HOBNOBlog

ロンドンから徒然に

ジム・モリソンのノート

2007-10-16 | 音楽
 ドアーズの話を昨日書きました。当時としては(というより今でも)珍しくベースのいないバンドで、その分特徴的なキーボードがサウンドを支えていましたが、何といってもヴォーカルのジム・モリソンの声、いや存在そのものがバンドの存在感を決定的なものにしていました。
 ジム・モリソンはデビュー時からギリシャ彫刻に例えられるほど端正な顔つきで、ひと際輝いていたのですが、既にその頃から酒と薬に溺れる日が続いており、バンド活動をやめてパリに移り住んだ頃には、太った顔に髭をたくわえ、精悍な顔つきは見る影もなくなっていました。

 このパリに移った理由というのが、著作に専念するためだったと言われています。彼の書く詩はある種、叙事詩を思わせるほど格調高いもので、詩集だけ別に出版されたりもしています。
 ところがパリに移った数ヵ月後にパリのアパートのバスタブの中で死体となって見つかります。薬物の過剰摂取による事故死というのが一般的な見方ですが、当時の恋人のパメラが殺したという説や、アメリカ政府による暗殺説まで出て、挙句に、これは偽装で本人はどこかでまだ生きているというエルヴィスのような説まで、まことしやかに囁かれました。

 何年か前、僕がずっと欲しかったギターを売ってくれるというパリのミュージシャンを紹介され、大金を握り締めて現地まで出かけました。結局このギターは思ったよりコンディションが良くなかったので買わなかったのですが、その時のミュージシャンというのが、実はジム・モリソンとパリでカップル同士の共同生活をしていたというのです。
 ジムが死ぬ数日前から、自分達カップルはジムとパメラを残して南フランスに旅行に出かけていて、訃報を聞いて慌ててパリに戻ってきたのです。

 その時に残されていたジムのノートが、何十年も経ったその時、彼の手元にありました。中にはジムの走り書きの詩があります。思ったより几帳面な字でした。僕はその宝物にすごく興奮してしまいました。
 冷静に考えてみたら、その所有権がどこに属すのか分かりません。細部の事情も知りませんし。事実彼がパメラの身内に連絡したら、その所有権を主張されて揉めたみたいです。
 その翌年彼から連絡があり、アメリカのオークションに出すことにしたと言ってましたが、さて上手くいったのでしょうか?果たしていくらくらいの値がついたのでしょう?もちろん金には換算できないほど貴重なものですが。

 それにしても、ジム・モリソンを始め、ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョップリン、ブライアン・ジョーンズ、最近ではカート・コバーン、(尾崎豊もそうでしたっけ?)と、ロック・スターはどうして皆27歳という年齢で逝く人が多いのでしょう?