英語・ダイエット・その他徒然なるままに

趣味の英語学習(TOEIC 970点)やダイエットの成功談など、色々書いていきます。

強勢音節等間隔(4)

2016年05月08日 23時44分58秒 | 英語
前回の要点をもう一度書いておくと、

文の読み上げに要する時間は文字の数ではなく強勢音節の数によって決まる

ということでした。つまり、弱くてほどんど一瞬のうちに発音されてしまう機能語が全発声時間の中に占める割合は非常に小さく、等間隔に発声される、文強勢が置かれる音節の繰り返し回数が文の全発声時間の支配要因になる、ということですね。

もっと簡単に言うと、タン・タン・タン・タン、、、と一定の間隔(リズム)で現れる強勢音節と強勢音節との間に、機能語を無理やり詰め込んでいるんです。そして、その機能語の単語数や単語毎の長さはまちまちなんだけど、そんな事にはお構いなく、無理クリにでも押し込んでしまっているんです。

で、聞き取りの観点から言うと、強勢が置かれる音節は強くはっきりと発音されるわけですから、そのような文強勢が置かれる単語というのは、知らない単語で無い限り聞き取りは易しいんです。いや、もっと言うと、たとえ知らない単語でも意味が分からないだけで音自体はクリアに聞こえるんです。だから、単語の意味さえ調べてしまえば一件落着なんですね。

しかし、機能語に関してはそうはいきません。何しろ、本来なら割り当てられるべきはずの、文字数(音節数)に相当する時間を割り当てて貰えず、無理やり圧縮されてしまっているんですから。そういうのをちゃんと聞き取って理解するのは容易ではない、ということになります。

このブログでもかなり昔に、”聞き取れない単語に印をつけていったら、代名詞とか前置詞とか助動詞とか、そんな単語ばっかりだった”というようなことを書いたことがあります。私自身もまさに上で述べたような所で苦労していた(いる)んです。しかも、機能語というのは中学くらいで習う誰でも知っている簡単な単語がほどんどですから、超簡単な単語なのに聞き取れない、何故なんだ、ということになって落ち込むわけです。

このような機能語から成る箇所、すばやくはしょって発音されてしまう箇所の聞き取り能力を磨くことが重要なんだということは、私自身はかなり前から分かっていたんです。はい、分かっていたし、そういう事を意識して練習もしていました。しかし今回、その意識の仕方というか、頑張り方というか、集中の仕方というか、それが少々間違っていたということに気づいたのです。

何がどう間違っていたのかをこれから説明して行きましょう。等間隔で現れる強勢部分の間に、機能語を少々無理なはしょり方をしてでも強引に詰め込む、英語を喋っている連中はそういうことをしているんです。で、我々としてはそういう箇所を上手く拾い上げて理解しないといけない。そういうことを達成しようとする場合、普通の発想なら、”無理やりはしょられている箇所”に耳をそばだてて神経を集中して頑張って聴こう、ということになりますよね。しかし、この考え方が間違っていたのです。

聞き取りにくい所に一生懸命耳をそばだてて、神経を集中して、頑張って聞こうとする。一見、当たり前で正しい行動のようです。しかし、よーく考えてみてください。そういう箇所というのは、英語を喋っている連中自身がそもそも正確に発音していない箇所なのです。正確な音で発音されていないものに対して一生懸命耳をそばだてたところで、一体何が聞こえるというのでしょう?そんな事をしても無駄じゃないですか?

長くなってきたし夜も遅いので、済みませんが今回は問題提起のみという形で、ここで終わらせて頂きます。じゃあどういう発想に切り替えれば良いのか、次回(以降)でお話ししていきます。

強勢音節等間隔(3)

2016年05月08日 03時07分11秒 | 英語
休みなのでどんどんいきます。前の記事では英語における”強勢”について説明しました。要点は、文の中では内容語の語強勢がそのまま文強勢として強く発音され、機能語は弱く発音される、ということでした。

今回はいよいよ英語を母語とする人たちが英語を喋るときのリズムについてお話しします。結論から言うと、かな1文字、すなわち、拍を等間隔に発声する日本語とは違って、英語では、文強勢として強勢が置かれる音節が等間隔に発声される、という点が特徴的です。これが、あの独特の英語のリズムを作り上げている正体なのです。

この事自体は広く言われていることなのでご存知の方も多いと思いますし、私自身も大昔から知っていました。しかし、最近、この点について面白い説明の仕方をしている本を見つけたのです。その本は、

「僕が無料の英語マンガで楽にTOEIC 900点を取って、映画の英語を字幕なしでリスニングできるわけ」(中村一也、扶桑社)

という、実に長ったらしいタイトルの(笑)本です。まあ、この手のいかにも”売らんかな”臭がプンプンする本は基本的に手に取らないのですけど、”英語マンガ”というものに注目している筋の良さと、”映画の英語を字幕なし”と凄いことを言い切っている所に目が止まって、本屋さんで立ち読み(&購入)してみたのです。

で、今回話題にしている強勢音節等間隔について、この本では以下のような例を挙げて説明(第二章、61頁)しています。

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① Monkeys eat bananas.
② The monkeys will eat some bananas.

ネイティブが①の英文を2秒で読んだとして、②の文は何秒で読むでしょうか?
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答えは2秒で、理由は、文強勢が置かれる内容語の数が3個(monkeys, eat, bananas)で同じだから、です。これらの内容語以外の the, will, some は内容的には重要度が低い機能語であるため強勢が置かれず、弱く、そして一瞬のうちに素早く、ハショるように発音されてしまうので、文全体の発声に要する時間にはほとんど影響しないのです。

はい、機能語が弱く一瞬のうちに発音されてしまうということ、そして、それ以外の内容語の強勢音節、具体的には Mon(keys), eat, (ba)na(nas), の部分が等間隔に発声されるなんてことは以前から十分承知していました。しかし、そのような発声の仕方によって結局、

文の読み上げに要する時間は文字の数ではなく強勢音節の数によって決まる

ということになる点については、意識していませんでした。この本のこの説明の仕方に、”ハッとさせられた”のです(その後ネットで調べてみると、同じような説明をしているサイトは少なからず存在するようです)。

で、ここから先は私自身の思考過程の話になるのですが、上記のような説明を読んだ私が、それをきっかけに更なる気づきとして何を思い、考えるに至ったか、ここから先がいよいよ今回の話の本筋になっていきます。次回に続きます。

PS.
上で紹介した本はかなりまともな本だと思いますが、これさえ読んでおけばOK的な網羅的なものではありません。私の中では、幾つかの有益なヒントを与えてくれる本、という捉え方です。著者自身が「映画の英語が聞き取れる」と言い切っている所が、凄いなぁと思います。

強勢音節等間隔(2)

2016年05月08日 00時14分00秒 | 英語
前回は、音節とは何か、拍とは何か、そして、日本語においては拍が等間隔に発声されるのに対し英語はそうではない、という所までお話ししました。

では、英語の発声はどのようになされるのでしょうか?答えは、「強勢が置かれる音節どうしが等間隔に発声される」のです。

さて、「強勢」という言葉が出てきましたが、これって何なのでしょうか?専門的な解説は私にはできませんが、簡単にいうと”強く発音する”ということです。

で、この英語における強勢にも幾つか種類があって、まず一番お馴染みなものを挙げると、一つの単語の中で特定の1つの音節に強勢を置く(強く発音する)、「語強勢」と言うのがあります。簡単にいうと”単語のどこにアクセントがあるか?”という、センター試験の発音問題でも出題される、例のアレですね。説明は不要でしょう。

ただ、1点だけ参考までに注意しておくと、日本語における(語)強勢は音の”高低”、つまり、音の上げ下げ(イントネーション:抑揚)によって付けるのに対し、英語における(語)強勢は音の”強弱”、つまり、強く息を吐いて発音するかどうかによるものである点が異なります。昔、かの松本道弘さんの著書の中で、前者を”紙風船を軽く上に叩く感じ”、後者を”水風船を下に叩きつける感じ”と表現されていたのを読んだことがありますが、分かり易い例えだと思います。英語の強勢とは、”パッ”と強く息を吐いて発音することなのです。

少し脱線しましたが、続けます。英語では語強勢の他に「文強勢」と呼ばれるものがあります。まあ、両者はほぼ一致すると考えていいと思いますが、文強勢とは、単語が並んで文となった場合に、文を構成する複数の単語のうち、意味や内容、役割の重要度によって強勢を置く単語と置かない単語が出てくることを言います。文の中で強勢が置かれる可能性がある単語を”文強勢を持つ”単語、強勢が置かれる可能性が無い単語を”文強勢を持たない”単語、というふうに呼んでいる文献もあります。

注意深い方はお気づきだと思いますが、強勢を置くか置かないかは本来は”音節”ごとの話のはずなのに、上では”単語”と書いてしまいました。この辺が少々ややこしいというか学問的に厳密な話は私もできないのですけど、大雑把にいうと、文強勢を持つ単語は、その単語の「語強勢」が置かれる音節をそのまま強く発音する(一音節の単語ならその単語そのもの)、と考えていいようです。

では、文強勢を持つ単語と持たない単語、すなわち、文の中で強く発音される音節を持つ単語とそうでない単語とは何なのか?ということが問題になりますが、これがいわゆる「内容語」と「機能語」と呼ばれる区分に相当します。

後者は冠詞、人称代名詞、関係代名詞、助動詞、前置詞、接続詞などの、内容よりは機能に重点が置かれる単語のことで、これらは基本的には文の中では弱く発音されます。つまり、文強勢が置かれることはない。これ以外の、まあ大雑把に言えば普通の単語というのは、文の中でそれなりに重要な内容、意味を含むので、それらの単語は語強勢音節部分をちゃんと強く発音する、つまり、文強勢が置かれることになります。

で、またまた少し入り組んだ話をすると、上記の「機能語」に分類される単語にはそもそも語強勢を置く音節はあるのか・ないのか、また、「内容語」に分類される単語の語強勢音節はいかなる場合にも文強勢が置かれるのか、という疑問が生じると思いますが、この辺になると私も専門家ではないので正確な解説はできません。ただおそらくは、機能語には強勢音節を持たないものが多いと思われますし、後者については、さらに「イントネーションの核」というような、1つの文の中で最も強調される内容語という概念があって、それとの優劣はあるものの、発音のリズムという意味では内容語の語強勢音節は常時強く発音されると考えていいような気がします。

今回はこれくらいにしておきます。文字だけでウダウダ書いてしまって分かりにくいとは思いますが、他のサイト等もご参考にしながら理解を進めてみてください。まあ、細かいところはともかく、今回の話の肝は、

1つの文の中には、1単語内の強勢音節(語強勢)を通常通りに強く発音する内容語と、強勢を置かずに弱く発音する機能語とが現れる

ということです。これが理解できれば良いと思います。