HOBNOBlog

ロンドンから徒然に

ジョージ・ハリスンの隣に!

2007-10-10 | 音楽
 昨日アビーロードでのポールとのニアミスを書いたので、今日はジョージ・ハリスンとの接近の話を。
 1991年だったと思いますが、'74年の散々たる結果に終わったツアー以来ライヴをやっていなかったジョージが日本に来ることになりました。それも親友のエリック・クラプトンと一緒に。当時のクラプトンは愛息を事故で亡くして失意のどん底にいました。だからこのツアーはどちらが言い出したのかはともかく、お互いの復帰のための良いきっかけとなればと思っていたに違いありません。

 コンサートに先立って記者会見が、かつてのビートルズと同じキャピトル東急(ビートルズの頃はヒルトンホテルの名称でした)の真珠の間で行われました。
 さらにその少し前に、隣の部屋で写真撮影のみが行われたのですが、実はその場に僕もいました。一斉に焚かれるフラッシュに、すぐに二人とも後ろを向いてしまい、またやり直すという繰り返しでした。
 そして、写真撮影が終わって記者会見の場に移る時に、なんと僕の隣にジョージとクラプトンのふたりが来て、一緒に移動する形になったのですよ。もう舞い上がってしまって、話しかける言葉さえ失い、何を喋っているのかも耳に入らず、「あぁ、僕よりも背が低いんだ」とか「若そうに見えるけど、近くだと皺が多いな」(笑)とかバカなことばかり頭に浮かんでしまいました。

 会見に先立って、クラプトンには子供の質問をするな、とかいくつかの注意があって、いよいよ開始です。記者の方もいつになく緊張している人が多くて、何度も途中で詰まってしまう人や、通訳がいるにもかかわらず、できるだけ自分でコミュニケーションをはかりたいのか、英語で二言三言話してそのままカチンカチンに固まってしまう人もいました。

 ビートルズやストーンズなどお目当てのアーティストのライヴはいつも2回は行くようにしています。この時ももちろん2回行ったのですが、どちらかというと現代的な小気味良い進行ではなく、むしろ昔ながらの微妙な間のある温かいコンサートでした。
 ジョージの歌にクラプトンのギター、と来れば当然『While my guitar gently weeps』を聴き逃すわけにはいかないでしょう。アンコールの1曲目でした。全体にクラプトンはすごくジョージを立て、ソロもビートルズの印象を大きく損なうことがないように気遣っているように見えました。
 それから、クラプトンのソロのコーナーもあったのですが、やはりジョージを思いやってか『レイラ』はやりませんでした。

 早いものですね。あれからもう15年以上が経って、ジョージはその後ツアーに出ることもなく、あれが最後のステージになってしまいました。