英語・ダイエット・その他徒然なるままに

趣味の英語学習(TOEIC 970点)やダイエットの成功談など、色々書いていきます。

記憶+反復=技術。英語も数学もスポーツも全部そうだよ

2015年03月28日 20時01分24秒 | 英語
久々です。あまりにも忙しい日々が続いているのでなかなか更新できません。忙しい上に疲れきっているので、いつものような重厚な、重い文章を書くパワーもありませんので、手短に。

仕事が忙しいと英語の方も込み入った勉強がなかなかできないのでTOEICのリーディング・セクションの文章を寝る前に流し読みするくらいのことしかやっていないのですが、こういうちょっとした練習でも毎日やっていると、英文を読むスピードが確実に上がっているのが実感できます。特に最近はTOEICの英文しか読んでいないので、TOEICの英文に自分の頭が慣れきってしまっていて、この事自体の善し悪しはともかく、TOEICの英文を読むスピードがもの凄く速くなってきています。似たようなパターンの英文ばかりですからね。

やはり技術の向上には反復が不可欠なんだと実感する次第です。で、ここでそろそろ一般論に持っていきたいのですが、そもそも世の中の人達は”試験で点を取るための勉強”というものを、”技術の習得”として捉えることがちゃんとできているのだろうか?という疑問を私は常々抱いています。

TOEIC力が技術力だと言われればピンとくる人は多いでしょう。あのリスニングや短時間での大量の英文処理で問われているのは間違いなく”技術”だということに違和感を覚える人はいないと思います。しかし、これはTOEICのような試験だけではなく、世の中の”試験”と名のつくほとんどの物で問われているものは、頭の良さや記憶の量ではなく、”技術”なのです。そして、難関と言われる試験ほどその傾向は強くなります。

旧司法試験がなぜ難しいのか。法律の条文を単純に記憶するだけなら、大変だろうけどそれ自体はさして困難なものではないはずです。論述試験において、覚えたそれらの条文を具体的な事例に対してどのように適用し、その根拠をどのように述べるか、そういう”技術”が問われるから難しいのです。

難関といわれる大学入試問題がなぜ難しいのか。教科書や参考書で勉強した1つ1つの項目が記憶できているかどうかをそのまま”生で”問うのではなく、それらの知識を使って目の前の問題をどのように処理するかという”運用能力”が問われるから、難しいのです。さらに、実はその”使い方”のパターンもほとんどが定型化されているものなので、”頭の善し悪し”が問われているのでもなく、結局は”技術の世界”なのです。

多くの人は”勉強しよう”という場合に、”記憶”ばかりやろうとします。もちろん、基本的な知識が頭に入っていないと何もできないのは当然です。しかし、”基本的な知識が頭に入っていても問題が解けるとは限らない”、という点にもっと注意を向ける必要があると思います(基本的な知識を記憶するだけで精一杯というのは、甘え。時間のやりくりと努力も実力のうち)。

今日は疲れていて詳しく書く元気がないので荒い書き方になってしまうのですが、試験の場で問題にアタックするときに問われるのは、記憶した内容を引っぱり出して目の前の問題に当てはめる単純な”パターンマッチング力”ではなく、目の前の問題をトータル的にどのように処理するかという”アプローチ力”であったり(これは数学の試験の話)、英語の試験なら記憶を掘り起こしていることを意識する時間すら入り込む余地のない”瞬間処理能力”なんです。

そして、表題の等式にも書きましたが、記憶した知識を上記のような技術の域にまで高めるには”反復”が不可欠です。これは、どんな天才的な人でも例外ではありません。一流大学に入る人は頭がいいのではなく、そういう反復練習を十分に行った人なのです。

そして、こと英語に関しては、単語や文法の知識が少々いい加減でも、圧倒的な量の英語にふれていればそれだけで知識も身に付いてしまうということが起こりえます。ただ、単純知識を身につけることに関しては、実際に英語に触れながら身につける方法が効率の上で最上かどうかは検証の余地があると思います。単語帳を使った方が試験対策という意味では効率は上がるかもしれません。しかし、技術だけは絶対に、実際に英語に触れることなくして身に付くことはありません。だったら、もっと実際の英語に触れることに重点を移してもよいのではないか、多くの人は知識の記憶に偏り過ぎている、と私は思います。もう一度言います。知識の記憶が完璧だったとしても、試験に対応できるとは限りませんから。

電車の中で英単語帳とにらめっこしている高校生はよく見かけますが、英文を一生懸命読んでいる高校生を見る事はほとんどありません。”君たち、それでいいのかい?”と、横で見てて思ってしまうんです。









初心者に贈る最低限のメニュー

2015年03月01日 13時48分13秒 | 英語
今日はプラクティカルな内容にしたいと思います。

英語初心者の方にとって”結局、何から手をつければいいの?”というのは切実な問題だと思います。勉強方法くらい自分で考えろといいましたが、仮に、私が初心者の方に、TOEICで上級(860~900くらい)と言われるレベルを目指すためにおススメする最低限の教材を示すとしたら、以下のようになります。なお、中1レベルの英語も覚束ないような本当の英語初心者は対象にしていません(自力学習は無理だと思います。NHK講座の一番易しい奴を一から始めるとかして下さい)。TOEICで400~500点くらい(それより低くてもいいけど、そういう人は少ないでしょう)の人が、レベルAを目指す感じです。

(文法)
・「なぜ」がわかる英文法の授業(成川博康、Gakken)
・英文法ネイティブ・アイ(松岡浩史、The Japan Times)

(単語)
・TOEIC TEST (入門/基礎/頻出/必修)1200語(白野伊津夫、語研)

(問題集)
・TOEICテスト 新公式問題集(国際ビジネスコミュニケーション協会)
 (Vol. 1~6、6冊分くらいの量はやってほしい)

(おまけ)
・イディオム集を1冊(凝ったものではなく、大学受験向きの標準的なもの)
・苦手意識の高いパートや、全体の模試形式の問題集を適当に
・リスニングで他に気に入ったものがあれば適当に

絞りに絞りました。でも、これらを本当に隅々まで完全に消化できれば相当な所まで行けると思います。900だって取れると思います。本当に身に付ければね。

考え方としては、文法の本で基本を叩き込み、単語の本のCDを聞いて語彙増強と聞き取り強化を同時にやって、問題集で処理速度の向上とリスニングの練習をしながら実践力を高める、ということです。

文法の本に何を使うか,ここを絞りきるのが難しいです。もちろん上記以外にも、とっつき易い本、優れた本、詳しい本は沢山あります。しかし、初心者が独習することを考えた時に本当に分かり易いか、大学受験の文法問題を解くことに特化し過ぎていないか(今回はTOEICを目的にさせて頂きます)、TOEICの文法問題を解く思考回路を作ることができるか、そして何よりも、詳しすぎて挫折するシロモノではないか、等々を考慮すると、私的には上記の2冊になりました。

Gakkenの本に関しては、同じ著者のもう少し厚くて詳しいものもありますが、それさえも”初心者が最初にやるには量が多い”(そもそも大学受験用の本なので、受験生は四の五の言わずに詳しいのをやるべきですが)と判断して、あえて上記の薄い方にしました。全部身に付けて物足りなくなった後で、詳しい本に移ればいいんです。

ネイティブ・アイの方は、英語の構造に着目する思考回路の形成に適している(必ずしもTOEIC形式ではありませんが)のと、できる人達にとって当然の知識や語彙がコンパクトに収められている所が良いです。ただ、レイアウトの密度が濃いので、少し努力を要する本だと思います。一回やったくらいではすぐに忘れると思いますので、数回繰り返すことが重要です。また、単文形式の問題(の解説)の中に色々なエッセンスが散りばめられているので、繰り返し口ずさむなどして問題文自体によくなじんでおくようにして下さい。この本の問題がすべて”瞬殺可能な楽勝問題”と感じとれるようになれば、文法に関してはもう大きな抜けはないという事になるでしょう。

ただ、文法そのものの解説としてはどちらかというとやや古典的なスタイルに属するもので(正確にいうと、この本は文法というよりは、ユニットという見方を貫く形で英語を理解することを主眼とした本です)、例えば助動詞の所などはもう少し根本的な解説が欲しいと思ったりします。最初のGakkenの本は逆に今風の解説なので、相互に補うようにすれば良いと思います。ただ、Gakkenの方も助動詞の解説はほんのちょっとしかなくて、本格的な助動詞の講義はぶ厚い方に譲っています。(なぜ助動詞、助動詞いうかというと、一番難しい文法項目だからです)。ネイティブ・アイは、とにかくコンパクトに、複雑に成りすぎないように、そして実践力も磨けるように、との配慮が行き届いている感じがします。ありそうでなかなか無い、いい本です。

文法に関して、分厚くてもいいから詳しい本を常備しておきたいという方は、私の以前の記事を参考にして下さい。あとはネットを使うことです。

あと、おまけの部分で、TOEICでは難しい熟語の知識が問われることはあまりありませんが、Part 6やPart 7では大学受験の標準レベルの熟語の知識は必要になります。特殊なものは全然必要なくて、むしろ受験レベルでごく標準的なものが多く使われています。なので、不安なら、あくまで標準的なレベルで自分が気に入ったものを1冊やっておけば十分でしょう。

まあ後は、リスニングとか問題演習をもっと充実させたければ随時気に入ったものをやればいいと思います。とにかく、やった本の内容は全て”超当たり前。文章も全部超楽勝”と感じるくらいにまで慣れきることです(リスニングはどうやっても聞こえない所は残りますが、ここはある程度粘ったあとは潔く割り切って捨てて、前に進みましょう)。もっと色んな問題をやって知識を充実させたい?いやいや、当たった全ての内容を日本語と同じくらい、頭に負担を掛けずに一瞬で処理できるようにする事が先です。土壇場で本当に役に立つのはそうやって鍛えた”根本的な英語体力”なのです。”見かけ上の知識の数”を増やすことよりも、”分かっているようで実はよく分かっていない語彙や知識”が無くなるようにして下さい。難しい事をいかに沢山知っているかではなくて、(一見)簡単なことをいかに確実に正確に身につけていて素早く処理できるか、それがTOEICで問われる総合力なのです。

もちろん、試験勉強以外の営みをしっかりやる、という意味で色々な英語に触れるのは良い事ですけどね。ご参考まで。