ラミ・デュ・ヴァン・エフ シェフのブログ ~言葉の錬金術~

フランス料理に限らず、色んな話のブログ内容です。

星に願いをするように、ブログに願いをしてもいいのではないか。

2015-01-08 22:37:06 | Weblog
 青空なのにチラチラと舞い散る雪に塗れ(まみれ)ながら歩くのは意外と気持ちがいいものです。赤くなっているのではないかと思われる鼻の先は冷たいという感覚すらもなく、ポケットに入れた手は出せず、寒いせいか小走りに近くなる歩調、舞い散る雪が触れる瞬間に慣れた頬、そんな冬外出時特有の体感があっても気持ちよく感じるのは青空だからでしょう、と何となく言い聞かせたくなる今日この頃、皆様、如何お過ごしでしょうか。
 外が寒いという事は、勿論、厨房も寒い、という事になりますが、デザートやキッシュの生地の仕込みには厨房は寒い方がいいですし、届いた鮮魚を処理する場合でも厨房は寒い方がいいものです。肉や野菜などが届いても厨房が寒ければ仕込みを中断してすぐに冷蔵庫に入れなければならない事もありませんから、それはそれでいいのです。
 しかし、寒いです。先日、厨房に入って温度計を見たところ「9℃」でした・・・もうちょっと下がると冷蔵庫的な温度ですな。いや、冷蔵庫的な温度だから仕事がしやすい、と考えるべきでしょう・・・ね・・・。
 こんなに厨房が寒いのならば寒いうちに、いや、厨房が温かくならないうちに処理するのがベストな食材もあるわけですから、出勤してすぐ取り掛るのが鮮魚関係の処理でありますが、これが、冷たいんですね、スゴく。
 しかも、機動性と汚れてもいいように営業外の仕込み時にはTシャツとエプロンだけで仕事をしていますから(当然ですが、ズボンは穿いてます)、冷水だけで仕事をする鮮魚物処理は身に沁みすぎるくらい身に沁みます、寒さが・・・
 これを終わらせて次に仕込むのはデセール類です。ここまで来るとガトーショコラなどの焼き菓子系が出てきますからオーブンやガスが使えて少しづつ厨房は温まって、次に前菜物の仕込み、魚や肉料理のガルニチュール(付け合せ)の仕込み、サラダに使う葉物野菜の準備、前菜のソースの仕込み、前菜の切り出し、魚の切り出し、肉の切り出し、魚肉のソースの準備、などを経て営業開始、となるわけです。
 普段の営業ではこれらを全部仕込むのではなく、お客様がいらしてから取り掛かるようにしていますが、団体様のご予約の時はそうはいきません。
 昨年になってしまいますが、先月と今月も有難い事に団体様のご予約を頂戴しまして、先ほどのような工程を踏んで仕込みをし、料理をご用意させていただいたわけですが、普段のクオリティーを下げることなく10数名様分、時には20数名様分のコース料理を出す事の難しさと楽しさ、そして、細部に渡って計算しなければならない調理の面白みを体験したのです。
 例えば「前菜」では各パーツを仕込みながらもどのように盛り付けするかを考え、的確に、そして、適量を仕込まなければなりません。



 例えば「フォワグラ料理」。当店の開店時から提供しております「フォワグラのソテー トリュフのリゾット添え」をお出しする場合でも、リゾットの仕上げ方、ソースの味付け、フォワグラの焼き加減を同時進行で進め、全てベストな状態の少し前で盛り付けし、盛り付け終わった状態でベストに持って行かなければなりません。



 例えば「肉料理」。肉の種類にもよりますが、どのような焼き加減にするのか、お客様はどのようなワインを飲むのか、女性の比率はどうなのか、で微妙に焼き加減は変わってきます。(女性のお客様の比率が多く、あまりワインを飲まれていない場合は肉の焼き加減を強くする、つまり、レアは勿論、ミディアムよりも強めのミディアムウエルダンに近い焼き加減にした方が良い、と判断しています)



(画像のご予約様はワイン率が高い方でしたので「蝦夷鹿ロティ」の「ア・ポワン(ミディアム)」です)

 勿論、私一人の調理ですが、ご予約の時間と乾杯の時間をある程度設定したらそこから逆算して調理を始めればいいので、仕込やそのパーツの細部を全て紙に書き、確認しながら作業を進めれば失敗はありません。(今のところ)
 しかし、私の手が届かず、サポートしてあげれないのが「サービス」であります。
 今までの経験則で私とマネージャーのふたりで滞りなく回せる人数は「16名」。それ以上になると私も皿出しを手伝う事になりますからちょっとだけ大変になります。これが20人を超えると、困ってしまいます。
 そこで20人を超えるご予約様ですと仲の良い某同業マネージャーに頼み込んでアルバイトの人を借りる、という手を使わせてもらっております。
 そのアルバイトの人なんですが、良く教育されてるんですねぇ、羨ましいくらいに。
 大人数の仕事の経験が豊富だからなんでしょうが、物怖じ(ものおじ)せず、判らない事は聞いてすぐメモ、お客様にも笑顔の対応・・・アクサダイレクトですよ・・・CM的には。
 
 そんなわけで、この場をお借りしまして、もう一度、そして、またもや「やんわり」と、当店でもアルバイトが欲しいです・・・何となく・・・

 そんな、軟弱な姿勢ですが、アルバイトを募集します・・・

 仕事の掛け持ちは構いません。飲食の仕事の掛け持ちで他店のスパイでも構いません。(おいおい)いや、スパイ大歓迎です!(コラコラ)

 大学生でも構いませんが、親御さんと私が年が近いのではないか、と心配になります。(何が心配?)マネージャーは親御さんより年上でしょう。(どうでもいいよ)

 そんなわけで、募集してみます・・・やんわりと・・・

「年齢制限とかあるんですか?」

 特にはありませんが・・・私より年齢が下だと有難いですな。

「ホワイ?なぜ?」

 だって、年上の人が来たら、店の中で一番年下になるじゃないですか、一応、経営者なのに。


















   
コメント
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