表題の通り、平成23年度大学入試問題(数学)研究会が名城大学にてありました。その内容をお知らせします。筆者が参加しましたのは、第一会場で行われた、愛知教育大学、名古屋私立大学、三重大学、名古屋工業大学、名古屋大学の5大学の出題および採点を担当した先生方の発表でした。
以下に要約を記します。
1.愛知教育大学 竹内 義浩 先生
前期の3番が難しかった。(出来が悪い。予想外の解答があった。想定したのは帰納法だった。
5番の空間も同じく出来が悪かった。
「例を挙げよ」に対して、それが成立することを示してください。
これについて、直後に質問があり、
「例を示し、その成り立つことを示しなさい。」のように、誘導してもらえないかとの指摘があった。
★説明は書けていること。(数式の羅列はいただけない。)
★字がきれいであることを見ている。
★分かりやすい説明を心がける。
★「文句なかろう。」という答案を心がけてください。
★「0」で割ることに気をつけなさい。
★全体的な説明がなっていない。
★説明が日本語になっているかどうか。
★平成25年度から大きな変化があります。
質問:「ロピタルの定理は使ってよいか。」
回答「そのまま使ってOKです。」
2.名古屋市立大学 能登原 盛弘 先生
経済学 前期3番はシュミットの直交化法であった。 後期Mコース(数学コース)4番の(2)は完答なし。
芸術・工芸 1番でつまづく。
質問 「例年、薬医が難しく、経済、芸工は易しい問題である。今年は経済・芸工の数学Ⅲが難しかったのではないか。
回答 「数学Ⅲ・Cの弱い学生は、例年フォローしています。
質問 「全コースの最後に「帰納法」がでていますが、意図的にそのようにされたのですか?」
回答 「たまたまです。」
3.三重大学 古関 春隆 先生
★採点は学部ごとに行い、学部ごとで採点基準はことなっています。
1番 (2)の配点を低くしています。(1)の出来が悪くても(2)が出来ることはあるので、(2)のみで満点は取れます。
3番 空間ベクトルは良くできていました。
4-1番 数学Ⅲは易しめの出題。
4-2番 数学Ⅱでは難しく。 変な解答が多くあった。
数Ⅱまでの人と数Ⅲまでのひとの扱い。
難しいめ数Ⅱの人と、易しい数Ⅲまでの人との扱いについて、微積分→絶対値を付けて出題します。
人文の4番は出来が悪かった。
医学部の3番、4番 自力で場合分けを見つけることが難しい。
質問 「出題の配列の意図は?」
回答 「習った学年順にしていますので、はじめに易しい問題を出題するとは限りません。」
4.名古屋工業大学 山本 和弘 先生
入学者の成績がこの10年でどんどん低下している。
受験生の質的低下。
解答の幅が狭くなっている。
分からないにも2パターンある。 1.ここがわからない 2.分からないところが分からない。
前期の1番の誤答についての解説。
★大学の演習(TA)を付けながら行っているがそろそろ限界か?
★大学院レベルがアメリカのそれより下がっていえう。
★「学生の中に「数学的帰納法」が本当に分かっていない」と思われる生徒が多い。
★反復練習が足りないのではないか。
★大学入試の約束事が守られていないのではないか。
5名古屋大学 菱田 俊明 先生
・採点方法、部分点のつけかたについては、お答えできません。
・理系についてお話いたします
・全体的な出来は例年より悪かった。
・2番、3番の1、1番の1は良くできていた。
★合否の分かれ目は1番の2、3番の2、4番の出来
point 1番の2 立式できるかどうかが分かれ目である。
3番の2 2円が共有点を持つ条件 → 整理しきれるかどうかの工夫。
4番 見つけたもので尽くされているかの論証を見る。 (論証力が見たい)
4番については、自由な発想をしてもらうために誘導はやめました。
質問 「小問ごとのレベルが違いすぎてはいないか。また来年以降も同様なレベルの問題を出題されるとすると、われわれの立場で
どこまで踏み込んで教えて良いものなのか、お教え願いたい。」
回答 あまりよく聞き取れませんでした。
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