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ロンドンから徒然に

存命画家の最高額 ~ Peter Doig

2008-02-25 | アート
 ロンドンにはサザビーズと(Sotheby’s)とクリスティーズ(Christie’s)という双璧のオークション・ハウスがあり、美術品はもちろんのこと、ワインや家具、ロックスターのメモラビリアなど色んなものが出品されます。
 昔一度だけビートルズのサインに入札したことがあります。当時としてはけっこう思い切った値段を付けたつもりでしたが、委託入札だったのでリアルタイムで競争できずに、わずかの差で負けてしまいました。(結局僕とその落札者のふたりが残って競ったみたいです)

 絵画の方はとてもじゃないですが入札できるような価格ではないので、時々(見られるものは)冷やかしで見ていますが、競い合いになり予想価格estimateよりはるかに高い価格が付くようなケースは他人事ながらドキドキします。
 最近のSotheby’sでの出来事です。Estimateの6倍もの価格を付けた作品が現れました。英国生まれのカナディアンで、今はトリニダードに住むPeter DoigのWhite Canoeという作品が、なんと573万ポンド(約12憶3千万円、当時のレートだともっと高かったでしょう)で落札されたのです。これは存命中の画家としては最高額ということになります。

 今テート・ギャラリーTate BritainでそのPeter Doigの展覧会が開かれており、早速出かけて来ました。
 テート・ギャラリーは現在Tate BritainとTate Modernの二か所に分かれていて、彼の作品はどちらかというと後者で展示されるのかという漠然としたイメージを持っていましたが、実際に作品を見ると、巨匠と並んでも遜色のないその作品群に驚くと共に、非常に感動しました。
 どうも僕は具象を残しつつ抽象の世界に踏み込んだ作品に弱いみたいで(笑)景色がしっかりと読み取れるのに、その奥の心象風景が沁みてくるその世界観にすっかり参ってしまいました。絵の中で心を遊ばせることのできる時間っていいですよね。
 彼がテートでの展覧会に当たって500部だけ限定で刷ったサイン入りのシルク・スクリーンがあったので、思い切って買うことにしました。(言っときますけど、もちろん法外な値段じゃなくて僕でも手が出せる程度のものですよ)

 見終わった後は常設展示の作品をのんびりと見ながら余韻に浸りました(写真はその時のもので、Peter Doigとは関係ありません。念のため)

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