英語・ダイエット・その他徒然なるままに

趣味の英語学習(TOEIC 970点)やダイエットの成功談など、色々書いていきます。

前回の続き

2015年06月30日 22時59分14秒 | 英語
前回の続きです。唐突ですが、以下の英文を訳してみて下さい。

People survived the quake were forced to live in tents.

(出典:関係詞の底力、佐藤ヒロシ、プレイス)

「震災で助かった人々はテント生活を余儀なくされた」、と思った方、残念ながらアウトです。”この英語は意味不明”、あるいは、”これは正しい英語ではない”と喝破できた方のみ、合格です。では、どうすれば正しい英語になるのでしょうか?実は、

People who survived the quake were forced to live in tents.

としなくてはいけないのです。要するに、

主格の関係代名詞はごく少数の例外を除いて単独では省略できない

という基本事項がちゃんと身に付いているか?ということです。前回の例で私が陥ったワナもこれです。「返事をした新入社員」という意味にしたければ、respondedの前にwhoがないといけないのです。

要するにこれって、過去分詞の後置修飾との混同なんですね。名詞が過去分詞によって後置修飾されている場合、すなわち、後ろの過去分詞が”~された”という受動的な意味を付加している場合は、「主格の関係代名詞+be動詞」が省略されていると見る事もできますが、これは主格の関係代名詞の”単独での省略”ではないからOKなのです。

今日は疲れているので、すみませんがこれ以上丁寧な説明はしません。主格の関係代名詞が単独で省略可能な少数の例外はどんな場合か、とかは自分で調べて下さい。上の出典の本にも書いてありますし、詳しい文法書なら載っているはずです。

ただ、大事なのは、上のようなルールを一生懸命暗記することではなくて(丸暗記したってどうせイザという時には出てこない)、英文を読んだり書いたりする時に正しい頭の働かせ方ができるようになるようにする、という観点から、上記のような基本事項を再確認していくという姿勢です。今回のケースなら、

名詞+ V (ed)

という形が来た場合は、Vが述語動詞(の過去形)そのものであるか、または、過去分詞が後置修飾によって受動的な意味を付与しているか、のどちらかとしか解釈のしようがなく、”Vした名詞”のような意味だと捉えてはいけない、そういう頭の回し方をしてはいけないのだ、という風に理解することが大事なんです。それが、ネイティブの思考に近づくという事です。

ちょっと違う言い方をすると、正しい英語を見せられたときにその意味を正しく取れるだけではダメで、間違った英語を見たときにこの英語は間違っていると言える能力があるかないかが凄く大事なのです。結局それは、ネイティブと同じ頭の働かせ方ができているかどうかという試金石なのですから。そういう意味で、旧TOEICの誤り訂正問題は我々ノンネイティブにとって格好の訓練材料だったと私は思います。今のPart 6なんかよりよっぽどいい問題形式だったと思うのですが。




基本的なことだけど

2015年06月29日 22時47分03秒 | 英語
問題集をやっていて、以下のような問題に出くわしました。TOEIC形式とは少し違いますが、空欄に入れることができる選択肢を”全て”選べというものです。

At Justin Software, 73 percent of new employees ------ are optimistic about their salary in future years.

(A) reviewed
(B) asked
(C) accessed
(D) responded
(E) interviewed
(F) consulted

(出典:TOEICテスト究極のゼミ Part5語彙・文法【超上級編】、ヒロ前田/ロス・タロック、アルク)

正解は(B) 質問された (E) 面接された (F) 意見を求められた、の3つです。AとCがダメなのは一目瞭然でしょう。

問題は(D)で、解説では「(D)はresponded toの形になるはずで、意味も”返事をされた新入社員”となり、文脈に合いません」と説明されています。

私はここでしばし悩んでしまいました。"employees responded" のrespodedを自動詞とみなせば、「返事をした(=有効回答をした)新入社員」という風に解釈できて、Dも良さげなのに、、、なぜDはダメなんだろう、と。

後になって ”あーーーー” と気づいてしまったのですが。もちろん、本に書いてある正解が正しいです。Dを空欄に入れることはできません。ただし、私が陥ったワナについては本の解説の中では触れられていません。私が見落としていた点をいわば当たり前の、暗黙の大前提とした説明がなされています。でも、TOEIC 920点の私でも不注意で失念してしまう内容なので、それなりのトピックにはなると思います。

私が一瞬抱いた上の仮説、どこが間違っているのかお分かりになるでしょうか?こんなの当たり前だと瞬殺できる方はすばらしい。まさに基礎がしっかりしていらっしゃる。逆に、フィーリングで何となく英語を処理している人は悩んでしまうかもしれません。実際、私自身も基本事項の定着がいい加減だったというわけです。少しでも考えこんでしまった方は、基礎が曖昧です。瞬殺できた人だけ、合格。

説明は次回。大した話じゃないですけどね。でも、瞬殺できない人は、その大した事ない話が完全には身に付いていないという事になります。

武士道

2015年06月27日 22時29分21秒 | 英語
「背伸びをする必要はない」と書きましたが、自分に厳しい私としては思いっきり背伸びをしてみようと思い、新渡戸稲造の「武士道」を読んでみることにしました。当たり前ですが、基本、英語で。

なぜ武士道なのか。別に大した理由はありません。次に読みたい物を本屋で物色していた時にたまたま目についただけです。

ネットにも英文や訳は転がっていますが(著作権的にはどうなのだろう。50年は過ぎてますけど)、訳がイマイチだったりもするので、ちゃんと書籍を購入しました。英文だけの物だとさすがに心許ないので、対訳本と現代語訳本です。

○対訳ニッポン双書「武士道」IBCパブリッシング
○現代誤訳 武士道 山本博文・訳・解説 ちくま新書

上と同じIBCパブリッシングから別の対訳本も出ていますが、英語そのものを平易な物に書き換えたものだったので、あくまで新渡戸英語と格闘したいという今回の主旨には合わないため、購入しませんでした。ちくま新書の方は日本語訳(と解説)だけですが、ワザワザこれを購入したのは、複数の訳を比較してみたかったからです。

さきほど背伸びと書きましたが、中身はともかく、英語的には実はそんなに背伸びでもないんですよね。辞書なし、文法書なしでも9割方理解できます(西洋の様々な著作の引用が沢山出てきたりするので、英語より中身の理解の方が難しいと思われます)。ただ、文法や語彙の観点から自分なりの説明ができない箇所を一カ所たりとも残したくないので、英文を全部ノートに書き写して、要注意な箇所には全て書き込みチェックを入れる形で読み進めて行こうと思います。自分が頭をひねった思考の履歴を完全に残すことで、後々の財産にしたいのです。

ちなみに、こんなのはもちろん常識ですが、新渡戸稲造は「武士道」という本を日本語で書いたわけではありません。オリジナル版は英語です。”日本人は宗教なしにどうやって道徳心を身につけるのか?”という外国人からの質問をきっかけに、海外の人々に向けて英文で発信した物がオリジナルです。時に38歳。7年ほど留学し、奥さんもアメリカ人だったりするのですが、38歳でこんな物が書けるなんて、当時のエリートって本当に凄いです。






アナ雪

2015年06月23日 23時26分22秒 | 英語
今日は大した話じゃないんですが。

今更ながらですが、ひょんな事から「アナと雪の女王」というディズニー映画があることを知って(私は映画なるものをほとんど見ない人間なので、こういうのは疎いのです)、どんな話なのかと思ったので、どうせならと英語の本で読んでみました。

KADOKAWA発行、中経出版編集の”ディズニーの英語”コレクションというシリーズ本です。文字(英語)のスペースより絵のスペースの方が広い、半分絵本みたいな本で、非常に取っ付き易いものです。

はっきり言って40過ぎの男が手に取るような本ではないのかもしれませんが、休憩しながらでも2時間弱程度で読めてしまいました。TOEICで900くらい取れる人間なら、非常にラクに読めます。しかし、、、そうは言ってもやっぱり知らない単語や言い回しは出て来ます。受験英語やビジネス英語しか知らない多くの日本人にとって盲点と言えるような日常語が、ちょこちょこあるのです。

もちろん、1つ1つのセンテンスは非常に短いので構文解析にはほとんど頭は使いません。なので、らくーに英語に接しながら、所々で知らない言い回しに出会って、「へぇ」と思いながら瞬時にどんどん覚えていける(単語の注釈も同じページの中に書いてあるのでイチイチ辞書を引く必要もないし、巻末には日本語訳もある)。前にもちょっと言いましたが、語彙力ってこうやって付けて行くのが絶対に王道だと思います。これくらい易しいレベルの英語だと、英語の勉強というよりはただ本を読んでいるだけという状態に近く、こういう日常生活体験の中で無理なく語彙を覚えていくのが、やっぱり自然な方法だと思います。TOEICなどには出てこない語彙なのでしょうけど、英語力という意味では得るものは決して小さくありません。

背伸びをする必要はないのです。易しい英語でもいいからとにかく多く、身になる形で無理なく英語に接する。それができれば力は付くのです。易しい英語なら量をこなすのは簡単です。少ない教材をじっくり責めるのが大事だと前に言いましたが、それは英語を正確に見る目を養うための訓練であって、経験値を増やすには易しい英語を大量に、が原則だと思います。点を取るための英語学習としてはやっぱり前者が中心だとは思いますが、そういう密度の濃い勉強ばかりしていて疲れたときに、後者のような軽いノリで英語に接することができれば最高です。英語学習の息抜きを英語でやる、最高に格好いいじゃないですか。

ちなみにアナ雪のストーリーは心洗われるものでした。真実の愛は自己犠牲の精神だということですね。まあ、皆んな知ってる映画なんですよね。。。

一字一句たりともおろそかにするな

2015年06月16日 22時03分09秒 | 英語
ここ数回、誤訳の指摘ばかりしてきて、少々感じ悪かったかもしれません。別に揚げ足とりをしたかったり、自分の力をひけらかしたかったわけではなくて、このブログを読んで頂いている皆さんに1つのメッセージを伝えたかったのです。それは、英語に触れるときには

一字一句たりともおろそかにするな

ということです。

色々見てきた後で多くを語るのは野暮なので手短かにしておきますが、やれスラッシュリーディングだの、パラグラフリーディングだの、聞き流すだけのxxxだの、そんな事ばかりやっていて、今までこのブログで例に挙げたようなPart 6とかPart 7の問題に正確に対処できるような力が付くと思いますか?ってことです。付くわけないですよね。

もちろんTOEICの問題が解けるようになることだけが英語学習の目標ではありません。しかし、あの程度の問題のあの程度のワナを自力で回避する力なくして、一体何ができますか?

私は今の時代の学校の英語教育の実態は知りませんが、我々の中学・高校時代は、まさに一字一句をヒステリックなくらい綿密に追いかけていく英文和訳ばかりやらされました。その反動だかどうだか知りませんが、実用英語になったとたん、多くの人が”大まかな”英語との接し方に傾倒していき、自分が過去に受けて来たそのような英語教育が、さも、自分が英語ができないことの元凶のように考えるようになっていくようです。学生時代に大して勉強しなかった奴に限って、そうなっていきます。

そして、何よりも恐ろしいのは、例えば私がここ数回の記事の中で取り上げたような問題についていうなら、あれらを私が書いたレベルで正しく読解できていなかったとしても、ざっと読む限りにおいては”大体どんな事が書いてあるのか”は何となく分かってしまうということです。これが恐いのです。学校でやらされる難しい評論文とか文学作品なら、正しく読めていない=何を言っているのかサッパリ分からない、ということになり、ある意味分かりやすいのですが、TOEICのようになまじ日常生活に密着した内容自体は平易な英語の場合、

自分が正しく読めていないことに気づかない

という事が頻繁に起こるのです。そういう事に気づかないまま何となく読んで、何となく分かった気になって、何となく問題解いて、何となく(間違いを含んだ!?)解説を読んで、騙されていることにも気づかず(笑)、何のケアもしないまま次の問題に進む。これが、多くの人がやっている”勉強もどき”です。それで、TOEICの点数が上がらない、上がらないと言っている。800点は取れるけど900点はどうしても無理とか言っている。当たり前でしょ。まともな勉強してないんだから。

要するにやり方が甘ちゃんなんです。