通電不可のジャンク品が出ていたので1,900円で購入しました。
フロントパネルに大きな傷はありませんがこのアンプ特有の傷が多めです。どちらかというとPA用のアンプのような形なので傷がつきやすいです。
後ろ側 電源ケーブルが初期と違っているようですが後期型なのでしょうか。
上面 汚れがあります。
電源ヒューズは切れていませんでした。
カバーを取ったところ 基盤を見るとアースの取り回しを変えているので後期型のようです。電源をスライダックトランスで上げていっても左側のパワーTRに電流が流れません。これは終段TRの故障かダーリントン構成のTRの故障かな?
スピーカーヒューズは切れていませんでした。
電源用ランプが切れたのでLEDに交換されていましたが、AC6.6Vから直接LEDに配線されたようです。(抵抗による電流制限をしないと過剰電流が流れてすぐ壊れますね。)後でDCにしてから抵抗で電流を10mAにして取り付けます。
今や貴重なパワーTR(東芝2SB557/2SD427)は大丈夫なようでよかったです。
リレーはアークによる損傷が無かったので汚れを取ってから再使用しました。
VRは分解清掃します。
スピーカーSWも分解清掃します。それほど汚れてはいませんでした。
主電源の電解コンデンサーもチェックしたら大丈夫でした。
終段に電流が流れません。このアンプは三段ダーリントン構成ですがドライバTRのコレクタについていた抵抗が断線していました(焼けてもいないのに断線?劣化?)。白いのでヒューズ抵抗かと思いましたが難燃性抵抗のようです。左右とも金属皮膜抵抗に交換。他のカーボン抵抗は経年劣化により抵抗値が変わってきますが許容範囲だったのでそのまま使用します。
交換部品
修理終了 コンデンサーは主電源用を除いて全部交換、劣化しているTRを交換、初段の差動回路TR(2SA798)を交換(手持ちが無くなってきました)、2SA818を交換(これも手持ち在庫なし) アイドリングは30-40mAの間にします。ドライバ電圧調整はTP1(E) TP3(-45V)VR201で調整 TP4(+45V)確認のみ アイドリングはTP5(-) TP7(+) VR104で14mV~19mV TP8(-) TP10(+) VR103で14mV~19mV バランスはVR102,VR101で0mVに近くなるように調整
100Hz矩形波
10KHz矩形波
トランスは塗装が剥がれていて錆も少しあったので塗装しました。
整備後 残留雑音 L=0.12mV R=0.1mV 周波数特性 7-70KHz -1db
試聴中 MONOアンプが2台入ったアンプでセパレーションが良く回路がシンプルなのですっきりとした音がします。個人的にこのパワーTR(三重拡散メサ型、東芝2SB557/2SD427)が広帯域でもないのに好きな音が出るので気に入っています。やはりシンプルな回路が良い気がします。