HITACHI TRK-8020 ラジカセ
知人より時間が合ったら直してほしいと依頼されました。こういうラジカセは苦手です。狭い筐体にメカニズムと電子基板が入っておりリンク機構で操作をするラジカセは動作部分にプラスチックを使用しておりこれが劣化して修理するのは大変というか注意しないとプラスチックを壊してしまいます。聞くと亡くなったおばあさんが使っていたというので・・・預かってきました。預かる時ちょっとチェックすると左から音がしなくてFMの感度は悪く周波数も合っていません。カセットはもちろん動きません。(カセットは最悪動かなくても良いみたい)
全体的に年式相応のスレや日焼けや汚れがあります。改めてチェックするとカセットは動かずラジオの感度も悪く混信みたいなビート音もするし周波数が合っていないのでIFTが劣化か壊れているかもしれません。また左からは音が出ません。スイッチ関係も雑音が出ていますしボリュームも雑音がします。1980年式で当時の価格は43,800円のようで40年も前の製品です。
ロッドアンテナは先端が折れてなくなっています。
上から ツマミ関係は外して汚れを取ります。
後ろ側
裏のカバーを取ってみましたら埃が大量に出てきました。
基板 古くなるとポリバリコンが劣化しているのがあるのですが大丈夫でしょうか。
カセットメカ ゴムベルトが切れてモーターなどに巻き付いています。
ゴムベルトがボロボロになって巻き付いていましたのでまずそれをアルコールで根気よくきれいにします。
カセットメカを取り出し埃を払ってグリースを塗布します。ラジオのダイヤルスケールと指針が接触していて擦れていたので調整
ボリューム関係は分解清掃
左側スピーカーから音がしなかったのはこのヘッドフォンジャックの錆による接触不良が原因のようなのでこの回路をバイパスします。外部スピーカージャックも接触不良なのでこれもバイパスします。どうやら湿気のある所に保存してあった気がします。
ラジオの切り替えスイッチを清掃します。その他の切り替えスイッチも分解清掃します。
スピーカーも埃だらけです。
ツマミは割れていたので接着しておきます。古いラジカセなどはプラスチックが劣化してもろくなっているので取り外しは慎重に行います。(それでも破損しますが)
AMのフェライトアンテナは12cmもあるので感度は良さそうです。
色々なサイズのゴムベルトを購入しました。この中から合いそうなベルトを探して取り付けます。
ゴムベルトの取り付けは最初にゴムのかけてあった形がゴムが溶けてしまってわからないので最初は間違ってしまいました。
コンデンサーは液漏れは無かったのですが足が錆びていたので全部交換しておきました。けっこうな数になりました。
VCOがズレています。
19KHzに大体合わせます。 その他ダイヤルがズレていたのを調整、RF調整、IF調整などを行いました。
修理完了 ダイヤルは中心で合わせていますが端に行くとずれてしまいます。まあ単体のチューナーでも同じようなものですが。