電源を入れて確認していない現状品を6,660円で購入しました。ハーマン・カードン社は1953年にシドニー・ハーマンとバーナード・カードンによりハイファイオーディオを製造する企業として設立された会社で真空管パワーアンプのCitationⅡや高電流機能アンプCitayionXXなど高額商品が有名です。この HK 826は1983年ごろの製品です。40年前なので各部の劣化、接点の汚れが心配されます。
前面 目立つ傷もなく比較的きれいです。このアンプはつまみも黒ですがつまみがシルバーもあるようです。チェックすると電源は入るが音は出ません。
裏側 RCA端子は金メッキでしょうか
カバーを取ったところ オペアンプICを使用していると思いきや100個ほどのトランジスタを使用してディスクリートで組んでいます。よく見ると電源回路が修理されているようです。ヘッドフォン回路もちゃんと作ってあります。
基板裏 熱の出るところやハンダの薄いところはやり直します。
フロントパネルを取り外します。
サブパネルも取り外します。
イコライザ、フラットアンプ基板 中々凝った回路のようです。
電源とトーンコントロール、ヘッドフォン基板 定電圧回路トランジスタの放熱シートを交換、放熱用アルミヒートシンクの取り付け方がおかしかったので修正。
VR類は取り外して洗浄します。
MCヘッドアンプ部分はプラスチックカバーがしてあります。脇にある細長い金属2個はMC/MM切り替えリレーでセルフクリーニング機構があるようですがMC/MM切り替えても接触不良状態なので分解したら接点が汚れていました。
プラスチックカバーを取り外したところ。トランジスタはペアを組み直します。
切り替えスイッチは全て分解清掃します。清掃後接点グリースを塗布しておきます。
スイッチはけっこう汚れています。これでは信号が途切れますね。
出力の制御リレーは信号をアースするかしないかをしているので接点の汚れは関係ないのですが一応清掃しておきます。
交換部品 使用したコンデンサーはニチコン ファインゴールド、東進工業、ニチコンKMG、ドイツ製WIMA MKS2です。
メンテナンス後 トランジスタは全て取り外してチェック後ペアを組み直しました。
メンテナンス後ファンクションスイッチの上にあるLEDが点かないので色々回路を調べてみるとLEDの制御トランジスタQ9の取り付け基板の印刷が回路図と逆になっていました。こういうことがあるんですね。
L,R=100Hz (AUX)
L,R=10KHz (AUX)
L,R-1KHz (PHONO MC)
完成 残留雑音 L,R=0.015mV 周波数特性 L,R= 5-100KHz -1db
試聴中 誇張したところが無く自然な音という感じで、特にMCカートリッジに合っているような気がします。
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