ラミ・デュ・ヴァン・エフ シェフのブログ ~言葉の錬金術~

フランス料理に限らず、色んな話のブログ内容です。

真夜中のハイヒールに気をつけろ

2007-04-25 18:20:45 | Weblog
我が店「マチルダベイ」のラストオーダーは、深夜12時30分となっておりまして、閉店時間が深夜1時30分となっております。
 閉店時間が過ぎてもお客様がいらっしゃれば延長して営業はするのですが、大体2時30分くらいで全てのお客様が帰られ、それから掃除と片付けをして帰ると、3時30分から4時くらいになるものです。
ほとんど毎日朝帰り状態ですから、朝刊を読みながら晩酌(こういう場合は当てはまるのでしょうか?)する、というのは、それほど珍しい事でもないのです。 
 しかし、正規の時間で終了すれば、早くても2時くらいには帰ることが出来るので心にも余裕ができるというものです。

 先日、その「心に余裕」ができると思われる時間、2時30分(勿論深夜)に帰る事が出来たのですが、帰る途中、妙な事に巻き込まれてしまいました。

 いつもはワインを飲むのですが、その日は体がビールを欲しているように感じましたので、コンビニに寄ってビールを購入してから帰る事にしました。
そして、コンビニでビールを選んでいたところ

カツン、カツン、カツン・・・

 という音と共に、ハイヒールを履いた女性が入店してきた事に気が付きました。
あまりにも店内に響くハイヒールの音だったので、振り向いたところ、なんとなく目が合ってしまったのです。
今考えると、これがきっかけだったのでしょうか。

 ビールを購入し、帰宅しようと歩いていると、後ろの方から

カツン、カツン、カツン・・・

 という、あのハイヒールの音が聞こえてきました。

(なんだ、あのハイヒールの女性と同じ方向か。)

などと思っていましたが、あまりにも同じ方向すぎてだんだん疑問に感じ始めました。
ここを通るのは限られているのでは?というような小道に曲がっても

カツン、カツン、カツン・・・

という音はついて来るのです。

(もしや、尾けられているのかも・・・いや、まさか。ぜんぜん知らない女性だし、でも・・・)

と思い、暗い小道に隠れてみる事にしました。

カツン、カツン、カツン・・・

一度は通り過ぎたのですが

カツン、カツン、カツン・・・

戻ってくるではありませんか。しかもウロウロして探しているようにも感じます。
そこで、また大きい道に戻って歩いてみると、やはり尾けていることが確信できました。
5分くらい歩いてみましたが、やはり尾けてきます。
そして、急にまた小道に、サッと入ってみたところ

カッ、カッ、カッ・・・

なんと、走ってくるではないですか。
振り向いて

「何ですか?」

と訪ねてみたところ

「すみません、人間違いでした。」

と、一言残して去っていきました。あのハイヒールの音と共に。
未だになんだったのか判らない、真夜中の尾行劇。誰と間違ったのでしょうか?
次の日、マネージャー佐藤に話したところ、大笑いされてしまいました。

マネージャー「スナックに金を払わない男と間違われたんじゃないの?」

私「俺的には、CIA(アメリカ中央情報局)とかモサド(イスラエル諜報部 現在は存在しないのではないでしょうか)だったりしたら劇的だな、と思ったんですけどね。」

マネージャー「ないよ、それ。・・・絶対に。」

という会話で終わってしまった、真夜中の出来事でした。

 皆様、真夜中の一人歩きは気を付けましょうね。

あと、尾行するのもやめましょうね。
コメント
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