気の向くままに2

その日の気分で、思いついたことを書いていきます。

『殺人の追憶』を見ました

2008-03-05 20:43:28 | yaplogから

何年か前、
一度見て圧倒された2003年の韓国映画『殺人の追憶』を再度見る機会に恵まれました。
アケビのだんな様からDVDをまたまたまた頂いたからです。

見始めたら途中で止められないのは前回で分かっていたのですが、
やはり重く辛い内容なのに、目を離すことが出来ませんでした。

実際に韓国で起こった未解決の連続強姦殺人事件を扱ったものだそうですが、
見えない犯人に翻弄される二人の刑事、
「勘」だけを頼りに犯人を捜す前時代的捜査法のソン・ガンホ演じる地元の刑事と、
ソウルから派遣された知性派の若い刑事キム・サンギョンの組み合わせがまず面白い。
特にガンホの演技は凄い!

まだ近代化の進んでいない狭い農村で起こった事件なのに、なかなか犯人が見えてこない焦り、
映画の進行につれて、
その犯行の残虐性に見ている私のほうもザワザワと胸騒ぎがして、腹立たしくなってきます。

やっと見つけた犯人らしき若い優男に
遂に冷静な若い刑事の方が憎しみをつのらせて
飛び掛ってしまうトンネルの場面は圧倒的です。

しかも、その時届いたアメリカからの資料によって、
彼が犯人ではなかったということを知った時の二人の絶望感が十分すぎるほど伝わりました。
それは最新のDNA鑑定の結果であっただけに事件の闇をより深くしていきます。

全体が雨の日の事件であり、暗いトーンで描かれているのに、
最初と最後だけが晴れた青空と言う対比もまた、事件の闇の深さを象徴していました。