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 “家電に商機あり” 新興メーカーの戦略

2017-06-21 06:15:00 | 経済フロントライン

5月27日 経済フロントライン


これまで多くの総合電機メーカーは
技術力を競い合って
ともすれば過剰ともいえる機能を製品に盛り込んできた。
あれば便利だが
機能が増えると価格も上がる。
機能を絞って価格を下げたり
定番商品に1つ工夫を加えることで
売り上げを伸ばしているメーカーがる。

重さわずか1,3kgの掃除機の価格は1万円ほどである。
(客)
「値段もいい。
 倍の値段だったら買っていない。」
「シンプル
 手ごろ
 そんなに高機能じゃなくていい。」
これらの製品を開発しているのは宮城県に拠点を置く生活用品メーカー
アイリスオーヤマである。
社長の大山健太郎さん。
8年前に家電事業に参入し
商品の幅を次々に広げてきた。
去年
国内での家電の売上高は485億円。
会社全体の4割を占めるまでになっている。
(アイリスオーヤマ 大山健太郎社長)
「すぐに売上高は1千億円は超えると思う。
 1千億円を超える家電メーカーはあまりない。
 大手と称される次ぐらいには1~2年で間違いなく入ると思っている。」
家電の研究開発拠点があるのは大阪心斎橋。
あえて大阪を選んだのには理由がある。
希望退職などでシャープやパナソニックといった大手メーカーを辞めた技術者を採用するためである。
ヒット商品を売り出す秘密の1つが人材の組み合わせである。
開発チームには経歴の異なる社員をあえて配置している。
たとえば現在開発中の掃除機。
メンバーの2人は
ゲーム機メーカーから転職してきた森川廣基さん
そして生え抜き社員の河阪雅之さんである。
主に生え抜き社員がホームセンターに寄せられる客の声などをもとに開発方針を決める。
中途採用の社員が高い技術力でそれを実現し
新製品を生み出すのである。
現在人気を集めている掃除機は吸引力が特徴のサイクロン式だが
2人が開発しているのは従来の紙パック式である。
(生え抜き社員 河阪雅之さん)
「ホームセンターに来るおばちゃんは
 『紙パックの掃除機ありますか?』って来る。
 やっぱり根強いんだなと思って。」
目指したのは
高齢者でも扱いやすいよう徹底的に軽くすることだった。
一番の課題は最も重い部品のモーターの軽量化。
ここで力を発揮したのが中途採用の森川さんの技術だった。
森川さんは以前クレーンゲームの設計をしていた。
部品をなるべく減らして作るノウハウが掃除機にも生かされたのである。
8か月かけて実現したのが
業界最軽量クラスの1,8kg。
(アイリスオーヤマ 大山健太郎社長)
「“なるほど”という目線はアイリスの生え抜き社員が提案するが
 それを具体的に商品化するときに
 中途採用の社員は
 過去に大手でもいろいろな失敗をしたりいろいろな技術を開発したりしている。
 新しい発想でものをつくろうとしたときに
 異業種交流のような発想が大事。」
開発が最終段階を迎えた日
河阪さんと森川さんはテレビ会議に臨んだ。
毎週 宮城県の拠点を結んで開かれる会議は
これも独自の製品を生み出す仕組みである。
社長をはじめ製造や営業など各部門の責任者が参加。
消費者が使いやすいか
量産は可能なのか
あらゆる角度から質問がぶつけられる。
「今回の計量化のポイントは
 バキュームモーターの軽量化を行ったことにあります。」
しかし社長から思わぬ指摘が。
「軽くしたために騒音吸収が
 それはどうなの?」
「騒音はちょっと大きくなってはいますが
 実使用上大きな問題ではないと考えておりまして・・・。
「何デジベル?」
「72デシベルです。」
「それをもうちょっと下げることは出来ないのか?
 そのへんを検討しながら。」
「はい
 承知しました。」
試行錯誤は最後まで続いた。
(アイリスオーヤマ 大山健太郎社長)
「われわれ生活者にとって今の家電製品は満足していない。
 不満があるということはそこにビジネスチャンスがある。
 家電市場は何兆円というビジネス。
 我々にとってもやりがいがある。」



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