まろねふの廊下からの呟き

中年オヂさんの呟き転じて、人生備忘録となる…

運転しやすいマスコンとは・・・1

2016年02月20日 | ひろでん
先日のモハメイドペーパーさまのコメントより、マスコンの癖を語って欲しいとありました。
まぁ、ウチの電車は色んなトコから買ったモノも多いので、その種類は余所に負けないくらいあります(笑)
そこで、アタシが握ったハンドルから、アタシ目線で感じた事を書き留めてみましょう…

まず、軌道線の基本でもある『直接制御器』から。

軌道線の在来車は『KR-8形』で、泰平電機製のコントローラーが主流です。
ノッチ刻みは、力行が直列4段・並列4段の計8段、電気制動ノッチは7段あります。


泰平電機製B-29式KR-8


泰平電機製TD-52式KR-8

泰平電機製のコントローラー(現場ではマルタイとも呼びます…)は、ノッチの刻みがハッキリしており、ノッチ刻みを確実に行える事から乗務員には好かれているコントローラーです。
直接制御方式では、ノッチ刻みを正しく行わないと、所謂“合いノッチ”となり、コント内のフィンガー(接触子)でスパークが発生し、後々ハンドルが回しにくくなる…俗に言う『ノッチが重く』なってしまいます。こうなると、乗務の度に“腕がにがる”んですよねぇ…(汗)

TD-52式はB-29式と比べ、刻みがハッキリしているのですが、それが仇となり逆に回しにくいような感じがしました。
このコントは、900形に多く用いられており、同型の廃車発生品は650形等の三菱製KR-8を置き換えました。


三菱製KR-8

三菱製コントは、ノッチ刻みが軽く大変扱いやすかったのですが、軽いが故に正しくノッチ刻みが出来ないので合いノッチになりやすい欠点がありました。
ただ、これに関しては運転経験の浅い時にそう思うだけであって、経験を積むとハッキリしたノッチ刻みが逆に仇となり、三菱製のあるかないか判らない位の刻みの方が楽に運転できました。
要は体が覚えるんですよねぇ(笑)

三菱製と泰平電機製とのコントの違いは、内部の部品点数が違う事と、ハンドルの長さが異なる点です。泰平電機製のハンドルは長く、逆に三菱製は短いのですが、これは運転士の好き好きでしょうか…
因みに、泰平電機製のコントでも、例外として1905号と1908号の片側のみはハンドルの長さが短くなっております。
1905号のは、廃車となった1154号又は1155号の発生品ではなかったかと記憶します。

アタシが運転士になった頃は、三菱製のコントも多く、戦時中の速度抑制の加工跡が残るモノも複数存在していました。
また、KR-8形以外にも、KR-8A(1157号)や、KR-7(1906号)も存在しましたが、廃車又は残存車も発生品の泰平電機製のコントに交換されてしまいました。


日車製コントローラー

在来車の制御方式で、唯一の間接非自動方式を用いる350形のマスコンです。
この車両の主電動機回路のツナギは永久並列なので、並列7段、制動7段となっています。

このマスコンは、制御回路電圧が100Vと低いので、スパークも発生しにくく大変扱いやすいマスコンで、動免(運転免許)試験の試験車にも指定してあります。
ただ、部品の供給が既に無くなっているので、故障発生時の対応が大変だそうです。



ご存じ、ワンハンドル車の元祖で3500形以降、軌道線では700形、800形、鉄道線では3950形まで使用されました。製造は東洋電機製だそうです。

このハンドルには、左右一体となっており利き腕に合わせて片手運転が出来ます。また、デットマンスイッチが握り部分にあるのも特徴です。
このハンドルのノッチは、3500形を除き、力行3段、制動7段、非常制動1段となっています。
制御方式は各形式で異なるので、その操作方法が微妙に異なりますが、語ると長くなるので今回は割愛させて頂きます。

つづく