HOBNOBlog

ロンドンから徒然に

アビーロードの思い出

2007-10-09 | 音楽
 i-Podで適当に選曲していたら、久しぶりにビートルズの“アビーロード”に当たりました。発売された順番で行くと“レット・イット・ビー”がラスト・アルバムということになりますが、実質的にはこちらが最後に録音されたアルバムです。あんなにごたごたが続いたグループ末期とは思えないほど、チームワークのいい完璧に美しい曲の連続に思わずため息が出そうにさえなります。今から考えると、ロウソクの最後の一瞬の炎が綺麗に燃え上がるようなものだったのでしょうか。
 HOBNOBを結成する前に西川と初めてビートルズをコピーしたのがこのアルバムのB面ということもあって、思い入れの強いアルバムの1枚でもあります。

 アルバムの由来ともなったEMIのアビーロード・スタジオの前にある横断歩道を、ビートルズの4人が歩く姿の有名なジャケット。おかげでここは世界で一番有名な横断歩道になりましたが、現在はちょっと位置がずれたところに移され、白いペンキも若干かたちが違います。
 しばらく立ち止まって見ていると、そこで記念写真を撮ろうとする人のなんと多いこと!凝っている人達は先頭のジョンを真似てポケットに手を突っ込み、3番目のポールを真似てタバコを右手に裸足で歩いたり、といった具合です。ところがここは交通量がけっこう多いし、ドライバーは皆すごいスピードで飛ばすんです。記念写真を撮るのも命がけって感じです。

 さて、そのビートルズが録音していたアビーロード・スタジオ。門柱は世界中のファン達による無数の落書きが刻まれています。実は昔ここで仕事をしたことがあります。ミュージカルのCDを制作するため“サージェント・ペパーズ”を録音したのと同じ第1スタジオに入ったのです。ビートルズが使っていた第2スタジオへ続く廊下には彼等のレコードが飾られ、聖地を訪れた思いで感動しました。
 この日“アンソロジー”の編集の仕事でポールがスタジオに来ているという噂が飛び交いました。その時僕はスタジオの食堂でランチを取っていて、一瞬緊張したのですが、まさかこんな一般の食堂に来るはずもなく、それでももし移動の途中にでも姿を見ることができたら、と自分の仕事が上の空になってしまいました。結局この噂の真偽は分からないままでした。

 実は今月またロンドンに行く予定で、アビーロード・スタジオのある辺りを訪れることになっています。あの横断歩道を歩くことができるかな。