井の中の蛙、カイラス山巡礼に挑む!

夢のカイラス巡礼を終え、登山を再開しました。山岳信仰の延長上に四国遍路、カイラス山巡礼があり、原点の登山に戻ります。

夕張岳2

2008-06-30 21:07:10 | 芦別・夕張山系の山
馬の背コースはいきなりの急登から始まります。
尾根の取り付きですので、急な坂道になるのは
当たり前のことです。
この急な斜面をジグザグに登っていきます。
15分の歩くと汗が噴き出してきます。
ゆっくりを心がけて歩いていきます。
思ったほど息も乱れずまずは順調な滑り出しです。

尾根に上がってからも急登が続きます。
しばらく歩くとすぐ近くから人の話し声が聞こえてきます。
おやっと思ったのですが、冷水コースを歩いている人の声だと思います。
谷間に反響しているせいか、すぐ近くを歩いているように聞こえます。

7時50分、二の越という立派な標識があります。
この標識を越えて5分ほどで冷水コースとの分岐点に
着きました。
ここで少し休憩します。

2組ほどの人が歩いていきます。
そろそろ行こうかと思ったときに10人ほどの団体さんがやってきます。
先に行きそびれてしまいましたので、後を付いていくことにします。
一番最後を歩く人と話ながら歩いていると、
この人達はオホーツクの紋別市から来た人達でした。
昨晩は清水沢に泊まったといっています。
それにしては、遅いスタートだと思います。
私なら、登山口を遅くても6時には着いて歩き出していると思います。

のんびり歩いていると、「先へ行ってください。」といわれ、
皆さん横へ避けてくれます。
行為を無駄にしてはいけないと思い、お礼を言って先に出ます。

8時25分、望岳台に着きます。
ここからは眺望が開けてきます。
目の前には滝沢岳が見えています。
このまま休まずに歩いていきます。

憩沢には10人ほどの団体が休んでいます。
その団体を追い越して、やっと、高層湿原にたどり着きます。
ここからは山頂下までなだらかな斜面が続きます。

    
中央に突き出たガマ岩の向こうが夕張岳の山頂です。

ガマ岩を回った横に小さな沼があります。
     
 この池がひょうたん池です。
池の縁には、エゾリュウキンカの黄色い花が満開です。

ほどなく木道が続きます。
天気がいいのでのんびり歩いていきます。

天気がいいので、木道脇の花々を楽しみながら歩いていきます。

地下水が突き刺したビニール管から流れ出しているところがあります。

数年前に来たときに、一人のおじさんがこの水を汲んでおり、
一番美味しい水だと聞いていたので私も汲んでいきます。

最後の登りを登りきると山頂下にある神社に着きます。

夕張神社です。

ここから5分ほどで山頂です。
山頂には9時45分に着きました。
休み無しの歩いて約3時間です。

お腹がすいたので昼食を取りゆっくりします。
霞が掛かっているので眺望はあまりよくありません。


でも、芦別岳はよく見えました。

山頂から歩いてきた道を振り返るとこんな感じです。

この景色を見ていると、突き出たガマ岩がよく見えます。

山頂で記念写真を撮ってもらい、帰りは高山植物を
楽しみながら下山します。

明日は、夕張岳に咲いていた花々を楽しんでもらいます。

夕張岳1(1,668m)

2008-06-29 20:55:40 | 芦別・夕張山系の山
6月28日(土)は夕張岳へ登りに行って来ました。

6月初めに夕張岳へ出掛け、登山口手前9キロ地点で
ゲートが閉じており登山口まで行けなかったのですが、
23日の月曜日からやっとゲートが開きました。

いよいよ夕張岳の登山が出来るようになりました。
28日、29日は最初の週末を迎えます。
この日を待った沢山の登山者がやって来るでしょう。

私も、数年振りの夕張岳です。
さて、車を娘が使うので私はバイクで出掛けることにします。
札幌から夕張岳の登山口まで約110キロほどあります。
そのうち最後の10キロほどは砂利道のダートコースです。
これは、オフロードの方がいいかと思いセローで行くことにしました。

朝5時頃札幌を発ちます。
途中、長沼のあたりで朝霧のためヘルメットのシールドが
濡れてきます。
雨ではないので、そのまま走りますが、寒いです。
夕張に近づくにしたがって空が晴れてきます。

順調に走り、シューパロ湖の上流から右折して登山道へ入ります。
狭いけれど舗装された道を走っていくと前方に乗車が2台ほど
走っています。
この後ろを付いていきますが、砂利道になると砂煙がひどく
シールドが汚れてきます。
狭い林道ですので追い抜くわけにもいかず、ジーッと我慢して
後を付いていきます。

駐車場が見えてきました。
やはり大変な数です。
20台ほども停まっていたでしょうか。
バイクですので一番上流側へ行って駐車している車の間に停めます。
天気は上々、さっそく、登山の準備をします。

入山届けを書いていると後ろから10人ほどの中年団体が来ます。
その姿に驚きました。
皆さん両手にストックを持ち、足元はロングスパッツで固めています。
この姿はちょっと異様に見えました。

最近はストックも1本だけでなく、ダブルストックとして両手に
持つ人が増えているようです。
私には、この流行が異様に見えます。
確かにストックは下山するときに利点があると思いますが
いつもストックを離さない姿は異様です。
もっと自分の足と体のバランスで登ってほしいものです。

さらに、足元のロングスパッツも気になります。
今日のコースと天気では、スパッツを付けなくても
十分に歩けると思います。
それなのに、スパンツ姿、これも異様ですね。
私は、短めのパンツを使っていますが、スパッツをするときは
下草が濡れていて、その梅雨がパンツを通して靴の中へ
水が入ってくるときや、地面がザラザラの細かな石などで
靴の中へ石が入ってきそうなときなどに使うだけです。
それ以外は、スパッツを使うことはありません。
第一、暑苦しいではありませんか。

6時50分、いよいよ出発です。
さて、登山口から少し歩くと馬の背コースと冷水コースの分岐です。
左へ行くと馬の背コース、真っ直ぐ行くと冷水コースです。
一番人気は冷水コースです。
私の前を歩いていた10人ほどの団体さん、冷水コースへ向かいます。
ほとんどの人が冷水コースへ向かいますが、私は馬の背コースを
選択します。
それは、冷水コースが先行者で混雑していること。
馬の背コースには夕張岳ヒュッテがあるので、
それを見ておきたいことが理由です。

団体さんの中の女性が、「馬の背コースを選ぶ人は絶対いないよね。」と
同行者の女性に話しかけています。
残念でした!
その絶対選ばないコースを私は行きます。

10分ほど歩くと、夕張岳ヒュッテです。
     
プレハブの小屋は、建設工事現場でよく使われているものです。
左側にある木造の小屋は沢水が引かれ台所となっています。
朝日を受け、明るい感じがしていいですね。
小屋の中をのぞいてみましたが、綺麗に使われているようです。
この小屋は、今晩から管理人が常駐するはずなのですが、
どうなのでしょうか?

小屋の前から小さな沢を渡り、いよいよ馬の背コースへ入ります。

暑寒別岳(1,491m)

2008-06-16 19:06:57 | 暑寒別・増毛・樺戸山系の山
6月14日(土)、暑寒別岳へ登りに行きました。

前日から登山口にある暑寒荘に泊ることを考えていましたが、
金曜日は雨が降り、土曜日の天気も良くないようです。
そんなことで金曜日に出かけるのを躊躇してしまいました。

土曜日の朝、目を覚ますとどんよりした空模様です。
雨は降っていないので出かけることにします。
朝食を取り、朝4時に札幌を発ちます。

途中、石狩町で海岸に出ると前方に暑寒別の山並みが見えるはずですが
低い雲に阻まれ、まったく見えません。

雄冬岬に近くなるにしたがって雲が切れて青空がのぞいてきます。
ちょっと期待が持てそうです。

6時10分、増毛コースの登山口につきました。
この辺りの空は明るく、風により雲がドンドン動いています。
青空が顔を出してきます。この天気は期待が持てそうです。

    
これが暑寒荘です。
中を見たのですが、1階には大きな薪ストーブがあり
水も引き込まれています。
綺麗に使われているようで、ゴミ一つありません。
暑寒荘の前は綺麗な芝生で、手入れよく刈り込みがなされています。
テントを張るには快適な環境ですね。

 暑寒荘の前にある入山届けポストを開けて記入します。
既に2組入山しているようです。

   
この貯水池の水が小屋の中にも引き込まれているようです。
池の下にある木橋を渡り、いよいよ登山の開始です。

6時20分、少しずつ天気が良くなってきて時折薄日が差してくる
林の中を歩いてきます。
尾根にとりつく急な斜面を登ります。
いきなりの急斜面でですが、ゆっくりを心がけて登っていきます。
登り終えたところが1合目です。
立派な四角柱の標識があります。

この辺りからはズーッと尾根筋にしたがって登りますが、
登山コースはとてもよく整備されています。
両側の木々が刈り払われ、下草もほとんどないので
足下が濡れるようなこともありません。
      

両側はびっしりと笹が生えているのですが、
その中で笹の子取りをしている人達がいます。
歩いていると、横の笹藪が急にガサガサと大きな音を立てるので、
熊かと思いビックリしてしまいます。

6時57分、つつじケ丘と書かれた立派な標識を目にしますが、
辺りを見渡してもツツジは影も形も見えません。

この登山道は蚊が多く、体の周りを始終飛び回っています。
そのため落ち着いて休むことも出来ません。
ちょっと立ち止まると、身体の回りに数十匹はいそうです。
私は蚊に刺されると赤く晴れて痒みが1週間ほど続きます。
ですから、蚊に刺されないように薬を十分に塗っているのですが、
それでも足りないようです。
汗をかいていますので、首筋や腕に塗った薬も流れてしまうのでしょう。
蚊の数はいっこうに減りません。
こんな状態ですので、歩くペースも速くなり、ドンドン距離を稼いでいきます。

7時30分、4合目に来ました。雲がなくなり上空は青空が広がります。
でも、沢筋から雲が上がっていきますので山頂方面は
雲が晴れたり隠れたり目まぐるしく変わります。
ここでちょっと飲み物を補充します。
相変わらず蚊に包囲されている状態ですのでスポーツドリンクを
2口ほど飲むとすぐに出発します。

   
この天気が数十分で雲の中です。
天気は目まぐるしく変わります。

8時5分、ようやくハイ松が姿を現してきます。
尾根が少しずつ狭くなってきます。
それにしたがって風を感じるようになり蚊の数が少し減ってきます。

8時10分、7合目に到達です。
雲が切れて山頂方面が時折姿を見せます。でもまたすぐに隠れてしまいます。
見えている時間が10分と続きません。

8時25分、休むのに適当な岩がありましたので、休憩します。
蚊の姿も見えないので落ち着いて休憩できます。
高度計は標高1,180mを指しています。
どっぷりと濡れてしまったシャツを脱ぎたいのですが、
蚊のことを考えるとそれも出来ません。
来る途中で買ってきたパンを食べながらスポーツドリンクで
喉をうるおします。

地図を出してコースを見ると、ここから、もう一つ目の前にある斜面を
登ると後は平坦な道になり、そこを歩けば山頂のようです。
あと一息です。
休憩後、すぐ先に扇風台がありました。
   
この時は山頂方面のガスが切れていたので写真を写しておきます。

目の前にあるこぶ山に取りかかりとロープ場があります。
足下がザラ場ですので注意して登ります。
もう少しで登り切るという場所に9合目の標識があります。

やっと登り切ると当たりは一面のガスです。
その低いハイ松の中に箸別コースとの分岐標識が立ってます。
    

ハイ松の陰に咲くキバナシャクナゲ、白い花ばなを見ながら
ゆっくり歩いていきます。
  

9時25分、山頂に着きました。
   

しかし、ガスが係まったく眺望がありません。
東から吹く冷たい風のため岩陰に身を隠し昼食を取ります。
バナナを食べて、熱いカフェラテを飲みます。
干しぶどうを食べたりパンを食べてお腹が一杯になってくると、
やっと落ち着いた気分になってきます。

山頂には神社の社があり、風で吹き飛ばないように岩で囲まれています。
中を見ると厳島神社の御札が祀られています。
こんな山の中に海の神様が祀られているのは不思議ですね。

  
でも、海に出れば暑寒別の山はどこからでも見えるので、
そういう意味で考えると不思議なことではないのかもしれません。
船頭さん達が出漁する時、漁を終えて帰ってきたとき、
真っ先に目にする暑寒別の頂にある厳島神社に向かって
祈りを捧げることは、自然なことなのでしょう。

山頂のガスはなかなか晴れそうもないので、下山することにします。

9時40分、下山します。

朝いた蚊とは違う、もう少し大きな蚊が登山道を飛び回っています。
この蚊が嫌ですので、暑寒荘のある登山口までほとんど休みなしで歩き通し、
11時50分、暑寒荘へ着きます。

今日は蚊に追いまくられた登山でしたが、山頂の眺望がなく残念でした。
でも、時折太陽が顔を出してくれたので、まあまあの登山が出来ました。

今度は秋にでも蚊がいなくなってから暑寒荘に泊まって
ゆっくりした登山をしたいものです。

ニセイカウシュッペ山(1,879m)

2008-06-12 21:32:36 | ニペソツ山・中央山系の山
6月8日(日)、今日はニセイカウシュッペ山です。
天塩岳ヒュッテでの楽しい一夜が明けました。
鳥の声に目を覚ましたので時計を見ると3時半です。
もう少し明るくなったら起きようと思い寝袋の中でウトウトします。

回りがガタガタしてきたので4時に起きます。
空を見ると雲の合間に青空が顔を出しています。
今日は何とか天気が良くなってくれればいいのですが・・・

5時に天塩岳ヒュッテを立ち、一路、ニセイカウシュッペ山の
登山口を目指します。
愛別町のコンビニで昼食を買い、ここからは無料区間の高速に乗り
上川町を目指します。

上川町で高速を降りると真っ直ぐに国道へ繋がっています。
北見峠へ向かいながら登山口の入口を捜します。
高速道路の下を潜って少し行くと右手に高速道路建設業者の
事務所が見えてきます。
そこが登山口です。
気を付けてみるとニセイカウシュッペ山の登山口と書かれた標識があります。

国道から右折して砂利道を走ります。
2カ所ほどゲートがありましたが、どれもゲートの鎖が
はずされています。
私達は念のために上川の森林管理事務所へ電話して鍵の番号を聞いて
いたのですが、ゲートの鎖をよく見ると鍵は付いていません。
土日ははずしているのかもしれません。

林道をグングン登って6時45分、やっと登山口に着きます。
かなり標高がありそうです。

    
 6時50分、綺麗にカリ払われた広い登山道を登ります。
空はどんよりと曇り、すぐ上は雲の中となりこれから歩く尾根も
雲の中へ消えています。

この登山口から芽刈別第三支川の左岸となる弓なりになって
山頂へ続く尾根をひたすら歩かなければなりません。
しばらく歩くと残雪が現れてきます。

      
ここから尾根の北側を歩くのですが大槍までの半分くらいは
雪の上を歩くことになります。

その中でも数カ所は沢の下まで続く急斜面にびっしりと堅い残雪があり
万が一滑落すると沢の下まで数百メートルは間違いなく
落ちてしまうところがあります。
堅い雪を身長にステップを切って進みます。

雲の中に入ってしまうと寒くなってきます。
8時20分、見晴台に着きますが雲の中ですので
まったく展望がありません。

寒さのため休むと身体が冷えてしまうのでほんの数分休むだけで
黙々と歩きます。
大槍のあたりで雪尻の後と思われる残雪を乗り越えると
いよいよ山頂が近くなってきます。

ハイ松が低くなってくると沢から吹き上がってくる風がまともに
当たる体温を奪っていきます。
ハイ松の陰にキバナシャクナゲが咲いています。

コースが北から西に向かって曲がると山頂は近いです。

9時35分、山頂に着きました。
冷たい風が吹きすさぶ、雲の中で何も見えない山頂です。
記念写真を撮り風を避けられるところまで下山することにします。

   
山頂での1枚ですが、昨日の天塩岳と同じ眺望ゼロです。

眺望が望めない山はつまらないので、さっそく下山します。
山頂下のハイ松の陰で風を避けながら昼食を取ります。
テルモスの熱いお湯はやっぱりいいですね。
熱いお湯がのどを通っていくだけで、ホッとします。

下山の途中で、やっと小槍が姿を現します。

     
昔は層雲峡から小槍、大槍を経て登るコースがあったと聞いています。
ちょうど写真に写っているスカイラインを登ったのでしょうか?
今は廃道となっているようです。

何度か休みながら11時50分、登山口へ戻ってきます。
これで今日の登山も終了です。
昼食は上川町でラーメンを食べることにします。
上川町は町内の飲食店がこぞってラーメンに力を入れている町なのです。
冷たい身体にはラーメンの熱いスープが似合います。
泥だらけの靴を整理して登山口から上川町へ向かいます。

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 高校生時代に山へ登っていたときにはニセイカウシュッペ山は
あこがれの山の一つでした。
それは、その当時、層雲峡から登るかさらに下へ下がった清川から
登るコースしかありませんでした。
いずれのコースも距離が長く途中で1泊しなければならない
難コースでした。
水場の無いのも難点でした。
ニセイカウシュッペ山の山頂に立ちたいと思っていたのですが、
その望みが叶った割には感動はありませんでした。

今のコースでは約2時間半ほどで山頂へ立つことが出来る上に
尾根をただひたすら歩くだけという単調な登山では
感動が薄くなっても仕方がないのかもしれません。

この次は、白滝の平山から登りたいと思います。
こちらからの方が難易度が高そうですので、
きっと楽しい山となるでしょう。
その時には、大雪山の山並みも見えるといいのですが・・・

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天塩岳 その2

2008-06-10 21:04:47 | ニペソツ山・中央山系の山
天塩岳の山頂は風が強く、とても寒いので
記念写真を撮るだけにして下山します。
新道を下ると避難小屋があるのでそこへ向かうことにします。

山頂からすぐ下に向かって伸びてる登山道があります。
これが新道だと思って下ります。
そうです、これが事件の発端です。

手の平大の小さな石や岩が累々と重なり浮き石だらけの
ガラ場の道を注意しながら下っていきます。
ハイ松を切ってあるジグザグの道を下っていくと
突然、雪渓に突き当たります。

その雪渓の急斜面を下りながら、フッとイヤな気持ちがしました。
地図で見ていた新道は緩い尾根状の斜面を下るはずです。
でも、今下っている雪渓の斜面は、グリセードが出来るほど急な斜面なのです。
百メートルほど下るとさらに斜面が急になり狭い沢状の地形になります。
明らかに地図を見て頭の中にある新道とは違います。

沢筋を詰めてくる旧道かと思いましたが、私が地図を読んだところでは、
もっと山頂の北側から降りるのだと思っています。
雪渓の上から下までよく見たのですが、登山道らしい道が見つかりません。
ここは、また山頂へ戻るのが一番確実です。

山頂は見通しが利かないガスの中でしたし、
おまけに冷たい風が強く吹いていたので地図をよく確認せずに
すぐ目にした登山道を下ったのが間違いのもとです。

旧道だと分かったのでこのまま下る手もあったのですが、
残雪がどんな状態で沢を埋めているか分かりません。
もし、沢の開き方によっては簡単に下ることが出来ないかもしれません。
ここは、山頂まで戻るのが最善の策です。

この道迷い?が事件でした。

すっかりお腹がすいたので、とりあえず軽くおにぎりを食べることにします。
テルモスのお湯を飲むと冷たい身体にしみ込んでいきます。
ガスで見通しの利かないの中、個々で判断を誤ると遭難の恐れがあります。
まずはお腹を満たして、地図をもう一度見直します。
やはり新道のある尾根とは違う沢の中へ入ってきています。

さあ、登り返しで山頂へ向かいます。
この4~5百メートルの登り返しはちょっと辛かったですね。
それでも、風に向かいながら13時40分、再びの山頂です。
山頂から南側の尾根を少し下ると登山道があります。
やはり、私達が下りかけた道は旧道のようです。

新道を少し下ると背の高いハイ松が風を防いでくれます。
25分ほど下ると避難小屋が見えてきます。
     
   
    この鋭角的な三角屋根を見たときには本当にホッとしました。

ここでゆっくりと休んで一息つきます。
今日は、寒さと風のためゆっくりと休めなかったので
この避難小屋のありがたさが身にしみました。

一息ついたので登山口にある天塩岳ヒュッテを目指して下ります。
丸山を過ぎて、笹藪が深くなってきた頃から
風が直接身体に当たらなくなったので
気持ちが落ち着きます。
ここからは雑木林の中を快適に下ります。

沢の音が聞こえてくると新道との分岐です。
少し暗くなった沢筋を下っていきます。
16時15分、登山口に戻ります。
駐車場には車が4~5台止まっています。
天塩岳ヒュッテの煙突から煙りが出ています。

天塩岳ヒュッテに入ると中は暖かく、冷え切った身体を暖気が包みます。
中には3グル-プ10人ほどに人がいます。
挨拶をして中へ入り、濡れたものを着替えてストーブの回りに干します。
自分達の場所を確保してやっと一息つきます。

さあ、楽しい山小屋の一夜が始まります。
まずはビールで乾杯です。



天塩岳(1,557m)

2008-06-09 21:11:06 | ニペソツ山・中央山系の山
6月7日(土)、まずは天塩岳へ向かいます。

札幌は曇り空、朝6時に立ちます。
順調に高速道路を走り、2時間ほどで愛別町に着きます。
ここで高速道路を降りて天塩岳の登山口へ向かいます。
愛別町から下川町へ向かう道路を走り、
8時50分、ようやく天塩岳の登山口に着きます。

天気は相変わらずの曇り空、ここにはキャンプ場富山小屋があり、
トイレと炊事場も整備されています。
車が1台もないので、私達の先に登っている人はいないようです。

     
       (写真は次の日の朝に撮りました。)

空を見るとすぐ上から雲です。
山頂は雲の中かもしれませんが、ひょっとして雲を抜けるかもしれないと
淡い期待を持って登ります。

登山道は天塩川の源流に向かって伸びています。
川沿いの道を何度か渡らなければなりませんが、
渡し板の簡易な橋が造られています。

    
  (流れの脇にはエゾリュウキンカの黄色い花が咲いています。)

エゾリュウキンカは通称ヤチブキといわれ食べても美味しいようです。
残念ながら私は食べたことはありません。
暗い沢の中に黄色い花が咲いているのですからとても目立っています。

30分くらい歩くと右岸の尾根へ登っていく新道との分岐点です。
     
このあたりの登山道はとてもよく整備されています。
左手の道を進みます。

さらに15分ほど歩くと沢筋を登っていく旧道と前天塩岳へ登る分岐です。
    
ここからは左手の前天塩岳へ向かうコースを選択します。
左に曲がり、尾根に取り付きます。
ここからは急な登山道を一気に登っていきます。

雲の中に突入しているので、雨ではないのですが
身体が濡れてきます。
気温もグンと低くなってきます。
雨具の上着だけ着て歩きます。

ハイ松の枝が見えるようになってくるとやっと前天塩岳への分岐です。
11時、登りだして2時間ほどで分岐ですが、風も強くなり
視界もほとんど無いので前天塩岳には登らずに天塩岳へ向かいます。

このあたりでハイ松の陰にはキバナシャクナゲが咲いています。
   
   シャナゲの花に霧が水滴となって付いています。

濡れた身体に風が当たるととても寒いので休む時間が
どうしても少なくなってしまいます。
20分ほど歩くと前天塩岳から降りてくる分岐点です。
ここからいったん降って登り返します。

前天塩岳と天塩岳を繋ぐ稜線には残雪が残っています。
時折強い風が吹いてきます。
天塩岳山頂の方から吹いてきますので、その風に向かって
登り返しの斜面を登ります。

視界がほとんど無い、強い風の中でやっと山頂です。

12時10分に天塩岳の山頂へ着きました。
    
        ごらんのような状態です。

この風の強い山頂ではゆっくり休むことも出来ないので
少し降って、風を避けて休むことにします。
帰りは新道へ降りることにしました。
その新道には避難小屋があるからです。
その小屋で昼食を取ることにして、風に追われるようにして山頂を降ります。
ここで事件が起こりました。