■製作年度:2007年
■監督:園子温
■出演:栗山千明、大杉漣、佐藤めぐみ、他
久しぶりに園子温監督の作品を見ました。ジャンルとしては、ホラー映画という位置づけの作品です。臓器売買の犠牲になった女性の呪いが髪の毛にうつり無限増殖をはかり次々と人を襲うといった風な話。ただ、この「エクステ」は実はホラー映画のテイストをとっていても、ホラー映画とはあまり思えないようないくつかの要素を持っているなあと感じました。むしろ園監督作品では「冷たい熱帯魚」の方がよっぽどホラー映画に思えるのでした。
監督と私は同世代なので「エクステ」のような映画を見ると、まず思い出したのが「ウルトラQ」というテレビ番組です。子供のころ石坂浩二のナレーションで始まるモノクロ映像の怪奇・怪獣番組です。その後の「ウルトラマン」などの怪獣番組へとつながる原点のような作品で、円谷プロにより提供されたテレビ番組に、私は毎週、ゾクゾクしながらテレビの前に座って見ていました。その番組のイメージは強烈で今でもいくつかの、ペギラ、ガラモン、レッドキング、ケムール人など怪獣の名前を言うことができます。同じように園監督もその「ウルトラQ」を見ていたに違いないと思うのです。「エクステ」は大人の「ウルトラQ」に近い、それがまずもっての印象でした。
この映画では幼児虐待のテーマや青春もののような部分も感じさせるところがあり、ホラー映画のテイスト以外の要素を感じるところがあると書いたのですが、特に、幼児虐待については生々しく描かれていました。圧倒的に弱い存在である幼児に暴力を振るうのは許せないし、それを演じた子役も親の役の俳優も迫真の演技だったと言えます。あるいは、ヒロインを演じた栗山千明が、みずみずしい感性で好感が持てました。ただ、あの長い綺麗な髪の毛が今回のエクステと繋がり、妙な気分にもなるのですが。いずれにせよ、あらためて思うのは、園監督は役者の魅力を引き出すのが上手い監督だということ。(ちなみに名作「愛のむきだし」で好演を見せた満島ひかりがチョイ役で出ていました)
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