AGI Model 511その2
整備してみて先輩が言っていた通り結構デリケートなアンプで発振しやすい感じです。スルーホール基板を使っているのもそのせいかもしれません。広帯域、超低ひずみ、のオペアンプなので当然かもしれませんが広帯域デジタルオシロや歪率計で高域の歪が何となく多い場合は疑ってみた方がよさそうです。
整備後 残留雑音 L,R=0.04mV 周波数特性 L,R=5Hz-250KHz(ここらへんが私の発信機の限界です) -1db
フロントパネルを取ったところ このAGI Model 511はいくつかのバージョンがあるようです。
木製のケースはボンドで補強しておきます。
RCA端子ユニットを外します。
RCA端子を外したところ 基盤に取り付け部分が折り返してはんだ付けしてあるので取るのが大変
RCA端子を取り付けます。 取り付けはアース端子をあらかじめL,Rをはんだ付けしておくとナットが締めやすくなります。(PHONOはL,Rのアース端子が別に接続するようになっているのでナットを締めてから外しておきます。)
RCA端子は基板に取り付けるには出っ張りが長いのでうまく基板が付きません。
RCA端子のホット側が3mmなので基板の穴を3.3mmのドリルで広げます。
アースの錫メッキ線を取り付けます。
RCA端子はネジロックをしておきます。
交換終了 アースは連結して補強しておきます
ボリュームは外してチェック これAllen Bradleyの50Kですね。完全に密閉構造になっています。海外製のプリアンプはギャングエラーがあるのがほとんどですがこのAGI 511はそれがほとんど気になりません。以前50万円以上もするMcIntoshのプリアンプを視聴する機会があったときも音量を下げたときに左右の音量の違いが意外に大きいのに驚きましたが海外製のアンプではごく普通とのことでした。
アルプスのデテントVRに交換してみましたがどうもバランスボリュームとの相性の問題かバランスがおかしいので元に戻しました。これ特殊なVRなんでしょうか。
交換部品 コンデンサーはミューズと石原ケミカルを使用しました。電源回路のコンデンサーは最初手持ちのコンデンサーニッケミ KMG 35V4700uF(最初の容量の10倍の立型、取り付けは基板に穴をあけて取り付け)を付けたら動作がちょっとおかしい気がして石原ケミカルの50V2200uFのチューブラに交換しました。けっこうこのアンプはシビアなようですというか発振しやすいのかもしれません(そういえば先輩がそんなこと言っていたなー)。交換部品や配置は慎重に検討した方がよさそうです。
L,R=100Hz 方形波 AUX端子
L,R=10KHz 方形波 AUX端子
L,R=1KHz PHONO端子
L,R=10Hz 方形波 AUX端子
L,R=100KHz 方形波 AUX端子
完成 フロントパネルやツマミは洗浄しました。ケースはワックスをかけておきました。このアンプは常時電源ONですがオシレーターを繋げて出力をデジタルオシロに繋げてコンセントを刺すと電源が入って出力波形が大きく揺らぎます。これを嫌って電源SWを付けなかったのかなー?(リレーを使えばいいと思いますが設計者はリレーによる損失を嫌ったのかもしれません)さすがUSA製品。消費電力が少ないのでアンプは暖かくもなりません。
裏側 新しいRCA端子がきれいです。
コンセントを入れると電源が入るのでSWを入れるのを忘れてしまいます。
シンプルなデザインで良い感じです。
Technics SL-1300+EPC-270D+AGI Model 511+YAMAHA B-2+JBL 4343で試聴
試聴してみてもっと派手な音がするのかと思いましたが意外と柔らかい感じの音がします。解像度は高いのでしょうが思いのほか静かな感じで総じて「ごく普通の音」のような感じです。
ケースに足が無かったのでガラクタ箱から何かのアンプに付いていたプラスチックの足があったので付けました。
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