おれは、土門拳になる。第2章 写真家増浦行仁公式ブログ

写真家<増浦行仁>のオフィシャルブログ。
志を追い続けた増浦が「夢を追う」こととは何かを本音で語る。

母の口癖

2012年03月09日 | 日記--感じたことなど
母は、僕が1歳の時に父と離婚している。それ以来、女手一つで育ててもらった。
母は常々、「手に職をつけなさい」「勉強して高校・大学は出なさい」と小学生の僕に言っていた。

母は、呉服屋を営んでおり、車で営業していた。駐車場と家が500mほど離れていて、その途中に歯科技工士の作業場があった。そこでは毎日、朝から晩まで電気がついていて、休日も無く働いていたように見えた。
「手に職をつけなさい、この技工士さんみたいになりなさい」とその前を通る度、母から言われるのが嫌だった。今でも技工士と聞くとあの時のことを思い浮かべてしまう。

写真家として自分で事務所を経営しているが、やはり山有り谷有りで常に安定しているわけではない。確かに、経済面で自営業はリスクがあるし、サラリーマンや公務員は安定しているように見える。でも、それぞれ向き不向きがあるし、価値観も違うので一概にどちらが良いとは言えないだろ?(誰に聞いてるんだ)
いずれにしても僕は、若い人には、本当にやりたい事を真剣にやって欲しいと思う。自分の命を賭けてもいいと思えるような仕事をして貰いたい。

僕自身、まだまだ道半ばだと思っているが、何より母には写真家として認めて貰いたいのだ。
今の母の口癖は「仕事はどうなの?」だ。