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強勢音節等間隔(6)

2016年05月15日 01時11分07秒 | 英語
かなり抽象的というか、まだるっこしい書き方になってきていると思うので、私が言いたいことをズバリいうと、

強勢音節等間隔のリズムを意識しながら自分で発音してみろや。いやでも奴らと同じになるから

ってことなんです。まあ、無理に声を張り上げる必要はないですが、モソモソっとでもつぶやいてみるなり、要は、自分でも英文を読み上げてみるのです。できるだけネイティブっぽくなるように。

”できるだけネイティブっぽく”と書きました。ネイティブっぽい綺麗な発音なんてできないよ、と仰る方が多いと思います。はい、私もできません。発音そのもの、もう少し正確にいうと1つ1つの音素(調べて)を正確に英語っぽく発音することはさして重要ではありません(もちろん、今回鍛えようとしているリスニング能力を磨くという意味では、ですよ)。重要なのは、あの英語独特のリズム、強勢音節等間隔のリズムをしっかり守ってセンテンスを口ずさむことです。

尤も、強勢音節等間隔を意識しろと言っても、実際にはこんな事はできません。言葉のあやでそのように言ってしまっただけで、実際には、あの英語独特のリズムをまねするだけでいいんです。「英語は三拍子」なんてことを言う人もいますね。とにかくリズムをまねすればいいんです。私自身は本当に三拍子なのかどうかイマイチ掴みきれない部分があるのですけど、あの英語独特のリズムはちゃんと身についています。

だから、”英語独特のあのリズム”と言われてもピンと来ないレベルの人は、まずは日本人向けにスローダウンしていない、英語独特のリズムがしっかり残っている教材で英語をしっかりと聞き込んで下さい。英語の話し方ってこんな感じなのね、という感覚がしっかり掴めるまで。この感覚があやふやなうちは駄目です。でも、この感覚を掴むにはそんなに時間はかからないはずです。聞ける・聞けない、ではなくて、英語のリズムが体に染み付いたかどうか、それだけでいいです。

それができた上で、今度は、リーディングでもなんでもいいのですけど、自分が勉強している教材に出てくる英文を、そのリズムで読み上げてみるのです。もちろん、無理に声を出して音読する必要はありません。小さく口を動かしながら、声帯を震わせずにボソボソつぶやいてみるとか、そんなので構いません。

具体的に言うと、前に紹介した2秒の英文、特に2番目の英文を、1番目の英文とほぼ同じ時間になるように読んでみるのです。やってみればわかると思いますが、この2つの英文をほぼ同じ時間で読み上げようと思ったら、どうやったって、the とか willとかsome を丁寧に発音している暇など無いはずです。


(1) モンキーズ   イート  バナーナズ
(2)ザモンキーズ ウィリート サバナーナズ

カタカナで乱暴に書きましたけど、こんな感じの発音にならざるを得ないと思います。はい、”ならざるを得ない”んですよ。ただし、thのときに舌先を歯で挟むとか、エルを発音するときに舌先を上あごに付けるとか、そういった正しい口の動きはできるだけ意識して真似をするようにして下さい。なんとなくで構わないです。こういった音素を発音するときのネイティブの口の正しい動きを意識しながら強制音節等間隔のリズムで英語を読み上げようとすると、だんだんと、彼らがやってるのと同じように発音するしかないじゃないか、という感覚になってくるはずです。この”こうならざるを得ない”という感覚をしっかり持つことが重要なのです。

以下、ド素人の私の私見なので、音声学の専門家の方が見るとお叱りの対象になるかもしれませんが、今回の強勢音節等間隔のトピックで私が感じている事をまとめて述べておきます。

弱系がどうとかリエゾンがどうとか、そんなルールをずらっと並べて覚えたつもりになっても、実際のリスニングの時には全く役に立たないと言いました。これは能書きではなく、私自身の体験でもあります。英単語のところで述べたのと同じように、所詮は人事の、頭で考えないと出てこないような暗記的知識が一瞬のうちに技を振るってあなたを助けてくれることなど、ないのです。

しかし、あの英語独特のリズムを極力まねして英文を読み上げてみると、ネイティブの連中がやっているのと同じような弱系、リエゾンにどうやったってならざるを得ないということが実感できるのです。これが、前回言った「能動的体験」ってやつです。こういう体験を通して”なるほど、こういう発音にならざるを得ないよな”ということが実感をともなって体に染み込ませることができると、弱系とかリエゾンとか、そういう発音の仕方が、単なるお仕着せのルールの暗記ではなく、自分自身の血や肉になって身に付くのです。だから、当然聞き取りの能力も上がる。

では、どうして彼ら英語のネイティブと我々日本人が同じ発音になるのか。答えはおそらく、「同じ人間だから」です(笑)。確かに、日本語と英語では発音が全く違います。しかし、それは”音素”とか”強勢の仕方(息の吐き方)”などの部分が違うのであって、機能語をはしょって三拍子(?)のリズムで英文を読め、と言われたら、同じ口、同じ舌を持っている人間である以上、日本人だろうがアメリカ人だろうが、同じようなはしょり方をせざるを得ないのではないでしょうか?

そのとき、大前提にあるのが、”強勢音節等間隔”だと思うのです。あのリズムは英語を母国語にする人たちの心、とでも言っていいものかもしれません。彼らはとにかく、あのリズムで英語を喋りたくて喋りたくて、仕方がないのです。何故だか知りませんが、きっとそういう事なのです。それが格好いいと思ったのか、日本語のように全ての単語をフラットに発音してしまったのでは聞こえが悪すぎるのか、理由は知りません。しかし、彼らは何がなんでもあの三拍子(?)のリズムで英語を話すことを選んだのです。

別に、分かりにくくしようとして弱系とかリエゾンとか、そういう事をやっているわけではないでしょう。そういう犠牲を伴ってでも、三拍子に聞こえるあのリズムで話すということを彼らは選択した、そういう事だと思うのです。弱系、リエゾン、云々、ああいう発音の崩れはすべて「強勢音節等間隔のリズムを作り上げたいがためにやっていること」。そう考えれば、我々日本人にとって不可解な英語の音声体系の全体像が見えてくるような気がしませんか?

ここをちゃんと理解しておくのが、前回言った「必然性の理解」です。どうやったって、自然なリズムで英語を話そうとするとああいう風な省略の仕方をするしかない。そういうことを我々自身も実感として持つことができて初めて、本当の音の知識・感覚をものにすることができるのだと思います。必ずしも正確に発音されているわけではない音を識別できるようになるためには、我々自身も同じように音を発する経験をしてみて、その発音が無理やりではなく、”ああなるのが必然だ”と納得する、そういうプロセスが必要なのです。

簡単に言うと、自分で発音するときも彼らがやっているように発音する癖がついている。それが、お仕着せのルールの暗記や遵守ではなく、納得を伴った理解として、絶対にああでないといけないという当たり前の感覚として身についた上でできている。だから、一見いい加減な発音でもちゃんと識別できる、リスニングが上手くなるためのストーリーはそれしかないのではないでしょうか。だから、ただ単にひたすら英語を聴くだけでも駄目。

あと1回、この話題で記事を書きたいと思います。次回が最後です。