き方も変です。
おっかなびっくり歩いているのです。
「この程度の雪渓を渡るのに随分苦労しているな」と思ったのですが、ここは雪国育ちかどうかの差が出たようです。
雪渓での歩き方を少し教えて渡ってもらいます。

 この雪渓を越えて美瑛岳への登に入る頃からお花畑が現れます。
     
     
      なかなかいい感じに咲いてます。

 そして、美瑛岳の山頂も見えてきました。
    
     一番左のピークが美瑛岳の山頂です。

    
     山頂に向かう最後の斜面を登ります。

 そしてようやく山頂に到着です。
    
     
     正面に十勝岳の山頂が見えています。
    
  
 ここで、ゆっくり休憩して昼食を取ります。

 お腹も一杯になったところで山頂を後にします。
ここからは長い降りが待っています。
足元に十分気を付けて降ります。

 ガレ場からはい松帯、灌木帯をひたすら降ります。
所々雨水が流れ込んで深い溝となっています。
泥が溜まっているところは滑りやすいので慎重に降ります。

 ポンピの沢まで降りました。
何と沢が増水しています。
普段ですと軽く飛び石伝いに渡れる沢なのですが、どうも様子が違います。
    
     あちらこちら探しましたが、いい場所がありません。

私は、ちょっと危険な飛び石を飛んで対岸に移りましたが、彼女たちに勧めるわけには行きません。

 いろいろ考えて、みいちゃんが持っているストックを使い石を放り込んで作った足場を渡ってもらうことにします。
何とか渡り終えてホット一息です。

 この後も数カ所の雪渓をトラバースと軽い渡渉をこなしドンドン降ります。
そこそこ疲労が溜まってきた辺りで前方にシマリスが木の実を頬張っていました。

足を止めて小声でみいちゃん達に教えます。
「オーッ!」、みいちゃんは静かにカメラを出してシマリスを写します。
私達に気づいたシマリスがアッという間に木陰に消えます。

昨日のキタキツネに続いてシマリスを見ることが出来たみいちゃんは満足そうでした。
「よかった!よかった!」このコースを歩いた甲斐があるというものです。

 樹林を抜けると十勝岳への分岐点が近いです。
やっと分岐点まで来ると十勝岳からドンドン降りて来る人達がいます。
今日は朝早く登った人達よりも少し遅く登った人達の方が視界も開けいいやま登りが出来たようです。

 私達も望岳台へ戻ってきました。
さあ、後は温泉で汗を流すだけです。
今日は、吹上温泉白銀荘で入ります。
    

 温泉でゆっくりした後は、昨日泊まったおかせん里さんへ行きます。
Inさんは別な宿ですのでそこまで送ります。

 今日は9時間ほど歩きましたが、みいちゃんは元気です。
しかし、「明日は富良野観光でも良いかな。」ということで、山から観光に切り替えです。

今回は、みいちゃんが満足すればいい旅ですので、「山と観光」いずれも楽しんでもらえれば私としてはいうことがありません。