■製作年:1969/1970年
■監督:ヴェルナー・ヘルツォーク
■出演:ヘルムート・デーリング、ゲルト・ギッケル、パウル・グラウアー、他
ヴェルナー・ヘルツォークの映画「小人の饗宴」は、一言でその印象を表すとしたらなんと表現したらいいのだろう。暴動?遊び?階級闘争?イジメ?ゲーム?笑い?悪夢?…。映画は小人達しか登場しません。特権階級らしき中年の男が、被支配階級らしき男を人質にとって大きな屋敷に立て篭もっています。外では、その被支配階級層と思われる小人達が反乱を起こして暴動しているように見えます。ここで見えますと書いたのは、彼等の前提条件が描かれていないので、はたしてそれが本当に暴動なのかがよくわからないのです。
もしかしたら彼等は全員が仲間で当番制かなにかで家の内と外のメンバーを切り分けて膨大な<暴動ごっこ>をしているのかもしれないからです。というのも人質らしき男が常に余裕の表情を見せているというのがどうしても気になってしまうからです。また、外の彼等、小人達の悪ふざけにすぎる一連の行為をどこまで本気のものなのかと思えてしまうからです。度がすぎるといえば度がすぎる、ただどことなくお祭騒ぎとか儀式のように見えなくもないからです。
ヘルツォークはこの映画を何かの象徴として描いたのか?そうでないのか?ハッキリしているのは、こんな映画見たことがないということです。コメントが難しい不思議な映画。寺山修司はこの映画を見ていたのだろうか?見ていたとしたらどんなコメントを出していたのでしょう?私の文章はいつになく疑問符が多くなるばかりです。この疑問符は凄い映画を目の前にした戸惑いなのか?それとも…。
無人の車は円環運動を繰り返して動く。ケタケタと小人の甲高い笑い声が全編に響き渡る。鶏が共食いする。熱帯夜の夜に見るにはあまりにも悪夢のような。
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暴動が始まったら人の感情って
限り無くエスカレートしてしまう・・
だから イギリスも・・
コメントありがとうございます。
集団心理って怖いですね。イギリスの暴動をみていると他国に飛び火しないようにと願うばかりです。