5月26日 NHK海外ネットワーク
21世紀はアフリカの世紀。
20年後の人口は15億人
世界の2割近くに達する。
経済規模も急拡大。
この10年の成長率は5%を超える。
そのアフリカとのつながりを強めようと今週末から横浜でTICADアフリカ開発会議が開かれる。
5年に1度日本政府がアフリカ各国の首脳などを招いて開かれるこの会議は今回で5回目となる。
当初は支援の呼びかけが主な目的だったが投資にも重点が置かれるようになってきた。
日本の約3倍の面積を持つ南アフリカ。
国土の半分以上は乾燥した土地で農業に適した土地は2割もない。
圧倒的多数の農家が手作業で作物を育てている。
南アフリカ政府は去年農業の活性化を掲げ新たな政策をスタートさせ農業へのテコ入れを強めている。
これにうってつけの新技術を日本企業が開発し現地での普及を目指している。
濃い緑色の葉をつけているチンゲンサイの1種とホウレンソウ。
「大きく育ちすぎて収穫しにくいぐらい。」
白いソーセージのように見える新たに開発された植物を育てるプランター。
特殊な繊維を編んだニットの布を袋状にして中に土を入れる。
植物は袋の中の土に根をおろす。
細かい網目により土の水分が適度の保たれるため大量の水は必要ない。
場所を選ばず栽培できるのが最大の特徴である。
すでに地元の自治体から高い評価を受け州政府からも注目されている。
この事業を進めている生地メーカー ミツカワ 松本茂登専務。
「すごく育っていてよかった。」
福井県越前市にメーカーの工場がある。
もともとこのメーカーは開発力に定評がありサッカーの日本代表のユニホームを受注した実績もある。
しかし中国のメーカーとのコスト競争にさらされ衣類だけでは勝負できないと判断し
新たな分野を切り開くことにしたのである。
(生地メーカー ミツカワ 松本茂登専務)
「中国ではものまねできないものを追求する。
従来の常識的な発想でやっているとよそには勝てない。」
開発部門の責任者である松本さんは海外の市場を目指した。
今後ニーズが高まりそうな農業の環境の分野に挑戦。
大手繊維メーカーに特殊な繊維の開発を依頼するとともに県の農業試験場にも協力を求めた。
当初はアジアをターゲットにしていたが3年前南アフリカから進出の話が持ちかけられた。
経験や情報の無い土地でリスクもあったが大きなチャンスを見て松本さんは決断した。
(松本茂登専務)
「びっくりしたし役に立てるとは思わなかったが
私たちの技術はどんな場所でも作物ができるという特徴を持っているので
とりあえずアフリカという話が来て一歩を踏み出そうと。」
最大の都市ヨハネスブルグ郊外のソウェト。
200万人の黒人が住むこの地域は貧困が依然として大きな問題になっている。
松本さんは開発したプランターがここでも役に立ち
将来的にビジネスになるのではないかと考えた。
狭い住宅地でも効率的に植物の栽培ができれば暮らしの改善につながる。
松本さんは付近の住民を集めて栽培のデモンストレーションを行った。
参加した住民の1人レボ・ディタコさん(33)は定職がなく小物を作って生計を立てている。
月収500円ほどしか収入がない月もある。
(レボ・ディタコさん)
「食べ物が高い。
サツマイモ4つで50円もする。」
ディタコさんは少しでも食べ物を確保しようとわずかな面積だが庭で野菜を育てている。
家で食べる野菜の半分は庭で育てたもの。
(レボ・ディタコさん)
「問題はスペースだ。
育てられる量が限られる。
あのプランターがあれば屋根の上でも育てられる。」
ソウェトで活動している国連開発計画も松本さんの事業を支援している。
プランターの威力をアピールできれば
資金がない住民に対して金融機関や援助団体からの融資も見込まれる。
(国連開発計画の担当者)
「とても役に立つ技術で地域への恩恵は大きい。
ほかの地域や国でも実行できると思う。」
(松本茂登専務)
「みなさん興味を持っていただいて大変うれしい。
少しずつ実現に向かってきていると感じられてよかった。」
5月に東京で行われたアフリカ各国を対象にした商談会。
ここで松本さんはプランターを展示。
農業だけでなく砂漠化対策にもなるとして南アフリカ以外の国からも高い関心が寄せられた。
人脈も少しずつ広がり新たな契約も生まれそうである。
(松本茂登専務)
「企業なので利益を生まないといけない。
必ず事業化できると確信している。」
アフリカへの投資というと植民地に時代から関係が深いヨーロッパなどに加えて
最近は中国が存在感を増している。
貿易の額でも日本は中国に大きく遅れをとっている。
治安・紛争などまだまだリスクが高いことを覚悟で各国が相次いで進出しているので
その中で日本がどこまでアフリカという巨大市場に食い込んでいけるのか。
まさに正念場である。
21世紀はアフリカの世紀。
20年後の人口は15億人
世界の2割近くに達する。
経済規模も急拡大。
この10年の成長率は5%を超える。
そのアフリカとのつながりを強めようと今週末から横浜でTICADアフリカ開発会議が開かれる。
5年に1度日本政府がアフリカ各国の首脳などを招いて開かれるこの会議は今回で5回目となる。
当初は支援の呼びかけが主な目的だったが投資にも重点が置かれるようになってきた。
日本の約3倍の面積を持つ南アフリカ。
国土の半分以上は乾燥した土地で農業に適した土地は2割もない。
圧倒的多数の農家が手作業で作物を育てている。
南アフリカ政府は去年農業の活性化を掲げ新たな政策をスタートさせ農業へのテコ入れを強めている。
これにうってつけの新技術を日本企業が開発し現地での普及を目指している。
濃い緑色の葉をつけているチンゲンサイの1種とホウレンソウ。
「大きく育ちすぎて収穫しにくいぐらい。」
白いソーセージのように見える新たに開発された植物を育てるプランター。
特殊な繊維を編んだニットの布を袋状にして中に土を入れる。
植物は袋の中の土に根をおろす。
細かい網目により土の水分が適度の保たれるため大量の水は必要ない。
場所を選ばず栽培できるのが最大の特徴である。
すでに地元の自治体から高い評価を受け州政府からも注目されている。
この事業を進めている生地メーカー ミツカワ 松本茂登専務。
「すごく育っていてよかった。」
福井県越前市にメーカーの工場がある。
もともとこのメーカーは開発力に定評がありサッカーの日本代表のユニホームを受注した実績もある。
しかし中国のメーカーとのコスト競争にさらされ衣類だけでは勝負できないと判断し
新たな分野を切り開くことにしたのである。
(生地メーカー ミツカワ 松本茂登専務)
「中国ではものまねできないものを追求する。
従来の常識的な発想でやっているとよそには勝てない。」
開発部門の責任者である松本さんは海外の市場を目指した。
今後ニーズが高まりそうな農業の環境の分野に挑戦。
大手繊維メーカーに特殊な繊維の開発を依頼するとともに県の農業試験場にも協力を求めた。
当初はアジアをターゲットにしていたが3年前南アフリカから進出の話が持ちかけられた。
経験や情報の無い土地でリスクもあったが大きなチャンスを見て松本さんは決断した。
(松本茂登専務)
「びっくりしたし役に立てるとは思わなかったが
私たちの技術はどんな場所でも作物ができるという特徴を持っているので
とりあえずアフリカという話が来て一歩を踏み出そうと。」
最大の都市ヨハネスブルグ郊外のソウェト。
200万人の黒人が住むこの地域は貧困が依然として大きな問題になっている。
松本さんは開発したプランターがここでも役に立ち
将来的にビジネスになるのではないかと考えた。
狭い住宅地でも効率的に植物の栽培ができれば暮らしの改善につながる。
松本さんは付近の住民を集めて栽培のデモンストレーションを行った。
参加した住民の1人レボ・ディタコさん(33)は定職がなく小物を作って生計を立てている。
月収500円ほどしか収入がない月もある。
(レボ・ディタコさん)
「食べ物が高い。
サツマイモ4つで50円もする。」
ディタコさんは少しでも食べ物を確保しようとわずかな面積だが庭で野菜を育てている。
家で食べる野菜の半分は庭で育てたもの。
(レボ・ディタコさん)
「問題はスペースだ。
育てられる量が限られる。
あのプランターがあれば屋根の上でも育てられる。」
ソウェトで活動している国連開発計画も松本さんの事業を支援している。
プランターの威力をアピールできれば
資金がない住民に対して金融機関や援助団体からの融資も見込まれる。
(国連開発計画の担当者)
「とても役に立つ技術で地域への恩恵は大きい。
ほかの地域や国でも実行できると思う。」
(松本茂登専務)
「みなさん興味を持っていただいて大変うれしい。
少しずつ実現に向かってきていると感じられてよかった。」
5月に東京で行われたアフリカ各国を対象にした商談会。
ここで松本さんはプランターを展示。
農業だけでなく砂漠化対策にもなるとして南アフリカ以外の国からも高い関心が寄せられた。
人脈も少しずつ広がり新たな契約も生まれそうである。
(松本茂登専務)
「企業なので利益を生まないといけない。
必ず事業化できると確信している。」
アフリカへの投資というと植民地に時代から関係が深いヨーロッパなどに加えて
最近は中国が存在感を増している。
貿易の額でも日本は中国に大きく遅れをとっている。
治安・紛争などまだまだリスクが高いことを覚悟で各国が相次いで進出しているので
その中で日本がどこまでアフリカという巨大市場に食い込んでいけるのか。
まさに正念場である。