今までにも似たような話を何度もしているので繰り返しになってしまいますが、英単語の暗記ばっかりしてても駄目だよ、読む練習をしないと読めるようにはならないよ、と最近言ったことを、少し言葉を変えて説明してみようかと思います。で、もう少し話を拡大すると、英文法の基本例文ばかり暗記しても駄目だよ、ということにもなります。
よく使われる英単語とか、あるいは、英文法の色々な項目やその説明に使われている簡単な例文、これらが「基本」であることに間違いはありません。で、英語に限らず何事においても”基本が大事だ”というようなことがよく言われるのですが、、、でもその基本であるはずの英単語の暗記とか基本例文の暗記とか、そんな事ばかりしている人は結局、この”基本が大事”という言葉の意味を正しく理解できていないと思うのです。
多くの人は、”基本が大事”なんて言われると、”やたら難しい事を追いかけるのではなく、基本事項を徹底して覚えろ”というような意味に受け止めると思います。でも、実はその受け取り方、ちょっと、いや、かなりズレています。順を追って説明します。
前半の”やたら難しい事を追いかけるのではなく”は正しいです。もちろん、やることがなくなった上級者が難しい事に果敢にアタックするのはそれなりに意味のあることですが、まあ、通常はそんな事は求められていません。却って遠回りになったりもします。要するにそんな事をしてもあまりいい効果は得られない、ほとんどの人にとっては却って無駄だ、ということで、これは通常の解釈で問題ないと思います。
問題は後半部分の解釈なんです。”基本事項を徹底する”とはどういう事か?これは決して、基本事項”そのもの”を徹底して覚える、ということではないのです。ここを間違ってはいけません。
これは皆さん自身も経験上、うすうすは感じているはずなんです。入試レベルの数学の問題とか英文とか、あるいはTOEICの英文とか、どうみたって、教科書や参考書に出てくる”基本事項”を完全に覚えているだけでは解けないシロモノでしょう?そういう基本事項をいくら”完璧に”覚えたとしても、解ける気がしないでしょう?そう、基本事項”そのもの”をいくら完璧にしたところで、それだけで実戦で闘えるほど世の中甘くはありませんよね。みんなうすうすは感じているんです。
でも、”基本が大事”という言葉に甘えたがる。そう、甘えているんです。教科書や参考書の基本事項”そのもの”をとにかく徹底的に”覚える”。その作業自体は、ラクではないけど頭を使ってリアルな問題と格闘する必要がないので、粛々と進めていく分にはさほど精神的な負担を伴わないんですね。そういう営みさえある程度きちんとやりさえすれば実戦でも闘えるようになる、そうあってほしい、と心の底で甘えているんです。でも、皆さんの経験が示しているように、闘えるようにはなりません。
では、”基本が大事”という言葉の本当の意味は何なのでしょうか?私はさっきから基本”そのもの”というように、そのものの部分をダブルクオートしていますよね。はい、間違っているのはここなんです。基本を徹底するということは、基本事項そのものを徹底して覚えるということではありません。そうではなくて、
と、もう1つは、
なのです。基本事項そのものの暗記に馬鹿みたいに力を注ぐのではなくて、こういう能力を磨くことを徹底しろ、ということなのです。
もちろん、基本事項そのものを覚えていない事には話になりません。しかし、それは、基本事項そのものの暗記に膨大なパワーを裂くことによって達成するものではありません。そうではなくて、基本事項そのものの暗記なんて最初は軽くでいいから、実戦的な問題にアタックする作業と並行してそういった基本事項を随時確認していくことを繰り返す中で最終的に完全に覚えてしまう、そういう風にして覚えていくべきものです。実際に使いながら覚えた知識でないと、結局使い方が分からないので、実戦用の武器にはならないのです。
英語で言うなら単語帳や文法の参考書に出てくる英文は簡単すぎて、残念ながら、それらを一生懸命追っても”使いながら”覚えたことにはならないです。皆さんも、「文法書の例文はあんなに簡単なのに、英文解釈の文章の中で同じ文法事項が使われている英文はどうしてあんなに難しいのか?」なんて、しょっちゅう思うでしょう。そういう事なんです。文法書の例文はエッセンスだけが最低限伝わるようにしてある文だから簡単なのであって、残念ながら、あのような簡単な”基本事項”の暗記を徹底したところで、実戦レベルの英文が読めるようになるなんてことは、ないです。基本事項そのものの暗記を徹底するだけでそうなったらいいな、という期待は完全に誤りであり、甘えです。
実戦レベルの英文を追ったり、入試レベルの数学の問題を解いたり、TOEICの問題を時間以内に解いたりする練習は、力が無いうちはかなり辛いと思います。別に、力がないうちは全部自分の力で解かなくてもいいと思います。昨今の受験アドバイザーがよく言っているように、さっさと答えをみてしまえばいい。しかし、たとえ独力で解くことを(最初は)諦めるにせよ、「解く際の正しい頭の働かせ方を忠実に再現して経験してみること」は絶対に忘れてはいけません。つまり、答えや訳をみて分かったとなった後でも、もう1回、2回、自分で解いてみるという練習は最初の段階でも絶対に必要です。そういう練習をたくさん積んでいくうちにだんだんと独力でできることが増えていき、やがては合格ラインに達するのです。別に、全部の問題をスラスラ解ける、なんて境地に到達しなくても、合格ラインに到達してしまえばいいんです(TOEICで言えば、 990点の人でも全ての問題を完全に自信を持って回答しているわけではありません)。
独力でできる事が増えるということは、自分で自由自在に使いこなせる基本事項が増えていくということで、これは基本事項を使いこなす練習をすることでしか養成されない能力です。基本事項”そのもの”の暗記だけをいくら徹底しても、残念ながら問題を解く技は身に付きません。”基本を徹底する”という言葉の本当の意味は、”基本事項を自由自在に使いこなす力を磨く練習を徹底してやる”ということなのです。そして、基本事項を使いこなす必要に迫られる場面は、実戦問題にアタックしている時だけです。だから、そこから逃げては駄目なのです。英語学習でいうなら、実戦的な英文をどんどん読む、聞く、ということが不可欠です。ここで言う”実戦的”とは、自分が受けようとしている試験と同レベルの英文という意味です。
よく使われる英単語とか、あるいは、英文法の色々な項目やその説明に使われている簡単な例文、これらが「基本」であることに間違いはありません。で、英語に限らず何事においても”基本が大事だ”というようなことがよく言われるのですが、、、でもその基本であるはずの英単語の暗記とか基本例文の暗記とか、そんな事ばかりしている人は結局、この”基本が大事”という言葉の意味を正しく理解できていないと思うのです。
多くの人は、”基本が大事”なんて言われると、”やたら難しい事を追いかけるのではなく、基本事項を徹底して覚えろ”というような意味に受け止めると思います。でも、実はその受け取り方、ちょっと、いや、かなりズレています。順を追って説明します。
前半の”やたら難しい事を追いかけるのではなく”は正しいです。もちろん、やることがなくなった上級者が難しい事に果敢にアタックするのはそれなりに意味のあることですが、まあ、通常はそんな事は求められていません。却って遠回りになったりもします。要するにそんな事をしてもあまりいい効果は得られない、ほとんどの人にとっては却って無駄だ、ということで、これは通常の解釈で問題ないと思います。
問題は後半部分の解釈なんです。”基本事項を徹底する”とはどういう事か?これは決して、基本事項”そのもの”を徹底して覚える、ということではないのです。ここを間違ってはいけません。
これは皆さん自身も経験上、うすうすは感じているはずなんです。入試レベルの数学の問題とか英文とか、あるいはTOEICの英文とか、どうみたって、教科書や参考書に出てくる”基本事項”を完全に覚えているだけでは解けないシロモノでしょう?そういう基本事項をいくら”完璧に”覚えたとしても、解ける気がしないでしょう?そう、基本事項”そのもの”をいくら完璧にしたところで、それだけで実戦で闘えるほど世の中甘くはありませんよね。みんなうすうすは感じているんです。
でも、”基本が大事”という言葉に甘えたがる。そう、甘えているんです。教科書や参考書の基本事項”そのもの”をとにかく徹底的に”覚える”。その作業自体は、ラクではないけど頭を使ってリアルな問題と格闘する必要がないので、粛々と進めていく分にはさほど精神的な負担を伴わないんですね。そういう営みさえある程度きちんとやりさえすれば実戦でも闘えるようになる、そうあってほしい、と心の底で甘えているんです。でも、皆さんの経験が示しているように、闘えるようにはなりません。
では、”基本が大事”という言葉の本当の意味は何なのでしょうか?私はさっきから基本”そのもの”というように、そのものの部分をダブルクオートしていますよね。はい、間違っているのはここなんです。基本を徹底するということは、基本事項そのものを徹底して覚えるということではありません。そうではなくて、
実戦的な問題の中で、いつでも適切な基本事項を引っ張り出せる能力を磨くこと
と、もう1つは、
基本事項を実戦的な問題に対してアレンジする能力を磨くこと
なのです。基本事項そのものの暗記に馬鹿みたいに力を注ぐのではなくて、こういう能力を磨くことを徹底しろ、ということなのです。
もちろん、基本事項そのものを覚えていない事には話になりません。しかし、それは、基本事項そのものの暗記に膨大なパワーを裂くことによって達成するものではありません。そうではなくて、基本事項そのものの暗記なんて最初は軽くでいいから、実戦的な問題にアタックする作業と並行してそういった基本事項を随時確認していくことを繰り返す中で最終的に完全に覚えてしまう、そういう風にして覚えていくべきものです。実際に使いながら覚えた知識でないと、結局使い方が分からないので、実戦用の武器にはならないのです。
英語で言うなら単語帳や文法の参考書に出てくる英文は簡単すぎて、残念ながら、それらを一生懸命追っても”使いながら”覚えたことにはならないです。皆さんも、「文法書の例文はあんなに簡単なのに、英文解釈の文章の中で同じ文法事項が使われている英文はどうしてあんなに難しいのか?」なんて、しょっちゅう思うでしょう。そういう事なんです。文法書の例文はエッセンスだけが最低限伝わるようにしてある文だから簡単なのであって、残念ながら、あのような簡単な”基本事項”の暗記を徹底したところで、実戦レベルの英文が読めるようになるなんてことは、ないです。基本事項そのものの暗記を徹底するだけでそうなったらいいな、という期待は完全に誤りであり、甘えです。
実戦レベルの英文を追ったり、入試レベルの数学の問題を解いたり、TOEICの問題を時間以内に解いたりする練習は、力が無いうちはかなり辛いと思います。別に、力がないうちは全部自分の力で解かなくてもいいと思います。昨今の受験アドバイザーがよく言っているように、さっさと答えをみてしまえばいい。しかし、たとえ独力で解くことを(最初は)諦めるにせよ、「解く際の正しい頭の働かせ方を忠実に再現して経験してみること」は絶対に忘れてはいけません。つまり、答えや訳をみて分かったとなった後でも、もう1回、2回、自分で解いてみるという練習は最初の段階でも絶対に必要です。そういう練習をたくさん積んでいくうちにだんだんと独力でできることが増えていき、やがては合格ラインに達するのです。別に、全部の問題をスラスラ解ける、なんて境地に到達しなくても、合格ラインに到達してしまえばいいんです(TOEICで言えば、 990点の人でも全ての問題を完全に自信を持って回答しているわけではありません)。
独力でできる事が増えるということは、自分で自由自在に使いこなせる基本事項が増えていくということで、これは基本事項を使いこなす練習をすることでしか養成されない能力です。基本事項”そのもの”の暗記だけをいくら徹底しても、残念ながら問題を解く技は身に付きません。”基本を徹底する”という言葉の本当の意味は、”基本事項を自由自在に使いこなす力を磨く練習を徹底してやる”ということなのです。そして、基本事項を使いこなす必要に迫られる場面は、実戦問題にアタックしている時だけです。だから、そこから逃げては駄目なのです。英語学習でいうなら、実戦的な英文をどんどん読む、聞く、ということが不可欠です。ここで言う”実戦的”とは、自分が受けようとしている試験と同レベルの英文という意味です。