4月20日 NHK海外ネットワーク
モスクから礼拝への呼びかけが流れるなかサッカーの練習を続ける女性たち。
敬虔なイスラム教徒の女性が身につけるヘジャブで頭を覆う選手もいる。
彼女たちは中東ヨルダンの女子代表チーム。
16歳から26歳までの26人の選手たちである。
このチームを率いる監督は日本人の沖山雅彦さん(46)。
大学や社会人などの女子チームの指導者として実績を積み上げてきた沖山さんの指導力にヨルダンのサッカー協会が目をつけ
一昨年4月 代表の監督として招いた。
(ヨルダン女子代表 沖山雅彦監督)
「僕はヨルダンの国の代表監督として彼女たちを勝たせる。」
国民の9割がイスラム教徒のヨルダン。
女性がサッカーなどのスポーツをすることに抵抗を感じる人も少なくない。
ヨルダンチームのメンバー 大学生のメイサムさん(19)は社会や家族からサッカーへの理解が得られず悩んでいる。
(ヨルダン女子代表選手 メイサムさん)
「父は『なぜ学校にきちんと行かずにサッカーばかりするんだ』と言うの。
タクシーに乗ったら運転手から
『親は娘がサッカーをしていることを知っているのか』と言われた。」
イスラム教徒が多い選手やスタッフに沖山さんは最大限配慮している。
1か月間日の出から日没まで飲食を絶つイスラム教の重要な行事ラマダン。
メンバーが食事をきちんととれるように練習の開始時間を4時間繰り下げて午後9時半からにした。
(ヨルダン女子代表選手 メイサムさん)
「沖山監督は柔軟な考え方だから宗教で差別されている感じはしない。」
(ヨルダン女子代表 沖山雅彦監督)
「家族の反対を押し切って仕事を辞めてこの1年取り組んでいる選手もいる。
選手一人一人の思いで私たちの代表は成り立っている。」
沖山さんが率いるチームはヨルダン代表といっても結成してわずか9年。
監督に就任した2年前は選手たちのプレーの自己主張が激しくチームの一体感は全くなかったと言う。
練習に遅刻する選手もいる始末で沖山さんは厳しく指導してきた。
(ヨルダン女子代表 沖山雅彦監督)
「選手も買ってばらばらで全然コミュニケーション取っていないし
練習に遅れて来るのは当たり前で無断で休むのも当たり前で
これが本当に代表チームなのかというのが率直な感想だった。」
沖山さんは日本で行っていた緻密な分析を指導に取り入れた。
毎日その日行った練習を記録。
改善すべき点をチーム全員で共有する。
またチームの一体感を高めようと練習前にミーティングを開くようにした。
強豪チームの分析をしたり選手としての心構えを教えたりする。
監督に就任して1年2か月 沖山さんの地道な指導の積み重ねが実を結んだ。
W杯最終予選への初めての進出をかけた戦いでヨルダン代表の選手たちは気負うことなく実力を発揮。
チーム全員で勝利を重ねW杯最終予選出場を決めた。
ヨルダンの女子チームは沖山さんのもとで歴史的快挙を成し遂げたのである。
国際サッカー連盟FIFAの副会長でもあるヨルダンサッカー協会会長アリ王子も沖山さんの指導力を高く評価している。
私はヨルダンの女子サッカーが日本人監督を受け入れたことを誇りに思う。
沖山氏は経験が豊富で日本で最高レベルの監督だ。
W杯への出場をかけた翌月の戦いを前に世界のトップレベルの力を知っておこうと
世界有数の強豪ドイツのバイエルンミュンヘンと親善試合を行った。
沖山さんは選手たちに練習で培ってきた実力を発揮するよう呼びかけた。
相手チームの選手たちは大きな体でプレッシャーをかけてくる。
前半の終盤にヨルダンは1点を先制されてしまう。
ハーフタイムに沖山さんは選手たちを励ます。
「動ける!
もっと動ける!
もっといっぱい動ける!
勝ちに行こう。
できる!」
そして迎えた後半 チームに一体感が出てきた。
連携して相手を囲み封じるなど守りを固める。
さらに個人の技も光る。
仲間にパスをつなげて日間にゴールを攻めた。
結果は0体1.
惜しくも敗れたがチーム全員が確かな手ごたえを感じていた。
(ヨルダン女子代表キャプテン ステファニーさん)
「相手は経験豊富で強いチームなのでこの試合で多くを学べた。
これからもっと技術を高めていきたい。」
(ヨルダン女子代表 沖山雅彦監督)
「最大の夢はワールドカップ初出場を果たすこと。
そのためには日本という強い相手に互角な戦いを挑む。
ぜひチャレンジしてヨルダン女子サッカーの夢をかなえられるように頑張っていきたい。」
日本人監督とともに努力を続けてきたヨルダンの女子サッカー代表。
いま世界に挑もうとしている。
モスクから礼拝への呼びかけが流れるなかサッカーの練習を続ける女性たち。
敬虔なイスラム教徒の女性が身につけるヘジャブで頭を覆う選手もいる。
彼女たちは中東ヨルダンの女子代表チーム。
16歳から26歳までの26人の選手たちである。
このチームを率いる監督は日本人の沖山雅彦さん(46)。
大学や社会人などの女子チームの指導者として実績を積み上げてきた沖山さんの指導力にヨルダンのサッカー協会が目をつけ
一昨年4月 代表の監督として招いた。
(ヨルダン女子代表 沖山雅彦監督)
「僕はヨルダンの国の代表監督として彼女たちを勝たせる。」
国民の9割がイスラム教徒のヨルダン。
女性がサッカーなどのスポーツをすることに抵抗を感じる人も少なくない。
ヨルダンチームのメンバー 大学生のメイサムさん(19)は社会や家族からサッカーへの理解が得られず悩んでいる。
(ヨルダン女子代表選手 メイサムさん)
「父は『なぜ学校にきちんと行かずにサッカーばかりするんだ』と言うの。
タクシーに乗ったら運転手から
『親は娘がサッカーをしていることを知っているのか』と言われた。」
イスラム教徒が多い選手やスタッフに沖山さんは最大限配慮している。
1か月間日の出から日没まで飲食を絶つイスラム教の重要な行事ラマダン。
メンバーが食事をきちんととれるように練習の開始時間を4時間繰り下げて午後9時半からにした。
(ヨルダン女子代表選手 メイサムさん)
「沖山監督は柔軟な考え方だから宗教で差別されている感じはしない。」
(ヨルダン女子代表 沖山雅彦監督)
「家族の反対を押し切って仕事を辞めてこの1年取り組んでいる選手もいる。
選手一人一人の思いで私たちの代表は成り立っている。」
沖山さんが率いるチームはヨルダン代表といっても結成してわずか9年。
監督に就任した2年前は選手たちのプレーの自己主張が激しくチームの一体感は全くなかったと言う。
練習に遅刻する選手もいる始末で沖山さんは厳しく指導してきた。
(ヨルダン女子代表 沖山雅彦監督)
「選手も買ってばらばらで全然コミュニケーション取っていないし
練習に遅れて来るのは当たり前で無断で休むのも当たり前で
これが本当に代表チームなのかというのが率直な感想だった。」
沖山さんは日本で行っていた緻密な分析を指導に取り入れた。
毎日その日行った練習を記録。
改善すべき点をチーム全員で共有する。
またチームの一体感を高めようと練習前にミーティングを開くようにした。
強豪チームの分析をしたり選手としての心構えを教えたりする。
監督に就任して1年2か月 沖山さんの地道な指導の積み重ねが実を結んだ。
W杯最終予選への初めての進出をかけた戦いでヨルダン代表の選手たちは気負うことなく実力を発揮。
チーム全員で勝利を重ねW杯最終予選出場を決めた。
ヨルダンの女子チームは沖山さんのもとで歴史的快挙を成し遂げたのである。
国際サッカー連盟FIFAの副会長でもあるヨルダンサッカー協会会長アリ王子も沖山さんの指導力を高く評価している。
私はヨルダンの女子サッカーが日本人監督を受け入れたことを誇りに思う。
沖山氏は経験が豊富で日本で最高レベルの監督だ。
W杯への出場をかけた翌月の戦いを前に世界のトップレベルの力を知っておこうと
世界有数の強豪ドイツのバイエルンミュンヘンと親善試合を行った。
沖山さんは選手たちに練習で培ってきた実力を発揮するよう呼びかけた。
相手チームの選手たちは大きな体でプレッシャーをかけてくる。
前半の終盤にヨルダンは1点を先制されてしまう。
ハーフタイムに沖山さんは選手たちを励ます。
「動ける!
もっと動ける!
もっといっぱい動ける!
勝ちに行こう。
できる!」
そして迎えた後半 チームに一体感が出てきた。
連携して相手を囲み封じるなど守りを固める。
さらに個人の技も光る。
仲間にパスをつなげて日間にゴールを攻めた。
結果は0体1.
惜しくも敗れたがチーム全員が確かな手ごたえを感じていた。
(ヨルダン女子代表キャプテン ステファニーさん)
「相手は経験豊富で強いチームなのでこの試合で多くを学べた。
これからもっと技術を高めていきたい。」
(ヨルダン女子代表 沖山雅彦監督)
「最大の夢はワールドカップ初出場を果たすこと。
そのためには日本という強い相手に互角な戦いを挑む。
ぜひチャレンジしてヨルダン女子サッカーの夢をかなえられるように頑張っていきたい。」
日本人監督とともに努力を続けてきたヨルダンの女子サッカー代表。
いま世界に挑もうとしている。