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大きなる御手 背番号3から55へ

2013-05-06 08:07:12 | 編集手帳
5月5日 編集手帳


医者でもあった斎藤茂吉はオーストリアの大学に留学し
あこがれの教授に握手を求められたときの感動を歌にしている。
<大きなる御手みて無造作にわがまへにさし出されけりこの碩学せきがくは>

教授へのあふれる敬意と信頼を
大きなる御手と表現したのだろう。
師の指導に真摯しんしに従っていこうとする意気もにじむ。
「よし、いまのはいい音だ」。
まだ18歳の少年だった松井秀喜さんは
バットぎわに差し出されるミスターの手をどう思ったろう。
巨人軍に入った当時の監督、長嶋茂雄さんが課したのは素振りの特訓だった。
マンツーマンの指導は監督在任中のほぼ毎日
ベンチ裏の会議室で続いたという。

20年のプロ野球人生のよき思い出は? 
引退表明の記者会見で、教え子は涙ぐんだ。
「長嶋さんと、素振りをした時間ですかね」。
今日こどもの日に
師弟に国民栄誉賞が贈られる。
夢を持ち努力することの素晴らしさを
身をもって示した両氏を顕彰するにふさわしい祝日である。

日米をまたにかけた強打者の引退はさみしいが
未来の大選手を育てる<大きなる御手>も受け継がれていよう。
背番号3から55へ。
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