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フランス 街の書店を支援 “アマゾンに負けるな”

2020-12-25 07:00:00 | 報道/ニュース

11月24日 NHKBS1「国際報道2020」


10月30日から2度目の外出制限を続けているフランス。
マクロン大統領が近く一部規制を緩和するという見方が強まっている。
しかし食料品店や薬局など生活必需品を取り扱う店以外は
これまで3週間以上店内での営業が禁止され
注文を受けて配達するか店頭で商品を手渡すしか認められていない。
街なかの書店もフランスそうした規制の対象で
いまネット通販との厳しい競争を強いられている。

パリ近郊で書店を経営するシャルブニエさん(49)。
2019年6月 それまで続けてきた仕事を辞め書店を開いた。
子どものころからの夢だったという。
(書店主 シャルブニエさん)
「書店は本を読むだけでなく本への情熱を伝える仕事です。
 それが何よりも好きなんです。」
お薦めの本は熱のこもった手書きのポップで紹介。
子ども向けの本から小説に専門書まで幅広く取り揃えている。
しかし2020年春
新型コロナウィルスの感染拡大による外出制限で売り上げは50%近く落ち込んだ。
2度目の外出制限が発表されたときは憤りを感じたという。
(書店主 シャルブニエさん)
「外出制限は不公平だし
 受け入れられない。
 中小の店が閉めなければならないのは苦痛です。」
シャルブニエさんの憤りの背景にあるのが
いわゆる“巣ごもり需要”で売り上げを伸ばすネット通販大手アマゾンの存在である。
街の小さな書店は客を入れての営業を禁じられたため
不利な闘いを強いられているというのである。
(書店主 シャルブニエさん)
「私たちの仕事は
 訪れた客と交流しながらふさわしい本を薦めることです。
 本当に欲しい本はネットでは見つけられません。
 それが私たちの職業の意義なのです。」
こうしたなかフランスで広がったのが
アマゾンに対抗して街の書店を支えようという動きである。
この日 街の書店を訪れたのはパリ市のイダルゴ市長。
市民に異例の呼びかけを行なった。
(パリ イダルゴ市長)
「パリの市民に
 アマゾンで買うなと言いたい。
 書店に死をもたらします。」
さらにフランスで最も権威のある文学賞コンクール賞を授与する団体も賛同。
(コンクール賞主催団体のウェブサイト)
“困難な時期に直面する書店を全面的に支持する”
11月10日に予定していた賞の発表を延期し
書店の通常の営業再開に合わせて発表するとした。
(アカデミー・コンクール ディディエ・ドゥコワン会長)
「アマゾンで受賞作品を買ったら
 いつもの書店からは買わなくなる。
 フランスでは近くの書店は友人であり景色の一部だ。」
作家たちも動き出している。
各地の書店を訪れ
支援を呼びかける活動を始めたのである。
(作家 ドレコンドさん)
「本を11月末に出版する予定です。」
この日 シャルブニエさんの店にも小説家が訪れた。
SNSを通じて訴えたのは書店の魅力である。
(作家 ドレコンドさん)
「書店ではネットでは得られない新たな発見が味わえる。」
こうした支援もあって
シャルブニエさんの店の売り上げは外出制限前の水準とほぼ同じだという。
店の入り口には注文した本を受け取りに来る客が相次いでいる。
(客)
「できるだけ支えたい。
 アマゾンなどで購入するのはやめるべきだと思う。」
(書店主 シャルブニエさん)
「驚くほどうまくいっています。
 私たちのために客は本の購入を通じて支えてくれています。
 ありがたいことです。」

フランスでアマゾンに対抗しようという動きが広がったことについて
アマゾンフランスのCEOはメディアに
“利益はアマゾンそのものではなく販売車にもたらされている“とコメントしている。


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3か月で現場に すし職人養成学校

2020-12-24 07:00:00 | 報道/ニュース

11月24日 NHK「おはよう日本」


“飯炊き3年にぎり8年”と
10年以上の修業が求められるとも言われるすし職人の世界。
その基本的な技をわずか3か月間で教え込む学校が大阪にある。
いま新型コロナの影響で入学者に変化が表れている。

「作業中に全部気付くことや。」
「お前いいかげんやの。」
「できないじゃなくて集中力が足りないだけや。
 集中してると思ってるけどしてないんだよ。」
大阪にあるすし職人養成学校 飲食人大学の校長 高田さん。
銀座の高級店や海外で30年近くすしを握り続けてきた。
3か月間の受講料は90万円超だが
一流のすし職人を目指したいと希望者は後を絶たないという。
6年前に開校し
1,000人をすしの世界に送り出したが
最近入学者に変化が起きているという。
この学校に10月入学した豊里さん。
福岡市の沖縄料理を中心とした居酒屋から派遣された。
大人数の宴会中心の居酒屋業態は
新型コロナの感染が拡大すると客足が遠のきがちである。
そこで店のオーナーは
カウンター中心で静かに食事をするすし店に商機があると考え
豊里さんをこの学校に派遣したのである。
(10月入学した豊里さん)
「コロナでいろいろ困ってるなか
 すし屋はあまり影響を受けないと。
 2店舗3店舗目に生かす形になると思います。」
この日 豊里さんはレンコダイをさばく練習をしていた。
やわらかいこのサカナ
力まかせに包丁を使うとすぐに身がくずれるため技術の差が如実の現れるという。
「やるときも必ずこうやって骨の音
 骨の音を感じながら1回目2回目とやると
 これはすぐ骨が見えるでしょ。」
豊里さんがさばいた部分は
「これって骨が見えないでしょ
 っていうことはこれだけ身を損してる。
 これがもったいないと思わないとダメ。」
集中した状態で何度も実習を重ねることが短期間での養成の秘密だという。
卒業後 生徒たちが現場で恥をかかないよう
あえて厳しい言葉で教え込む。
「急ぐときは急ぐ。
 “遅くてきれい”に価値はないよ。
 “早くてきれい”に価値があるんだからね。」
「タオルは曲げて置くなって言ってんの。」
「人の話聞かんのう ほんまに。」
「曲がって置いたタオルがきれいか?
 タオルもまともにたためんやつがおいしい料理できるかって言ったらできないよ。
 もっと精度の高い料理作れって言ったら作れるか?
 うわべだけの料理なんかつぶれます 店が。」
新型コロナで飲食店が厳しい状況に追い込まれるなか
美味しいだけでは生き残れないと
経営感覚も教え込もうとしている。
「食材の管理ってのはなぜ大事かって言ったら
 お金をどれだけ残せるか残せないかにつながるからですね。」
豊里さんも食らいつこうと必死である。
「ラップ張ってふたして寝る。
 それはなぜやるんですか?」
「乾燥させないためです。」
「はい正解です。」
(10月入学した豊里さん)
「こちらで学んで自分を磨いてですね。
 その努力をお客さまや会社・世間の方に還元できたらいいなと思います。」
(飲食人大学 高田校長)
「皆さんは卒業後お金を稼ぐためにはそれなりの厳しさが必要なので
 厳しいことをお伝えしています。
 お客様のことを思って料理ができる
 愛のある料理人が育ってくれたらうれしい。」
 
 

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DX 加速 ITスキルを習得せよ

2020-12-23 07:01:04 | 報道/ニュース

11月24日 NHK「おはよう日本」


DX=デジタルトランスフォーメーション
企業がデジタル技術を導入してビジネスや組織を変革していくこと。
ITを使いこなしてスキルを学ぼうという人が増えている。

都内の会社に勤める37歳の男性。
9月から昼休みなどを使ってオンラインのプログラミングの学習を始めた。
ウェブサイトを構築する言語を初歩から始めた。
「パソコン以外にスマホもできるので
 通勤の時間とかに。」
利用しているのは月額980円のオンライン学習サービス。
説明を見て問題演習を繰り返し
初心者でもゲーム感覚でスキルが身に付くという。
入社以来営業一筋。
ITとは無縁だったこの男性。
学習を始めたきっかけはコロナ禍を受けて会社が始める新たなサービス。
クラウドファンディングを取り入れたウェブサイトの立ち上げを任された。
今後 学んだことを生かしてサイトの開発に積極的に関わっていきたいと考えている。
(プログラミングを勉強中の37歳男性)
「IT企業の方と同じくらい知識とか経験を持って会社に存在すると
 すごく市場価値が高いというか
 存在価値が出せるんじゃないかと思う。」
ITスキルを学ぼうという動きは中高年の間にも広がっている。
4月の緊急事態宣言以降利用者が増え
40~70代まで約40人が学んでいるプログラミング教室。
ネット通販サイトの制作を教わっている女性。
授業は1回3時間で
ホームページの管理や運営などに役立つ言語を基礎から勉強する。
(プログラミングを勉強中の62歳女性)
「自分の母が有料老人ホームに入っていて
 母が生きている間は収入がある生活がしたい。
 年金が少ないので年金の足しになればいい。」
新規事業を始めたいという中手企業の経営者も。
(プログラミングを勉強中の62歳男性)
「例えば通販サイトとかそういう部分を自分たちでやれないかとか
 IT化ができなければ消えていくしかないのかなと。」
最終的には生徒1人1人が在宅でIT系の仕事をこなし
少しでも収入を得られるようにするのが目標である。
(プログラミング講師)
「自分自身が経験してきたビジネスの知識と
 ITの知識を組み合わせて新しいことをやるとか
 そういったことを考えている人も多い。
 定年退職したあとの次の新しいステップ。」


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日光 「結構!」

2020-12-22 07:05:11 | 報道/ニュース

11月23日 読売新聞「編集手帳」


栃木県の日光東照宮は古来、
〈日光を見ないうちは結構と言うな〉とたたえられてきた。
語呂のよさからか、
この成句、
明治の訪日外国人にもウケたようである。

英国の女性旅行家、
イザベラ・バードは1878年(明治11年)、
日光に滞在し、
自分には〈「結構!」という言葉を使う資格がある〉と記す(『日本奥地紀行』)。
便もよくなり、
日光はニッポン観光の定番となる。

1885年秋に訪ねた仏海軍士官、
ピエール・ロチも、
自著『日本秋景』に成句を掲げている。
皮肉屋だった人だが、
荘厳な東照宮はもとより、
実は日光街道にも賛辞を惜しんでいない。

宇都宮から急ぐうちに日が暮れる。
金色の光に杉並木が照らされ、
〈太古の神殿での祭儀〉のよう。
さらに側道の苔(こけ)や落葉には幼少期の記憶がよみがえり、
〈一瞬、私は自分がフランスにいるような気がした〉という。

秋色に染まる人里の美しさは、
万国共通なのだろう。
さる都道府県ランキングで最近、
栃木県は魅力度最下位に沈んだ。
地元からすれば「結構!」どころではないが、
慕わしい風景に暮らす幸福度はむろん余所(よそ)と比べるものでもない。

 

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「007」ロケ地 鹿児島より愛をこめて

2020-12-21 07:00:13 | 報道/ニュース

11月17日 NHKBS1「国際報道2020」


2020年10月に亡くなったイギリスの俳優 ショーン・コネリーさん。
007シリーズのジェームズ・ボンド役で有名である。
007で日本を舞台にした作品が「007は二度死ぬ」。
相手役は浜美枝さん。
丹波哲郎さんも重要な役で出演。
撮影は東京や姫路城
そして鹿児島などで行われた。

[007は二度死ぬ」のロケ地となった鹿児島県南さつま市坊津町秋目。
集落の高台に建てられているのは記念碑。
タイトルロゴやコネリーさんのサインが刻まれている。
設置に携わった宮内さんは住民役のエキストラとして撮影にも加わった。
(宮内さん)
「コネリーさんはオーラが漂っていた。
 船の前のほうで和服姿でまたを広げて座っている姿が印象に残っています。」
作品で日本人に変装したボンドが住んだ家は今も残されている。
訪れるファンにガイドを務めることもある宮内さん。
映画は町の財産だという。
(宮内さん)
「ショーン・コネリーさんのおかげで記念碑もできて
 世界各国から『007は二度死ぬ』のファンが50人くらい来て
 “日本を回ったけど秋目が最高だ”と。
 秋目を世界中に広めたいですね。」
作品に間近で携わっていた福岡に住む川邉さん(89)。
現在は脚本の評論などを行なっている。
「これはコールシート。
 予定表なんですね。
 撮影が始まった日の予定表。」
(川邉さん)
「なんというか残念でしたね。」
当時 映画会社に所属していた川邉さんは「007は二度死ぬ」の日本側の助監督を務めた。
(川邉さん)
「大有名人だから誰も寄りつかないんですよ。
 ぽつねんとしている。
 誰も話しかけないでいるという状態。」
台本など当時の資料を今も保管している。
(川邉さん)
「これには映ってないけど
 こんな具合でショーンと泳いだんですよ。
 横泳ぎを教えようかっていったら『いいよ(遠慮するよ)』なんて。」
自己紹介をしたとき
スコットランド出身のコネリーさんらしい言葉をかけられた。
(川邉さん)
「ホテルの1部屋で彼はメークをしていた。
 そこに私は1人で勝手に入っていって
 『ミスターコネリー』って話しかけて自己紹介をして
 『お前 俺より英語うまいじゃないか』ということを言う。
 どうしてそんなことを言ったのか当時はよく分からなかった。
 彼はスコットランドなまりをかなり気にしていたし
 ボンド映画でなまりをそのまま使っているところもある。
 そのことだったのかなと。」
川邉さんにとって特別だったというコネリーさんとの仕事。
いずれまた彼に会える気がすると語る。
(川邉さん)
「Nice to meet you againって言いますね。
 彼がホテルにいてロビーで会ったとしますね。
 そうしたら近寄って行って
 出会ったときと同じように手を出して握手をして
 Nice to meet you againって言いますね。」



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スウェーデン 持続可能な社会へ 現場の試み

2020-12-20 07:00:02 | 報道/ニュース

11月17日 NHKBS1「国際報道2020」


気候変動への対応が求められる今
世界中で多くの企業が環境対策に乗り出している。
その中で注目されているのが北欧のスウェーデン。
国民のリサイクル意識も高く
環境対策で先進的な企業が多いこともあって
2030年までに17の分野で持続可能な社会を目指す
国連の「SDGs (持続可能な開発目標)」の達成度でも1位となっている。
そんなスウェーデンで今広がっているのが循環型ビジネスである。
さらなる持続可能な社会を目指して企業が取り組んでいるものである。

スウェーデン南部のショッピングモール。
雑貨や家具などの店が並び
一見 他のモールが変わらないように見えるが
販売されているのは中古品を中心とした“持続可能な”商品。
ここは正解で初めてとされるリサイクル商品専門のモールである。
(客)
「1か月に2~3回来ます。
 ここは大好き。
 リサイクルは環境を守るために大切なことよ。」
モールは地域のリサイクルセンターに隣接。
ここに市民が運び込む不用品の中から再利用でいるものを使って商品を作り出している。
古いたんすも白いペンキを塗って大胆にリメイク。
不用品を生かし
より価値の高い製品に生まれ変わらせることは“アップサイクル”と呼ばれている。
店舗ではこうしたアップサイクルされた商品が販売されている。
価格も手ごろでユニークだと評判は上々である。
モールはオープンから5年で店舗が14店に倍増し
売り上げは3倍に伸びたという。
(ショッピングモールマネージャー)
「以前はみんなここがどのような場所か理解していませんでした。
 けれど今はアップサイクルなどによる循環型モールだという認識が確立しています。」
循環型ビジネスには世界的な大企業も乗り出している。
11月 このモールに期間限定の店舗を開設したのが
家具や雑貨を扱うイケアである。
「’80年代や’90年代の品物もありますよ。
 このCD・DVD用のラックとかね。」
並んでいるのはかつてイケアで販売されていた中古の品々。
イケアにとって初めてとなるリユース商品専門の店舗である。
回収したものを修理するなどして通常の半額以下で販売している。
(客)
「思ったより安く買えました。」
イケアでは2030年までには
全製品を再生可能素材などで生産する循環型ビジネスの実現を目指している。
限られた資源を循環させ
常に新しい価値を生み出し続ける。
この店舗はこうしたビジネスの実演に向けた第一歩として位置づけられているのである。
(イケア スウェーデン サスティナビリティ―担当)
「このモールでは中古品ビジネスについて多くを学ぶことができます。
 私たちもこの循環型ビジネスに加わり
 国内や海外でどのように展開できるか模索したい。」
スウェーデンはいま循環型の経済を成長の柱に据えようとしている。
2020年7月に発表された国家戦略では
限りある資源の効率的な利用と
新しい環境技術の開発で
経済を大きく成長させるという目標を掲げた。
こうした成長戦略を担うベンチャー企業もすでに生まれている。
(ベンチャー企業のPRビデオ)
あなたのジーンズや古い衣類をください
自然に還る素材に生まれ変わらせます
スウェーデンの王立工科大学の研究をもとに
循環型の布地を開発したベンチャー企業。
古いジーンズなどを裁断。
圧縮して紙のような状態にしたうえで
特殊な薬剤を使って糸を作り出し
新たな繊維に仕上げていく。
通常 綿の生地を生産する場合は大量の水を必要とするなど環境への影響を指摘されているが
この方法だとリサイクルした水を使って廃棄物もほとんど出すことなく生産できるという。
(アパレル ベンチャー企業 CEO)
「まさにサスティナブル(持続可能)なモデルとして期待されています。」
この記事は去年本格的に販売を開始。
今年に入り大手メーカーを協力したドレスやジーンズなどの商品が次々と生まれている。
(アパレル ベンチャー企業 CEO)
「循環型の技術は
 雇用や成長をもたらす将来有望な分野であり
 持続可能な社会を実現することになるでしょう。」

モールは幅広い年齢層の人たちが利用していて広く根付いている。
売られているものも工夫してアップサイクルされたり
きちんと修理されたりしていて
使い古されたものがただ並んでいるという印象はない。
さらにこのモールにはリサイクルやアップサイクルについて学ぶ学校もある。
隣接するリサイクルセンターで探してきた不用品を利用して制作し
商品として売られることもあるという。
このモールにオープンしたイケアの店舗の店長は
イケアとしては世界で最も小さい店舗かもしれないが
持続可能性という点では最も大きな可能性を秘めているという。
やはり企業としては採算を度外視した取り組みはできない。
イケアもまずは6か月という期間限定で
さまざまな角度から検証し
その後の展開を考えていくということである。
またアパレル ベンチャー企業は正式な展開を始めてからまだ2年足らずだが
ビジネスは順調で
新たな工場の設置も進め増産体制を整えている。
H&Mやリーバイスといった身近なブランドと提携して
広く普及を図ることで価格を抑え
利益を確保する狙いもあるとみられる。
環境問題を自分のこととしてとらえる消費者が増えるなか
新しいものを生み出し続け販売するという従来のビジネスモデルも転換点に来ている。
環境への取り組み自体も
企業価値を高めることにつながるとみられ
循環型というビジネスモデルはすでに世界の潮流として根付き始めている。

 

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苦境に立たされたマンゴー農園

2020-12-19 07:09:49 | 報道/ニュース

11月17日 NHKBS1「キャッチ!世界のトップニュース」


ジューシーな甘さがオーストラリアに夏の訪れを告げるマンゴー。
オーストラリア北部 ダーウィン。
熱帯性気候のこの地域はオーストラリア最大のマンゴーの産地。
国内で生産されるマンゴーの半数余りを占めている。
マンゴーの収穫は海外からの季節労働者が主な担い手である。
しかし今年は感染拡大防止対策として3月に国境が封鎖された結果
労働者を確保できない事態に陥った。
対応を迫られた州内の生産者団体。
(生産者団体代表)
「労働力の不足に気づき
 人材確保のため対策が必要になりました。」
(生産者団体の求人動画)
一緒に働きましょう
きっと楽しく過ごせます
あなたの支援が必要です
団体ではマンゴー農園での仕事を紹介する動画を作成し
国内の人たちに仕事への応募を呼びかけた。
しかし国内でも移動の規制が続いたことから十分な人数を集めることは困難だった。
そこで特別に呼び寄せたのが
南太平洋の島国 バヌアツの人たちである。
団体がオーストラリア政府と交渉した結果
バヌアツから約320人の入国が特別に許可された。
これまでもオーストラリアの農園に季節労働者として多くの人たちを送り出していたバヌアツ。
国内で感染者が1人も確認されていなかったことから
入国が許可されたのである。
飛行機のチャーター代も
入国後の2週間の隔離費用も
地元のマンゴー農家が分担して支払うことで合意。
その額は約100万オーストラリアドル(約7,600万円余)にのぼったが
必要な出費だったという。
(生産者団体 代表)
「私たちの選択肢は
 マンゴーを収穫せずに無収入になるか
 別の方法をとるかでした。
 結果
 海外労働者の確保が最適な方法ということになりました。」
バヌアツの人たちが働いている農園。
10月に到着したトゥングさん。
バヌアツでは飲食店の従業員として働いていたが
新型コロナウィルスの影響で閉店に追い込まれ半年以上仕事がない状態が続いていた。
(バヌアツからの労働者 トゥングさん)
「観光客がバヌアツに来なくなり
 多くの人が仕事のお金もない生活を強いられることになりました。」
過去にもマンゴー農園で働いたことがあるトゥングさん。
大きくなった実を慣れた手つきで手際よく収穫していく。
この農園を任されているダルグリッシュさん。
何とか13人のバヌアツの人を雇い
例年通り収穫できるようになったという。
(ダルグリッシュさん)
「バヌアツの人たちのおかげで私たちの不安は消えました。」
仕事の時給は25オーストラリアドル(1,900円余)と
バヌアツの最低賃金の10倍近くである。
バヌアツに3才と6才の子どもを残してきたトゥングさん。
この仕事のおかげで家族に十分な生活費を送ることができるようになったという。
(トゥングさん)
「ここで家族を助けるために働いて
 お金を稼げることを誇りに思います。」
バヌアツにとってもこうした労働者からの送金は
新型コロナウィルスで打撃を受けた国内経済の回復の大きな支えになっている。
(バヌアツ サロング議員)
「観光が主要産業のバヌアツでは
 国境封鎖以降 経済が落ち込んでいます。
 我が国にとっても人々の経済活動の継続は重要です。」
人手不足と仕事不足という
それぞれの課題に直面した2つの国の間で
お互いにとって利益となる助け合いが進んでいる。

オーストラリアの経済にとって海外の労働者は重要な担い手で
特に農業ではマンゴーだけでなく
ベリーなど他の果物や野菜でも収穫の人出が足りないという懸念の声が相次いでいる。
また例えばオーストラリアで有名な羊毛産業はニュージーランドからの毛刈り職人によって支えられていて
経験のない人がすぐに技術を身につけられることは簡単ではないことから
労働者を早く受け入れるよう待ち望む声が上がっている。
政府は国の経済に大きな影響を及ぼしかねないとして
季節労働者の入国再開については前向きな姿勢を見せていて
北部のマンゴーの事例をきっかけに他の州でも
果物の収穫のために季節労働者を特別に受け入れる動きが始まりつつある。
一方で労働者を送り出す側の国々は医療体制が十分でないところが多く
新型コロナウィルスへの不安が広がっている。
バヌアツでも11月に初めて感染者が確認された。
オーストラリア政府はバヌアツなど太平洋島しょ国に対し
医療体制を支えるための資金
それにウィルスの検査キットや医療従事者向けのマスクの供給など
支援を続けている。
オーストラリアの感染の拡大は徐々に収まってきていて
11月に入ってから1日当たりの新たな感染者数は十数人程度にとどまっている。
これは海外からの入国だけでなく
国内でも州を越える移動を厳しく規制していた結果ともみられ
もっとも感染状況が深刻だった第2の都市メルボルンも
国内で唯一続いていた外出制限が10月末に解除された。
日本からの入国は規制が続いているが
11月18日から日本を訪問していたモリソン首相は
菅総理大臣との会談で
両国間の往来再開についても協議する見込みである。
ただ
観光客や留学生が海外からたくさん訪れるようになるまでにはまだ長い時間がかかりそうで
観光業や教育機関そして農業など
海外からの人材に支えられてきた産業への影響は長く続くことになりそうである。

 

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イギリス人と挑む 新たな砥部焼

2020-12-18 07:04:36 | 報道/ニュース

11月17日 NHK「おはよう日本」


愛媛県の伝統工芸品 砥部焼。
200年以上の歴史があるが出荷額は年々減少している。
そこで県は
砥部焼の代表的なデザインである唐草模様と肩を並べるような新たなデザインを生み出すプロジェクトをスタート。
2020年2月
県が砥部町に招いたのはイギリス在住の陶芸家 トム・ケンプさんである。
ケンプさんの作風は竹などを大胆に使ったデザイン。
独創的な作品はSNSで注目を集めている。
ケンプさんは参加を希望した陶芸家6人と1か月間交流し
新たなデザインを探る手助けをする。
(イギリス在住 陶芸家 トム・ケンプさん)
「最終的な目標は砥部焼をもっと売っていくことです。」
初日は身近なものを使って絵を描くワークショップ。
「動きをつけて。」
歯ブラシで挑戦するのは小田原さん。
メンバーの中では陶芸家として一番長いキャリアを持っているが
慣れない道具をどう動かせばいいのか苦戦する。
「まずは道具の自然な使い方を見つけ出すことです。」
ケンプさんは道具の形状を理解して動かすことが大事だと伝える。
(小田原さん)
「ふだん考えていないんだなっていうちょっとショックと
 自分の動きを見つけるのがひとつ課題として見つかったかな。」
小田原さんは砥部町で最も古い窯元で絵付けの仕事を続けて27年。
今回のプロジェクトに参加したのは
砥部焼を広めるため新たなものに挑戦したいと考えていたからだった。
(小田原さん)
「自分の中に斬新さがないなっていうのはちょっとある。
 育ったのが砥部で戸部の食器をずっと見慣れているから
 刺激を受けたいっていうのはありました。」
ワークショップの最終日。
この日は身の回りで気になったデザインをもとに試作してくるよう課題が出ていた。
小田原さんが試作した作品。
彫刻刀で扇形に掘り
切り取られた世界を表現した。
(ケンプさん)
「うまくやったと思う。」
(小田原さん)
「砥部焼っぽくものをとは思ってはいるんですけど
 砥部焼っぽくなっちゃいます。」
(ケンプさん)
「次に会うときは目標に向かって順調に進んでいることを願っています。」
ケンプさんが帰国して約7か月後の10月。
小田原さんの自宅。
小田原さんのデザインは形になりつつある。
描いている模様はメンバー全員で決めたもので
ケンプさんから使い方を教わった平筆を生かした。
小田原さんがこだわったのは砥部焼らしさを残すこと。
菊などの草花の模様を重ねて描いていく。
(小田原さん)
「伝統を入れたいなっていうのが大きかった。
 あとは焼き上がりを見てみないと。」
2週間後 試作品を見せ合う日。
(小田原さん)
「濃淡のバランスはうまくできたな。
 自分の今までに無い感じはします。」
小田原さんは完成に向け手ごたえを感じている。
(小田原さん)
「私の今までの中ではちょっと大胆になったような気がします。
 年齢とか性別関係なくなるべくいろんな人がこれいいねって
 ぱっと見て思ってもらえるものができたらいいかなっていうのが率直にあります。」
完成品のお披露目は2021年。
それまで陶芸家たちの探求は続く。

 

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「#MeToo」から3年 映画界の変化

2020-12-17 07:05:04 | 報道/ニュース

11月16日 NHKBS1「国際報道2020」


映画界ではびこってきた男性優位や女性への抑圧。
世界3大映画祭の1つ ベルリン国際映画祭は
今年8月
これまでの「最優秀男優賞」と「最優秀女優賞」を廃止。
来年からは受賞者の性別を問わない「最優秀主演賞」と「最優秀助演賞」を設けると発表した。
そのきっかけとなったのが3年前に始まった性暴力やセクハラを告発する一連の「#Metoo」運動である。
世界的に活躍する女優が次々と被害を名乗り出たことで瞬く間に広がり
それに勇気づけられた多くの女性が声をあげるようになった。

ニューヨーク・タイムズのカンター記者。
3年前 ハリウッドの著名なプロデューサーだったワインスティーンの性暴力事件をスクープした。
(ニューヨーク・タイムズ カンター記者)
「被害者の話はあまりにも強烈で
 絶対に真実を暴かないといけなかったのです。
 ワインスティーン被告のセクハラを世間に知らせないまま死んでいくことはできません。」
しかし取材は難航。
さまざまな圧力がかかったという。
(ニューヨーク・タイムズ カンター記者」
「多くの女優に話を聞きましたが
 当初 被害を話してくれたのは1人だけでした。」
それでも厳しい取材を重ね
ついに真実を明るみに出した。
(2017年 10月5日 ニューヨークタイムズ)
ワインスティーン氏はセクハラ告発者に数十年にわたり口止め料を払い続けた
この記事がきっかけとなりワインスティーン氏は逮捕。
今年3月 性的暴行などの罪で禁錮23年を言い渡された。
この間 多くの女優・歌手・モデルなどが#MeToo運動に賛同。
ハリウッドをはじめ
映画界全体で当たり前とされてきた男性中心の文化に風穴があき始めた。
2年前のカンヌ映画祭では大きな変化が起きた。
コンペティション部門の審査員の半数以上を女性にしたのである。
さらに映画界の根本的な変革を目指す新たな運動も。
その名は「50/50by2020」。
映画界の選考委員や応募作品の監督の女性の割合を増やすため
男女比などを公表するもので
スウェーデン映画協会などが提唱している。
これまでに世界3大映画祭のカンヌやベルリンを含む少なくとも119の映画祭が署名した。
(スウェーデン映画協会 サーナーCEO)
「この運動はまだ始まったばかりですが
 世界の多くの国から受け入れられています。
 映画界にはさらなる多様性が必要で
 変化を求め続けます。」
中でもカンターさんが「きわめて大きな変化だ」と指摘するのが
ハリウッドで当たり前とされてきたキャスティング・カウチ。
“寝て役をとる”ことの見直しである。
(ニューヨーク・タイムズ カンター記者)
「“キャスティング・カウチはハリウッドそのもので今更変えることはできない”
 という風潮でした。
 しかしもう受け入れられません。
 間違った行為だと認識が変わってきました。」

ベルリン国際映画祭が性別の違いによる表彰をやめることは変化の象徴と言える。
映画祭の代表者は
“監督や脚本などの賞では性別は問われない
 俳優の賞も演技の出来栄えだけを基にすると考えた“と説明している。
さらに性別だけでなく広く人権への意識も高まっている。
2020年9月にはアメリカ映画祭最高の栄誉とされるアカデミー賞の主催団体が
作品賞について
出演者の一定以上を女性やマイノリティー・障害のある人などとする新たな選考基準を
2024年から適用すると発表した。
こうした取り組みは社会問題などを描くなどしてきた映画祭として
変わらなければいけないという危機感を表している。
企業や学校などでも #MeToo 運動に触発される形で多くの女性が声をあげ始めている。
一方でニューヨーク・タイムズのカンター記者は
“見過ごされている問題もある”と指摘している。

#MeToo 運動の影響は世界に広がっている。
アメリカではセクハラ関連の申し立てが増加。
また韓国では政府がセクハラの相談窓口を設置した。
日本でも2019年3月
性犯罪の無罪判決が4件相次いだことから
被害者に寄り添う気持ちを花で表現しようという“フラワーデモ”が開かれるようになった。
その一方でカンターさんは
“特に社会的に弱い立場の女性たちにとってはまだまだ声をあげにくい状況だ”と指摘する。
(ニューヨーク・タイムズ カンター記者)
「もし日常的に上司のセクハラを受けるレストランで低賃金で働く女性がいて
 その女性の立場は3年前と変わったでしょうか。
 私は変わったとは思えません。
 “すべてが変わったけれども何も変わっていない”ということです。」
そして“女性の立場を向上させるため声をあげ続けることが大切だ“と訴える。
(ニューヨーク・タイムズ カンター記者)
「変化は誰かが声をあげることで起きるのです。
 過去は変えられませんが
 自分の痛みを社会の変化につなげられるかもしれません。」

新型コロナウィルスの感染拡大によって
日本のフラワーデモは
一時オンラインでの開催を余儀なくされ
運動をどう広げていくかが課題となっている。
さらに多くの国で外出制限が行われ家で過ごす時間が増えたことから
家庭内での性暴力が増えたという報告もあり
職場や家庭で弱い人たちの声に今いっそう耳を傾けるべきである。
日本の場合
性暴力やセクハラの被害を訴えた人がいわれなきバッシングを受けるケースがあるが
これはアジアで広く見られる課題だという。
カンター記者は
背景には
性暴力の被害を口にしたり
被害にあった人が身内にいるのは恥ずかしいと感じる文化があるからではないかと指摘する。
カンター記者が取材の過程をまとめた本の中に出てくる
ワインスティーン被告の事務所で働いていたアジア系の女性は
性暴力の被害にあったということを家族にすら話していなかった。
カンター記者が家を訪ねて家族は初めて知ったという。
家族も受け入れて最終的には実名で公表するまでになった。
日本を含むアジアでは性に関する話題自体タブー視されている現状がある。
暴力やセクハラのない社会の実現のために勇気をもって声をあげるだけでなく
そうした声を受け止めることが重要である。



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タイ 王制めぐる議論 急増する親子対立

2020-12-15 07:06:21 | 報道/ニュース

11月13日 NHKBS1「国際報道2020」


タイの首都バンコクでは
警察が大規模な反政府デモの排除に乗り出してからほぼ1か月になるが
抗議はなお続いている。
デモの矛先はプラユット首相だけではなく
これまで批判がタブーとされてきた王制にも向けられている。
王制のあり方に疑問を投げかけているのは若者たちである。
一方で中高年の人たちの多くは王制を擁護する立場をとっている。
世代間の考え方の違いはいま親子の関係にまで影響を与え始めている。

「国民こそが国のパワーだ!」
タイで続く若者たちのデモ。
大学生のほか多くの中高生も参加。
これまでタブーとされてきた王制のあり方に疑問を投げかけている。
(デモ参加者 16才)
「解決策は政府と王制のすべてを改革することだ。」
(デモ参加者 17才)
「国民には好きなことを発言する自由がある。」
一方 王制を指示する人たちの集会は中高年が中心。
「王室 万歳!」
世代によって考え方が大きく異なっている。
(王党派)
「子どもたちは何も分かっていない。
 タイ人がどれほど王室を尊敬しているか教えなければ。」
こうした主張の違いは親子の関係にまで影響を及ぼしている。
インターネットなどを通じて世界中のさまざまな情報を得るなかで
王制のあり方に疑問を持つようになったという25歳の女性。
「王室を利用する人たちがいて
 そうしたことが不公平を生んでいる。
 それを変えたいんです。
この女性の父親は
国のために尽くしてきた王室への議論や反論はたとえ娘であっても認められないという。
(父親)
「娘が王制について異論を唱えるなんて信じられません。
 タイは王室を中心に統一し平和に生きてきました。
 部族で分かれている隣国とは違います。
 批判する前に王制について学ぶべきです。」
中高年の人たちが生まれ育った時代
1947年から70年にわたってプミポン国王が国を治めた。
前国王は農村部の開発や医療の普及・教育の発展に尽力。
政治的な混乱などが起きた時にはたびたび国王が指導力を発揮し混乱を鎮める。
こうしたことからプミポン前国王は国民の絶大な尊敬を集めた。
あとを継いだのはワチラロンコン国王。
しかし新型コロナウィルスの影響で経済が低迷。
貧富の格差も問題になるなか
3兆円以上とされる王室の財産の管理などが
若者たちの間で批判の対象として取り上げられるようになったのである。
25才の女性と父親の対立は日を追うごとにエスカレートしていったという。
女性がSNSに王制のあり方を問う投稿をしたときのことだった。
これを見た父親は激怒。
そして
“王制に批判的な態度をとるなら名字を使わせない!”
父親は親子の縁を切るとまで言い出したのである。
さらに
女性が父親とのやりとりをSNSの掲示板に掲載すると
父親はやりとりを勝手にSNSで広めたとして実の娘を名誉棄損で警察に訴えた。
(女性)
「心が焼けるように痛いです。
 若者たちは王制について質問したり話し合ったりしたいだけです。
 家族が異なる意見を受け入れてくれたら
 こんな問題にならないのに。」
思い切った行動に出た父親・
しかし一緒に過ごした日々を思い複雑な気持ちになることもあるという。
(父親)
「愛しています 娘ですから。」
対立が深まり親が暴力を振るうようになったと訴える若者も少なくない。
14才の少女は
デモに参加したことを父親に気づかれ何度もたたかれたという。
「釣りざおが折れるまでたたかれました。
 家は安心できる場所だと思いません。
 昔はお父さんが好きだったけど
 今は変わってしまった。
 もう何も感じません。」
デモに出たことが分かるたびに暴力をふるわれる毎日。
それでもデモに参加することに大きな意義を感じている。
「私はひとりの小さな人間ですが
 私の世代から変化が起こると信じています。
 デモに参加してほしくないなら暴力ではなく言葉で説明してほしい。」
バンコクで家族関係の相談を受け付けるNGO。
8月からの3か月間でデモに関連する相談が急増。
この結果ふだんの15倍もの相談が寄せられているという。
“デモに参加するため子どもが家出して戻りません”
“子どもがものを壊して叫び続けます”
子どもが家出したり心の病になったりするケースも報告されていて
早急な対応が必要だという。
(相談を受けているNGO 代表)
「政治的なことはいつか忘れ去られるかもしれないが
 家族はいつまでも家族。
 親子でちゃんとコミュニケーションをとっていかないといけない。」


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ものづくりを救う “デザイン”の力

2020-12-14 07:14:35 | 報道/ニュース

11月13日 NHK「おはよう日本」


可愛らしい置物
と思いきや実はコマ。
コマとして遊ぶだけなら飽きた時おもちゃ箱にポイ。
しかし底に台座があれば遊ばない時間も部屋に飾って楽しめる。
このコマのデザインを手がけたのは山形県天童市のデザイナー 萩原さん。
これまで山形の魅力を引き出すデザインをいくつも生み出してきた。
たとえば室内用のシューズ。
売り上げが伸び悩んでいた企業と制作した。
萩原さんは商品の色や形だけでなく
これまでこの企業にはなかったブランド名を提案。
商品のイメージが伝わりやすいロゴと名前を付けた。
するとブランドを起ち上げて2年で取引先が3倍ほどに増えたという。
(萩原さん)
「例えるなら町医者。
 ずーっとかかりつけのお医者さんのように伴走している。
 そこで困りごととかを“こういうふうにやってみませんかね”とか
 お薬という形ではないんですけど
 そこをデザインというものに置き換えて提案させてもらっているような感じですかね。」
そして2年前
米沢のコマ工房とともに生み出したコマ。
きっかけは県が主催した地元企業とデザイナーの交流会(2016年)だった。
木の素材の美しさに引きつけられた萩原さん。
デザイン次第でさまざまな商品に展開できると感じた。
コマ職人の蔦さんは新たに若い顧客を獲得したいと考え萩原さんにデザインを依頼することにした。
しかし萩原さんから提案されたデザインを最初は受け入れられなかったという。
(蔦さん)
「私の作っているこけしはこれなんです。
 伝統こけし。
 萩原さんが考えてきてくれたのが飾りコマのこけし。
 どいう見てもこのこけしは売れない。
 こっちのほうが絶対かわいい。」
そこで試しに若い社員や知り合いに評価を聞いて回った。
すると
「若い人たちはみんなこっちって言うんです。
 そんなにこっちがいい?
 と言ったら
 やっぱりこっちのほうがいいって言うんですね。
 萩原さんにちょっと謝って
 “ごめんなさい じゃあ作りましょう”ということで
 作り始めたのがこの飾りコマの最初の一歩なんだ。」
こうして次々と新たなデザインのコマが誕生。
販路も拡大しようとしていた矢先
新型コロナウィルスの影響で売り上げを支えていた観光客が激減。
蔦さんの会社は5月に倒産してしまった。
(萩原さん)
「ようやくいろんな商品が作ったりとかチャンスが広がってきて
 ここで閉じてしまうのはすごくもったいないので
 何とか継続できる方法がないかな。」
萩原さんは自費でコマをつくる工具などを確保し
小規模でも生産を再開させようと動き始めた。
さらに職人たちが仕事を継続できるように新たな製品開発も提案。
「この形って結構作るの大変?
 まず試作品を作る必要があって。」
「ぜひ早くに商品化して。」
地域のものづくりが未来に向けて持続する道を作ろうと努めている。
(萩原さん)
「商品が自分が生きているよりも長い間残っていく商品になってほしいなって
 何とかそういう長い間愛されるものづくりができたらなと思っています。」




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湖水覆う水草 生まれ変わる美

2020-12-13 07:16:07 | 報道/ニュース

11月13日 NHK「おはよう日本」


滋賀県のシンボル びわ湖。
そのびわ湖で“やっかいもの”なっているのが毎年大量に発生する水草である。
船の航行を妨げたり悪臭を放ったりするため
年間5,000t以上が撤去されている。
地元の企業は汚泥を処理する技術を応用し水草を肥料に変える取り組みを進めている。
(水草を肥料化する企業)
「水分を飛ばすのに15時間かかる。」
水分の多い水草に特殊な処理をして粉末状に肥料に加工している。
この肥料に意外な人が目をつけた。
吹きガラス職人の神永さん。
大学を卒業後北海道のガラスメーカーに勤めていたが
ガラスに魅せられ
3年前 大津市で独立。
以来 滋賀ならではの材料を使った美しい作品作りを模索してきた。
(吹きガラス職人 神永さん)
「滋賀県に来てからこの地域の人たちにすごくお世話になっていて
 なにかひとつこの地域にしかできないものを作りたいという思いから
 色ガラスを作ろうと。」
色ガラスの材料として
滋賀らしくしかも簡単に手に入るものはないか。
たどり着いたのはびわ湖の水草だった。
水草で作られた肥料をさらに加工してガラス原料に混ぜ込み
焼き上げると
緑色が出た。
水草そのものの色ではなく
水草に含まれる鉄分が化学反応を起こして偶然生まれた色。
配分を工夫し1年がかりで安定した色を出せるようになった。
神永さんはこの色に琵琶湖をイメージし
「琵琶湖彩(びわこいろ)」と名付けた。
(神永さん)
「淡く優しいいろになりました。
 びわ湖が育んだガラスの色彩にロマンを感じてもらえたらうれしい。」
今年2月に作品が完成し披露されると
地元ではその色合いとともに
材料にやっかいものの水草が使われていることに驚きの声が上がった。
(来場者)
「緑がきれいで優しい感じがしていい。」
「水草は邪魔なものとしか思わないけど
 こんな色が出るんだなと思って。」
神永さんは今後
琵琶湖彩のノウハウを他のガラス作家たちにも公開し
地域全体でびわ湖の新たな魅力としてアピールしたいと考えている。
(吹きガラス職人 神永さん)
「作り手によって作るものの雰囲気も全く違いますので
 同じ琵琶湖彩でもいろいろな表情が見られると思う。
 地域のブランドになってくれればいいですね。
 それだったらうれしいですね。」
滋賀らしさを追求し見いだされた水草。
“やっかいもの”でも発想次第で生かす道がある。


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キャビア市場で存在感増す中国

2020-12-10 07:04:57 | 報道/ニュース

11月11日 NHKBS1「国際報道2020」


キャビアはトリュフやフォアグラと並び世界3大珍味のひとつとされるチョウザメの卵である。
キャビアはカスピ海沿岸のロシアやイランが産地としてよく知られているが
1990年代以降
乱獲や環境汚染などの影響でチョウザメが激減。
2010年からはカスピ海でのチョウザメの漁が禁止された。
その代わりいま世界各地で盛んに行なわれているのが養殖である。
最近では90%以上がこの養殖ものだと言われている。
中でも急速な勢いで生産を伸ばしているのが中国である。

中国浙江省にある湖。
浮かんでいるのは世界最大のキャビアの養殖場である。
養殖場には数十万匹以上のチョウザメが飼育され
世界で取引されるキャビアの生産量も3分の1を占めるという。
水産業の政府系の研究機関を経て
20年以上前から養殖に取り組んでいる韓さん。
水温調整が難しく養殖中に多くのチョウザメが死んでしまったこともあった。
常に最適な環境にするため
水温や酸素濃度を24時間自動調節する装置も利用している。
エサにもこだわっている。
(キャビア養殖会社 韓副社長)
「自ら研究開発した飼料です。
 成長の段階に合わせてエサを変えています。」
キャビアを作るには最低でも7年
高級品種では20年もの年月がかかるといい
人工繁殖して一定程度の大きさになったチョウザメは湖でじっくり育てる。
その後成長したチョウザメは陸地に作った生けすに移し
卵が育ちやすいよう水温や水流などを調整してキャビアを生産する。
“食の安全性”の問題が指摘されることもある中国産の食品。
そのため徹底した品質管理を心掛けているという。
(キャビア養殖会社 韓副社長)
「多くの人が中国産の食品の安全性を心配していますが
 私たちは品質を追求しているので
 消費者を納得させることができると思う。」
中国産キャビアの味や品質を知ってもらおうと中国各地で試食会を開催。
外資系のホテルの幹部やシェフからも高い評価を得ている。
(外資系ホテルのゼネラルマネージャー)
「このキャビアは品質が非常によく
 仕事ぶりもプロフェッショナルで感心した。」
いまやフランスの一流レストランやドイツ大手航空会社のファーストクラスでも使用されるなど
その品質が認められ始めている。
100g30万円近い高級品から
100g1万2,000円余のリーズナブルなものまで用意。
日本を含めて30以上の国や地域に輸出してそのシェアを広げようとしている。
(キャビア養殖会社 韓副社長)
「キャビアをより身近なグルメにして
 庶民の食卓に届けていきたい。
 世界で最も質の良いキャビアをつくる会社となり
 長く愛されるブランドにしたい。」
急速に拡大する中国産のキャビア。
ここでも世界での存在感を高めている。



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ワーケーション 離島で人生激変!?

2020-12-09 07:00:00 | 報道/ニュース

11月11日 NHK「おはよう日本」


青い海が広がる長崎県五島市にある福江島。
ワーケーションで訪れる人が増えている。
福岡の地域情報をウェブで発信する仕事をしている山川さん(28)。
7月から
会社のある福岡と福江島を行き来する生活を送っている。
島では民間と自治体が協力し
ネット環境を整えたワーキングスペースを作っている。
(山川さん)
「五島市内に結構あるので
 静かなので
 集中するときに使っている。」
午後1時
着替え始めた山川さん。
海に潜ると
「とれました!
 タカノハダイ。」
この日の山川さんのスケジュールは
午前中と午後の仕事の合間に趣味のシュノーケリングをしながら魚とりを満喫した。
こうしたワーケーション需要の高まりを受けて
民間企業も新たなビジネスチャンスを掘り起こそうとしている。
島で不動産会社を経営する平崎さん。
テレワーク設備を充実した宿泊施設の建設を計画しており
来年にも完成する予定である。
(不動産会社 平崎さん)
「需要の増加の角度を上げるような策をどんどん打っていく。」
さらに五島市では
ワーケーションをきっかけに将来的には移住してもらおうと考えている。
今年1月にはワーケーションの体験イベントを初めて主催。
全国から48人が集まった。
(五島市 地域協働課)
「パソコン1台あれば仕事ができますよ。
 その後に五島の良さを知っていただいて
 最終的に移住につながっていければ。」
ワーケーションを始めて3か月が経った山川さん。
新たに住み始めたのが3LDKの集合住宅である。
自治体が移住を検討している人に3か月無料で貸し出しているもの。
来年の夏まで17個58部屋が予約でいっぱいになるほどの人気になっている。
月に1回福岡に行けばこれまで通りの仕事ができると分かった山川さん。
真剣に移住を考え始めている。
(山川さん)
「月の1週間は福岡にいて仕事をして
 残りの3週間は島でゆっくり生活する。
 めちゃくちゃ満足していて
 いろいろな島に行ったが五島が一番好き。」
 

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中国 農業のデジタル化で所得向上へ

2020-12-08 07:01:11 | 報道/ニュース

11月10日 NHKBS1「キャッチ!世界のトップニュース」


世界第2位の経済規模を持つ中国だが
1人あたりのGDP(国内総生産)でみると先進国とはまだ大きな差がある。
当期目標ではこの1人あたりGDPを中程度の先進国の水準に引き上げ
先進国の仲間入りをすると掲げた。
目標達成のカギとなるのが都市部との格差が大きい農村部の所得向上である。
そのために中国政府がいま力を入れているのが農業のデジタル化である。

北京から南東に約600キロにある山東省煙台。
山東省の農林水産業の生産額は全国1位。
しかし1人あたりのGDPでは北京市の約半分にとどまっている。
「ネット通販なら全国の人にリンゴを売れます。
 こんなにいいものをここだけで売るのはもったいない。」
そこでいま中国政府の号令で普及が進められているのが
ネット通販による農産品の販路拡大である。
たとえば振興のIT企業が研修会を開き農家の人たちに出品する方法を教えている。
(農家)
「スマートフォンがあればネットで販売できるの?」
農村と人口の多い都市部の消費者を直接つなぐネット通販。
卸売業者などが間に入らないため
農家の手取りが増えるメリットがあるという。
(農家)
「ネットでりんごが売れたらうれしいですね。
 出品したらきっと売れると思います。
 私のリンゴは安くておいしいですから。」
実際に収入の増加につながったという地域もある。
4年前からネットで販売を始めた雲南省の青果業者。
今年1年間の売り上げは日本円で15億円余にのぼる見通しで
始めた頃の10倍以上になった。
南アメリカ原産のくだもの“ペピーノ”は
もともと脱貧困のためと
地元政府の指導で農家が生産を始めた。
しかし地元では馴染みがなく売れずに捨ててしまうほどだった。
これをネットで販売したところ
ジューシーでほんのりとした甘みが人気を呼び
農家は10倍の価格で出荷ができるようになったという。
(青果業者 社長)
「ネット通販は多くの農家を助けています。
 収入を増やし
 雇用をつくることで
 裕福になった人もいます。」
農産物の販路拡大を支援しているのは上海市の新興のネット通販企業である。
サービス開始から5年で年間ユーザー数を6億8,000万人にまで広げ急成長している。
主な収入は広告費で賄い
農家など出品者からの手数料を低く抑えている。
農家の新鮮な野菜やくだものを安く消費者に届けることでユーザーをさらに増やし
企業の利益にもつなげるのが狙いである。
さらにユーザーの購入履歴をビッグデータで分析。
何時・何を生産するかや
販売手法をアドバイスすることで
農家の売り上げの増加に結びつけようとしている。
(ネット通販大手 農業事業担当者)
「生産から流通や消費まで
 伝統的な農業をデジタル農業に転換したい。」
この企業は生産現場にもデジタル技術の活用を進めている。
イチゴの栽培用ハウスにセンサーやカメラを導入し
機械で室温や湿度を管理。
肥料の量も機械的に調節する実験を進めている。
栽培環境や発育状況のデータ分析を重ね
AI(人工知能)がハウス内の環境を自動的に制御するシステムを目指している。
経験の少ない人でも質のいいイチゴを安定して生産できるようにすることで
収入の増加や新規の就農につなげる。
(ネット通販大手 戦略担当副社長)
「最先端技術に投資することで
 販売される商品の差別化につなげたり
 農家の人たちにも消費者の好みを伝えたい。」




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