My Laid-back Aussie Life

オーストラリア、アデレード発のオージーライフ、家族、看護などについて~

空手関連で忙しいこの頃

2007-04-03 01:08:11 | 空手道場日誌
この10日間で、空手関連の催し物や人々に出会った。とても空手的に濃い日々だったような気がする…。

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まず、先々週の週末(金曜日と土曜日)には、World Police and Fire Game Karate Competitionというものを見に行った。これは、1年おきに世界中の警察や消防署関連の代表による選手が、様々なスポーツで競い合うという、オリンピックのように開かれる大会で、その競技の1つに空手があったというわけだ。もちろん入場はタダ。1人で行くより道連れがいたほうが良いと思い、まずは、マレーシアで彼のお父さんは空手(それも私と同じく松濤館流)の道場の師範で本人も黒帯を持っているという友人Rを誘った。が、仕事の都合が付かなくていけないと涙を流しながら断られた。その他にも色々誘ったが、金曜日に暇なのは主婦くらい…。残念ながら私の知り合いで空手の試合に見に行きたいという主婦はいない。

まず、金曜日は型の試合。朝からお弁当を持って気合を入れて見に行った。会場に入ると試合場は3面。それぞれ男女別々が茶帯や有段者に分かれて型の試合を始めていた。会場に入ってすぐに女性の選手団のそばに行って観察したが、なんだかもう雰囲気が違う。近づき難いって感じ?荒々しい雰囲気って言うか…。ちょっとブッ殺されそうな感じ?日本で日本武道館なんかで開かれる大きな空手の試合に何度も見に行ったが、こんな雰囲気は無かった。皆気合は十分に入っていても、何というかもっと落ち着いているというか、空気がぴんと張り詰めてはいながら透き通っているというか。実はこの雰囲気の違いを2日目の組み手の試合で実感することになる。

さて、肝心の型の試合は期待のほうが大きかったせいか、実際の試合を見てちょっと残念。世界レベルの選手が皆来ていると思ったが、全国空手道選手権大会とか全国自衛隊空手道大会、さらに大学レベルの大会のほうが見ごたえがあったような気がする。さすが御国元は違う。出場国はなんと日本は無しで、スペイン・ロシア・フィンランド・マレーシア・香港・カナダ・オランダ・フランス・南アフリカその他。皆、消防署か警察関係の人達だ。この両者は結構見ていて面白い。警察グループはちょっとなんというかまじめ、だけど消防署の人たちはかなりうるさくて騒ぐのが好きそうだ。フィンランドの人たちはひときわ目立っていた。その中の1人はなんと、尿瓶(ほら、病院なんかで男性患者がおしっこに使うやつ)の形をした水筒にご丁寧に黄色いオレンジジュースを入れて、これまたわざと、みんなが見えるように座席を立ってほかの観客に見せ付けるように飲み干していた…。

私の隣に座った女性:「あの人たちはどこの国の人達?」

私:「フィンランドみたいですよ。あのおかしなヘルメットみたいな帽子についている旗は。」

「それで、今どっちが勝っているの?」

「フィンランド団が優勢ですね。」

「あのジュースのおかげかしら。うふふふふ!」

「中にアルコールかなんか入っているんじゃないんですか、きっと…。」

こんな会話を交わしながら、女性と男性の型を交互にまわって見た。女性はマレーシア王立警察がだんとつうまい。文句なしだ。ほかと随分力の差が見える。もちろん優勝は彼女達。団体型(3人1組で同じ型をするもの)で彼らは雲スウを演武した。従来の型だけではなく、型の合間合間に型の分解といって、方の持つ意味を組み手に実際に用いて説明するものも組み入れられていた。こんな型の試合の形式は始めてみた。とても新鮮!準優勝はスペイン消防署。男性の型はもっと見ごたえがあった。中には「目が点」ものもあったが、全体にレベルが高く、準決勝あたりからは目が離せなかった。優勝は女性団と同じくマレーシア王立警察。準優勝はスペイン。

個人型では色々な国の人たちを見ていてお国柄というのか各国の空手のスタイルの違いが見れて面白かった。アジアでは伝統的なスタイルが守られている。一挙一挙の技も基本に忠実にと心がけているのが判る。が、欧米の人たちは、空手の技の基本より、自分の型が大きく、力強く、早く審査員に見えるように演武しているような気がした。基本動作はかなりいい加減で雑なことが多い。でも、これはあくまでも私の感想。でも、審査員によっては後者のほうを勝ちとしたところも結構多く見た。日本とは型の審査の基準が違うのだろうか。型の種類は、見たことのある糸東流と剛柔流の型がいくつか、松濤館の型では女性では慈恩・抜塞大・五十四歩小・雲手・二十四歩など、そして珍しいところでは燕飛・壮鎮とか。男性は、雲手・五十四歩小・壮鎮・燕飛・半月・観空大とか。どこの国も女性が好む型、男性が好む型の傾向は似ているらしい。これも面白い…。

さてさて、2日目の組み手は各コートに控えていた救急救命士と看護師達が大忙しだった。つまり、女性なんかもう反則がしょっちゅう!!冷静さを欠くのはこんな場面でも案外女性のほうなのだろうか。特に、ヨーロッパからの選手がかなりの反則で相手にポイントを加算される羽目になって負けている人もいた。それだけではない、もっと驚いたのは空手の試合に明らかにテコンドー(韓国の足技が主な武道)の選手が出ていること。それも1人2人ではない。空手ではなくテコンドーだというのは試合を数秒見ているとすぐわかる。足技ばかり数だけ出して、間合いがかなり詰まっても(相手との距離がかなり短くなってお互いの身体が近すぎた場合のこと)不思議なことに突きや打ち技などの手技がでず、無理な位置からポイントになりそうも無い苦しい足技を出そうとするのだ。ちょっと現実的には効果的ではないパフォーマンス的要素の強い足技も良く見た。踵落しとか後ろ回し蹴りとか。そんなん、相手に隙を見せているだけだというのに。さらに足技だけなので、30秒も経てば、その人の攻撃パターンはほぼ決まってくるため、落ち着いていたら反撃方法がすぐに見つかる。ちなみにこの試合のルールでは、黒帯を持っていさえすればテコンドーでも空手の試合に出てもよいそうだ。どうしてかいな…。まあ、こうして他の選手の試合を見るというのは実に勉強になるものだ。あーあ、組み手の試合を見ていて自分もこの年になって試合に出たくなってきた。



<女性の個人組手戦>



<マレーシアVSロシアの組手で両者反則で両者仲良く救急救命士のお世話になっている所>

組み手の試合には友人MKさんがお供をしてくれたので、空手の経験の無い彼女に試合のルールを教えながら一緒に観戦する。組み手は動きが早いので、経験が無く目が慣れてないといつ技が決まったのか判らなかったようだが、何試合観た後に目がなれてきて「あ、いま中段の突きが決まったでしょ?」などと鋭いことをいってくるようになった。さすが、色々なスポーツをしてきただけのことがあるとひそかに感心する…。でも、彼女には空手はちょっと荒っぽすぎるようだ。組み手の試合しか見てないのが残念。型を前にTVで見たときはとても感心していたが…。

この試合のとき、MKさんと(もちろん)日本語で試合の組み手について話していたら、日本人の小さなかわいい男の子を連れた若い女性に話しかけられた。聞くと、オーストラリアに親子留学にきて、オーストラリアには着いたばかりだとか。お母さんは半年前に空手を始めて黄色帯(8級)、その男の子も一緒に始めてピカピカの白帯。さらに詳しく聞くと、私と一緒の松濤館。しかも、同じくらいの男の子を持つお母さん。いきなり近親感を憶えてしまった。なんだか嬉しい…。こちらに来ても空手を続けたいと現在道場を探しているそうだ。早速後日、その4歳になる男の子は私の長男の言っている道場の子供クラスに、お母さんのほうは私と一緒にお試しに練習に行った。2人ともこの道場は大変気に入っているらしいが、何せ彼らの家からは少し遠い遠いので、どうなることやら…。習い事は無理なく続けられる位時間(往復とかもね)に余裕があるほうが長く続けられるかも。この後にこの出会いがきっかけでまた他のJapanese Karate Womanに出会うことになる…。

その話はまた次回にー。