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首脳外交にマル

2019-07-21 07:00:00 | 編集手帳

6月29日 読売新聞編集手帳


 マルに対し、
ペケという拒否・拒絶に使う言葉は謎めいている。
語源として二通りの説があるらしい。

一つは「あっちへ行け」のマレー語から出たとする説。
もう一つは中国語の「不可=ブークォー」が変化したとするものだが、
中国の習近平国家主席の答えは「不可」どころか、
前向きだったという。
日中首脳会談で、
国賓として来春の再来日を求めた安倍首相の提案を受け入れた。

会談では柔和な表情で首相にこう尋ねる場面もあった。
「中国人は日本がとても好きです。
 日本人観光客を増やすアドバイスはありませんか」

共産党機関紙・人民日報が掲載した習氏の手紙も異例のことだろう。
中国語を学ぶ日本人に向け、
「友好の未来は青年世代に託されている」と呼びかけた。
尖閣諸島問題で関係が悪かった頃、
本紙に載った時事川柳を思い出す。
<日中の首脳のハグを見てみたい>。
今や皮肉やおかしみを感じない。
悪くないことではあろう。

とはいえ米中摩擦が高じて転がってきた友好であることは否めない。
川柳が再び面白くならないことを祈りつつ、
とりあえず首脳外交に小さめのマルをつけておく。

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