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日本政治の行く末(12):石原の責任論/マツチポンプ#3

2014-04-15 | Weblog

**この記事は2012年にイザブログに公開したものですが、この3月でイザブログが終了となり、本ブログに移し変えました。管理人**

2012/10/16 00:29

(Part8: 石原慎太郎の責任論/マツチポンプ#3)

:先月11日、リビアの米大使ら4人が殺害された。イスラム教の預言者ムハンマドを冒涜したとされる短いビデオ映画がネット動画サイトに投稿され、イスラム社会の激しい怒りをかい、米領事館の襲撃にまで発展した。

・ところが、2010年にもこの類の事件が起きている。米フロリダ州の新興教団の牧師が、9.11テロの追悼集会で、イスラム教の聖典コーランの焼却を計画した。計画は事前に予告されていたために、全米に報道され物議を醸すこととなった。

・米マスコミはこぞって牧師を批判し、米世論もこれに追従するなかで、米国務長官クリントンは、「尊重しがたい恥ずべき行為」と強い口調で批判した。さらに、アフガニスタン駐留米軍司令官も、「アフガン駐留米軍部隊ばかりでなく、一般の米国人にまで危害が及ぶ可能性がある」と強く警告した。

・ 聖典コーランを焼却することは、米国では法に触れることではない。しかし焼却計画が実行されれば、イスラム社会の激しい怒りをかい、海外在住の米国人同胞の身に危険が及ぶことは明らかだった。だから、メディア、世論、そして政府が一体となって声をあげ、計画を阻止しようと試みたのである。これが「米国人の良識」だった。

:一方、尖閣購入を宣言した都知事石原の行為は、この牧師の自我自演(マツチポンプ)による国を危うくする愚かな行為と同じだ。だが、その対応は米国社会とは大違いだった。

・端的に言えば、日本人は中国にいる同胞を見捨てたのである。本来、米国メディアのように、日本のメディアも石原の愚かな行為をたたくべきだった。だが、誰もそうしなかった。唯一、批判の声をあげたのが中国大使だ。大使であれば在留邦人の生命を守るのは当然だ。その立場での批判であり警告だった。

・中国の日本人駐在員や特派員からは「丹羽大使よ、よくぞ言ってくれた」という声が圧倒的だったという。そして大使が警告したことが的中し、反日テロが中国全土に勃発した。ところが、大使は更迭されてしまった。これが「日本人の良識」だ。

・東日本大震災での福島原発事故を教訓に、多くの日本人が、原発に無関心だったことを悔いたはずだ。石原の行為に対しても、無関心さが同じことを再現させてしまったようだ。

・中国には約2万社の日系企業が存在し、約10万人の日本人がいる。石原の行為が誘発した反日デモは日系企業の工場や店舗を破壊した。在留邦人の大人や子供たちは身の危険を避けるために外出を避け、自宅にこもり、ひたすら鎮静化するのを待つしかなかった。この間の不安や恐怖は、現地にいて体験したものでないとわからないだろう。

・ 石原は約10万人の日本人同胞の生命を危険にさらしたわけだが、その後もなにくわぬ顔でマスコミに登場しながら、いまだに自分の責任の所在を語ろうとはしない卑怯な男だ。まるで、おもちゃ箱をひっくり返したあと、自分では後片付けできない幼児のようでもある。

・ そもそも、石原は多数の死者をまねいた東日本大震災を「天罰」だと発言した男だ。海外にいる日本人に危機がせまろうとも自分の知ったことではなかった。むしろ、中国人が日系企業を襲撃・破壊する映像が流れることで、日本人の嫌中意識を増幅させる狙いがあったのかもしれない。

:今月12日、ノーベル平和賞がヨーロッパ連合(EU)に贈られた。政治的な意図だとの批判もあるが、60年以上にわたって欧州における平和と和解、それに民主主義と人権の確立に貢献し、国境を越えた統合を成し遂げた功績は評価に値する。

・なかでも、ドイツは、リーマンショック以降、ギリシャに始まりイタリア、スペインに飛び火し、いまだにくすぶり続ける金融危機のなかで、フランスと協力して、救世主的な役割を担っている。

・ ドイツと日本は第二次世界大戦で同盟国として戦い、無条件降伏した。だが、戦後の再出発は両国で大いに異なっている。ドイツはポツダム会議で米・英・仏・ソの4つの占領地区に分割され、独立国家としての存在が一時断絶した。日本は連合軍下におかれたが、幸運にも国家体制は存続することができた。

・ ところがドイツは、国の断絶という重い試練を課せられながら、かつての敵対国と融和をはかることに成功している。戦後67年の歳月が経ったが、いまなお、アジア隣国との間で過去の問題をかかえている日本とはあまりにも対照的だ。

・ドイツでも、過去を悔いて謝罪することには保守層が強く抵抗した。だが、ドイツ国民は「戦後のドイツ政権」と、対外侵略やユダヤ人撲滅をはかった「ナチス・ドイツ政権」との間を線引きして、自分達もナチスの被害者であると定義した。2005年の戦後60周年記念式典で、当時の首相シュレーダーが、「連合国による勝利はドイツに対する勝利ではなく、ドイツのための勝利であった」と演説したことからもうかがいしれる。そして被害者の歴史認識に立って、ホロコーストや侵略を否定せず、過去の罪をきちんと認めている。

:大阪市長橋下徹は、尖閣諸島や竹島の問題に絡み「中国、韓国が何を怒っているのか、しっかり過去の戦争を総括すべきだ。恨みを持たれてもしょうがないこともある」と述べたうえで、「日本人はアジアの歴史をあまりにも知らな過ぎる。今の日本の体たらくが、竹島、尖閣の問題に結び付いている」と強調し、問題解決には過去の歴史の再検証が不可欠との認識を示している。

・また、島根県竹島を巡る日本と韓国の対立について、韓国との共同管理を目指すべきだとの認識のうえで、「韓国の実効支配を武力で変えることはできない。どうやったら日韓の共同管理に持ち込むかという路線にかじをきるべきだ」と述べている。

:2003年に政界を引退した元内閣官房長官野中広務は、中国国営テレビ局「中国中央電子台(CCTV)」の取材の中で、日本政府の尖閣購入による中日関係亀裂に対して、「こんな不幸な事件が起きたのは、まったく日本の人間として恥ずかしい。中国の皆さんに大変申し訳ない」と謝罪した。

・また、現在の民主党政権、そしてかつて所属していた自民党に対して、「国のためにどうするか、国民のためにどうするか」という国家観、そして「そのために周辺国とどのように平和を守っていくか」という大局観を欠いていると批判し、「情けない、悲しい思いです」と嘆いている。

・さらに日本側の歴史認識についても、「長い間戦争で多くの犠牲を残し、今なお傷跡が癒えていないその中国に対して、歴史を知らない若い人たちはそういうことを抜きにしてひとつの対等の国としてやっているんです。それは間違っています」と懸念も示している。

:石原の行為は、日本が隣国との間で互いの歴史認識を十分に議論つくしていないところに、爆弾をおとしたようなものだ。だが爆弾では解決しない。まず、過去を克服するためにドイツにならったらよい。そしてとにかく会話することだ。戦後67年が経つが、決して遅いという言葉はない。そのうえで、日本は「戦中下の政権」と「戦後の政権」との間を線引きしたうえで、早く過去を後景に退かすことだ。これができなければ、アジア諸国との亀裂がますます深まり、日本は孤立するのみだ。

:次の記事が9月25日付朝日新聞の天声人語に掲載されている。

・40年前のきょう、当時の田中角栄首相は北京へ発った。毛沢東主席、周恩来首相と会談をこなし、中国との国交関係を回復したのは9月29日のことだ。歴史的な訪中の前日、田中は東京西郊にある高碕達之助の墓前に参じている

・日中友好の井戸を掘った日本人として、真っ先に名前のあがる人物だ。実業家にして政治家で、周恩来との間に信頼と友情を育み、国交正常化への道をつけた。いま泉下で、角突き合わせる両国を何と見ていよう。

・北京で開催予定だった国交40年の記念式典が事実上中止になった。節目節目に開かれてきたが、取りやめは初めてだ。他の交流事業や催しも相次いで中止、延期になっている。先人が掘り、後続が深めた井戸の水位が、みるみる下がりつつある。

・本紙が両国で行った世論調査で、日本の9割、中国の8割が「日中はうまくいっていない」と答えた。中国での調査は尖閣諸島の国有化前だから、今はさらに悪化していよう。どちらの政府も弱腰批判が痛手になりかねない。

・きょうは中国の文豪、魯迅(ろじん)が生まれた日でもある。魯迅といえば「もともと地上には道はない。歩く人が多くなれば、それが道になるのだ」の一節が名高い。日中の井戸も、戦後の荒野についた道のようなものだ。営々と時をかけて太くなってきた。

・すぐ指をポキポキ鳴らしたがる大国は厄介だが、平和国家は「柳に雪折れなし」の外交で、譲らず、理を説いてほしい。勇ましい声に引きずられると、井戸は涸れて火柱が立つ。

 (続く)

関連サイト 


日本政治の行く末(11):石原の責任論/マツチポンプ#2

2014-04-15 | Weblog

**この記事は2012年にイザブログに公開したものですが、この3月でイザブログが終了となり、本ブログに移し変えました。管理人**

2012/10/11 14:45

(Part7: 石原慎太郎の責任論/マツチポンプ#2)

:この6月、ロンドン五輪の陸上競技男子やり投げ予選で優勝し、初の五輪代表に内定した二十歳の早大生、ディ-ン元気選手。父は英国人、母は日本人だ。その父の祖国での五輪出場に最高の親孝行となった。

・場内での優勝インタビューで、「サンキュー、ダディー(パパ、ありがとう)」と、スタンドに駆けつけた父に向かって叫んだ。何ともほのぼのとした父子愛を感じさせるものだった。それに比べて、石原父子はどうだろうか。

:9月26日の自民党総裁選。5候補が乱立するなか、一回目の投票では過半数の獲得に至らず、上位2人による決選投票となった。その結果、安倍晋三が石破茂を破り、第25代総裁に選出された。

・与党民主が自滅するなかでの総裁選だっただけに、来るべき衆院選で野党自民が第一党に返り咲き、新総裁は首相となる可能性をはらんでいた。

・そのため長老三衆の動きは早かった。最大派閥の影の領袖・森喜朗(町村派42人)、引退後も影響力をもつ重鎮・青木幹雄(額賀派28人)、それに古賀誠(古賀派32人、一部旧谷垣派)は、8月には都内で密談を重ねていたという。

・派閥の重鎮支配を嫌い自分達と距離をおく谷垣禎一総裁に出馬を断念させ、自分達になついている石原伸晃幹事長(山崎派)を「傀儡」候補者として擁立する企てにでた。これが「平成の光秀」の誕生だった。

・9月2日の地方講演で、石原は「谷垣を支えるために政治をやっているのでない」と発言し、谷垣降ろしを宣言する。それまで「谷垣が出馬した場合は支援する」と繰り返し表明していた男が、長老の企てにのせられ谷垣を裏切った。

・今回の自民党総裁選は、国会議員票(198票,棄権1票)と全国47都道府県連ごとに開票された党員・党友投票に基づく地方票(300票)の合計で争われた。

・石原は、長老世代が支持固めした国会議員票96票を獲得し3位につけたが、現地の民意の声に近い党員票は38票にとどまり脱落した。自らを世代交代の担い手とアピールしながら、裏では長老世代に支持を媚びるさもしい行為こそが敗因だ。

・本来は執行部が同じ思いで一体となって、再選に向け現職の総裁を支えるものだが、幹事長という家臣の身分で、主君の総裁に背いた「謀反人」というイメージが定着してしまった。

・かって、父親の石原慎太郎も息子同様だった。国会議員時代には、議員仲間からの人望もなく、「派閥を率いて子分にカネを配る」だけの実力もなかった。ただ、特権意識とプライドだけは強く、誰もこの男を相手にしなくなった。その証拠に、1989年の総裁選の時には息子同様に、立候補に必要な20人の推薦人すら集めることに苦労している。息子が平成の「光秀」なら、当時の党内石原慎太郎の存在は、選挙時の「人寄せパンダ」だった。自分でもそれががまんならなかったので、任期途中で議員を投げだしている。

・26日、記者団から新総裁安倍の誕生を聞かされると、都知事石原は「ノット・マイ・ビジネス(自分には関係ない)」と答えている。だが、その答えと裏柄に、自民総裁選は石原の最大関心ごとであったはずだ。そのへんの真相を動画サイトが暴露している。投稿者は、8月19日に自ら魚釣島上陸を敢行したチャンネル桜の社長水島聡だ。石原のお友達でもある。

・動画内容には触れないが、石原が呼びかけた寄附だが、当初は、民間地権者から尖閣諸島の土地不動産購入の資金集めだった。ところが、地権者が国に売却の意向を示すと、あわてた石原が首相野田と密談すると、船だまり、灯台、電波塔といった施設建設の工事資金に流用する話に変えてしまった。サギ行為だ。たとえ数千円でも寄附したなら、返還を要求すべきだ。要求に応じない場合は、石原を集団で提訴すべきだ。都知事の立場での寄附集めは、尖閣購入計画が都議会の同意を得ていることが条件だ。その同意なくしては、購入の主体は東京都ではなく、石原個人にあるからだ。

・本ブログで、以前、「ポンポン山住民訴訟」を取上げた。京都市がゴルフ場予定地を購入したが、購入額が不当に高く、市に損害を与えたとして、市民団体が提訴し、当時の市長に26億円の返還命令がくだされた事件だ。市長は土地購入に市議会の議決を得ていたにもかかわらず敗訴した。

・    石原の場合は、議決がないままに、尖閣購入計画を進めたものであり、極めて悪質だ。約14億円の寄附金の返還要求ばかりでなく、米国紙の意見広告費、尖閣の調査費用など尖閣購入の名目で出費された税金の弁済もあわせて、石原個人に請求すべきだ。

 (続く)

関連サイト 

Youtubu動画挿入


日本政治の行く末(10):石原の責任論/マツチポンプ#1

2014-04-15 | Weblog

 **この記事は2012年にイザブログに公開したものですが、この3月でイザブログが終了となり、本ブログに移し変えました。管理人**

2012/09/20 04:51

(Part6: 石原慎太郎の責任論/マツチポンプ#1)

 

:中国では「九・一八事変」と呼ばれ、14年間にわたる抗日戦争の起点と位置付けられている1931年の柳条湖事件。この9月18日を前後して、日本政府の沖縄県尖閣諸島の国有化に抗議する反日デモが中国の各地、100都市以上で発生し、一部が暴徒化して日系企業の工場や店舗を破壊した。2005年に元首相小泉純一郎が靖国神社を参拝したことなどを受けた反日デモを上回り、1972年の日中国交正常化以来の最大規模だ。

 

・こうした事態の引き金を引いたのは、都知事石原が「国を危うくする愚か者の行為(パンダ外交)」をしでかしたことにほかならず、ここまで日中関係を険悪化させた全ての責任がこの男にある。まず、石原が、都による尖閣諸島の購入を働きかけなければ、事態がこのような展開を示すことはなかったはずだ。

 

・だが、それでも悪びれずに石原は「これはやっぱりテロ。民度が低い」、「体当たりしたらいいんだ」などと、不貞腐れた発言や態度を繰り返し、日本国民に謝罪して、いさぎよく責任をとることもしない。そしてまた、石原のパンダ外交が、尖閣から竹島に飛び火して、「天皇謝罪要求」の問題まで引き起こす事態を招いたことにも心情的な責めをまったく感じていないようだ。

 

・次の「女性自身」の記事がWEBに掲載されている。日本国民が、この道理を解せない石原に教えてやることだ。天皇陛下自らが「お前の代わり」に、「お前がしでかしたこと」に対して、韓国への謝罪を申し出ていることを。

 

:「天皇陛下「訪韓も謝罪も両国民のためなら」提供女性自身2012年9月19日

 

・「(天皇が)韓国を訪問したいなら、独立運動をして亡くなった方たちを訪ねて、心から謝罪すればいい」

 

・8月14日、韓国の李明博大統領が発したこの暴言により、日本国民の反韓国感情は一気に高まり、その余波は1カ月たったいまでも両国で続いている。日韓関係が冷え込むなか、そのことをいちばん憂慮されていたのが天皇陛下と美智子さまだった。

 

・9月4日、両陛下は御所で、外務省の鶴岡公二総合外交政策局長からご進講を受けられた。局長からのご進講は両陛下が定期的に受けられているものだが、このご進講についてある外務省職員は次のように明かす。

 

・「テーマは中国との尖閣諸島問題、韓国との竹島問題などについてでした。局長は、日本政府の対応についてご説明し、両陛下からもいろいろご質問があったそうです」

 

 

参考:

☆尖閣問題「シナの覇権主義」石原知事、都議会で、

2012年9月19日http://www.asahi.com/politics/update/0919/TKY201209190608.html

・東京都の石原慎太郎知事は19日、都議会9月定例会の所信表明で「シナが尖閣諸島の侵奪をもくろみ、アジアの海を支配下に置こうとしている」と述べ、尖閣諸島をめぐる中国の対応を「覇権主義」と批判した。その上で、国に島の実効支配強化を求めていく考えを改めて示した。議会後、石原知事は記者団に、中国での反日デモについて「あれはやらせ。シナの政府が反体制の矛先を日本に向けて作為的なことをやらせている」と語った。日系スーパーへの略奪行為に対しては「これはやっぱりテロ。民度が低い」と批判した。

 

☆石原都知事「追っ払えばいい」尖閣問題で中国批判、

2012年9月15日

http://www.asahi.com/politics/update/0915/TKY201209150111.html?ref=reca

・東京都の石原知事は14日の定例会見で「気が狂ってんじゃないかと思う。俺の物は俺の物、おまえの物も俺の物という形でやられたらたまったもんじゃない」と中国を批判。「追っ払えばいいんだよ。体当たりしたらいいんだ」とも述べた。自らの言動が日中関係を悪化させているとの指摘に対しては「経済利益を失ったっていい。あの国の属国になることの方が、私はよっぽど嫌だね」と話した。

・これに対し、新右翼団体「一水会」の顧問鈴木邦は、尖閣諸島は最終的には国有化すべきだとの立場だが、石原知事のこれまでの言動には批判的だ。「いま国有化することは、危険な行動をとるよう中国に迫ることと同じだった。ポピュリズムに乗ろうと稚拙に動き、失敗した。安全な場所でナショナリズムをあおるのではなく、中国に乗り込んで談判できる政治家が必要だ」

(続く)

 

関連サイト 

 



日本政治の行く末(9):石原の責任論/住民訴訟リスク

2014-04-15 | Weblog

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2012/09/14 00:22

Part5: 石原慎太郎の責任論/住民訴訟リスク)

:9月11日、東日本大震災の発生から1年半を迎えた。1万8700人余りの死者・行方不明者を出し、現在までに収容できた遺体は1万5802体に上るが、いまだに226体の身元が判明していない。それに約34万人が我が家を失い仮住まいを余儀なくされている避難生活者たちだ。一部の日本人には、大震災の生々しい記憶が薄れ始めているのかもしれない。すくなくとも、「天罰発言」したこの男、都知事石原はそうだろう。

:石原が尖閣購入を宣言した4月以降、都庁内で密かに検証されている住民訴訟があった。日本経済新聞によると、元京都市長、田辺朋之に約26億円の賠償を命じた通称「ポンポン山訴訟」。市が47億円で買い取ったゴルフ場予定地が不当に高額だと認定された事件だ。首長個人への賠償請求額としては過去最高額だった。


・石原は、日刊ゲンダイが指摘したサギまがいの寄附金集めで約14億円を手にした。一方、後発の国も尖閣諸島の購入・国有化に動き出し、地権者に20億円の金額を提示した。そのため、両者の指値争いになった。


・国の提示額20億円に対して、石原は14億円に6億円上乗せて20億円とし、さらに手数料を加えた20億3千万円で地権者と交渉を進めていたという(産経新聞)。ところが、国は石原の交渉額に、さらに2000万円を上乗せして20億5千万円で落札に成功した。


・だが変だ。石原の手持ち金は14億円だった筈だ。交渉に上乗せした6億3千万円はどうやって調達するつもりだったのか。答えは一つだ。議会の同意なしに勝手に都民の貯金箱を開け、6億3千万円を使う算段を企てていたことになる。

・本来、「都が一件当たり2億円以上で2万平方メートル以上の土地購入契約の場合、不動産鑑定、財産価格審議会の了承、そして都議会の議決といった手続きを踏まねばならないこと」そして「自治体の役割が「住民の福祉の増進」であるからして、尖閣取得の費用は都民に必要な支出という論点と結びつかないこと」も、石原は十分に承知していたはずだ。

・4月27日の都の定例会見でも、“尖閣について、最終的には議会の理解を得ないといけないことになるのでは”と質問されると、「しかるべきときに、購入のプロセスが進んで、たとえば仮契約ができるとか、そういう段階で議会に諮ろうと思っている。4定(12月の第4回定例会)くらいになるんじゃないか」とハッキリと答えている。

・だから、すべて承知の上で、地権者に20億3千万円をオファーしたということは、空手形をきったようなものだ。また空手形が議会議決で本物になったとしても、「購入額が不当に高く、都に損害を与えた」ことで、住民訴訟を起こされ敗訴の恐れがあった。

:2002年自治法が改定となり、「損害賠償請求や不当利得返還請求」に関する4号請求と呼ばれる住民訴訟制度が大幅に変更になった。

・以前は、住民が首長を直接訴訟できたが、改正後はできなくなった。

・住民が第1次訴訟(原告住民 vs 被告自治体)で勝訴すると、負けた自治体が住民に代わって、第2次訴訟(原告自治体 vs 被告首長)をおこす仕組みに変更された。そしてこの仕組みのなかで、違法な財務行為に責任を有する首長に対して、損害賠償請求等を請求することを、自治体に「義務」付ける訴えが規定された。

・ところが、第1次の住民訴訟で敗訴し、判決で「違法な公金支出があり、首長に賠償を求めなければならない」と認定された自治体が、判決の確定前に、首長に対して請求権を放棄する議案を議会に提案する自治体が出始めた。その結果、「住民の代表である議会の議決により、請求権は消滅した」として、支出の違法性に踏み込まないまま、住民敗訴が確定しているという。

・自治法は自治体が権利を放棄する場合には議会の同意が必要と定めているためだが、「請求権の放棄」は首長を救済するために、議会の多数派議員と首長との馴れ合い工作だ。さらにいえば、法の盲点をついた「禁じ手」だ。ただ、請求権放棄の有効性は、高裁レベルでも判断が分かれており、「裁量権の範囲の逸脱又はその濫用に当たると認められる」か否かを審議中という。

・おそらく、石原はこの禁じ手を狙ったと思われる。万一、20億3千万円での尖閣購入に成功した場合、寄附14億円を大幅に上回る落札額に対して住民訴訟を起こされたときの対処として、議会での多数派工作による請求権放棄の禁じ手を使うために、過去の最高裁判決事例を都庁内で密かに検証させていたに違いない。

:リスク回避の検討は民間企業であれば当然のことだ。しかし、自治体の首長石原が、議会の議決も得ておらず、勝手に自分で値踏みし、地権者にオファーした行為は極めて悪質だ。さらに、その悪質な行為から想定された住民訴訟をあらかじめ検討しておくなどした、いわば計画的な行為も悪質だ。

:12日、国は沖縄県石垣市の尖閣諸島3島(魚釣島、南小島、北小島)を20億5千万円で購入する売買契約を地権者と交わし、3島を国有化した。そして同日、登記も完了した。これで権利書は国の金庫に納まった。まさに、落ち着くべきところに落ち着いた感がある。今後は海上保安庁が3島の維持・管理にあたるという。

・結局、石原のパンダ外交は何だったのだろうか。新左翼の言葉をかりていえば、この男を「総括」する必要がある。

・石原がパンダ外交を宣言する前の日本と、後の日本を比べてみたら明らかだ。宣言前は領土の問題など持ち上がっておらず、隣国との外交関係も落ち着いていた。それが宣言により険悪化されてしまった。これまで築いてきた関係を僅か、数ヶ月で崩された。こんなパンダ外交に日本の外交がかき乱されていると、アジア諸国ばかりでなく、米国にも飽きられ、お友達がいなくなってしまうだろう。

・そもそも沖縄県の尖閣諸島は、ハワイやグアムのような常夏の島々ではない。一番大きな魚釣島でも、切り立った海岸線に囲まれ面積は僅か3.82平方キロだ。東京都に属し、やはり一般民間人の上陸が禁止されている太平洋上の孤島で、かって旧島民がサトウキビ畑を開墾していた硫黄島や南鳥島のような広くて平坦な土地ではない。それに深海のプレート地殻変動が活発で、年々台湾側に引き寄せられている。だから国境上の島々というだけで、実質的な有効活用がはかれる島々ではない。それを、沖縄県ならまだしも、遠く離れた東京都が、最初は「領土安全を守るため」、次には「非難魚場のため」と理由付けをかえながら、購入に固辞してきたことは異常だ。

:石原は、国が地権者と大筋合意したことを聞かされたとき、「一方的に発表するのは無礼というか卑劣というかペテンだ。」と強く反発し、国をペテン師呼ばわりした。この言葉一つで、この男のすべてが分かるというものだ。

・これまで国有化に消極的だった国が、日本の尖閣領土保全にむけ動き出したことを大いに歓迎すべきだった。そして、首相野田と握手してもよい場面だった。それを、ペテン師呼ばわりし、国は後出しジャンケンしたと、子供のようなことをいって大騒ぎだ。よほどこの男、成長段階での人格形成に問題があったに違いない。一般のサラリーマン生活者のように、他人の下で働いた経験がないため、人間関係の作法である常識が欠落しているようだ。

・ 石原の本来の矛先は、この男が差別用語で呼ぶシナ人だ。そのため、彼らの国境侵犯を米国人にアピールするために、わざわざ米紙に広告をうったはずだ。ところが、石原は首相野田を相手に対立姿勢を強めてきた。

・国の安全保障の問題は、消費税云々の類ではない。例え人気が落ち目の首相であっても、党派を超えて一国の主に協力し、日本国民もまた一丸となって支持すべきものだ。ところが、石原にはそうした理屈が解せず、相手の見境がつかなくなっており、まさに、米紙が元首相鳩山に名づけた、”哀れでますますイカレタ男(increasingly loopy)”だ。

・石原が尖閣購入に失敗したのは、地権者がパンダ外交の危うさに気づいたためだ。メディアは根抵当権が設定された地権者の登記簿を理由に、借金のために一円でも条件のよい国側に売却したと報じているが、70歳の昔気質の地権者が石原を信頼していれば、たとえ14億円でも売ってくれたはずだ。これまでの石原行政をみれば、とても信頼に値しない。

・石原行政は、福祉行政などは後回しに、派手な大型プロジェクトに特化したゼネコン・ハコモノ重視の土建屋行政だ。その結果は燦燦たるものだ。過去三期12年間で積み上げた連結負債総額は約17兆円。都民一人当たり約135万円の全国最多の最悪だ。

・ 自らが発案した「臨海副都心開発事業」は、第三セクターの5社業すべてが数千億円規模の負債総額をのこして経営破産。国際貿易センター、東京臨海高速鉄道 東京都地下鉄建設なども追加支援の問題をかかえ、さらに石原が「中小企業金融」を二期目の公約に主導・設立した「新銀行東京」も、巨額の融資が焦げ付きとなり、経営が破綻寸前に追い込まれている。一期目の公約「在日米軍横田基地返還」も、まったく手付かずに放置されたままだ。

・ そしてこうした失敗の隠れ蓑にするため、カジノ構想や東京オリンピック構想、それに今回の尖閣諸島の購入と、色々と花火をぶち上げてはみるが、これまたどれも失敗、失敗の連続だ。これまで、まったくといえるほど何の成果もあげていない。それでもこの男は悪びれることもない。

・そもそも、この男を都知事として存在させておく価値はあるのだろうか。都知事としての資質に対して大いに疑問とするところだ。

・ 9月1&2の両日、石原は調査団(不動産鑑定士、海洋専門家ら25人)を編成し、洋上からの尖閣諸島の調査をおこなった。野生のヤギがいた、流水と洞窟があった、これだけの調査で2500万円の税金を無駄にした。またそれ以前の7月には、広告費1700万円をかけて、尖閣諸島の購入計画に賛同を求めた意見広告を米ウォール・ストリート・ジャーナル紙に掲載した。

・こうした費用は、石原が自分のポケットマネーで清算してはどうか。昔、東京都の首長は住民選挙ではなく官選で選ばれ、国の内務省から派遣されていた。だからまさしく、東京都知事は国の君主に仕える身分だ。その証拠に、いまなお、都知事の給与は国務大臣並だ。一期4年の総収入が一億数千万円としても、4期で四倍の約5億円だ。清算するのには十分だ。

・そういえばこの石原、東日本大震災の被災者支援に個人で100億円を寄附したソフトバンク社長孫正義にイチャモンをつけている。寄附は疑問と発言したうえで、商業目的の行為だと揶揄した。では石原自身は寄附したのだろうか。韓国人の俳優ヨン様でも7千500万円もの寄附を東日本の被災地に届けている。

・余談を言えば、孫は、米アップル社の創業者スティーブ・ジョブズのように自分で企業をたちあげ自分で稼いできた生活力のある男だ。

・一方の石原は、作家の仕事では大成ならず、政界に転職して衆・参の国会議員を9期務めたが勤まらず、途中で投げ出して都庁に転職し、都知事を4期務めている。だから一般のサラリー勤労者のように自力で給与を稼いだことがなく、すべて税金にたかって生きてきた人生だ。

・いずれにせよ、石原は「国を危うくする愚か者の行為」をしでかした以上、世間に謝罪し、自らの責任をとって都知事を辞職してはどうだろうか。

:作家赤坂真理の「東京プリズン」が話題を呼んでいるという。米国と日本、敗戦と憲法、天皇の戦争責任という難題を、母親との葛藤などの自分史に重ね合わせて描いた長編小説という。

・その彼女は文豪三島由紀夫の短編「英霊の聲」のなかの一節、「などてすめろぎは人間となりたまいし」に心打たれたという。すなわち、天皇に殉じた英霊たちが、人間宣言を行った天皇をなぜと恨み嘆く言葉だ。

・1970年11月25日、三島は楯の会同志らと共に決起する。そして市ヶ谷自衛隊駐屯地に乗り込み、居合わせた隊員を前にクーデターを促した後、その場で割腹自殺する。

・その様子は、「俺は天皇を英霊たちの恨みから守るために逝く。諸君らはこの世で日本を守ってくれ」と、訴えかけるような最期だ。

・どうだろうか、今回の石原のパンダ外交が、尖閣から竹島に飛び火して、「天皇謝罪要求」の問題まで引き起こす事態に至り、三島はあの世で怒っているだろう。そこで、石原も、三島のように腹を掻っ捌いてお詫びしてはどうだろうか。小心ものの石原にはその度胸はないかもしれないが。では、次の一案はいかがだろうか。

:幕末から明治時代に活躍し近代日本語の祖としても知られる落語家三遊亭圓朝は、多数の落語を新作した。そのなかに、グリム童話集から「死神の名付け親」を翻案した。それが「死神」という演目だ。昨年11月に亡くなった石原の友人立川談志の演目でもあった。

”男は死神に捕まり大量のロウソクが揺らめく洞窟へと案内される。訊くとみんな人間の寿命だという。”
”「じゃあ俺は?」と訊く男に死神は、今にも消えそうなロウソクを指差す。”
”曰く「お前は金に目がくらみ、自分の寿命をご隠居に売り渡したんだ」”
”ロウソクが消えれば寿命も消える。パニックになった男はロウソクを継ぎ足そうとする。”
”が、死神はわざと失敗させる。「消える、消える、アッ!」と叫んで火は消えてしまう。“

:9月は石原の誕生日だ。80の傘寿祝いをこの洞窟で開いてあげてみたらどうか。この男のロウソクをみんなで囲んで、「ハッピー・バースディ」のソングを歌ってお祝いする。そして最後に本人がロウソクに息をふきかけ、「アッ!」といわせる。

(続く)

 

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日本政治の行く末(8):石原の責任論/負担付きの寄附 #2

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2012/09/07 01:18

(Part4: 石原慎太郎の責任論/負担付きの寄附#2)

読売新聞

「どうせ内閣もたない…寄付金譲渡ダメと石原知事」

2012年9月6日20:39  

尖閣諸島(沖縄県石垣市)の購入資金として、東京都が全国から集めた14億6000万円超の寄付金について、政府に譲る意向を示していた石原慎太郎知事は6日、「あれ(政府への譲渡)はダメ。献金した人と約束したので」と発言を翻した。

寄付金は同諸島に船だまりや漁業無線の電波中継基地などを整備する費用に充てるという。出張先の福井県敦賀市内で報道陣の取材に答えた。 

石原知事は5日、政府と地権者が同諸島の売買に合意したことを受け、「(寄付金は)政府が購入するなら即座に政府に渡す」と語っていた。しかし、現政権は石原知事の求める施設整備に消極的なため、この日は「どうせ内閣はもたないし、次の選挙で自民党を中心とする内閣ができる。自民党はあそこ(尖閣諸島)にものを作る意思がある」と語った。新政権に施設整備を働きかけるという。 

参考:

✩「 石原〝尖閣サギ〟証拠発見/尖閣購入カネ集めの危うさ」 

2012/7/11ゲンダイ掲載

http://gendai.net/articles/view/syakai/137562

この一文が「詐欺まがい」の動かぬ証拠<“第2のAIJ”になりかねないぞ。

「乱暴というか拙速というか、粗雑だよな。民主党も支離滅裂。多分、人気稼ぎなんだろうね」  東京都の石原慎太郎知事(79)が仏頂ヅラだ。尖閣諸島の国有化に音無しの構えだった野田内閣が一転、「買う」と言い出したことに猛反発。自分の頭越しに地権者側と交渉を進めたことにも「野田は黙って見ていろ」とカンカンだった。 石原にすれば“オレの手柄を横取りしようとするな”という気持ちだろうが、「手柄」を奪われると、厄介な問題も生じかねない。  都が尖閣購入のために募っている寄付金の存在だ。都は石原の肝いりで4月末に「尖閣諸島寄付金口座」を開設。すでに9万819件、総額13億4146万円(9日現在)もの莫大なカネが寄せられている。 今のところ地権者側は国への売却に難色を示しているが、万が一、都に先駆けて国が尖閣を購入すると、巨額の寄付金が宙に浮いてしまう。返金しようにも、「都の口座に現金を直接、振り込まれるケースも多く、寄付した全員の捕捉は困難」(知事本局・尖閣諸島寄付担当課長)というから、どうしようもない。 担当課長は「知事との信頼に基づいて集めたお金です。あくまで購入に活用することしか考えていません。今後の経緯を見守って下さい」と“最悪の事態”を想定していないかのように振る舞うが、都の寄付金募集サイトにはズルイ一文が盛り込まれている。〈この寄付金は「負担付きの寄付」として受けるものではありません〉一体どんな意味を持つ文言なのか。地方行政に詳しい立正大教授の金子勝氏はこう言った。 「『負担付き寄付』とは、自治体が税金以外のお金を住民から集める場合、特定の目的に使うことを前提に認めたルールです。寄付金を担保するため、地方議会の議決を要する、と地方自治法は定めています。目的を失えば寄付は無効で返還の義務がありますが、逆に『負担付き寄付』でなければお構いなし。寄付金を別の目的に流用しても、法的にはとがめられません。今回の寄付は“オレが集めたカネをどう使おうがオレの勝手だ”と、石原知事に解釈されてしまう恐れがあるのです」 今から流用の布石を打っているなんて、まるで「サギまがい」だ。  尖閣購入が果たせなかった場合、石原は寄付金をどうする気なのか。AIJの浅川社長のように「だますつもりはなかった」と開き直るのか。

✩「尖閣諸島購入に寄付金は疑問」

2012/5/5 朝日新聞声欄若い世代 投稿:大学生高野明日香、神奈川県厚木市21歳

http://livedoor.blogimg.jp/greatprc-you1/imgs/3/c/3c4c4742.jpg

東京都が尖閣諸島の購入に向け、寄付金の受け皿となる専用口座を開設したそうです。違和感を感じたのは私だけでしょうか。今でも多くの方が震災の影響で元の生活に戻れない苦労をなさってます。そんな時に出た石原慎太郎・東京都知事の尖閣諸島購入の発言。そして寄せられた賛同する意見。私は尖閣諸島が日本の領土だと主張することは必要だと思います。そのための石原都知事の行動も、少々大胆ですが必要だと思います。ただ、果たして今、私たちがお金を出してまで購入しなければならないのでしょうか。日本人はどうも、時間が過ぎるとすぐ新しいものに飛びつく傾向があるような気がします。東日本大震災発生直後に多く集められた寄付金ですが、1年以上経った今、寄付をする人は一体どれぐらいいるでしょうか。あまりにも短い周期で移りゆくブームのように、今も続く被災者の苦労すら既に忘れ去られてはいませんか。

(続く) 

 

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日本政治の行く末(7):石原の責任論/負担付きの寄附 #1

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2012/09/03 06:28

(Part3: 石原慎太郎の責任論/負担付きの寄附#1)

NHK-NewsWeb

「政府 尖閣購入で地権者と大筋合意」 9月3日 4時23分

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120903/t10014727271000.html

政府は、沖縄県の尖閣諸島について、より平穏かつ安定的に実効支配していくため、国が20億円余りで買い取ることで、地権者側と大筋で合意したとしており、今月中の島の国有化の実現に向けて、詰めの調整を急ぐことにしています。

沖縄県の尖閣諸島を巡っては、島の購入を検討している東京都が、2日、島の資産価値などを検討するため、周辺の海域に調査船を派遣し、海上から沿岸の地形の調査などを行いました。

政府は、島への上陸は行われず、自制的なものだったとしています。 こうしたなか、政府は、尖閣諸島を平穏かつ安定的に実効支配していく責任は、あくまで国にあるとして、地権者側と交渉を進めてきた結果、国が島を20億5000万円で買い取ることで大筋で合意したとしています。

政府は、今月中に島の国有化を実現したいとしており、今後、契約書作りなど詰めの調整を急ぐことにしています。

東京都の石原知事は、尖閣諸島に漁船が避難する施設の整備などを、国が購入することを認める最低限の条件だとしていますが、政府としては、島を国有化しても、中国側の反発なども考慮して、施設の整備には応じない方針です。

そして、東京都に対し、国有化後の島の管理の在り方などを説明して、理解を得たい考えですが、石原知事が今後、反発を強めることも予想されます。

 (続く)

 

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日本政治の行く末(6):石原の責任論/都の尖閣上陸申請

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2012/09/01 00:48

(Part2:石原慎太郎の責任論/都の尖閣上陸申請)

2012年8月、終戦から数えて67年目の夏。

広島や長崎で開かれた平和祈念式典には、米国の駐日大使ルース夫妻と共に、シカゴ在住の米国人が参列した。このダニエル氏は原爆投下を命じた第33代米国大統領トルーマンの孫だ。彼の息子が、「原爆の子の像」のモデルである被爆少女貞子の物語を、偶然に読んだことがきっかけで、貞子の兄佐々木雅弘氏と親交を持ち、被爆地の訪問を決意したという。

・余命一年といわれながら、折り鶴の数だけ元気になると信じて、鶴を折り続けた貞子は、白血病で12歳の生涯を終える。折り鶴が蘇り、羽根をえて大空に飛び立ち、大海原を渡って、ダニエルの息子に平和の思いを届けたに違いない。

・そうした式典での人々の「平和への祈りと願い」を、粉々に打ち砕いた男がいる。それが都知事石原だ。

・前回、領土の保全は国の仕事であり、「国の尖閣購入手続きは静かに淡々と」、そして「秘密裏に」進行させることが外交の規範であることを指摘した。これに対し、路上のゲリラライブのように突然に尖閣購入宣言(以後、パンダ外交)をした石原は、「国を危うくする愚か者の行為」であると警告した。そして事件は起こるべくして起こった。

・8月15日、香港の活動家らが、「尖閣諸島は中国固有の領土」と抗議し、魚釣島に不法上陸、さらに19日には、都議ら10人の日本人グループまでが猿真似して許可なく上陸するという事件が発生した。そして中国の各都市で大規模な反日デモが行われた。国は政府関係者以外、外国人、日本人の別なく、尖閣上陸を禁じている。

・中国の人民日報は「双方がこれまでに作りあげてきた共通の了解を守らず、対話と協力で対立をコントロールするという正しい道から外れたのはどちらの国か」と指摘したうえで、石原が打ち出した島の購入計画で、トウ小平が尖閣諸島を巡って唱えた「争いは棚上げする」という枠組みが崩れ、事態が悪化したと論評した。

・1972年の日中国交回復以来、尖閣諸島は、北方領土や竹島と違い、日本の国内法が及ぶ「領有の問題は存在しない」現状だった。 総務省が年2450万円の賃料を払って、民間人の地権者から借り上げており、また沖縄県石垣市は固定資産税を徴収しているため、行政が二重に介在するかたちで実効支配していた。

・だから問題は一昨年の中国漁船衝突事件で露呈した「主権領海内での警備の不備」にあった。米国では、9・11テロ事件以後、日本の海上保安庁にあたる米国沿岸警備隊(USCG)の管轄は米国運輸省から新設された国土安全保障省に移され、有事には大統領自らが指揮する組織体制に編成された。日本も米国にならい、海上保安庁の活動の強化に向けた法改正も必要だろう。

・ところが、石原は、日本国内の問題である「警備の不備」を逆手にとって、外交上の問題である「領有権」と結びつけ、「日本にドロボウがはいったら誰が守る」、「国がやらないから東京都がやる」と言い放し、日中関係に「火」をつけたのである。それをまた、石原の広報担当役のような右派紙産経が、ネトウヨを煽るための火種を盛んに流して火勢をあおった。いつものパターンだが、石原のパンダ外交の責任は極めて重い。

英国文壇の大御所サミュエル・ジョンソンは、「愛国心は、ならず者の最後の避難場所である」と名言した。まさに石原のパンダ外交を危惧した言葉である。

・話をもどすが、石原が企てる「都の尖閣諸島購入」は、7月に国が尖閣諸島の国有化方針を発表し、地権者に20億円近い買い取り額を提示したことで、政府と真っ向から対立する局面となってきた。

・国が方針転換し買い取りに動き出したことは、石原の誤算だったに違いない。4月の都の定例会見では、「都の尖閣諸島購入が間違ってると思う日本人がいたら、お目にかかりたい」と大見得をきったあと、記者から「国が買い取りを申し出たら」と質問されると、「おそらく国はそんなこと言ってこないね。」と答えている。しかし、国民にとっては、この誤算は大いに歓迎すべきことである。そもそも、日本国土の安全を守る義務と責任は国にあるからだ。石原は企てをあきらめて、いさぎよく退場すべきだ。それが愛国心というものだ。

・しかし石原は「あくまでも都が先に買い取ってから国に引き渡す。東京がやるから黙って見ていろ。」と逆切れして、国に引き渡す条件として「漁船が停泊できる船だまりの整備と常駐者の配置」を要求し、さらに「(都が島の調査のために)上陸申請を妨害すれば、法的手段も辞さない」と脅しをかけた。だがその脅しも効かず、8月、国は石原が提出した尖閣諸島・魚釣島の上陸許可申請を却下した。

・これに対し石原は、10月の現地調査に自らが参加することを明らかにしたうえで、逮捕されるなら、それで結構と、捨て身だ。さらに「民間人と東京都が商業ベースの取引をするための調査を、政府が何の理由で拒むのか。裁判にかけても聞いてみたい」と政府を強くけん制した。

・気の毒なのは埼玉在住の地権者だ。現存する4人兄弟のなかで、長男・栗原國起が魚釣島、南小島、北小島の3島を所有しており、在日米軍が利用している久場島は妹・栗原和子の所有だ。

・かって、長男は結婚式場「菱屋会館」を運営していたが資金難で撤退し、宗教法人冨士大石寺顕正会に菱屋会館を賃貸するが、強引な勧誘が問題となり、度々、警察沙汰になったという。そのためか、長男はマスコミに登場してこない。65歳の三男の弟・栗原弘行が代弁している。

・地権者側は、当初、「東京都以外には売らない」と断言し、国の方針転換を「選挙を前にしたパフォーマンスではないか」とコメントしていた。ところが、地権者側にも変化がでてきた。

・国は、石原が提出した尖閣上陸許可申請書に、地権者の「同意書」が添付されていなかったことを暴露した。また、上陸許可申請書の扱いについて、地権者に確認したところ、「政府の責任で判断してほしい」という意向だったことも明らかにしている。

・普通の神経の持ち主なら、自分が所有する島をめぐって、日中の外交関係が緊張化していくのは望まないはずだ。それでなくても、過去に警察沙汰に巻き込まれた苦い経験があれば、「厄介ごと」に巻き込まれるのは「ご免こうむりたい」というのが心情だろう。ましてや、石原が騒げば騒ぐほど、国との板ばさみになり心理的な圧迫を受けるのは地権者だ。だから、70歳になる地権者が、石原のパンダ外交に懐疑的になり、嫌気がさしてきても不思議ではない。

・石原は、地権者と直接に会話できず弟を介しているようだが、弟は兄と会話があまりできていないようだ。ただ、弟は建築業界人で、石原はゼネコン・ハコモノ重視の土建屋行政の典型的な男だ。この二人は気が合うようで、物事に慎重な兄を遠ざけ、尖閣諸島の開発を進めているのではと、勘ぐりたくなる。その証拠に、国に引き渡す条件として、「漁船が停泊できる船だまりの整備〈建築土木工事)」を国に要求している。

:そこでだが、地権者は尖閣売却の話を白紙にしてはどうだろうか。厄介者の石原には退場願う。そして過去に祖先の土地が国に強制収用された経緯を忘れて、秘密裏に国有化に協力する。日本の外交が危機に直面しているいま、石原の面子どころの小さな話ではない。

・あるいは地権者自らが、国に尖閣を「寄進」することだ。ただ、これにも裏取引があってもよいわけで、国が地権者のために都内に国有地を用意し、尖閣の島々と等価交換させる。

・世間には奇特な人がいる。長野県軽井沢町の町民は、東日本大震災の被災自治体などに、持ち株を売却して得た現金6億9000万円を寄付している(信濃毎日新聞)。またカナダのノバスコシア州在住の夫が元溶接工の70代老夫婦は、9億円の宝くじに当たり、「もともと金持ちじゃないし、これまでのつましい生活で幸せ」といって、そっくり地元の病院などに寄付している(産経新聞)。

・いずれにしろ、国は今後、難しい局面にぶつかると思うが、尖閣国有化にむけ、毅然とした対応をとることだ。その参考となる人物がアイゼンハワーだ。彼は米ウエスト・ポイント陸軍士官学校出身の共和党第34代米国大統領だ。大戦中はドィツを降伏させたノルマンディ上陸作戦の欧州連合軍最高司令官だった。彼は対日戦に、もはや原子爆弾の使用は不要であることをトルーマンに進言している。また、原爆投下後、被爆地広島に原子力発電所を造る案が米政権内で浮上したときにも反対している。

・彼は優しい人柄に富み人気がある人物だったが、「秩序を乱すもの」には毅然と対応した。特に有名なのが、1950年代、米国公民権運動の最中に起こった南部アーカンソー州での「リトルロック事件」だ。公立校での黒人差別(白人のみ入学許可)を違憲とした米連邦最高裁の判決により、黒人生徒9人がリトルロック・セントラル公立高校に入学を申請し許可されるが、治安を理由に州知事フォーバスは州兵を召集し学校を閉鎖して9人の入学を妨害する手段にでる。これに対し、アイゼンハワーは、知事に事態の収拾を命令するが無視され、陸軍を派遣し、9人の護衛に当たらせた。その結果、知事は引き下がり黒人生徒9人の入学を認めた。このアイゼンハワーの毅然とした対応は、その後の米国における多くの公民権運動を勇気づける結果となった。人口の9割近くが白人で人種差別の強い南部州で、僅か黒人生徒9人を救うためにとったアイゼンハワーの勇気と毅然とした対応が、後々の人権という国益を守る結果となった。

・だから、石原に対しては、10月の現地調査実施で島に上陸した場合には逮捕し手錠をかけ、日本は法治国家であり国内法が尖閣にも及んでいることを教えてやることだ。

:日本に対する米国の外交姿勢は、中国がますます頭角をあらわすにつれ、微妙に変化してきている。米国中国を刺激しないよう配慮するようになってきており、特に、2007年のサブプライムローン金融危機後、落ち込んだ米経済回復には、日本よりも中国の役割の方が大きくなっている。

・米国の前政権ブッシュは、「安保条約は尖閣諸島に適用される」と公言したが、現政権オバマは慎重な言い回しにとどめている。それだけではない。米国中枢の人物の間で、まだごく一部だが、「米国は同盟国に対する核の傘を保証するため自殺行為をするわけはない」、つまり、「他国のために核報復は無い」と明言し始めている。日本に「ビンのふた」作戦を仕組んだキッシンジャーもその一人だ。

・こうした変化が意味することは、日本は石原のパンダ外交に付き合って、隣国との間で築いてきた外交関係を無駄にする余裕はないということだ。この男は平気だ。この9月で80歳の「かげろう」余生だ。でも、将来に時間を残している日本人はこんな男を相手にしないことだ。

:結局、石原が恐れるのは、自身が呼びかけて集めた約14億の寄付金だ。国が尖閣を購入してしまうと宙にういてしまう。だから石原は必死で捨て身にでているのだ。いま石原は国や都民や地権者のためでなく、自分の面子を守るために必死だ。

・地権者そっちのけで、石原一人が尖閣購入につぱしっている感があるが、「東京都の尖閣購入」はいまだ仮定の話だ。だから本来、メディアは「石原の尖閣購入」とすべきである。

地方自治法第1条は自治体の役割を「住民の福祉の増進」とし、国家としての存立に関わる事務は国が担うと規定している。石原の言う「ドロボウの侵入から尖閣諸島をまもる(日本国土を守る)」だけでは正当化できない。このことを認識しておく必要がある。特に寄附者は。

:さて、この厄介者エレファント石原の責任処分をどうしたらよいだろうか。日刊ゲンダイの記事「戦争を避けたいなら石原都知事を引責辞任させよ」が示唆に富んでいるので紹介しておく。その前に、本ブログは新都知事にふさわしい人物を推薦しておく。元官僚で、鳥取県知事及び自冶大臣を勤めた片山善博だ。1999年に知事初当選して以来、「改革派知事」としてその手腕を発揮し、世論調査では80%近い高い支持率を記録し、全国47都道府県の知事で1位であった。しかし2期8年限りでいさぎよく退任した。その理由は「権力が長引くと、組織に弊害も出る」というのが理由だった。

:「戦争を避けたいなら石原都知事を引責辞任させよ」(文:斎藤貴男/2012/8/21) わざわざ竹島に石碑を建てて除幕式に訪れた韓国李明博大統領といい、この極東3カ国は、どこまで愚劣なのだろうか。領土問題というのは、当事者双方にそれなりの理屈があるものだ。ヘタな強硬手段は戦争の引き金になりかねない。まして実効支配している側が先に手を出せば、せっかくの優位を自ら投げ捨て対等の立場に下りてしまうことを意味する。一連の痴態の発端は、石原慎太郎知事による東京都の尖閣購入宣言だった。どだい日本国内の登記簿をいじくったところで、中国側には何の説得材料にもなりっこない。単なる挑発以外の何物でもありはしなかった。 しかも石原は当初、尖閣の主要5島のうち、魚釣島など3島だけを購入の対象とした。残る大正島はもともと国有地だが、久場島は3島同様の個人所有であるのに。理由は明白だ。久場、大正の2島は射爆撃場として米海軍の排他的管理区域なのである。ならば中国側の主張は論外になる理屈だが、当の米国は尖閣の施政権こそ1972年の沖縄返還で日本に戻したものの、主権については「立場を表明しない」としていた。背景には中国台湾への配慮があった。 この問題に詳しい豊下楢彦関西学院大学教授(外交史)によると、しかも当時のニクソン政権には、日中間に領土紛争の火種を残すことで、米軍の沖縄駐留をより正当化させる思惑があったという(「『尖閣購入』問題の陥穽」世界8月号)。石原知事の真意は“固有の領土の死守”などではないと、豊下教授は書いている。あえて〈軍と軍の衝突から「軍事紛争」を生じさせ「米国が踏み込んでこざるを得ない」ような状況をつくりだす〉契機とする気だ、と。 何よりもまず石原を引責辞任させ、しかるのち中韓両国と再度の棚上げか共同開発か、何であれ平和解決に向けた交渉を始める以外の道はない。またぞろ“弱腰”の大合唱が聞こえてきそうだが、ならば問う。口先で凄めば相手は引き下がってくれるのか? 本気で戦争する気があるのか? 石原本人もだが、異常に幼稚なナルシシストをここまでつけ上がらせた東京都民の責任はあまりに大きい。この期に及んで英雄視し続けるのであれば、何があろうと自業自得とわきまえておくことだ。(おわり)

参考:

6月11日、衆院決算行政監視委員会は尖閣諸島の購入方針を問うために、石原を参考人招致した。都の尖閣諸島買い取りに対する政府、閣僚、首長、それにヤフー読者の反応を示す。読売、毎日、英フィナンシャル・タイムズの各紙面から抜粋。

✩読売新聞が124人の全東京都議へアンケート、

「態度保留」がほとんど。賛否を明らかにしたのは20人で、賛成7人(民主4人、無所属3人)、反対は13人(民主1人、共産8人など)だった。最大会派の民主だけでなく知事与党の自民、公明も「賛否は明らかにできない」と及び腰だ。

✩長島昭久首相補佐官、

「国が(尖閣諸島を)購入する、国がきちんと所有するというのが筋だ」とした上で、「中国の海洋進出はものすごい勢いだ。(尖閣諸島が)本当に平穏かつ安定的な状態を保てるかどうか、国としてきちんと考えるべきだ」と語った。

✩神奈川県黒岩祐治知事、

「私には想定できない」と驚きを示しつつ、「領土問題で国家意思を示すことは大事だが、短兵急に突っ込むと大きな紛争に発展しかねない」と指摘。「この時点で応援する気持ちにはならない」と否定的な見解を示した。

✩埼玉県上田清司知事、

「何もジタバタする必要はない。むりやり固定化するようなことをすることの方が、必要以上に紛争状態にあるというふうに思われる」と憂慮。「堂々と実効支配を続け、日本の主張を諸外国にアピールすれば済む」との考えを示した。

✩大阪市橋下徹市長、

「(以前から)聞いていた。普通の政治家では思いつかない。国と国の外交とかいろいろな問題があるだろうが、石原知事しかできない行動だ」と手放しで評価した。

✩長崎県中村法道知事、

「離島について所有権をしっかりさせることには国内的には意義があるだろうが、(尖閣諸島購入構想は)国際的に問題になっている」と指摘。「外交上の大きな課題として取り組んでいく必要がある」として「(国境離島が)無人島化しないよう新たな法整備が必要だ」と国に対策を求めた。

✩丹羽中国駐在特命全権大使(前伊藤忠商事会長)、

6月7日付英フィナンシャル・タイムズ紙とのインタビュー記事の中で、石原都知事の購入計画が実現した場合、「日中関係に極めて深刻な危機をもたらす」と強く批判。そして「(日中関係改善に向けた)数十年にわたる過去の努力が水泡に帰すのを許すことはできない」と強調。さらに、購入計画は法的な問題に直面する可能性があるほか、購入のための事前調査でさえ、外交的には中国側を刺激する恐れがあると懸念を表明した。また日中関係の危機は両国間の経済関係にも影響を及ぼしかねないと警告も発している。

✩元外交官孫崎享、

「石原知事の尖閣購入は、米国の意図どおり」東京都管轄の「在日米軍横田基地の返還」を公約に掲げて都知事に就任しておきながら、その返還を米国からとれず、尖閣に火をつけ政治的利益を計る石原は似非愛国主義者である」とツイッター上で批判した。

http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=266314

✩近藤大介、

「日中国交正常化40周年に水を差す石原発言は許せない」在中国の日本人特派員や日本企業駐在員の間では、「丹羽大使よ、よくぞ言ってくれた!」「日本は末期がんのような状態だと指摘したに過ぎないのに、なぜ非難轟々となるのか理解できない。だがこのような個人的意見は報道できない」と、丹羽大使擁護論が大勢を占め、批判の声はほとんど聞かれない。http://gendai.ismedia.jp/articles/-/32799

✩ 世宗(セジョン)大学保坂祐二教授(独島総合研究所所長)、

「日本のICJ提訴は理にかなっていない」中央日報 

http://japanese.joins.com/article/487/157487.html

✩Yahoo!みんなの政治/石原に関する意見評価、

:「親子とも2政治家である」204件中160件が意見支持、 国会議員時代にたいして成果も出さず、国会議員という同じ土俵では戦えず、弟裕次郎や石原軍団を使い都知事となり、身軽になったとたんに当時の実力者小沢へのうらみ節。まさに犬の遠吠え。息子のあなたもそっくりですよ。知名度の高さを利用してるだけ。親子ともども何か歴史的成果でも残したのか?同じく国会議員時代にたいして成果も出さず地方で偉そうに吠える河村、大村。国会議員にもなってなく、たかが大阪市長で首相にでもなった気で鬼の首をとったようにいきがっている橋下。それを救世主のごとく持ち上げるマスゴミ。少し前に同じようにマスゴミが持ち上げて今や見る影もない舛添や東国原を見れば、一時的ブームに踊らされず、真の実力者は誰なのかしっかりと政治家を見る力を我々国民は身に着けなければならない。(文)投稿者:muroneorikabe

 

 

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日本政治の行く末(5):石原の責任論/尖閣諸島購入宣言

2014-04-15 | Weblog

 **この記事は2012年にイザブログに公開したものですが、この3月でイザブログが終了となり、本ブログに移し変えました。管理人**

2012/07/30 23:27

(Part1:石原慎太郎の責任論/尖閣諸島購入宣言)

そのドラマの梗概を手短に説明すると、こうだ。 

:1967年、自民党佐藤政権は「沖縄返還」を公約に掲げ、国内世論はこの問題で沸騰していた。「戦争に負けても外交で勝つ」。彼は、尊敬する元総理吉田茂の言葉を引き、東大の後輩でのちに外務官僚となる谷内正太郎に、沖縄返還で日本外交の力が試されると説く。

彼は親交のあった自民党幹事長福田赳夫を介して、総理佐藤栄作と密会。返還交渉について、「密使」の仕事を依頼される。37歳の年だった。

間近に迫った日米首脳会談で、返還時期のメドだけでもつけたい佐藤。

彼は、「ベトナム戦争の最中に、その前線基地となっている沖縄をアメリカが返すはずがない」と動きの鈍い外務省ルートとは別の突破口を求めていたのだ。

彼は単身ワシントンに向かい、時の民主党ジョンソン大統領の側近、ロストウに働きかけ、「2~3年以内に返還時期のメドを付ける」との合意に成功する。(注:ロストウ、当時51歳、第7代国家安全保障問題担当大統領補佐官、任期‘66-69、ロシア系ユダヤ人、経済学者だが自己理論の実証を企てベトナム参戦を強く大統領に進言した実務家)

しかし1968年の大統領選、反戦運動の激化でジョンソンは不出馬。早期ベトナム撤退を公約に共和党候補ニクソンが勝利し、交渉は振り出しに戻ってしまった。

2年後、後継のニクソン大統領との首脳会談を前に、再び彼は、佐藤から密使の仕事を依頼される。今回は、「外交の達人」と呼ばれたキッシンジャーが相手だ。(注:キッシンジャー、当時47歳、第8代国家安全保障問題担当大統領補佐官、任期‘69–75、ドイツ系ユダヤ人。15歳で一家と共に米国に帰化。夜間高校を卒業後、町工場で働きながら大学に通学。一端軍に入隊後、ハーバード大学に編入復学。唯一、大統領職に就けなかったが、もし米国生まれであれば候補に指名された人物)

ホワイトハウスに乗り込んだ彼は、キッシンジャーと二人で秘密交渉を開始。「核抜き、1972年の返還」と引き替えに、キッシンジャーが突きつけてきたのは、「有事の際の沖縄への核再持ち込み」と「繊維交渉での日本側の譲歩」という二つの密約だった。

ばれたら政権が吹っ飛びかねない「爆弾」であったが、「沖縄を取り戻すためには、やむを得ない代償」と思い定めた彼は、佐藤を説得し続けた。

1969年11月、ついに沖縄返還が決まった日米首脳会談。ホワイトハウスの小部屋で、密かに合意文書が取り交わされる。それは、佐藤、ニクソン、キッシンジャー、そして彼の四人しか知らないものだった。

役目を終えた彼は、佐藤に「私のことはすべて忘れてください」と語り、交渉における自らと密約の存在を封印する。1972年5月15日、沖縄本土復帰する。

:この「密使」なる彼は、京都産業大学法学部教授若泉敬(1930-96)だ。米ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究所に在籍中、政界との人脈を築いたとされる。

沖縄返還後、佐藤がノーベル平和賞受賞の栄誉に浴する影で、若泉は変わらぬ沖縄の基地負担の現実に心身共に疲弊し、やがて自決してしまう。

生前、若泉は著書「他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス」を出版し、返還交渉の裏舞台と密約を告白。また、沖縄県知事大田昌秀宛に「歴史に対して負っている私の重い「結果責任」を取り、国立戦没者墓苑において自裁します」とする遺書も送っていた。

:一方のキッシンジャーもまた、ニクソン大統領の「密使」だった。日本との密約に成功すると、ベトナム撤退への工作に動き出す。そしてニクソンとの二人三脚で、徐々に国務省から大統領府ホワイトハウスに外交権限を集中させていく。

1971年、北ベトナムを支援していた中・ソの関係が悪化。この機を利用して、キッシンジャーはすばやい才覚を発揮して中国を極秘訪問する。そして周恩来内閣と和解の道筋をつける。一方のソ連とは、戦略兵器削減交渉を開始して緊張緩和をはかった。1973年、ベトナム戦争終結の和平協定が調印される。この功績によりキッシンジャーはノーベル平和賞を受賞した。

この両者の外交は、ともに「密使」として、主君に忠義を尽くして自国を愛する「忠君愛国」の外交だ。ただ、外交の達人キッシンジャーとの密約交渉で、外交経験のない国際政治学者若宮は米中和解を優先させるために仕組まれた「ビンのふた」作戦にはまってしまつた。(注:瓶の蓋、日米安全保障条約に基づく在日米軍の駐留が日本の「軍国主義」回帰を抑えており、同盟関係を解消すれば日本は手に負えない行動を取り始めるとした論理に基づく兵法)

:今の日本には東日本大震災の復興、福島原発事故の処理、直下型地震の防災対策等など、問題が山積している。この傷んだ日本にあって、わざわざこの時期に、尖閣諸島の領有権問題(以後、尖閣問題)をとりあげて、騒ぎまくっている厄介者のホワイト・エレフォントがいる。それが「日本政治の行方(4)」で烙印した都知事石原だ。

それは、若泉やキッシンジャーが規範とした「忠君愛国」の振る舞いを欠いているからだ。ここでいう「忠君愛国」とは戦前の軍国主義下での教えではない。一自冶体の首長として、その身分をわきまえ、主君である国に、秘密裏に接触し、黒子としての裏方役に徹する振る舞いだ。さらにいえば、国の安全・保障を憂慮して、国への売却に向けて、地権者の“過去の経緯”を解きほぐすことが使命だった。(注:過去の経緯、石原の話では、地権者は、戦争中、一方的に中島飛行機工場のために膨大な土地を取り上げられ、戦後も膨大な屋敷を区画整理で削られた苦い経験から一切国も政治も信用しないという)

かつて石原は国会議員だったが、この簡単な理屈と道理がわからないようだ。多分、国会ではパンダ外交の役回りしか経験していないからだろう。(注:パンダ外交、過去に石原は、任期途中で国会議員を辞めている。本人は産経新聞(2012/6/4)の中で、「官僚が支配する現今の政治のあるがままにいる政党にうんざりして国会議員を辞めた」と釈明。しかし関係者の説明は違う。「誰もこの男を相手にしなくなったためだ。というのも、実力もないのに特権意識とプライドだけが強く、国会議員仲間の人望がないうえに、派閥を率いて子分にカネを配る力もなかった。それが証拠に1989年の総裁選の時には、立候補に必要な20人の推薦人すら集めることに苦労した。当時の党内での石原の存在は、選挙時の人寄せ「パンダ」だった。自分でもそれががまんならなかったので辞職した」)

本来、毎日新聞の社説にあるように、領土の保全は国の仕事であり、「国の尖閣購入手続きは静かに淡々と」、そして「秘密裏に」に進行させるべきものだった。

ところが、この石原、わざわざ米国くんだりまで出かけていき、4月17日、保守派主催のシンクタンク講演で、「都の尖閣購入」の突撃ラッパを吹いた。まさにタレントのパンダ外交だ。日本の外交の恥を海外に見せびらかしたばかりでなく、国と都が領有権(所有・管理権)争いをしている印象を与えてしまった。

そのうえに、7・27日、広告費1700万円をかけて、米ウォール・ストリート・ジャーナル紙に意見広告を載せた。狙いは、尖閣購入計画に米国民の賛同を求めるためだという。これを読んだら、米国人ばかりか、台湾人や中国人も腹を抱えて笑いころげるだろう。「石原よ、広告を打つ前に、まず国内(国と都)の尖閣紛争を解決させろ」と。

日本のマスコミがなぜ、この男をたたかないのかも不思議だ。このようなケースでは、ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストといった米国の有力紙、いやクリスチャン・サイエンスの宗教紙でも、「国を危うくする愚か者の行動」の見出しで批判するだろう。

もっとも、こうした石原の行動は、これが初めてではない。何かというと子供のように、自国民に毒舌のツバをかける常習犯だ。毒舌を繰り返すのは、都民の目線にたった会話ができないくやしさか、小心の弱虫だからである。自分から人との和をつくれない点では、よく批判する官僚と似ている。

昨年3・14日、石原の「東日本大震災の天罰発言」。海外でもことのほか関心を呼び、ネット版CNNなどのメディアでも大きく報道された。それ以来、海外では名うての「ブーイング」男として有名だ。

✩Tokyo governor apologizes for calling quake divine retribution、Dan Gilgoff, CNN記者、2011/3/15

:領有権の争いは東シナ海の小島嶼に限ったことではない。カナダと国境を接する米国最東北部のメイン州。その沖合いに位置するマチアス・シール島(Machias Seal Island)。広さ16万平方メートル(尖閣3島の8倍ほど)で、口ばしと水かきが真っ赤な海鳥ツノメドリが生育する無人灯台がある岩島だ。その領有権をめぐって、米国とカナダは長年争っている。とくに19世紀、カナダ側二州に住むフランス系カナダ人の多くは、メイン州に出稼ぎしており、同州人口の90%を占めるアングロ・サクソンから文化的な差別をうけた歴史がある。

それでも両国は、「暗黙の了解」の上で現状を維持させる姿勢をとっている。それが証拠に、島の無人灯台はカナダ側が維持管理している。

かつて、中国の政治家トウ小平が、日中の領有権問題に触れ、「知恵者が現れ解決されるまで待つ」と発言し棚上げした。

北アイルランド領土問題も、知恵者が現れるまでに一世紀を要した。その間、英統治を望むプロテスタント系と、アイルランドへの帰属を求めるカトリック系の流血対立が続き、多くの人命が奪われた。6・26日、100年ぶりに英国のエリザベス女王がアイルランドを訪問した。女王のいとこも、またフィリップ殿下の叔父もテロで殺害されており、個人的な憎しみを超えた和平訪問だった。

追加:

マチアス・シール島の領有権に関する米国・カナダの国際司法裁判所(ICJ)提訴

http://en.wikipedia.org/wiki/Machias_Seal_Island

 

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