休みの朝は、雨が降らない限り、散歩が日課になっています。日によっていろんなコースを歩きますが、黒松小学校から左に折れ、遊歩道を通って真美沢のヨークベニマルの少し手前のクランクを曲がったところのお屋敷に彼岸花が沢山咲いています。
別名、曼主沙華(まんじゅしゃげ)です。
学名は Lycoris radiata 。リコリスは、ギリシャ神話の海の女神 「Lycoris」の名前から採ったもの。花がとても美しいことからこの名がつけられました。
花のあとで葉が伸びてくるが、冬と春を越して夏近くなると全く消えてしまう。花と葉を同時に見ることはできない。葉のあるときには花はなく花のときには葉がない。 このことから韓国では「サンチョ(相思華)」と呼ぶ。「花は葉を思い、葉は花を思う」という意味から。
「曼珠沙華」(まんじゅしゃげ)。サンスクリット語で天界に咲く花という意味。おめでたい事が起こる兆しに赤い花が天から降ってくる、という仏教の経典によります。
山口百恵さんの『曼珠沙華』という歌を覚えていますか。名曲です。阿木曜子さん作詞のこの歌が「まんじゅしゃげ」ではなく「まんじゅしゃか」でした。サンスクリット語ではmanjusakaと書きます。
お彼岸に咲き、墓地などによく植えられているため、「死人花(しびとばな)」「地獄花(じごくばな)」「幽霊花(ゆうれいばな)」のようなちょっと怖い呼び名もついています。
彼岸花にはアルカロイドという毒があるため、「毒花(どくばな)」「痺れ花(しびればな)」などとも呼ばれています。
「天蓋花(てんがいばな)」「狐の松明(きつねのたいまつ)」「狐のかんざし」「剃刀花(かみそりばな)」など、たくさんの呼び名があります。
「葉見ず花見ず(はみずはなみず)」とも呼ばれています。
「ハッカケババア」なんて呼び名もある。呼び名にそれぞれ理由があります。
ところでお彼岸と言えば、忘れていけない食べ物。おんなじ食べ物なのに、春のお彼岸の時季には牡丹(ぼたん)が咲くから「ぼたもち」、秋のお彼岸の時季には萩(はぎ)が咲くから「おはぎ」って名前に変わるんです。
実際には、夏と冬にも正式な呼び名が存在します。
現代ではほとんど使われていません。
春 牡丹餅
牡丹の花が咲く季節、すなわち春の彼岸に、神仏や先祖への供物とされた小豆餡の様子を、牡丹の花に見立てたことから。
夏 夜船
ぼたもちは餅と作り方が異なるため、音を出さずに作ることができる。隣に住む人には、いつ搗いたのか分からない。そこで、
「搗き知らず」→「着き知らず」
と言葉遊びをして、夜は暗くて船がいつ着いたのかわからないことから。
秋 御萩
小豆餡の様子を秋の彼岸の時期に咲く萩の花に見立てたことから。
冬 北窓
夜船と同じように、
「搗き知らず」→「月知らず」
と言葉遊びをして、月を知らない、つまり月が見えないのは北側の窓だ、ということから。
こしあんがおはぎで、粒あんがぼたもち?
大きいのがぼたもちで、小さいのがおはぎ?
高級なのがおはぎ?
米粒が残っているのがおはぎで、完全に餅になっているのがぼたもち?
実は、おはぎとぼたもちは基本的に同じもの、違うのは食べる時期だけ。
こしあんがおはぎで、粒あんがぼたもち?と思っている人が多いと思います。
秋のお彼岸は、小豆の収穫期で、とれたての柔らかい小豆をあんにすることができます。柔らかい皮も一緒につぶして使うので、つぶあんができます。
春のお彼岸は、冬を越した小豆を使うので、皮は固くなっています。そこで皮を取り除いた小豆を使い、こしあんができます。
よって春のぼたもちはこしあんで、秋のおはぎは粒あんだったのです。しかし、今では保存技術の発達や品種改良により、春でも皮のまま使うことができるため、この理由は意味がなくなってしまいました。
「ぼたもち」「おはぎ」に限らず、季節感や季節の風情を感じられなくなりましたね。
歴史を思い、せめて春のお彼岸にはこしあんのぼたもちを、秋のお彼岸には粒あんのおはぎをいただきたいと思います。
話が飛んで、花で始まり、終りはおはぎでした。
別名、曼主沙華(まんじゅしゃげ)です。
学名は Lycoris radiata 。リコリスは、ギリシャ神話の海の女神 「Lycoris」の名前から採ったもの。花がとても美しいことからこの名がつけられました。
花のあとで葉が伸びてくるが、冬と春を越して夏近くなると全く消えてしまう。花と葉を同時に見ることはできない。葉のあるときには花はなく花のときには葉がない。 このことから韓国では「サンチョ(相思華)」と呼ぶ。「花は葉を思い、葉は花を思う」という意味から。
「曼珠沙華」(まんじゅしゃげ)。サンスクリット語で天界に咲く花という意味。おめでたい事が起こる兆しに赤い花が天から降ってくる、という仏教の経典によります。
山口百恵さんの『曼珠沙華』という歌を覚えていますか。名曲です。阿木曜子さん作詞のこの歌が「まんじゅしゃげ」ではなく「まんじゅしゃか」でした。サンスクリット語ではmanjusakaと書きます。
お彼岸に咲き、墓地などによく植えられているため、「死人花(しびとばな)」「地獄花(じごくばな)」「幽霊花(ゆうれいばな)」のようなちょっと怖い呼び名もついています。
彼岸花にはアルカロイドという毒があるため、「毒花(どくばな)」「痺れ花(しびればな)」などとも呼ばれています。
「天蓋花(てんがいばな)」「狐の松明(きつねのたいまつ)」「狐のかんざし」「剃刀花(かみそりばな)」など、たくさんの呼び名があります。
「葉見ず花見ず(はみずはなみず)」とも呼ばれています。
「ハッカケババア」なんて呼び名もある。呼び名にそれぞれ理由があります。
ところでお彼岸と言えば、忘れていけない食べ物。おんなじ食べ物なのに、春のお彼岸の時季には牡丹(ぼたん)が咲くから「ぼたもち」、秋のお彼岸の時季には萩(はぎ)が咲くから「おはぎ」って名前に変わるんです。
実際には、夏と冬にも正式な呼び名が存在します。
現代ではほとんど使われていません。
春 牡丹餅
牡丹の花が咲く季節、すなわち春の彼岸に、神仏や先祖への供物とされた小豆餡の様子を、牡丹の花に見立てたことから。
夏 夜船
ぼたもちは餅と作り方が異なるため、音を出さずに作ることができる。隣に住む人には、いつ搗いたのか分からない。そこで、
「搗き知らず」→「着き知らず」
と言葉遊びをして、夜は暗くて船がいつ着いたのかわからないことから。
秋 御萩
小豆餡の様子を秋の彼岸の時期に咲く萩の花に見立てたことから。
冬 北窓
夜船と同じように、
「搗き知らず」→「月知らず」
と言葉遊びをして、月を知らない、つまり月が見えないのは北側の窓だ、ということから。
こしあんがおはぎで、粒あんがぼたもち?
大きいのがぼたもちで、小さいのがおはぎ?
高級なのがおはぎ?
米粒が残っているのがおはぎで、完全に餅になっているのがぼたもち?
実は、おはぎとぼたもちは基本的に同じもの、違うのは食べる時期だけ。
こしあんがおはぎで、粒あんがぼたもち?と思っている人が多いと思います。
秋のお彼岸は、小豆の収穫期で、とれたての柔らかい小豆をあんにすることができます。柔らかい皮も一緒につぶして使うので、つぶあんができます。
春のお彼岸は、冬を越した小豆を使うので、皮は固くなっています。そこで皮を取り除いた小豆を使い、こしあんができます。
よって春のぼたもちはこしあんで、秋のおはぎは粒あんだったのです。しかし、今では保存技術の発達や品種改良により、春でも皮のまま使うことができるため、この理由は意味がなくなってしまいました。
「ぼたもち」「おはぎ」に限らず、季節感や季節の風情を感じられなくなりましたね。
歴史を思い、せめて春のお彼岸にはこしあんのぼたもちを、秋のお彼岸には粒あんのおはぎをいただきたいと思います。
話が飛んで、花で始まり、終りはおはぎでした。