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飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

鏡花幻想譚への接近#43・・・劇団・花組芝居公演「泉鏡花の夜叉ケ池」

2009-01-20 | 泉鏡花
花組芝居公演「泉鏡花の夜叉ケ池」

■日時:2009年1月17日(土)、18:00~
■劇場:こどもの城・青山円形劇場
■原作:泉鏡花
■構成・演出:加納幸和
■出演:《武蔵屋組》水下きよし、堀越涼、桂憲一、山下禎啓、他

「怪談牡丹燈籠」の公演を観て、でその実力の程を知った劇団「花組芝居」。今回は泉鏡花原作の「夜叉ケ池」の公演を観ました。それは2バージョンの公演があってボクが観たのは「武蔵屋」バージョン。劇場は青山円形劇場で舞台を観客席が取り囲んでいる形、舞台空間と観客が一体化しやすい構造となっています。それが今回ボクにとっては(あくまで個人的にですが)裏目に出てしまっているように感じました。

といのは、確かに公演は円形劇場ゆえ、俳優の息吹を間近で感じることができ、演出もディズニー・アニメかサーカスのような歌え踊れの雰囲気で、カーニバル的要素が強く盛り込まれていました。それらによってライブ感覚溢れる舞台でありました。祝祭的であるのは白雪姫を始めとする魑魅魍魎たちは、人にとっては恐ろしくあるものの基本的には愉しく陽気な存在として、それは鏡花の戯曲もそのように書かれているように思えますし、演出もそれを拡大解釈したかのようでした。ただ舞台空間が円形であるためそこは360°開かれており、俳優がボクに背を向けて台詞を言うことがけっこう多くあったのであります。それによって台詞をよく聞き取れなかった部分があったのです。いくら劇場が反響音を計算した設計であるにせよ、俳優の台詞を正面からと背中から聞くのでは大きな違いがありました。細部を聞き漏らしたこと、それが残念なことでありました。

ユニークであったのは、白雪姫が般若のような容貌で角も生えていたところです。以前は人間であったとはいえ、現在は夜叉ケ池の主としてある妖怪なのだから、その姿はなるほどなと感心させられました。

観客を舞台上にあげ劇に参加させる演出も、カーニバル的な雰囲気にマッチしており違和感なく、むしろ花組芝居とファンの家族的関係のようなものも感じられ微笑ましくもありました。(寺山演劇とは雰囲気に違いがありますね)また、公演には日替わりゲストが登場するようになっていたのですが、ボクが観た日は、与十役をTARAKOが、伝吉役を木原実を演じました。が、二人ともよく知りませんでした。他のお客さんは結構受けていたのですが、当方はわからずじまいで…。

全体としては面白く楽しめたのですが、少しばかり陽気にでありすぎたきらいもあったように思います。はしゃぎすぎというか…。「夜叉ケ池」は自然(=妖怪、魑魅魍魎、眷属)の摂理から見た人間の愚かさをテーマとして持っているのであり、それがお祭り騒ぎ的演出で少しぼけてしまっていたように感じました。

花組芝居 2009年1月公演「泉鏡花の夜叉ケ池」
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4 コメント

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那河岸屋組を観てきました! (ぴかちゅう)
2009-02-06 02:08:00
1/20の那河岸屋組を観た時の感想を先ほど書き上げました。私の泉鏡花ワールドのイメージとちょっとずれていたせいかわりと距離感をもった感想になってしまいました。
>「夜叉ケ池」は自然(=妖怪、魑魅魍魎、眷属)の摂理から見た人間の愚かさをテーマとして持っているのであり、それがお祭り騒ぎ的演出で少しぼけてしまっていた......同様な印象を持ちました。泉鏡花はここまでパロディにして欲しくないような気がします。
6月の「盟三五大切」が早くも気になっています。
私もぴかちゅうさんに同感です。 (飾釦)
2009-02-08 08:28:17
花組芝居の「牡丹燈籠」がよかった分、その期待度からするとちょっとはしゃぎすぎが目立った気がしました。あそこまでやるなら、別に泉鏡花を題材に選ばなくてもいいんじゃないのかなとも思いました。最後の洪水へと至る緊張感が薄れてしまうというか。映画なら洪水をそのまま表現できても、舞台はその表現がむずかしい。観客の想像力に負うところ大、頭がハッピーモードからすんなり切り替わらない?
花組芝居の古典ですね (とみ(風知草))
2009-02-09 20:58:56
>飾釦さま
ワタクシも質実剛健、鐘入り後の後シテの武蔵屋組でした。那河岸屋組は若くハンサムな晃、前シテのお姫様拵えの白雪姫だったと聞いています。
どこまではしゃぐのか先が見えないと不安ですよね。お察しします。極彩色のカーニバルという方向性は間違ってはいませんので、オーセンティティ、パロディ、オリジナルのメリハリと観客の期待のタイミングを外さないようにしていただければ…と思いました。
「かぶき座の怪人」が好きなので、その曲で鐘が上がっていって、晃が撞木だけでなく鐘も落下させて欲しかったかも(爆)。
振り返ると (飾釦)
2009-02-09 21:29:22
私の記事にも書いたのですが、大はしゃぎの上、台詞がよく聞こえないところもあって、100%集中できなったことを記憶しております。そんなに鏡花の芝居を観ているわけではないので、なんともいえないのですがどちらかと云うと正攻法の方が好かなと思いました。とみさまの記事にあるパロディの部分は「アイーダ」未見のため展開を知りませんのでわからず残念でした。そのあたりの分析が流石鋭いですね。

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09/01/20 花組芝居「泉鏡花の夜叉ケ池」那河岸屋組 (ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記)
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