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「通勤農家」 新たな担い手に

2021-02-20 07:00:00 | 報道/ニュース

2021年1月30日 NHK「おはよう日本」


愛媛県松山市沖合の興居島。
かんきつ栽培が盛んな島である。
かんきつ農家の石村さん(29)。
朝6時前 島の対岸にある松山市の自宅を出発。
向かったのはフェリー乗り場。
フェリーにも仲間の農家たち。
興居島では最近こうした通勤農家が増えている。
トラックに乗り換え農園まで5分で到着。
家から農園までにかかった時間は約35分である。
作業を終えて午後6時半ごろに帰宅する生活を週に6日繰り返している。
(かんきつ農家 石村さん)
「都会の通勤に比べたら全然 苦じゃないと思います。」
愛媛県出身の石村さん。
一昨年まで東京のIT企業に勤めていた。
(石村さん)
「電車通勤で家に帰るときは
 日付が変わっていたりとか
 ハードワークでしたね。
 みかん農家 農業やっていたら融通が利くところもあるんじゃないか
 というのがいいなと思いました。」
通勤農家のことを知ったのは2年前。
農業に就く人向けの研修で初めて耳にした。
石村さんは現在松山市内で妻と2人で暮らしている。
自宅から通えばフリーカメラマンの妻も仕事を問題なく続けられることも
判断の後押しになったという。
(石村さん)
「お互いの仕事に支障なくできているので
 問題ないと思っています。」
(石村さんの妻)
「やっぱり私も仕事をしているので
 お互いにとって良い選択肢。」
興居島と由良支部と釣島支部の通勤農家は13軒に増えている。
その7割が
通勤できなければ農業をやらなかったと答えているという。
(通勤農家 青井さん)
「島の中で生活していくのは
 特に小さな子どもがいる世帯にとっては大変。
 子どもたちの生活の環境を考えて
 自分が通勤する方がいいかなと思った。」
興居島の通勤農家は比較的若く
単価の高いかんきつを栽培する人が多いため
産地の生産額も増えているという。
通勤歴6年の青井さん。
この動きに注目し
新たな挑戦を始めた。
(青井さん)
「ここの畑も2年前ぐらいから耕作ができなくなっているところですね。」
高齢化で条件のいい農園でも耕作放棄地になっている。
(青井さん)
「もったいないな
 残念だなという気はしますね。
 何とか再生できたらいいんですけど。」
こうした放棄された農園を集めて整備して
農業に興味がある人を島の外から募って就農してもらう法人を
来月にも作る予定である。
(青井さん)
「島にいる人だけでは限界があるので
 島外から来てくれる方が増えるとその分だけの授業できる人が増えるのでありがたい。」
(農業経営学が専門の愛媛大学大学院農業研究科 山本和博准教授)
「どこに住もうが農業者が増えるわけですから
 生産者数が増えるということにはなかなかならないんですけど
 生産者数の減少を抑制する効果があります。
 作付け面積の減少も抑制しているということになります。」
深刻な担い手不足。
島のかんきつ産業の活性化につながる今後の動きが注目される。

地元のJA関係者は
通勤の場合でも農作業の遅れなど生産面への影響はなく
高級かんきつの安定した収入が得られているという。
ただ通勤の場合は
ガソリン代など交通機関の運賃で年間30万円程度のコストがかかり
この通勤農業の定着には地域をあげた支援のあり方を考えることも今後求められる。
 


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