さて、昨日の続きです。
5時過ぎに携帯が鳴りました。
ジャイアン先輩からでした。
「今日実家に帰るか?魚が釣れたから、ビックリするほど美味いものを食わせてやる。千両に来い!」
と言う電話でした。
母と二人で6時過ぎにお店に着くと、
「ほらこれだ。」と見せてくれたのが昨日の3匹。
阿仁川で釣ってきたというのですが、
車を降りてから、
「かんじき」を履いて、
まだ60センチも積もっている雪の中を歩くこと40分のポイントで釣れた魚なのだそうです。
「凄いですねー。そんなのを頂いてもいいんでしょうか。なんだかもったいなさ過ぎます。」
と恐縮したのですが、
「なんも。たった30分で釣れたんだ。」と言う先輩。
でも、往復1時間20分歩いてるんですよねー。
感謝しつつ、ご馳走になることにしたのです。
アジのサラダや、
アサツキの酢味噌和えを添えた魚(魚の名前を聞くのを忘れちゃった)のソテーなどを食べているうちに
大将が握ってくれたのが、上の写真のヤマメの握りです。
母と2貫ずつ食べましたが、
淡白な中にしつこくないくらいの脂が乗っていて、
コリッとした歯ざわりも爽やかなお寿司でした。
あまりの美味しさに「全然臭みが無いんですね。」と言ったら、
ヤマメは川魚だけど、サケ科なので、川魚特有の癖が無いんだとか。
渓流で生まれたヤマメの半分は川を下って海で育ち、サクラマスになるのだと、
先輩は楽しそうに教えてくれました。
その他にいつものお任せ鮨や岩魚とヤマメの塩焼きも食べました。
釣ってきた本人はどんなに勧めても自分では食べず、
お店の刺身をつまみにワインを飲んでいます。
あまりにグイグイと飲んでいるので、
病み上がりに大丈夫なのかと聞いたら、
完快だから、飲みすぎなきゃいいとお医者さんに許可されていると言うのです。
「8時過ぎたら飲まないからな。」って、本当にいいの?
「魚釣りと山菜取りをしてれば体は元に戻るさ。」とけろっとしている先輩を見ていると、
そうなのかもしれないと思えてきました。
釣り談義を聞きながらのひとときは、本当に美味しくて楽しいものでした。
帰り際に大将にもお礼を言ったら、
「市場にはこんな新鮮なのは出ないから、普通は握りたくても握れないんだ。」
と嬉しそうに話していました。
子供の頃から知っている仲間っていいなーと心の底から思った私です。