■製作年:1971年
■監督:鈴木則文
■出演:池玲子、杉本美樹、賀川雪絵、他
この数年前から、東映ピンキーバイオレンスと呼ばれ注目を集めている?(誰が?)70年代初頭にヤクザ映画との併映で作られた東映のスケ番映画。注目とは勝手にボクが決めてしまっているのですが、少なくともすっかりはまってしまったスケ番映画シリーズの記念すべき第一作がこの映画なのです。
主演はもちろん池玲子と杉本美樹!ただし、メインを勤めるは池玲子で、杉本美樹は完全に脇役に回っていて台詞も少ないです。同期の桜ながら一歩も二歩も先を走っているのが池の方。やっぱり二人並んで見ると池玲子の方が目鼻立ちが派手で年齢不詳の大人っぽさがあるぶん華があるように映っている。ウエストが細く胸もでかい、男心をそそるナイスバディ、セックス・シンボルとしてのアイコンは、彼女の方が映画を見る一般大衆には受け入れやすいということなんでしょうか?冒頭からバッチリ、ファッションもきめて突っ張り睨みをきかした池玲子の立ち姿が映しだされて、思わずボクはカッコイイよ!と。
スケ番映画だからなのでしょうか、女を口説く文句などといった気の利いた台詞などなく、「俺に惚れてんだろ?やらせろよ!」とあまりにストレートすぎる言葉が飛び交うのです。セクハラとかDVとか言われなかった時代の大胆すぎるアプローチ。しかし、スケ番はる池玲子からは「特定の男に従わない」という台詞が。なぜなら、男に惚れるとは男を信じるということで過去にレイプされた経験を持っている彼女は、惚れるとは純粋に男を信じること、でもそれができないと言います。あっけらかんとした空気の中に性的な暴力の問題が実は流れているのが隙間みえてきます。「飼い犬にはならない。私は野良犬。」と凄む池玲子に絡んでくる男どもは最終的に皆死んでしまいます。たとえ肉体は女でヤクザな男に比べ弱くとも、残ったのは意地を貫き通した彼女一人なわけです。
スケ番らが着ているファッション、5年前に見たらダサいと間違いなく感じたと想像しうるものが、今この瞬間に見るとすごくカッコイイと思える。オシャレなのです。特に主役の池玲子は抜群にカッコイイ。主役のため特別なファッションであったのでしょうが。ファッションとは不思議なものです。微妙に時代とともに変化していくし、人の感覚もそれに合わせて変化していくからです。もしかしたら、今こうしてボクが池玲子をカッコイイと思うのは時代を反映しているのかもしれませんね。少なくとも<カッコイイ>と言葉を連発したくなるようなルックスであるのはボクにとっての真実なようです。
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